純「………え?どこら辺が可愛いかですか?」

純「そうですねぇ~…まっすぐな髪とか!」

梓「えぇ~?」

純「不満?」

梓「不満というか…この髪のどこがいいの?」

純「まっすぐ!きれい!!」

純「それがうらやましい!」

梓「そうかなぁ……」

純「ムギ先輩もそうって言ってるよ」

梓「ムギ先輩の髪の方が素敵ですよ」

梓「……」

梓「ホントですって。上品で綺麗です」

純「そうだよねー、同じ癖毛の私とは全然違うもん」

純「ムギ先輩の髪もうらやましいな~」

純「………モフモフしてる?私の髪が?」

純「そ、そこが可愛い?」

純「や…やや、そんな~」

梓「なに照れてるの」

純「だってほめられたんだから嬉しいに決まってるじゃん」

純「しかもムギ先輩にだよ!」

梓「…いつの間にか紬先輩じゃなくてムギ先輩って言ってる」

純「あっ」

純「す、すいません!失礼しました!」

純「……」

純「…いいんですか?」

純「じゃ…じゃあムギ先輩って呼ばさせてもらいます」

純「やったよ梓ー認めてもらえた!」

梓「よかったね」

純「やっぱりムギ先輩は優しいな~」

梓「うん、ムギ先輩は軽音部で一番優しいよ」

梓「……」

梓「えへへ、だって本当のことなんですもん」

純「梓ってムギ先輩にいつも甘えてるの?」

梓「そ、そんなことないよ!」

純「どうだか~」ニヤニヤ

梓「むっ…」

梓「あっ、そうだムギ先輩!あの話してもいいですか?」

梓「ほら、あれですよ」

梓「ケーキをこっそりと……」

梓「……」

梓「えーダメですか?」

純「なになに?気になる」

梓「実は……」

梓「あはは、大丈夫ですよムギ先輩。ちゃんと秘密にしますから」

純「ねー気になるー」

梓「だめだめ、私とムギ先輩二人だけの秘密なんだもん」

梓「ですよね?えへへ」

純「おやおや、見せつけてくれますなー」

梓「ちょっ、なに言ってるの!」

純「ムギ先輩はまんざらでもなさそうだけど」

梓「ム、ムギ先輩ぃ~~」

純「うーん、軽音部はおもしろい人が多いなぁ…」

純「でもムギ先輩ってどうして軽音部に入部したんですか?合唱部とかに似合いそうなのに」

純「……」

梓「……」

純「へぇ~…律先輩たちが」

梓「一年のときからそんな感じだったんですか…」

純「……」

梓「……」

純「あははっ」

梓「唯先輩も変わらないな~」

純「……」

梓「……」

純「へー」

梓「軽音部って、一年のころから相変わらずだったんですね…」

純「けど楽しかったです、先輩たちの話が聞けて」

梓「まったく…私が先輩たちと同学年だったらよかったのに」

梓「そうすれば軽音部も今みたいにだらだらさせないで…」

純「変わらないって」

純「梓が一年早く入部しても今と同じだと思うよ?」

梓「そ、そんなことないよ」

純「ムギ先輩はどう思いますか?」

梓「……」

純「……」


梓「……ムギ先輩」

梓「……」

梓「はい、私もそう思います」

梓「…あ~ぁ、あと一年早く生まれてたらなぁ」

梓「そうだったら先輩たちともっと……」

純「なに感傷にひたってるのよ」

梓「……むぅ」

純「…私は梓と一緒の学年でよかったと思うんだけどな~」

梓「え?」

純「だってこうやっていつも梓とお昼食べれるんだし」

梓「純……」

純「私は梓と一緒に過ごせて嬉しいよ?」

梓「な、なに突然」

純「梓、なんか寂しそうだったから」

梓「寂しくなんか…」

純「でも先輩たちはもうすぐ卒業だし」

梓「……」


純「来年の軽音部は梓だけになるけど……どうするの?」

梓「…純には関係ないじゃん」

純「関係あるよ!」

純「さっきも言ったけど梓はほっとけないの!」

梓「だ、だったら…」

純「なに?」

梓「……なんでもない」


純「はっきり言ってよ」

梓「別に…」

純「あーもーこれなんだから!」

純「梓!!」

梓「な、なに…?」

純「私…軽音部入るよ!」

梓「え……えぇ!?」

純「一人でも部員が必要なんでしょ?」

梓「でも…いいの?」

純「なにが?」

梓「だって純はジャズ研だし…」

純「かまわないよ。なんとかしてみせる」

純「私は梓が困ってる時に何もできないことが一番つらいんだから」

梓「純……」

純「それに私、梓ともっと一緒にいたいの」

純「梓の側で、梓と一緒に同じ時間を共有したい」

純「だって私は梓が大好きなんだから!」

梓「え…」

純「好きな人と一緒にいたいのは当然でしょ?」

梓「そんな急に言われても…」

純「私じゃ……ダメ?」

梓「……」

純「確かに私は軽音部の先輩たちより……」

梓「ううん」

純「え?」

梓「嬉しい…私も純と一緒にいたい」

純「……」

梓「純、私も大好きだよ」

梓「ただの友達だなんて言ったけど、本当はもっと大切な存在……」

梓「愛してます、純」

純「あ、梓…」

梓「これからも、ずっと一緒にいようね」

純「……私なんかでいいの?」

梓「純じゃなきゃダメなの」

純「梓…私も愛してる」

梓「うん……ねぇ純」

梓「キス…してもいい?」

純「ここで?ムギ先輩が見てるよ…」

梓「お願い」

純「もう…しょうがないなー梓は」


――――――――
―――――
―――


梓「あのー…ムギ先輩?」

純「もしもーし」


梓「……」

純「…夢の中にいるみたいだね」

梓「うん…」

キーンコーンカーンコーン

純「あ…チャイム鳴っちゃった」

梓「…どうする?」

純「……教室もどろっか」

梓「そうだね」

梓「じゃあ私たちはこれで失礼します、ムギ先輩」

純「聞いてないみたい」

梓「ムギせんぱーい、私たち戻りますからねー?」

純「なんか顔赤くしてニヤニヤしてる…」

梓「……はぁ」


おわり





最終更新:2010年10月27日 01:36