和「ねぇ、律?」
律「なんだよ」
和「どうしてそんなに赤い顔をしてるのかしら」
律「ちょっと朝から調子悪くてさ、風邪かな」
和「さらりと嘘つける律も可愛い」
律「嘘じゃねぇし」ゴッホゴッホ
和「なんで急に有名画家の名前を・・・」
律「咳のつもりだったんだけど」
和「いいのよ、高校生だもの。そういう性的な興味は悪いことじゃないわ」
律「フォローすんな」
和「自分に素直になって」
律「自分に素直になったら和を殴ることになると思うけどいいか?」
和「なによ。どうせ律なんてエルティーンの体験談のコーナー顔真っ赤にしながらも恐る恐る読んじゃうくせに」
律「具体的な罵りどうもありがとう」
和「『こいつバカだろwwwうっわwwwねぇよwww』とかバカにしながらもドキドキしながら読んじゃうくせに」
律「ねぇやめて。それ結構図星だから本当にやめて」
和「急にしおらしくなる律も可愛い」
律「へーへーそうですか」
和「どう?そろそろ自分は可愛いんだって、わかってきた?」
律「わかんねぇよ」チラッ
和「あら、どうしたの?」クルッ
和「あら、澪じゃない」
澪「よっ。なぁ律、部活いかないのか?」
律「行く行く、一緒にいk」
和「ごめんなさい、ちょっと話してる最中なの。もうちょっとかかると思うから先に行っててもらえる?」
澪「ん、わかったよ」
律「メガネてめぇこのやろー」
澪「それじゃ、あまり遅くなるなよ?」
律「お、おう」
和「澪も部活頑張ってね」
澪「あぁ、ありがとう。って言ってもただお茶してるだけなんだけどな」アハハ
和「それだけじゃないでしょう?たまに練習してるのもちゃんとわかってるからね」
澪「ははは。・・・それじゃ、またな」テクテク
律「・・・」
和「どうしたの?」
律「お前、まともな会話も出来るんだな」
和「何言ってるのよ。それよりも、幼なじみの存在に犬の如く反応する律可愛い」
律「・・・と思ったけど、私の勘違いだったみたいだな」
和「それ、どういう意味かしら」
律「それ本気で言ってるならムギにいいお医者さん紹介してもらった方がいいと思う」
和「失礼しちゃうわねっ」ムスッ
律「お前のそのリアクションは確実に間違ってるからな、それだけは覚えとけ」
和「そうそう、律がどれだけ可愛いかって話だったわね」
律「もうその話はいいよ」
和「よくないわ。律がわかってくれるまで私は引かない」
律「あー私かわいいなー」ボウヨミッ
和「そんなんじゃ私は納得しない」
律「本当にめんどくさいな、お前」
和「それじゃ、次の可愛いポイント、略してKPだけど」
律「それ、真顔で言ってるけど恥ずかしくないのか?」
和「やっぱりドラムを叩いてる時っていうのは外せないのよね。隊員として」
律「田井中部隊は今日を持って解散とします」
和「それは許されない」
律「ったく・・・それで?ドラムが可愛いってどういうことだよ。かっこいいだろ?」
和「この子自分で自己のことかっこいいって言ったわ・・・」アラヤダ
律「どっちかって言ったらって意味だよ!///」
和「ドラムを叩いてる時の律はね、本当にすごく生き生きとしてるのよ」
律「お、おう///」
和「まぁ素直に喜んで照れる律も可愛いんだけどね」
律「今ので気分が台無しだよ、おい」
和「それでね、シンバルを叩くときに腕を振り上げるでしょう?」
律「あ、あぁ」
和「その時の脇のラインがたまらないのよね」
律「おーい、不審者。不審者がここにいるぞー」ダレカー
和「剃り残しとかないかしらっていつも注目してるのよ?」
律「静かにしろ、もしくはカミソリで手首切って死ね」
和「あと、クラッシュシンバル叩いてからフロアタムに移るとき、ちょっと腕に筋が入るんだけどそこもたまr」
律「もったいない。お前が変態じゃなければドラムの話も普通に出来そうなのにすげぇもったいない」
和「褒めてくれてるの?ありがとう」
律「ときにポジティブシンキングって人をイラつかせるんだな、勉強になったよ」
和「とりあえず、ドラム叩いてるときの律はとても魅力的なの、わかった?」
律「どうしてだろうな?好きなことしてるときの自分を魅力的だって言ってもらえるってすごく嬉しいことのハズなのにな」
和「何が言いたいの?」
律「ここまで言ったんだからわかってくれ」
和「やだ・・・付き合おうだなんて、そんな・・・///」
律「どこをどう解釈したらそうなるのか教えてくれないか?」
和「いいわよ。私次の土曜日空いてるから」
律「聞いてなかった。この人全然人の話聞いてなかった」
和「律、まだわからないの?」
律「悪いけど・・・和の言ってること、全然説得力がない」
和「意味わかんないわ」ハァー・・・
律「なんでお前が呆れてんの!?」
和「それじゃ次の話に移るわね」
律「まだあるのかよ・・・」
和「これは究極なんだけど・・・」
律「あーうんうん」
和「アルティメットなんだけど」
律「いちいち言い直さなくていいから」
和「カチューシャ」
律「あぁ、これ?」
和「それを外したときの破壊力ったらないわ」
律「お前、私がこれ外したところ見たことあるっけ?」
和「何言ってるのよ、学園祭でロミジュリやったときに見たわよ」
律「いや、でもあれはまた違うだろ?」
和「もちろん、あれはあれで可愛かったけど、私が言ってるのは着替え中の話」
律「さらっと着替えを覗いてたってカミングアウトされたときにどういう顔をしたらいいのか私にはわからないな」ハハッ
和「あ、勘違いしないでね。『律はカチューシャ外してるときの方が可愛い』なんて言うつもりは一切ないから」
律「私も着替え覗いたのを許したワケじゃないから勘違いすんなよ、このやろー」
和「えっとね、律はカチューシャをしててもしてなくても可愛いの」
律「そりゃどうも」
和「どっちの方が可愛いって言うつもりはないの。ただ、一粒で二度美味しいの」
律「私ついに粒扱いだよ、人ですらなくなったよ」
和「カチューシャ外した方がいいなんて輩がいたら私の全権力を以てして退学処分にしてやるつもりよ」
律「怖ぇよ」
和「でもね、律ってあまりそれ外さないでしょ?」
律「そりゃ前髪が邪魔だからな」
和「だから、稀少価値がすごく高いの。だから不覚にもキュンときちゃうの」
律「私は一体を1粒とカウントする珍獣か何かか」アァン?
和「珍獣・・・言い得て妙ね・・・!」ニヤッ
律「うるせぇよ」
和「でも、わかったでしょ?律はどこをとっても可愛いの。むしろ可愛い物の集合体、それが律。いえ、むしろカムイ」
律「アイヌ語で神格化しない。っていうか教室に残ってるクラスメートの変なものを見る視線がしんどいからそろそろやめてくれ」
和「まだ納得しない?」
律「しない。そもそも出来る要素があまりない」
和「あまりってことは、全くなかったわけじゃないのね。どこの部分でそう思ったか教えてくれる?」
律「うっさい」
和「なんか、律って私に大して辛口よね・・・」
律「気付いてくれ、その理由に気付いてくれ」
和「でもいいのよ。私は所詮その程度の女」
律「全く、何いじけてんだよ」
和「律・・・?」
律「確かに言われて嬉しかったことがあったのも認めるよ、でも、ほら・・・恥ずかしいだろ?」
和「律可愛い」
律「あー前言撤回だな」
和「ひどいわ」ポロポロ
律「静かに泣くな。・・・大体、可愛いなんて柄じゃないんだよ私は」
和「柄じゃないだなんて、誰がそんなこと言ったの!?退学処分よ!」
律「あー私高3で高校中退かー」アハハ
和「律、それは思い込みよ。律は可愛いの、女の子的にも性的にも」
律「最後の四文字の意味がよくわからなかったんだけどスルーしていいか?」
和「律はね、可愛くてカッコいいの」
律「そ、そうなのか?」
和「そうよ。仲間思いの律はカッコいいし、それでも律は可愛いの」
律「日本語おかしくないか?それ」
和「とにかく、律はカッコ可愛いの、これなら納得出来る?」
律「うっ・・・///でも、可愛いって言われるよりカッコいいって言われた方が受け止めやすい、かな・・・」アハハ
和「はにかむ律は可愛いけどね」
律「さっきからお前のせいで私が素直になれないの自覚してるか?」
和「えぇ」
律「なお悪いわ」
ブブブブブ・・・
和「あれ、ケータイのバイブが・・・」
律「後輩からじゃないのか?こんなに長々と話してて大丈夫か?」
和「ケータイの バ イ ブ が 」チラッ
律「同じことを強調しつつ二度言わなくてもいい」
和「あら、今のは赤面しないのね」ピッ
律「私は中学生男子か」
和「えーと・・・」カチカチ・・・
律「メールか?」
和「えぇ。・・・あ、そっか・・・今日引き継ぎあるの忘れてたわ」カチカチ
律「え!?行かないとまずくないか!?」
和「そうね。ごめんなさいね、律と話していたいのは山々なんだけど、仕事が待ってるの」
律「そのいかにも『私が和をここに足止めしてます』みたいな言い方やめろ」
和「うふふ、そんなに怒らないで?」
律「いや、怒るから」
和「それじゃ、また明日ね」
律「おう。私も部活行ってくる!」
和「そうね、行ってらっしゃい」
律「あぁ」
和「うっわ、今のすごい夫婦っぽくなかった?」
律「殴るぞ」
和「ストレートに罵られるのも悪くない」
律「ばーか」ヨイショッ
律「・・・そんじゃ、また明日な!」タッ
タッタッタッタッ・・・
和「嬉しそうに部活に向かう律も可愛い」
おわり
最終更新:2010年10月23日 03:28