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ん・・・。
やだ、私ったら眠っちゃってたのね。
人様の家でこのままって訳にもいかないし、起きないと・・・。
和「あ、憂・・・」
そういえば憂が私に抱きついたまま寝ちゃって、そのまま私も寝ちゃってたんだったわね。
それにしても寝る時は腕に抱きついてたのに、何で今は私の脚に抱きついてるのかしら?
脚に顔載せられてるの、スカートだし結構恥ずかしいんだけど・・・。
このままだと身動きもとれないし。
和「憂、起きなさい」
憂「んん・・・」
ぐっすり、ね。
何か起こすのも可哀想になってきちゃうわ。
まぁ、とりあえずはこのままでもいいわね・・・。
憂「んぅ」
和「ひゃっ!?」ビクッ
う、憂が寝返り打って私の腿に顔を埋めるみたいな形に!?
憂「んぅ~・・・」
和「ん・・・っ」
憂の唇が私の腿に殆ど密着してるから呼吸するたびに憂の息が・・・。
憂「うぅん・・・」
和「っ!ちょ、ちょっと!憂!?」
憂「和ちゃ~ん、えへへ・・・」
寝言なんかしゃべったら余計に・・・!
というか今ので憂の涎が・・・。
憂「んにゅぅ~・・・」
和「きゃっ!ちょっと・・・!」
憂の涎が私の脚を伝っていっちゃってるわよ!?
憂「んっ、和ちゃんのえっち・・・」
しかもどんな夢見てるのよ!?
憂「んぇー・・・」ペロッ
和「きゃああああ!?」
憂!?貴女本当にどんな夢見てるの!?
人の脚を舐め・・・
憂「んむぅ・・・」ペロペロ
和「ん!ひゃっ!?」
憂「のどかひゃーん・・・」レロ…チュル…
和「やぁ・・・っ!」
あぁもう!私の脚は憂の涎まみれね!
憂「んっ」ゴロン
和「えっ?」
こ、今度は寝返りで私の脚から離れた?
憂「んー・・・」
和「・・・」
とは言っても、まだ私の脚の傍に居ることには変わりないし、そーっと・・・。
やっと抜けられたわ。
和「それにしても・・・」
うわぁ・・・本当に私の脚、憂の涎でべったりね。
それに、あんなに脚を舐められたりしたからちょっと変な気分に・・・。
和「・・・」
憂「んぅ・・・」
えぇーっと・・・、どうしよう・・・。
和「う、憂ー?」
憂「んー・・・」
和「起きないのー?」
憂「・・・」
和「お、起きないと・・・その、」
憂「・・・」
和「い、悪戯しちゃうわよー・・・?なんて・・・」
憂「いいよ」
和「え・・・?・・・えぇっ!?」
憂「のーどかちゃーんっ!」ガバッ
和「きゃあぁぁぁっ!?」
憂「もう和ちゃんったら、こういうことしたいなら最初から言ってくれればいいのに・・・///」スルッ
和「え?ちょっと待って?憂、貴女いつから?」
憂「和ちゃんが起きる前からだよ」
和「えぇっ!?」
憂「だって和ちゃんがあんまり無防備な寝姿を晒してるから。駄目だよ、和ちゃんみたいな可愛い子があんな無防備じゃあ」
和「なっ!?わ、私はそんな可愛いってタイプじゃないでしょ!?それに憂と二人だったからつい安心しちゃって・・・」
憂「だからと言ってあんな姿晒しちゃ駄目!折角今まで我慢してきたのに、我慢できなくなっちゃったじゃない・・・」
和「へ?え?が、我慢?」
憂「私ねー和ちゃんのことずっと好きだったんだから」
和「え・・・えぇ!?ま、待って、え?好きって、え?」
憂「だからー、私は和ちゃんとずっとえっちなこととかしたいなーって思ってたんだよ」
和「う、憂が、私と・・・?」
憂「うん、だけど関係壊れるのとかが嫌で我慢してたんだよね。でも、もう我慢できません」
和「え、あの、ちょっと・・・?」
憂「大丈夫、私無しじゃ居られないようにしてあげるから!」
和「それ全然大丈夫じゃないわよね!?待って、憂!私の返事を聞いてからでも遅くはないでしょ!?」
憂「・・・やだ」
和「何で!?」
憂「だって・・・怖いもん。だったら先に既成事実を作っちゃった方が・・・!」
和「大丈夫!大丈夫だから!私も憂のこと好きだから!」
憂「・・・本当?」
和「うん・・・その、最初は驚いたけど・・・あとから考えたら憂に好きって言ってもらえて嬉しかったわ。私も同じ気持ちよ?」
憂「・・・和ちゃん」
和「だから、ね?私もまだちょっと心の準備ができてないし・・・///」
憂「なーんだ、両思いなら尚更問題無しだね!」
和「え!?やっ!ちょっと!だからまだ心の準備が・・・!あ、駄目、だってばぁ・・・///」
憂「ふふふ・・・和ちゃん、大好きだよ」
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紬「いいでしょうこれ!?こういうのもいいでしょう!?普段クールなのにいいようにされて情けない!もう!このへたれ!」
和「何で私はここまで罵倒されなきゃいけないのかしらね?あとあんまり顔近づけると・・・」
憂「紬さん?同じことを何度も言わせないで欲しいんですけど?」メキッ
和「・・・もう遅かったわね」
紬「痛い痛い痛い痛い痛い!!さ、さっきより力がこもってないかしら!?」ミキミキミキミキ・・・
和「ほら憂、もうやめなさい」
憂「うん、和ちゃんがそう言うなら」パッ
紬「あ、頭が変形するかと思ったわ・・・」
和「憂は嫉妬深いからあんまり誤解を招くような行動はとらない方がいいわよ」
憂「えへへ///」
和「憂もすぐにそういうことしちゃ駄目よ?暴力はいけません」
憂「ごめんね和ちゃん・・・」
和「そんなに心配しなくても私が好きなのは憂だけだから、ね?」
憂「うん!」
純「な、何か憂も生徒会長さんとラブラブなんだね」
梓「見てるこっちが恥ずかしいくらい甘々だよね」ザー
紬「いいわぁ・・・」ボタボタボタ
澪(和はよく表情一つ崩さずにあんなこと言えるな・・・私なんて律と付き合い長くても未だに照れちゃうのに・・・)チラッ
律「ん?安心しろよ澪ー、私だって愛してんのは澪だけだからさー」
澪「なな、何を急に・・・!」
律「澪がそう言って欲しそうにこっちを見るからじゃん、澪の考えてることなんて私にはお見通しだよん」
澪「う・・・うん///」
純「あっちのお二人は相変わらず、だね・・・」
梓「いつものこととはいえ見てるこっちが恥ずかしくなるよ」ザー
紬「やっぱり王道ね、素晴らしいわ・・・」ボタボタボタボタ
唯「ねぇムギちゃん、このままだとムギちゃんの血液が危ういし早く次の話にしない?」
紬「唯ちゃん・・・優しいのね」ボタボタ…
唯「だってームギちゃんのことが大事なんだもん」
紬「もう唯ちゃんったら・・・///」ポタッ…
和「はいはい、そこまでよ。さっさと次の話にするんじゃなかったのかしら?」
唯「はーい」
紬「それじゃ折角唯ちゃんにそう言ってもらえたし次に行くわね、私が憧れるシチュエーションその③!」
紬「『日焼けして敏感になった肌でいけない気持ちになっちゃう梓ちゃん』!」
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私―中野梓―は今、夏真っ盛りの炎天下の中、懸命に走っている。
梓「はぁ・・はぁ・・・」
やっと、着いた。逸る気持ちを抑えて、玄関のチャイムを押す。
ピンポーン
ガチャッ
純「はいはーい?」
梓「純!」
理由はこの女の子―鈴木純―に、一刻も早く逢いたかったからだ。
昨日は軽音部の先輩達と一緒に海に行ってたから、私は純に逢えなかった。
勿論それはそれで楽しかったんだけれども、純に逢えなくてちょっと寂しかったのだ。
だから戻ってきたらすぐに逢いに行こうって、私は勝手に決めていた。
純「お、梓ー・・・?だよね?」
梓「ちょっとー!!」
純は私を見るなりそう言って首をかしげた。
数日見ない間に私の肌がこんがり焼けて別人のようになっていたからだろう。
私は昔から、すぐに日焼けしてしまう体質なのだ。
梓「何それ!?折角帰って来てすぐ逢いに来たのにひどくない!?」
純「いやー何か別人みたいになってたもんだからついさ、あはは」
梓「そうやってすぐ人のことからかう!」
純「ごめんよ梓ー、機嫌直せってばさ」ダキッ
梓「わぁ!?」
そう言って純が抱きついてきた。
純「あーやっぱり梓は小さくて可愛いなー」
梓「うぅ・・・」
小さいとか言われるのはちょっと嫌だけど、こうやって純に抱きつかれるのは、正直嬉しい。
純「梓ー」スリスリ
梓「んっ!」ピクッ
純「あ、梓?どうしたの?」
梓「ご、ごめん。ちょっと日焼けしたとこが痛くて・・・」
純「そっか、そんだけ急に肌の色変わるくらいだからそれもそうだよね」スッ
梓「うん・・・」
純、離れちゃった。ちょっと残念。
純「まぁ何にしろ上がりなよ、私も梓に会うの楽しみにしてたしさ」
梓「・・・うん!」
純は、こういうことを平気で言える。
なかなか素直になれない私とは全然違う、純のいいところ。
梓「お邪魔しまーす」
純「はいどうぞー。と言っても今日私しか居ないから気にしなくていいんだけどね」
梓「え?そうなの!?」
ということは、二人っきり!?
やばい、私顔赤いかも。
純「おやおや、梓は何かえっちなことでも考えてるの~?」
梓「なななな、何言ってんの!?///」
純「あはは、まぁとにかく上がりなって」
うぅ・・・結局流された・・・。
純「・・・」
で、私は今純の部屋に居る訳です。
そしてさっきから、純の視線がずっと私に向いてる気がして仕方ないんですけど。
梓「・・・ねぇ、純」
純「んー?」
梓「さっきからじっと私のこと見て、どうしたの?」
純「あ、気付いちゃってた?」
梓「そりゃずっと見られてれば気付くよ・・・」
二人っきりだし、余計に意識しちゃうよ。
純「いやーさっき玄関でちょっと話になったけど」
純「梓の肌、確かにそこまで焼けてると痛そうだなーって思って」
梓「あ、それで?」
- 何か私、変に勘違いしちゃってたみたいで恥ずかしい。
純「だからさ、梓の恋人の私が何とかしてあげちゃおうかなーって!」
梓「え?何とかって・・・どうするの?」
純「こうするの」グイッ
梓「え?」ドサッ
気付くと、私はベッドに押し倒されていた。
梓「え、えっとー・・・純?」
純「多分、こうすればちょっとは良くなるよ?」
レロッ…
梓「ひぅっ!?」ビクッ
梓「ちょ、ちょっと純!?何してるの!?」
純「んー、梓を舐めてる」ペロッピチャ
梓「ひぁっ!」
純「さっきまで氷口の中に入れてたから冷たくて気持ちいいでしょ?」ピチュッペチャ…
梓「やっ・・・」
や、やだ・・・何か肌がひりひりするところに、
純の冷たい舌がぬるりと這って、すごく変な感じ・・・。
純「んふふ・・・」レロッピチュペチャ…
梓「ん、あぅ・・・っ」
純「どう?気持ちいい?」ピチャッペチョッ
梓「ちょ、純・・・私走ってきてすごい汗かいてるし汚いから駄目だってっ、ば・・・」
純「えーそんなことないよ」チュル…ペチョ…
梓「駄目、だってばっ・・・」
何か、変な気持ちになっちゃい、そう・・・。
というか、もう、なってきちゃってる。
暑いのとは別に、体が、熱くなって・・・。
梓「だ、めだってば・・・純・・・や、ふぁっ・・・」
純(お、感じてきたのかな?)
純「私が気にしてないんだからいいじゃん」ペチャ…ピチャ…
梓「そ、そういう問題じゃ・・・ない、よ・・・んんっ」
純「じゃどういう問題なのよー」ペチャペチャ
えっちな気分になっちゃってるからなんて、恥ずかしくて言えないよ・・・。
梓「もう、本当に、駄目だってば・・・」ピクッ
純(そろそろいいかな?)
純「わかった、じゃあやめる!」ガバッ
梓「え!?」
純「梓がそこまで言うなら仕方ないもんね」
梓「え・・・あ・・・」
純「ごめんね、調子に乗っちゃって」
やだ、こんな途中で・・・。
もうすっかりそういう気分になっちゃたのに・・・。
梓「純・・・」
純「どしたの?梓」
梓「・・・して」
純「なになにー?何て言ったの?」
梓「続き、して」
純「」
梓「純に舐められてるうちに、その・・・そういう気分になっちゃったから・・・続き、して、ほしい」
純(あぁ神様、可愛い梓をからかってやろうと悪戯してたら、あの素直じゃない梓が自ら『してほしい』だなんて・・・)
純「私今、超幸せ・・・」
梓「純・・・?」
純「梓可愛いー!」ダキッ
梓「ひゃうっ!?純にあんなことされたせいで、変に敏感になっちゃってるんだから急に抱きつかないでよ・・・」
純(ああああもう、梓ったら可愛すぎ!)
純「ごめん梓ー」ペロッ
梓「ふあぁっ!?」ビクッ
純「梓ー、大好きだよぅ」
梓「う、うん・・・私も、純のこと、好き」
純「えへへー」
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最終更新:2010年10月25日 23:10