ぶしつ!


川上「……本当に…どうしてキャサリン…あんな力を…求めたのかしら…」

紀美「……」

川上「…クリス?」

紀美「ここに来る途中 堀込先生に会ったから聞いてきたんだけど…」

川上「…」

紀美「どうも…廃部の原因は……怪人絡みだったらしいわ…」

川上「えっ」

紀美「それも…イレギュラーなほどに戦闘能力の高い怪人だったみたい

    そして…当時のケイオンジャー達は手も足も出なかったそうよ」

川上「…な、そんなっ!」



…… 3年前 ……


ドラム「…」 グッタリ

ベース「…」 ボロッ


ヤッテヤルデス『…』 ニヤニヤ

ボーカル「あぁっ……あがっっ!!!」 ギリギリギリ


ヤッテヤルデス『…ヤッテヤルデス』

ギター「くそっ! この毛玉!!離せ!!離せよっ!」

ドカッ ボカッ

ヤッテヤルデス『…』 ニヤリ

ギター「なんで…なんで効かないのよっ!!!!」

ギター「その子は私達のバンドの…大事なボーカルなのっ!!!

    お願いだから離してよぉおっ!!!」


ヤッテヤルデス『ヤッテヤルデス!』 ギシッ

ボーカル「ぐっ……あっ………」 グッタリ

ギター「!!!」


ヤッテヤルデス ぽいっ

ボーカル「…」 ドサッ


ギター「いやあああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」

ヤッテヤルデス『ヤッテヤルデス!』 ジリジリ

ギター「!」

ギター「やだっ!! 来ないでっ!!! 来ないでよぉっ!!!!」


タッタッタッタ…

さわ子「み、みんな…っ!!!!!」

ドラム「…」

ベース「…」

ボーカル「…」

さわ子(う、うそ……皆やられて…)


ギター「せ 先生! た、助けてっ!!!!」

さわ子「わかってる!今、助けるわ!!」

ヤッテヤルデス『ヤッテヤルデス!!!』 バッ!

ギター「!」

ギター「し、触手が…腕に絡んで…」

ヤッテヤルデス『…』 ニヤニヤ

ギター「い、いやっ!!!やめてっ!!!!!!!!」


さわ子(は、早く助けないとっ) ギュイイイイイイイン

 カッ ゴゥッ  ゴゴゴゴゴ
                         ゴゴゴ
さわ子「私の…プレッシャーならっ!」        ゴゴゴゴ

ヤッテヤルデス『…?』           ゴゴゴゴ

さわ子「っ?!! 効いてないっ?!」    ゴゴゴゴ


ヤッテヤルデス『ヤッテヤルデス!』

さわ子「っ!!その子を離しなさいっ!!!」 ダッ

ヤッテヤルデス『…』 サッ

さわ子(!!避けられ…!)


ヤッテヤルデス『ヤッテヤルデス!』 グググッ

ギター「いっっっだぁぁああああっあっあああっ!!!!!!!!!」

さわ子「やめろぉおおおおおおっ!!!!!!」 

ヤッテヤルデス『!!』


川上「そ、それで… その怪人は…その子達は……どうなったの?」

紀美「……怪人はさわ子が頑張って…何とか撃退できたらしいわ…

   その子達の命にも別状は無かった……」

川上「そ、そっか…」

紀美「…でも……その時に… 大怪我をした子が何人かいた…

    その怪人のせいで当時のケイオンジャーが壊滅状態まで追い込まれた事には変わりない」

川上「…」

紀美「特に悪かったのは時期ね…

    その怪人が現れたのは… 丁度…卒業間際の時期だったらしいの」

川上「卒業間際…」

紀美「当時の子達は全員3年で… 卒業すれば廃部になってしまう

    だから……部を存続させるために 彼女達は特別新歓ライブを企画したのよ

    次の年の新歓の時に 昨年度卒業した軽音部のOGとしてライブをさせて貰う…

    ライブを盛り上げて、そこで在校生や新入生を集めて…

    次の世代に軽音部を託して、思い残す事なく巣立っていこうってそんな感じの企画ね…

    卒業間際の時期は そのライブための準備期間だった…」

川上「う、うそ… や、やめてよ… そんな冗談……

    だ、だって… そんな時期に…大怪我なんてしたら」

紀美「……当然、ライブは中止

    その子達は去って…そして軽音部は…」

川上「…………廃部した…」



巨大さわ子『…』


……

ギター「先生、ありがとうございました!」

さわ子「…私は…何も」

ギター「ううん、先生は私達の命の恩人ですよ」

さわ子「……ごめんなさい」

ギター「なんで謝るんですかっ!

     えっと…まあ確かに新歓ライブができないのは残念ですけど…

     ボーカルが声が出せないんじゃあ…仕方ないです…

     それに……私の腕も……こんなで…演奏もできませんから…」 ボロッ

さわ子「……ごめんなさい」

ギター「で、でもまあ! しばらく病院に通えば声も出るようになるし

     私の腕もちゃんと治るってお医者様から言われてますから!大丈夫です!

     皆の怪我が完治したらまた音楽も再開しますからっ!」

さわ子「…」


ギター「さわ子先生!今日までありがとうございましたっ!!

     私達は本日この学校を巣立っていきます!!

     軽音部でさわ子先生から学んだこと、絶対忘れません!

     そして先生と一緒にケイオンジャーとして町を守れたことを誇りに思います!」

さわ子「…ありがとう……卒業…おめでとう…」

ギター「ありがとうございます!

     それでは!またいつか会う日まで」 タッタッタッタ



さわ子「……」



さわ子「……私のせいよ…」



さわ子「私が……あの時……すぐに助けることができなかったから………」



さわ子「私のせいで……あの子達は……この学校で……最後の…ライブが出来なかった……」



さわ子「私に……力が…… 無かったから……」



さわ子「私のせいで…… 軽音部が…… 廃部しちゃった……」



さわ子「私にもっと力があれば……」



さわ子「もっともっと力があればっ!! 皆を救えたかもしれないのにっ…!!

     この場所を守れたかもしれないのにっ…!!!

     力が…力があれば…こんな…こんな事にはならなかったのにっ!!」


さわ子「うわぁあああああっ!!!!!」 ポロ ポロ


さわ子「…」


さわ子「…」 スクッ


さわ子「もっと……もっと力を… ケイオンジャーの力だけじゃ足りない…

     皆を助けるためには…この力だけじゃ足りないっ!!

     私に皆を…救えるだけの力をっ!!!」


さわ子「なんでもいい!ずっとずっと強大な力を手に入れて…

     私がこの世界を変えてみせる!!


     私がこの世界のみんなを救ってみせるっ!!!!!!

……


巨大さわ子『だから…』


             ノ ̄ フ
               /
            「 ̄ ̄ ̄|   |    |   _, ――ュ  
巨大さわ子『    | ̄ ̄ |   |    ─┼─      |
.            |  ̄ ̄.|   |      |        |
  .          / ̄ ̄\   し   . |         ヽ


                   \   ノ   7 7                              
                       |_ヽ ノ.、/     |   _,――ュ    |    ヽ     |                ┃ ┃
                   \   ____    ―┼―     /    -┼― 、  ヽ ―┼―              ┃ ┃
                      |_.|__ |    ─┼─    / ̄ ̄ヽ  |   |    ,.-十ナヽ   十   -ー-、  .┃ ┃
                   /  |__|__|   <メ―      とつノ  |  、 ノ   k___|ノ  )  <レつ   -‐ '  o  o 』



     ━━━┓〃  ━━╋━  ━━╋━  ━━╋━  ━━╋━          ┃ ┃ ┃ ┃
          ┃     ┏┫      ┏┫     ┏┫     ┏┫   ┃ ┃ ┃   ┃ ┃ ┃ ┃
            ┃    ┏┛┃    ┏┛┃    ┏┛┃    ┏┛┃    ┃┃ ┃  ┃ ┃ ┃ ┃
     .━━━┛   ┛  ┛   ┛  ┛   ┛  ┛   ┛  ┛       ┛   0  0  0  0


唯律澪紬梓「!!!!!!!!」

                                      ━━╋━  ━━╋━  ━━╋━         
唯「い、今までで……一番強烈な『プレッシャー』っ!!」      ┏┫     ┏┫     ┏┫   ┃ ┃ ┃  
                                       ┏┛┃    ┏┛┃    ┏┛┃    ┃┃ ┃
澪「くぅ…っ た、立ってるのが…つらいっ…」           ┛  ┛   ┛  ┛   ┛  ┛       ┛

梓「こ、これじゃあ…演奏なんて……」

紬「この『プレッシャー』に勝てなきゃ…私達は……」           ━━╋━  ━━╋━  ━━╋━        
                                            ┏┫     ┏┫     ┏┫   ┃ ┃ ┃ 
律「くそっ……ここまでなのか…?」                      ┏┛┃    ┏┛┃    ┏┛┃    ┃┃ ┃
                                          ┛  ┛   ┛  ┛   ┛  ┛       ┛


      「お~い!!   りっちゃ~ん!!!!」


律「えっ!」


紬「声…? 何処から…」

澪「!! あ、あそこだ 学校の屋上に誰か居る!」

唯「えっ、あ あれは…」

梓「嘘!まさか…」



律「なんでアイツがここにっ?!!」



タッタッタッタッタ

松本「到着!!」

木下「えっと… ここは…」

風子「この先は…学校の屋上よね?」

いちご「そうよ…」

和「ここからなら 唯達が見えるかも…」


ガチャ


屋上!


3年2組「!!!」


信代「…せ、先客?!」

和「…!!」


和「うそっ!! あ、アンタは!!!」




  平沢チキン「りっちゃーん!!!」



唯律澪梓紬和「平沢チキン!?!!」


律「ど、どうしてお前…爆発したんじゃなかったのかっ!!!」


平沢チキン「りっちゃんへの愛の力があればあれくらいの爆発へっちゃらだよ~」


律「いや、その理屈はおかしい……

  つーか、だいたいなんでそこに居るんだよっ!」


平沢チキン「ち、チキンは…りっちゃん達の演奏が聞こえたから居ても立ってもいられなくて…」 モジモジ


律「!」

唯「私達の演奏が…」

澪「聞こえた…?」


純「そうだよ!聞こえてた! それも…この街中にね!」 ニッ

子供E「ケイオンジャー!頑張ってー!」


梓「!! か、カニ怪人まで!!」


かずにゃん「皆あずにゃん達の演奏を聴いて集まってきたんだにゃん!あずにゃんにゃん!」


梓「…」 プイッ


かずにゃん「む、無視は酷いと思うのにゃん………」


唯「…私達の演奏を聴いて…街中から…集まってきた…」

曽我部「ええ、そう… 街中に響き渡るとっても素敵な演奏だった!」

和「!! 曽我部会長!」

曽我部「元、だけどね」 ニコッ


澪「曽我部先輩も…」


佐々木「秋山さん頑張って!!!」

女子E女子F女子G女子H「澪先輩!!!!」


澪「……ファンクラブの…みんな…」



茜「私も皆さんの演奏を聴いて公園から駆けつけてきましたっ!!!!」



澪「三浦さんまで…」


三花「? ウチの制服? あんな子いたっけ?」

瀧「三浦さんだよ、知らない?」

三花「三浦さん?」

佐藤「公園でボランティア活動してる女の子だって、ちょっと有名なんだよ」

三花「へー」


通行人1「ケイオンジャー!!! ケイオンジャー!!!!!」
通行人2「ケイオンジャー!!! ケイオンジャー!!!!!」
通行人3「ケイオンジャー!!! ケイオンジャー!!!!!」


澪「!?!」


ク●ウザー「メス豚どもがピンチと聞いて 思わず魔界から駆けつけてしまったわっ!!!!!!

        べ、別に応援に来たとかそう言うのではない……」 ボソッ



澪「根●さん!」



ドア「ニコッ」


紬「ドアちゃん…」

梓「いや、ちょっと待ってください

  いくらなんでも部室のドアが屋上に駆けつけてくるのはおかしいでしょう」

律「もう この際細かいことはいいだろ~!梓!」

梓「…まあ、そうですね!!」


48
最終更新:2010年10月15日 23:41