視聴覚室。

紬「お待たせ」

「あの・・・なんで私なんか・・・」

紬「あなたがいるから・・・成り立ってるのよ」

「何がですか・・・?」

紬「梓ちゃんや、憂ちゃんがいつもお世話になっているわね」

「はぁ・・・」

紬「一応名前は伏せておこうかしら?Jちゃん」

J「いや伏せてもわかりますし、普通に純でいいです」

紬「Jちゃんは好きな子とかいないの?」

J「好きな・・・子・・・?ですか」

紬「憧れの先輩ですとか」

J「うーん」

紬「悩んでいるようね、じゃあ一つ助言を」

J「なんですか」

紬「私達三年が卒業したらJちゃんのポジションはりっちゃんよ」

J「はぁ・・・」

紬「みんなの事を気遣う、まとめるけど結局は他人に任せちゃう、空気を読む、違う?」

J「自分じゃわかんないです・・・」

紬「今晩空いてるかしら?」

J「明日休みなので大丈夫ですけど」

紬「一緒にりっちゃんの家に行きましょう」

J「そしたら・・・この気持ちがわかりますか?

紬「うん、きっとわかるはず!」

J「はい、また連絡します!

紬(ふぅ・・・時間が余っちゃったわね・・・)



教室。

紬「あれ?エリちゃん」

エリ「あ、ムギちゃん」

紬「丁度良かった、ちょっとお話しない?」

エリ「みんなから聞いてるよー!ムギちゃんの個人面談実施中なんだって?」

紬「そうなのよ~」

エリ「なんか好きな人を当ててくれるとか噂で聞いて、ドキドキして待ってたの」

紬「そういうのじゃないんだけどね」

エリ「んで、なになに?」

紬「エリちゃんは卒業したらどうするの?」

エリ「バレー続けたいから大学進学かなー」

紬「どこの大学?」

エリ「ちょっと厳しいかもしれないけど国立の大学に・・・」

紬「判定はどうだったの?」

エリ「C判定・・・4割くらいだから安心できないわね」

紬「何か行きたい理由とかあるの?」

エリ「うん、やっぱり私立って学費高いから、バイトとかしたりしなくちゃ行けないなーって」

紬「うんうん」

エリ「それにバレー部のみんなもそこに一緒に行こうって言っててね」

紬「うんうん」

エリ「気兼ね無くバレーするんだったらそこの大学かな!って。近いし」

紬「うん、それだけの理由があれば大丈夫!」

エリ「?」

紬「目標も無く頑張るなんて無謀だし、作業にしかならないわ」

エリ「うん」

紬「それにバレー部のみんなで目指してるんでしょ?」

エリ「うん」

紬「一人じゃないじゃない、頑張れるよ!」

エリ「そうかな・・・」

紬「うん!自分のやる気をみんなが後押ししてくれる、だから最後まで諦めないで!」

エリ「うん・・・!」

紬「で、みんなが困ってたら後押しするのは・・・」

エリ「私だね!」

紬「そう!」

エリ「ありがとうムギちゃん、みんなとバレー続けたいから、私絶対頑張るよ!」

紬「その意気よ!エリちゃん!」

エリ「よーし!さっそく帰って勉強するぞー!」

紬「頑張ってね!」



部室。

唯「おいすー」コソコソ

梓「ゆ、唯先輩・・・///」

澪「唯、中に入ってこいよ」

律「被服室で何してたんだ・・・?」

紬「唯ちゃん・・・すごい格好・・・」

唯「芸術部のみんなが・・・お祝いにって・・・」

紬「梓ちゃんこっちおいで」

梓「ふぇっ!?は、はい///」カチャ

唯「・・・///」

梓「」

唯「恥ずかしいよぉ・・・」

律「うわー」

澪「すげー」

梓「ウェディングドレス・・・ですか」

梓「ムギ先輩!」

紬「は、はい!」

梓「タキシードはどこですか!?」

紬「!?」

律「まじか!?」

唯「ひ・・・被服室に実は・・・あずにゃんのも・・・///」

梓「唯っ!いくよ!」ギュッ

唯「あ、あずにゃん!」

紬「まさかここまでとは・・・」

澪「ムギの面談の指導はすごいな・・・」

律「さて、次は私の面談だな!」

紬「そうね、お待たせ」

澪「じゃあ途中まで一緒に帰ろうか」

紬「うん!」

律「私の家でいいのかな?」

紬「うん!」


帰り道。

澪「じゃあな」

律「おう!」

紬「また来週ね~」

律「じゃあ上がってくれ」

紬「うん、あ、ちょっと電話するから待ってて」

律「おう、じゃあ先上がってるぜ」

J「はい、わかりました」

紬「そういう感じで行けば確実にりっちゃんを落とせるから」

J「いや・・・落とすとか・・・」

紬「虎穴にいらずんば虎子を得ず!よ!」

J「意味違ってる気がしますが・・・」

紬「じゃあ後は任せたわJちゃん」

J「最後くらい純って言ってくださいよ・・・」

S「ところでムギ先輩」

紬「なに?」

S「なんで最後の最後に伏字変えたんです?」

紬「佐々木のSじゃない」

S「いえ、鈴木です」

紬「結果オーライね!」

S「ところでムギ先輩はこれからどちらへ?」

紬「うーん、信代ちゃんとこかなー」

S「クラスメートですね」

紬「うん、んじゃ頑張ってね」

S「はい!」



律の部屋。

コンコン

律「はーいどうぞー」

S「失礼します・・・」

律「あれ・・・?鈴木・・・さん?」

S「律先輩、私が面談します」

律「なんだってー!ムギぃぃぃぃぃぃぃ!」




おわり



最終更新:2010年10月28日 03:36