路地裏!
紬「……」
ピッピッ、プルルルル、プルルルル
紬「斉藤、最新型のカメラ。急いで!」
プツッ
紬「(これはいいものが見れそうだわ)」
ウフフフフフフフフフフフ………。
澪「ひぃいいいいいいいいいいぃ!!」
律「急にどうした」
平沢家!
梓「…お邪魔します」
唯「あ~ぃ、どんどんお邪魔しちゃって~」
憂「お邪魔するなら帰ってくれてもいいんだよ?」ニコニコ
梓「お邪魔するけど帰らないよ」ニコニコ
憂「あ。コート預かるよ。家の中は暖かいからね」
梓「え?うん」
憂「」シュー!!プシュー!!
梓「……憂、何してるの」
憂「あ、ごめんね。ちょっとにおいがきついからファブリーズかけなきゃって思って」
梓「…………そう」
唯「2人とも玄関で何してるのぉ?」
居間!
憂「お姉ちゃん麦茶でいいー?」
唯「うんー、お願いしやすぅー」
憂「梓ちゃんは?飲む?飲まない?帰る?」
梓「あ、私も麦茶で。帰らない」
憂「ごめん、もう麦茶なくなっちゃった。水でいいよね」
梓「…もうなんでもいいよ」
唯「どしよっかー。ギターはご飯食べてからでいいよね、あずにゃん」
梓「あ…、はい。そうですね、ご飯の前だろうが後だろうがいつでも…」
「(ギターの練習なんて口実…!何とか今日唯先輩との仲を深めてみせる…!)」
唯「あ、そいえばっ、これを見てよあずにゃん!」
梓「たけのこの里…と、きのこの里…ですか?」
唯「うんうん。どっちも美味しいんだけどさぁ~」
梓「は、はぁ、そうですね」
唯「どっちかしか食べれないとしたら、あずにゃんだったらどっちをとる!?」
梓「(どっちかと言ったらたけのこに決まってる…けど)」
「(ここは唯先輩に合わせるのが無難…か)」
憂「お姉ちゃん、きのこに決まってるよぉ。はい麦茶おまちどうさま」
唯「ありがと、ういー。ういはきのこの里好きだもんね~」
紬「たけのこに決まってるわよね」
澪「きのこに決まってるだろ」
律「…なぁ、なんであたしらまでいんの?」
梓「(憂はきのこ憂はきのこ憂はきのこ)」
唯「それであずにゃんはどっちなのかなぁって思ってさぁ」
梓「私はたけのこが良いです」
唯「わ。そうなんだ、あずにゃんはたけのこか~」
憂「(梓ちゃんもしかしてワザと…?)」プルプル
梓「きのことか邪道だと思いますよ。チョコとスナック分けて食べた方が良いレベルです」
憂「……」プルプル
「(それは楽しみ方の一つだよ梓ちゃん…!2度楽しめるこの良さがわからないなんて…!)」
唯「おぉ、言いますなぁ」
梓「なので、私はたけのこの里を頂きますね」
唯「はいどうぞぉー」
澪「梓はたけのこ厨か。これだからチャンピオン派は困る」
紬「憂ちゃんって昔からちょっと好きじゃなかったのよね」
律「パイの実美味いなぁ」ムシャムシャ
夜ご飯!
憂「今日は梓ちゃんもいるから、お鍋にしましたーっ!」
唯「おぉ、美味しそうだね!食べよう食べよう!」
「やっぱり寒い夜にはお鍋に限りますなぁ!」
梓「…そうですね」
唯「ういー、何か手伝うことあるー?」
憂「うぅん、もう大丈夫だよ。座っててー」
梓「(悔しいけど、家事では憂には勝てない…か)」
憂「はい、梓ちゃん」
梓「……え?」
唯「あれ、あずにゃん、フォークで食べるの?」
梓「あ…、いえ…」
憂「あ、ごめんね。梓ちゃんお箸使えたよね」アハハ
梓「………」ギリギリ
……。
唯「ふぃー!白菜おいひぃっ!あつっ、はふっ」
憂「お姉ちゃんよく冷ましてから食べないと…」
梓「あ、憂、お醤油とってもらっていいかな」
憂「ほ、ほらお姉ちゃん、垂れてる垂れてるっ」
梓「(くっ…無視かっ)」
澪「段々憂ちゃんの勢いが半端なくなってきたな」ズルズル
紬「もう単なる嫌がらせになってきたわね」ズズー
律「…おい、もうやめようぜ。人の家覗くなんて犯罪だろこれ」ジュルジュル
紬「な、なんて事を言うのりっちゃん!!これからじゃない!」ズズズ
律「大体なんで唯達は美味そうなの食べてるのにあたしらはカップ麺なんだよ」ジュルジュル
澪「おい、せっかく私が買ってきてやったのに」ジュルジュル
「お湯入れて3つも持ってくるの大変だったんだぞ」
紬「(美味し…)」
……。
唯「ごちそーさまでしたぁ!美味しかったようい~」
梓「ごちそうさま、憂」
憂「お粗末様でしたっ」
唯「さて~、ご飯食べたことだし、そろそろ私の部屋いこっか。あずにゃん」
梓「!は、はいっ」
「(や、やっと唯先輩と2人きりになれる…)」
憂「その前にお姉ちゃんお風呂入ってきたらー?もう準備できてるよ」
「(そんな簡単に2人きりにさせてたまるものですかっ!)」
唯「んー…、お風呂かぁ。じゃああずにゃん一緒にはいろっかぁ?」
梓「!?」
憂「!?」
紬「きたわね!?きたのね!?待望の入浴シーンがっ!!!」ドバドバ
律「ムギ鼻血…。つか風呂まで覗く気じゃないだろうな」
紬「大丈夫よ。聞き耳を立てるだけよ」
律「もうばれたらまじで捕まるぞ。さすがに嫌だぞ」
紬「もう、りっちゃんたら怖がりなんだから♪」
律「いや、怖い。お前らが怖い」
澪「私は律にしか興味ないから安心してくれよ」
律「余計怖いわ」
お風呂場!
梓「(と、突然こんなことになっちゃったけど…)」
唯「ぅうー、さぶさぶっ」ヌギヌギ
梓「(唯先輩の…裸…///)」
唯「寒いから早く体洗って浴槽浸かっちゃおう~?」
梓「(唯先輩の裸体でご飯2杯…いや3杯はいけます…///)」
唯「……あずにゃん?」
憂「………」ゴスッ!!ボスッ!!ドスッ!!
澪「何か聞こえるんだけど、これ何の音だ?」
紬「壁でも殴ってるんじゃない?憂ちゃんが」
律「いや、それはまずい」
……。
唯「ふわふわ時間♪ふわふわ時間♪」ゴシゴシ
梓「(唯先輩可愛いすぎます…。もう私倒れちゃいそうです…)」
唯「ほらあずにゃんおいでー、背中流したげるよ~」
梓「えっ」
「(そ、そんな、唯先輩の裸を拝めただけでも死んでもいいくらいなのに…!)」
唯「遠慮しなさんなってぇっ」
梓「は、はい。それでは…」トテトテ
唯「わ、あずにゃん背中もちっこい~」アハハ
梓「もう…、唯先輩ったら…」テレテレ
澪「あまぁああああああああああああぁいっ」
律「うっせ」
紬「」ドバドバ
……。
唯「あずにゃん気持ちいー?」ゴシゴシ
梓「は、はいとても…」
「(そろそろテッペンに到達しそうなくらいに)」
唯「あははっ、じゃ。流すね~」ジャー
梓「あぶぶっ」
憂「」ドゴッ!!!ボスッ!!!
バゴッ!!
憂「壁に穴あいちゃった」
紬「嫉妬は力になる。嫉妬は壁をも壊す。とはこのことね」
律「初耳」
澪「初耳」
……。
唯「そろそろ浸かろ~」
梓「は、はいっ」
「(あぁ…。唯先輩となら底なし沼に浸かっても平気です…私)」
ザバーンッ!
唯「暖っかいね♪あずにゃんっ」
梓「そうですねっ!」
唯「あずにゃんさー」
梓「は、はい?」
唯「ういのこと嫌い?」
梓「」ドキドキッ!!!
紬「唯ちゃん、核心に迫る…!」
律「唯はあぁ見えて、周りの空気を誰よりも気にしてるからな」
澪「いつもキャラ作ってる感はあるけどな」
律「今の澪はもうちょっとキャラを作るべきだ」
憂「……何か声が聞こえると思ったら」
紬「!!?」
澪「ひっ!!?」
律「(あー、終わった)」
お風呂場!
梓「どうしてそんなこと聞くんですか?」
唯「ん~…」顔パシャパシャ
梓「……」
唯「今日のあずにゃんとうい見てたら何となく…ね」
梓「唯先輩…」
唯「私さ。ういもあずにゃんも好きだよ?」
梓「……」
唯「大好きなんだ。二人とも。だから喧嘩してるのとかみたくないよ」
梓「……はい」
唯「何かあったのなら言ってほしいかなぁ」
梓「……それは…」
唯「私じゃ2人の力になれない?」顔パシャパシャ
梓「…そ、そんなことないです。でも…」
唯「うんー?」
梓「………」
「(あー、もう!!どうにでもなってしまえっ!!)」
梓「私、唯先輩のこと好きなんです!!」
唯「私も好きだよー?」
梓「私の好きと…、唯先輩の好きは、きっと違うと思います」
唯「あずにゃん…?」
梓「付き合ってほしいんです。私と。高校を卒業しても、大学生になっても…」
「社会人になっても働き始めても、ずっとずっと私と一緒にいてほしいんです!!!」
唯「……あずにゃんそれって…」
梓「女同士だなんて、変って思われてしまうかもしれません…。けど私は…」
唯「…あずにゃん…」
梓「ご、ごめんなさい。突然。お先に出ますね」
唯「……うん」
梓「…返事、待ってますから」
……。
憂「もう、こんなことは絶対しないでくださいね?」
紬「ごめんね憂ちゃん…、でも憂ちゃんがきのこ派だなんて…」
憂「殺しますよ」ニコニコ
澪「悪かったよ。反省してる。憂ちゃんは私と同じきのこ厨だから、もうこんなことしないよ」
憂「私がたけのこ厨だったらまたするんですか?殺しますよ」ニコニコ
律「憂ちゃん、なんて言ったらいいか…」
憂「あ、律先輩はいいです。大体わかってますから」
律「そ、そっか…。ごめんな」
紬「……」
澪「なんだこの差」
唯の部屋!
唯「………」
梓「………」
唯「………」
梓「(沈黙……)」
唯「……あずにゃん」
梓「あ!…れ、練習しましょうか!唯先輩っ!楽譜はえっと…!」
唯「……あずにゃん聞いて」
梓「さぁやりましょう!どれがいいかな~っと…!」
唯「……聞いて」
梓「………はい」ショボン
唯「私、あずにゃんと付き合ってもいいよ。恋人として」
梓「…ッ!!唯センパ…!」パアァ
唯「…でもね」
梓「…う?」
唯「…ういと一緒じゃなきゃ嫌なんだ」
「ういは私のことをずっと一番に考えてくれてて…」
梓「……」
唯「たぶん、あずにゃんと同じくらい私を好きでいてくれてる」
「だからね、あずにゃん」
梓「……はい」
唯「あずにゃんと一緒になれても、そこにういがいないなんて私は嫌」
「だからういとも仲良くしてあげてくれるよね?」
梓「……ぅ……」
唯「じゃなきゃ付き合えないっ!離婚っ!」
梓「……唯先輩…」
「(…離婚?)」
唯「私にとっては2人とも大切だから…」
「どっちかを好きになったらどっちかに嫌われるなんて無理だよ」
梓「……」
憂「……おねえちゃぁあん…」ポロポロ
紬「…まさかの憂ちゃん参戦」
澪「結局はみんな覗きが好きだってことだな」
律「もう勝手にしてくれ」
……。
梓「……私、憂も好きになります。」
唯「さっきみたいに嫌がらせされても?」
梓「……気づいてたんですね。唯先輩」
唯「えへへっ、これでも長年ういのお姉さんやってますからぁ」デヘヘ
梓「…何をされても、どんなことをされても憂の事は嫌いになんて…」グスッ
唯「あずにゃんにそれができるかなぁ?」クスクス
梓「それくらい、私は唯先輩のことが好きなんです…!だから…」
ガチャッ!
憂「梓ちゃん…」
梓「……憂…あなた今の聞いてたの…?」
憂「……うん」
唯「わかってたようい~」
憂「あはは、私の行動はお姉ちゃんに筒抜けなんだね…」テヘヘ
梓「……あのさ、憂」
憂「ごめんなさい!!梓ちゃんっ!!」
梓「憂……」
憂「私、お姉ちゃんが梓ちゃんにとられちゃうと思って…それで…」
「ごめんね、ごめんね…」
梓「私こそ…ごめん」
「でも憂から唯先輩をとるなんてこと初めから考えてなかったよ」
憂「うん…っうん…っ」
唯「ではでは2人とも、これからもまた怠け者の私をお願いしますねぇ」デヘヘ
梓「こちらこそ、よろしくお願いしますっ///」
憂「お願いします…///」
……。
紬「…つい、逃げてきてしまったけど」
律「ま、いい感じにまとまったんじゃねーかな」
澪「!やばい、もう終わりか!?最後に何か言わないと…!」
律「おい。つまらんこと考えるのはやめろ」
紬「澪ちゃんって実は目立ちたがり屋なのよね」うふふ
澪「…あっ!!!」
律「ん?」
澪「たけのこ厨死ね」
終わり。
最終更新:2010年10月20日 23:16