唯「はじめはね、ただ憂のパンツを嗅いでみたくなっただけなんだ」

憂「うん…」

唯「それで、憂がいない隙に憂の部屋からパンツを盗んで」

憂「…」

唯「嗅いでみたら、とってもいい匂いがしたんだ」

憂「お姉ちゃん…」

唯「それに憂の匂いがいっぱいしてさ、私興奮しちゃって」

唯「その時だったかな。はじめてひとりえっちしたのは…」

憂「…」

唯「それからはもうやみつきになっちゃって。何度も靴下や下着をこっそりタンスから抜き取ったよ」

唯「幸せだった、本当に」

唯「…あの頃の私は、きっと夢を見ていたんだね…」

唯「あのままだったらばれなかったのに、でも魔が差しちゃった」

唯「憂はいないときには、憂の部屋でひとりえっちすることもあったよ」

憂「あ…そういえば…」

唯「あ、やっぱり気づかれちゃってたかぁ」

憂「うん…たまに変な匂いしてた…」

唯「へへ、なんだか恥ずかしいな」

唯「……もう、失うものなんてないのにね…」

憂「お、お姉ちゃん」

唯「憂は気を使わなくていいよ」

唯「全部、悪いのは私なんだ」

憂「……」

唯「それからは、当然と言ってもいいかも知れないけど、やっぱり脱ぎたてが欲しくなっちゃったんだよね」

唯「憂の脱ぎたてのぱんつ…情け無いけど、こんな今でも考えたら興奮しちゃう」

憂「やめてよぉ…」

唯「ごめんね、でも憂にはもう正直でいたいから」

唯「本音を言えば、今にも憂に襲いかかっちゃいそうだよ」

憂「!」ビクッ

唯「大丈夫、りっちゃんにも止められてるし、私の意志もそんなにやわじゃないよ」

唯「なんとか危ういところで均衡を保ってるよ」

憂「…」

唯「憂がご飯を用意してる時に何度も洗濯機から下着を手に入れたよ」

憂「あ…もしかしてあの時も」

唯「うん、ばれちゃったかとおもってハラハラしたよ」

唯「…で、その下着は新鮮とは言えなかったかもしれないけど、それでも洗濯後のものとは全然違った」

唯「すっごくえっちな気分になっちゃって、その後はまともに憂の顔みられなかったよ」

憂「そっか…」

唯「たまに、なんだか湿ってる時もあってさ、その時は毎回持ち帰ってた」

憂「や、やだ」

唯「そのパンツはいつも以上に憂の匂いがして、それにちょっぴりえっちな匂いもした」

唯「当然、おなにーしたよ」

憂「…」

唯「…最高だった。これまでにないほど体が熱くなって、はじめて絶頂を迎えたよ」

憂「そんなに…」

唯「でもそのパンツはもちろん使い物になんてならなくて、でも捨てられなかったから今も私の部屋に保存してあるよ」

憂「捨ててよ…」

唯「ごめん、できないや」

唯「…人間の欲ってものは、とどまることを知らなくて」

唯「最終的には、私は憂を求めた」

唯「もちろんそんなことしちゃいけないってわかってたし、するつもりも、勇気もなかった」

唯「なんとかパンツで心を繋いで、それで大丈夫だったんだよ」

唯「…でもね、ある出来事があったんだ」

憂「…なに?」

唯「もう言っちゃうけどね。憂のお友達の純ちゃんにおなにーみられちゃったんだ」

憂「純ちゃんに?」

唯「うん。最近の私はおなにーのとき憂の名前を叫びながら絶頂に達するのが流行りだったから、それでばれちゃった」

憂「わたしの名前…やめてよ…」

唯「だって興奮するんだもん」

憂「…じゃあ、仕方ない…の?」

唯「うん」

唯「見つかったのは昨日」

唯「純ちゃんにはばらさないかわりに条件を出されて、しぶしぶそれを飲むしかなかった」

憂「どんな条件?」

唯「純ちゃんの名誉に関わるから言わないよ」

憂「そう…ってそんなことなんだ…」

唯「うん。一つ言っておくとすれば、今憂の部屋にはカメラが仕掛けてあるよ」

憂「えっ」

唯「大丈夫、仕掛けたのは昨日だから」

憂「えっ…それって純ちゃんが…?」

唯「それは言わない」

憂「そっか…ほとんどばれちゃってるけど…」

唯「うん」

憂「純ちゃん……」

唯「あ、あと憂のパンツ一枚純ちゃんが持ってるよ」

憂「…」

憂「…お姉ちゃんが渡したの?」

唯「うん…って言わないよ」

憂「今言っちゃったよ」

唯「忘れて」

憂「うん…」

唯「それで、今日」

憂「…」ゴクリ

唯「ついに憂の生パンを手に入れなければいけないハメになったんだ」

憂「純ちゃん…」

唯「どうして純ちゃんが出てくるの、忘れてっていったでしょ?」

憂「うん」

唯「決行は昼休み、つまり今だね」

唯「私は憂を呼び出した」

唯「憂からどうやってパンツをもらおうかなんて思いつかなかったけど、なんとか憂が来るまでに考えようと思ったんだ」

憂「何言われてもあげるつもりはないけど…」

唯「うん、それで頭を捻って捻ってぐるぐる回してたんだけど」

憂「お姉ちゃん、頭を捻るっていうのはそういう言い回しだよ」

唯「あ、そうなんだ」

唯「まあいいや。そして考えてるうちにね、だんだんおかしいなって思ってきて」

唯「あたりまえだよね。妹に生のパンツをせがむ姉なんて」

唯「でも真剣に考えたのはその時が初めて。私、ばかだからさ」

憂「…そんなことないよ」

唯「ううん、それでね、やっぱり全部打ち明けよう、って思ったんだ」

唯「正直に、今までやってきたことを…」グゥ

唯「あ、ご飯食べてないからお腹なっちゃった」

憂「ちょっと、信じられない…」

唯「まあまあ」

唯「だから、憂にまっ裸でぶつかろうって思ったんだ!」

唯「あ、でも裸になるのはしてないけどね」

憂「だから言い回し」

唯「へぇ~」

唯「脱がなくてよかったよ」

憂「脱ぐつもりだったの?」

唯「うん。なにより憂に裸を見せるのってなんだか興奮…いやなんでもない」

憂「…」

唯「だからせめてもの誠意として、憂のパンツを被って出迎えた」

憂「誠意…?」

唯「うん」

憂「その、正面からぶつかるためとかじゃなくて…?」

唯「え?だってパンツ被られるの少しは嬉しいとか思わなかった?」

憂「当たり前でしょ!最低だよお姉ちゃん!」

唯「あちゃー…失敗したなぁ」

唯「まあかぶりたいのもあったけどね」

唯「でも、今ちゃんとこうして伝えたよ」

唯「あなたのお姉ちゃんは、変態です…ってね」

憂「知りたくはなかったよ…」

唯「これが現実だよ、辛いだろうけど受け止めて」

憂「うん…」

唯「これからは…」

憂「?」

唯「これからはちゃんとパンツ嗅ぐときは許可もらうし、勝手に持っていかないし」

憂「ちょ、ちょっとまって。まだ続ける気なの?」

唯「えっ、ダメなの?」

憂「あんまりしてほしくないなぁ…」

唯「少しだけだから、我慢してよ」

憂「でも…」

唯「いいでしょ、もう隠し事はしてないんだから」

唯「…さてと」スクッ

憂「これから、どうするの?」

唯「うーん……」

唯「帰っちゃう?」

憂「えっ?」

唯「このまま授業を受けられそうにもないし、お腹も空いたし」

唯「さぼっちゃおうよ」

憂「わたしも?」

唯「うん」

憂「怒られちゃうよ」

唯「いーじゃんいーじゃん。私が無理やり連れだしたっていうから」

憂「うーん…」

ギュ

憂「!」

唯「ほら、行こ?」

憂「お、お姉ちゃん」

唯「よーっし、行くぞー!」タタ

憂「ま、まって!」グイッ

唯「あはは、憂しっかりー」

憂「もー…」

唯「ほらほらー!」

憂「……ふふっ」

タタタ



唯「…なんだかこういうのも楽しいね」スタスタ

憂「今日だけだからね?」

唯「うん、わかってるよぉー」

唯「……いろいろごめんね憂」

憂「…今更謝らなくても、いいよ」

唯「えへへ、一応ね。……あ、あと……ありがとねっ!」

憂「っ!」

唯「へへー」ニコ

憂「お、お礼も…いらないよ」

唯「言ったっていいじゃん」

憂「…うん」

唯「……ねぇうい、抱きついてもいーい?」

憂「え…」

唯「いやならいやって言って。そしたらやめるから」

憂「えと…」

唯「いいかな?」

憂「……うん」

唯「やったぁ!ありがとーういー!」ギュウ

憂「うわっ」

唯「んふふー」スリスリ

憂「ちょ、ちょっと…やりすぎ…」

唯「ねぇういー?」

憂「…なあに?」

唯「だーいすき!」

憂「どういう意味で?」

唯「うっ…そこは聞かないで返事だけしてほしかった…」

憂「だって変な意味かもしれないし」

唯「変な意味って…」

唯「そうだよ!私は憂のことそういう目で見てるよ!」

憂「開き直っちゃった…」

唯「憂のせいだもん!」

憂「…ふふ」

唯「あー、笑わないでよお!」

憂「ううん…ねぇお姉ちゃん」

唯「ん?」

憂「…ありがとね、嬉しいよ」


唯「むむっ!それはもしかして…」

憂「あ、そういうことじゃないよ」

唯「なぁんだ…」

憂「…でも」

唯「?」

憂「今後のお姉ちゃん次第かな」

唯「!そ、それは…」

唯「……どういう意味?」

憂「自分で考えてくださーい」

唯「ああっ、そんなぁ」

憂「ふふっ」スタスタ

唯「あっ、まってー!」


……

憂「……♪」

唯「ういー…」ゼーゼー

憂(……かっこいいお姉ちゃんは、どっかに行っちゃったけど)

憂(こんなお姉ちゃんでも、いいかな)

憂(優しくて、正直で、かわいくて、ちょっぴり…いや、結構変態なお姉ちゃん)

憂(そんなお姉ちゃんでも、私は……)ピタ

唯「うい?」

憂(私は……)

唯「うい…っむぐ」チュッ

憂「ん…」

唯「…ぷは…え?い、いまの…ええっ!?」

憂「んー?」

唯「うい…え…?」

憂「あ、夕飯の買い物行かなきゃ」タタタ

唯「う、ういっ!?まってよー!」

憂「……えへへっ」


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純「チクショー!」

梓「うわっ!」ビクッ



   ちゃんちゃん。おしまい。



最終更新:2010年10月22日 00:33