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ある日、和と唯と律の三人は町に来ていた。

律「もう修行はやだ」

和「何やったのよ」

律「あん?トロッコに乗った。そんで吐きそうになった」

和「はぁ?」

唯「あと、釣り橋から落ちてワニに食べられる人を見た」

律「あの先生、非常識だらけだったなー」

唯「でも、あの人にとっては常識らしいよ」

和「あんた達、それ修行なの?」

律「そうじゃね?まぁ、澪の土産話には丁度いいだろう」

唯「だねー」

和「ふむ」

本日、三人は律の幼馴染み、秋山屋の娘・澪に招待されました。

なんでも、律が構ってくれなくて寂しいそうです。

それもそのはず、律は唯と共に修行に出ていたからなのです。

しかし、ここである問題が発生しました。

秋山屋の手前に木製の橋がありますが、橋に立て札が立てられていました。

唯「この橋、渡るべからず……だって」

和「あら、この橋は渡れないって事ね」

唯「じゃあ、回り道する?」

律「めんどいなー、隣りの橋まで一キロは離れてるぞ」

和「面倒な土地ね」

律「トロッコがあればなー」

和「あるワケないでしょ」


秋山屋は、材木問屋である。

その秋山屋では

梓「私が将軍なのです!わっはっはー」

澪「はいはい。騒ぐなら帰れ」

梓「酷くないですか?私は将軍ですよ。今日は材木を買いに来たんですよ」

澪「気のせいだよ。将軍様は疲れてるんだ」

梓「酷いよねー、あずにゃん2号」

2号「にゃー」

梓「あずにゃん2号が酷いと言ってます。切腹しろです!」

澪「たい焼き食べるか?」

梓「食べるです、さっさと寄越すです!!」バッ

澪(はー、律と××したい)


和達はと言うと、

律「なぁ和、何とかして渡る方法ないのか?トロッコないし」

和「隣りの橋まで行くしかないわね。いい加減、トロッコから離れなさい」

律「えー、それじゃあ時間掛かるよ。ここは、和のとんちで」

唯「和ちゃん、お願い」

和「もう……まぁ、澪を待たせるのも悪いわね」

和「仕方ない」ペロ、クルクル

ポクポクポク、チーン♪

和「そうね。橋を渡るべからず……橋の『端』を通らなければいい」

和「つまり、橋の『中央』を渡ればいいわ」

律「よーし、じゃあお先にー」ダッ

唯「あっ、りっちゃん!」

律「へっへーん……うぉっ!」ズボッ

ザブーン!

唯「あっ、りっちゃんが落ちた!」

和「これはまた……」

憂「あーあ、まだ橋の工事の途中なのにー」

そこに現れたのは、唯の妹の憂。
大工である。

唯「あっ、憂」

憂「お姉ちゃん、和さん。こんにちわ」

和「あら、工事中だったの?」

憂「はい。立て札を立てたのですが……」

律「おいコラ!工事中なんて聞いてないぞ」

唯「りっちゃんの声がする」

和「浅い川だったのね」

憂「律さんが落ちたのですか……バカですね」

唯・和「……」

律「コラァー!聞こえてるぞ」

憂「うるさいんだよ、デコ!」

律「……」

憂「全く……立て札も読めないとは」

律「いや、だって和が……」

憂「それに、お姉ちゃんの貞操まで奪おうとして!」

律「それも和が……」

憂「人のせいにしちゃいけません。めっ!!」グッ

律「うわーん、ごめんなさーい!」
憂「お姉ちゃんに糊を食べさせた事、私は許しませんからね!」

律「うわーん!!」

和「……」

唯「の、和ちゃん……」

和「唯、人間は常に博打をしながら生きてるものって、以前、言ったわよね」

唯「う、うん」

和「今回、律は博打を打って大失敗した。ただ、それだけよ。もちろん、それ以上も以下もないわ」

唯(つっこむべきかなぁ?)

和「じゃあ、隣りの橋まで歩きましょう」

唯「えっ、りっちゃんは?」

和「あのまま、川を真っ直ぐ歩いた方が近いでしょ」

唯「う、うん」

憂「めっ!」グッ

律「うわーん!!不幸だー!!!!」

和「唯、今回は『急がば回れ』の教訓よ。覚えておきなさい」

唯(どっからそんな言葉が出たんだろう)

和「返事は?」

唯「は、はい!」

和「そう。じゃあ、行きましょ」

唯(逆らったら、負けだね)

その後、秋山屋に唯と和が到着するまで、律は憂の説教を受けたらしい。

純「もう……猫が……何処行ったの」

梓「私が将軍なのです!わっはっはー」

純(いかにもアホそうな将軍だなー)

純(あれが将軍だと、この国に未来はないよね)

純「ウチの猫が、あんなアホ将軍に拾われているワケないか……所詮、アホ将軍だし」

梓「たい焼き、うめぇーです」

澪(律と××したいよぉ)

澪「律ぅー、お前は私のモノだぁー」

純(あの女の人もヤバそうだね)

純「はぁー」

純「……」グゥ

純「お腹空いた」

純「帰ろ」

梓「あずにゃん2号、行くです!」
2号(マジで帰りたいわ。将軍がアホやから、なんもでけへん)

その後、純が猫を見つけ出す事は出来なかった。


律「和!」

唯「和ちゃん!」

憂「和さーん!」

和「はーい」

和「何事も慌てないことが重要ね」

和「あと、私の事を『わ』とか『なごみ』って言わないでね」

和「じゃあ私、一休みするわね」

~一休さん編・終~




唯「……これで、私が創作した『おとぎ話!』の発表を終わります」ペコッ

パチパチパチパチ

和(よく出来てたけど、おとぎ話なのかしら?)

律(ツッコミ満載な作品だな、おい。私の扱い酷くね?)

澪(は、恥ずかしい///)

紬(いいですわー。百合最高やわー)

教師「では、平沢さんの作品について、質問はありますか?」

いちご「……」スッ

唯「はい、いちごちゃん!」

いちご「……律は激しいのがお好きなの?あんなに迫られたら……興奮するわね」

律「ぶー!!」

紬「あらあら」

澪(律ぅー)

風子「秋山さんの独占欲の強さには……」

唯「大丈夫!みんな、計算済みだから!これが正常ですから!」

律・澪「おい!」ガタッ

エリ「はい!真鍋さんの下の名前が『のどか』だと初めて気付きました!」

和「今頃なの!?」ガタッ

信代「普段、名字で呼ぶし」

アカネ「名簿見た時は、わ?」

しずか「なごみちゃん?」

和「おお、もう……」ガクッ

姫子「お、落ち込まないで、真鍋さん!」

バンッ!

教師「あら、山中先生」

さわ子「平沢さん。私の扱い、なんか酷くない?」

唯「そうかなー」
さわ子「酷いわよ!何よ、行方不明とか正座とか!」

さわ子「私を舐めてるワケ?」

教師「山中先生、落ち着いて!」

さわ子「平沢さん!即刻、訂正しなさい。さもないと……」

憂「だったら、なんですか?」

さわ子「!?」

憂「さわ子先生、お姉ちゃんを苛めるんですか?」ゴォォー

さわ子「いや、これはね。ちゃんとした教育の一環で……」

憂「ふーん。そうですか」ニコッ

憂「屋上行きませんか?久しぶりにキレちゃいましたよ」ニコッ

さわ子「」ガシッ

さわ子(私の人生、詰んだわ。さよならお父さん、お母さん)ズルズル

バンッ!

風子「ひ、平沢さんの妹さんを怒らせたら怖い……」ガクブル

いちご「……それが結論ね」

教師「し、質問はこれくらいにしましょう」

教師「平沢さん。あなたの話、とても良かったわ。途中でキャラ崩壊してたけど」

唯「はい!ありがとうございます」

教師「ちょっと、エッチな部分もあったけど、まさかあれは……経験済みなの?」

唯「りっちゃんに押し倒された部分だけは実体験で、あとはムギちゃんに教えて貰いました!」

律「おいー!!」バンッ

紬「まあ///」

エリ「そうなんだ!」

律「あっ、いや……」ガシッ

澪「律」

律「ひぃっ!」

澪「どういう意味か説明しろ」ゴォォー

律(や、やばい!)

澪「あと、私がホルスタインだと!?」

律「そ、それはだな……」

澪「あぁ!?」ギロッ

律「ゆ、唯に頼まれ……」アセアセ

唯「りっちゃんに押し倒されました!」

律「ゆいー!!」

澪「ふざけんなよ、バカ律!私ですら、お前に押し倒された事ないのに!」

紬「まあまあ」ボタボタ

和「わ……なごみ……ふふっ」

ピンポンパンポーン♪

教師「あら、授業中に放送なんて……」

憂『三年二組の田井中さん。至急、屋上まで来てください』

憂『キレちゃったからよー!さっさと来いやぁー!!』

ブチッ

一同「……」

律「おお、もう……」ガクッ

澪「行こうか、律。閻魔様がお待ち兼ねだ」グイッ

律「一番悪いのは唯じゃんか!バカだろ!バカとしか言えねぇー」ズルズル

澪「往生際が悪い!」ゴチン

律「あんぎゃー!!」ズルズル

バンッ!

この後、さわ子と律の処刑の模様は、放送を通じて学校中に流された。

それにより、トラウマになった人がいるとか、いないとか

唯「みんなでお話、作ろうよ!」




最終更新:2010年10月28日 05:19