澪「…不幸」


さわ子『そう…ありとあらゆる不幸がこの世界に蔓延している

     山ほどの苦難、困難、災難……

     誰かが理不尽に傷つき、諦め、そして挫折する…

     そして怪人達… 彼らの存在もまた… 私達を不幸にする』


唯「で、でも それを助けるためにケイオンジャーが」


さわ子『全部を救うことはケイオンジャーの力を持ってしてもできないわ…』


梓「…だから 怪人の力ですか…」


さわ子『そう、その通りよ!! そのために私は怪人の力を手に入れた!!!

     怪人の力!ケイオンジャーの力!! この2つがあれば世界を作り変える事だってきっとできる!!!

     私は 世界を作り変えて この世界の全てを救ってあげるの!!!


     そして私は救世主となる!!!!!』

さわ子『新たな世界! それは 誰もが救世主である私を崇め!私の意のままに動く!!

     そこでは誰も傷つくことも!! 諦める事も!! 挫折することもない!!

     それは完璧な世界!!! それが私の理想の世界!!!!!

     ザ・さわ子ワールドよ!!!!!!』


律「…救世主… 新たなる世界?」


さわ子『そう、魅力的でしょ?』


律「はは、ふざけてる…

  さわちゃん、暴走しすぎだ…」


さわ子『…は?』


律「誰も傷つかない不幸の無い世界? ああ、確かに魅力的かもしれないよ

  でもそんなの… そんなのは間違ってるだろっ!!」

澪「そうだ、間違ってる!そこにあるのはさわ子先生の自分本位で歪んだ理想だけだ!

  だって そこには 皆の…皆の意思が無いじゃないか!!」

紬「ええ、本当に幸せな世界…それは1人1人が自分の意思で考えて

  行動して…協力して… 作り上げていく世界なんじゃないかしら!」

梓「不幸や挫折は…乗り越えていくものです!

  それを誰かに強制的に取り上げられたんじゃあ意味がありません!!」

唯「えっと… と、とにかく さわちゃんは間違ってるよ!!

  傷つかない世界を作るために 皆を傷つけるなんておかしいよ!!」 


さわ子『あなた達にはわからないみたいね、この素晴らしさが…』


梓「先生…どうしてそんな風に考えるように…」

澪「もしかして……軽音部が廃部したことと関係が…」


さわ子 ピクッ

さわ子『廃…部…』



さわ子『 あ な た 達 に は わ か ら な い っ ! ! ! !

      わ か ら な い わ よ っ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !』


唯律紬梓澪「!」


さわ子『あの時!!! 大切な場所を 守れなかった気持ちがっ!!!!!!!

     あの時!!! 誰も 救えなかった気持ちはっ!!!!!!!!!!!』


唯「守れなかった…救えなかった…?」


さわ子『 あなた達にはわからないっ!!!!!

      絶対にわかりあえないっ!!!!! 』


律「さわちゃん…」


さわ子『私はっ!!!今度こそ救ってみせる!!!!

     救えなかったものを救うために世界を変えてみせるっ!!!!!

     それが…それが私の理想の世界っ!!!!

     それでも…私の理想の邪魔をするならもう…

     戦争しかないわ!!!!!!!』   ゴォオオオオオオオオオオオ!!!!!!


唯律紬梓澪「!!」

律「…来るぞっ!皆、準備はいいかっ!?」

紬「だいじょーぶっ! どんとこいですっ!」

梓「私もいけます!やってやるですっ!」

澪「ああ、私だって… 怖がってるばかりじゃない!」

唯「うんっ!!皆 行くよっ!!!」



律「笑顔を届けるキャンディアップル! 放課後レッド!」

澪「爽やかなブルーハワイ! 放課後ブルー!」

紬「甘いハチミツレモネード! 放課後イエロー!」

梓「ちょっぴりビターなチョコレート! 放課後ブラック!」

唯「ストロベリーショートケーキ! 放課後ピンク!」


律「ケイオンジャー! 出動だっ!」

澪紬梓唯「おおっ!!!!」




さわ子『…』    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!


さわ子『…禁断の愛に酔いしれる 鮮血の紅!』     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


さわ子『  デビルクリムゾン  !!!』       ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


さわ子『覚悟しなさいっ!!!ケイオンジャアアアアアアッ!!!!!!』  ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


さわ子 カッ

     ゴゥッ!!!!!!! ゴ
                        ゴ
                     ゴ
律澪紬梓唯「!!!!」         ゴ
                           ゴ
                              ゴ 
澪「くっ… またこの力っ…っ」              ゴ
                                 ゴ
                                    ゴ
紬「この力の正体は… なにっ…」            ゴ
                                        ゴ
  プレッシャー                          ゴ
律「威圧感 だ…」                         ゴ
                                          ゴ
                                              ゴゴ
梓「ぷ、プレッシャー…?!」                         ゴゴ
                                              ゴ
                                               ゴ
律「ああ! さわ子先生の必殺技は 超強力なプレッシャーなんだ!」    ゴ
                                             ゴ
                                                ゴ
唯「なんとっ」                                      ゴ
                                            ゴ
                                              ゴゴゴ
さわ子『ふふふ 正解よ ただの威圧感、それが私の必殺技の正体
                                          ゴゴゴゴゴ
     「蛇に睨まれたカエル」って慣用句は知ってるわよね?
                                           ゴゴゴゴゴゴゴ
     今のあなた達は私から見ればそのカエルなのよ』
                                         ゴゴゴゴゴ
                                                ゴ
律「たった一睨みされただけで体がすくんで動かなくなる…             ゴ
                                              ゴ
  びびって呼吸がうまくできなくて…息ができなくなる…」               ゴ
                                             ゴ
                                         ゴ
律「でもそれがどうしたっ!!!私達は」                   ゴ
                                             ゴ
唯律澪梓紬「ケイオンジャーだっ!!!!」                     ゴ

律「…」 キリッ                                    ゴ
                                          ゴ
澪「…」 ブルブル                                  ゴ
                                         ゴ
紬「…」 キッ                                     ゴ
                                              ゴ
梓「…」 グッ                                        ゴ
                                              ゴ
唯「…」 フンッ
                                               ゴ
                                                  ゴ
さわ子『…私を止めるだなんて言うだけの事はあったみたいね         ゴゴゴゴ
                                                 ゴゴゴゴ
     私のプレッシャーに正面から対峙してまだ立ってるなんて』      ゴゴゴゴゴ
                                                 ゴ
                                                    ゴ
律「まあなっ!!」 グッ                                         ゴ
                                                  ゴ
                                                     ゴ
さわ子『そうね いくら私が 本気じゃなかったと 言っても十分凄いと思うわ』  ゴゴゴゴゴ
                                                     ゴ
                                                    ゴ
澪「なっ…ほ、本気じゃない?」                                   ゴ

                                               ゴゴゴゴゴ
さわ子『私は…あなた達が来るのを… 待っていた                         ゴゴゴゴゴゴ
                                                 ゴゴゴゴ


     お 前 ら が 来 る の を 待 っ て い た ぁ っ ! ! ! ! ! ! ! ! !

     __
     タ ヒ ねえエエエエエエエェェェェェェェェェ
               エエエエエエエエエエエエエエエエエっっっっ!!!!!!!!! 』

ゴォオオオウッ

律澪紬梓唯「!!!!」

ゴォオオオオオオオウッ             オオオオオ

                                  オオオオオオオオオオッ

律「っ…ぁあっ ぐっ」 ググッ
                                  オオオオオオオオオオオオオオオッ
律(さっきより…強烈なプレッシャーっ…)
                                     オオオオオオオオオオオオオオオッ
梓(寒気がするっ…… 心臓が爆発してしまいそうになるっ…)
                                      オオオオオオオオオオオオオッ
紬(正直、この場所にいるのが辛い……っ) 
                                  オオオオオオオオオオオオッ

澪 フラッ                               オオオオオオオオオオオオオオオオオッ

                               オオオオオオオオオオオオオオオッ
唯「! 澪ちゃんっ…」
                                      オオオオオオオオオオオオッ

澪「うっ… あ… ああ…」 ズサッ               オオオオオオオオオオオオオッ

                     リ タ イ ア
さわ子『まずは1人、戦意喪失… 再起不能ね』   オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ

                           オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ
律「澪っ!!!」
                                       オオオオオオオオオオオオッ
澪「……あっ うう…」 ガクガクガクガク
                                      オオオオオオオオオオオオッ
澪(こ…声が上手く出せない……) ブルブルブルブル
                                    オオオオオオオオオオオオッ

さわ子『動けなくても仕方ないわよ、澪ちゃん                 オオオオオオオオオオオオオオッ

     極度の怖がりなあなたが 気絶してない事が凄いくらいよ』  オオオオオオオオオオオオオッ

                                  オオオオオオオオオッ
澪「うっ…あぅ………」 プルプルプル
                                         オオオオオオオオオオッ
澪(う、動けっ…私の体っ!! 動けよっ!!!!) ガクガクガクガク


さわ子『フフハハハハハ

ギュイイイイン シュッ

ザッ

梓「油断大敵です!」

さわ子『!!!!』


律「よしっ、梓が背後を取ったっ!!!」

唯「『スピード』だねっ!!!」


梓「憂の仇っ!! 覚悟してくださいっ!!!」 ぶんっ


 ズ     ン  ッ  ! ! ! !

スカッ


梓「えっ?!」

スタッ

さわ子『どこを狙ってるの?梓ちゃん?』 クスッ

梓「!!!!」

梓(先生が私の背後にっ?!! うそっ!!どうやってっ!?!)


律「お、おい い、今の… 見えたか……?」

紬「さ、さわ子先生が梓ちゃんの背後を取った……?」

唯「そ、そんなの おかしいよ! あずにゃんの『スピード』に追いつけるなんてっ!!」

紬「……梓ちゃんの速さを超えた?」

律「違う…違うんだ さわ子先生は一瞬で… 移動したんだ…」

律(そして… そんな事出来る奴が前に…っ!!)


――

『 違うよ 』

『 チキンが

   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
  追いかける真似事を 止めただけだ  』

――

                   ・ ・ ・ ・ ・
さわ子『後ろを取られる気分はどうかしら あずにゃん?』

ガシッ

梓「っ!! 離し

梓「て… あ、あずにゃん?」

さわ子『そうよ、あずにゃんにゃん』 ニコッ

梓「な、何を言って…」


さわ子 ボソボソ

梓「えっ…」


梓「う あ」

梓「いやあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」 ブンブン


律紬唯「!!」
                リ タ イ ア
さわ子『二人目、 戦意喪失… 再起不能!』


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最終更新:2010年10月15日 22:07