第三話
お嬢様の法則!
よくじつ!
しょくいんしつ!
さわ子「…まさか真鍋さんも能力者に選ばれてたなんてね…」
和「それじゃあ…やっぱり…」
さわ子「ええ思ってる通りよ。唯ちゃんも能力者。担当は私」
さわ子「犬丸から聞いたと思うけど唯ちゃんに能力使っても才が減らなかったのが良い証拠ね」
和「私にも何か普通の能力ください」
さわ子「能力は一人一つまでよ」
和「……」シクシク
さわ子「うん…気持ちはわかるんだけど…ルールだから…」
唯「?」
唯「えーと…つまり和ちゃんも私と同じちょーのうりょくしゃ?」
さわ子「そういうことね。二人は昨日ちゃっかり初バトルをしてたのよ。全く…ヒヤヒヤしたわ」
唯「バトル?」
さわ子「…そろそろ唯ちゃんにも説明しておいた方が良いかしらね…だいぶ出揃ってきたみたいだし…」
和「能力者バトル…のことですか?」
さわ子「ええ、その通り。真鍋さんはもう知ってたのね」
和「いえ…犬丸さんに説明だけは受けていたんですが…如何せん信じがたい話で…」
さわ子「…そう思うのが普通よね…あんな能力を与えられてもね…」
和「…はい」
唯「ねぇねぇ」
さわ子「あっ、ごめんね唯ちゃん。今説明するから…」
唯「和ちゃんの能力ってどんなのなの?」
さわ子&和「……」
さわ子&和「えっ」
~~~~~~~~~
唯「あー!つまり私はあの時、和ちゃんのメガネにドキドキしてたのか!」
和「ちゃんとセリフまで言ったのに能力として認識してもらえてなかった…」シクシク
唯「でも凄い能力だね!私なんて木を出すことしか出来ないし!」
和「そっちの方が良いわよ…緑も増えるし…」
さわ子「真鍋さん自分に負けちゃダメ!緑が増えるのも素敵なことだけどメガネ属性が増えるのも素敵なことだと思う!…私もメガネだし」
和「そう…ですかね?」
さわ子「そうよ!これからの時代はメガネキャラよ!」
和「…!先生っ!」ヒシッ!
さわ子「真鍋さんっ!」ヒシッ!
唯「(青春だなぁ)」
~~~~~~~~~
さわ子「…こほん。それじゃあ真鍋さんも落ち着いたことだし能力者バトルについて説明するわよ?」
和「私としたことがつい我を忘れて…」ズーン…
唯「人間だもん。そんな時もあるよ!」
さわ子「大まかな説明をすると、あなた達の他にも私や犬丸以外の奴から能力を与えられた学生が複数人存在するの」
さわ子「あなた達はその能力者達と自身の能力を使って戦い勝ち残ることが目的」
さわ子「最後まで勝ち抜いた…いわば優勝者の子には空白の才が与えられるわ」
和「空白の才?」
さわ子「才の説明は受けたわよね?空白の才は自分の手に入れたい才能を本当に手に入れることが出来る…いわば魔法のランプみたいなものよ」
さわ子「ランプと違って一度使ったらそれきりだけどね」
和「手に入れたい才能が手に入る…」
唯「ほえー…」
さわ子「まぁ、これが私があなたに能力を与えた理由。わかった唯ちゃん?」
唯「えーと…とりあえず他のちょーのうりょくしゃと戦って勝てば良いんだよね?」
さわ子「うん。そういうこと」
唯「でも…さわちゃん先生、もう木で人は殴るなって…」
さわ子「それは一般人の話。能力者は殴っても罰は無いわ。むしろ能力者は思いきり殴っちゃいなさい!」
和「教育者とは思えない発言ですね…」
唯「そっかぁ…でも私にバトルなんて出来るのかなぁ…」
さわ子「(…それに関しては能力的に私もちょっと不安があったんだけど)」
さわ子「(自然公園でのりっちゃんを助けた時の能力を使い方を見る限り…案外良いとこまで行ける気がするのよね~…)」
唯「とりあえずこのちょーのうりょくに関してはなんとなくわかったけど…」
さわ子「ん?なにかまだ気になることがある?」
唯「さわちゃん先生はどうして私にちょーのうりょくをくれたの?」
さわ子「…!」
さわ子「それは…」
和「先生…」
和「(唯に能力を与えたということは、やはり先生も犬丸さんと同じ…)」
さわ子「(うーん…今までの経験上…理解してもらうのに時はまたちょっと時間がかかりそうね…)」
さわ子「(ここはどうにか上手く…)」
さわ子「お、大人になったらわかることよ!唯ちゃんには残念ながらまだ早いの!」アセアセ
和「ええっ!?」ガビーン
和「(先生…それは流石に…)」
唯「……」
さわ子「(や、やっぱり無理があったかしら…?)」アセアセ
唯「そっかぁ…年齢制限があるなら仕方ないね…」
和「(騙されたぁ!?)」
さわ子「そ、そうなのよー!唯ちゃんが20歳になった時にまた教えてあげるからね!」
唯「はぁい!それまでは我慢しまーす!ねっ!和ちゃん!」
和「えっ!?あっ…」
和「(そうか…先生の設定だと私も知らない前提なのね…)」
和「…そうね。同窓会の楽しみにでもしておきましょうか」
さわ子「(ナイス!真鍋さん!)」
和「(それに唯に話すようなことでも無さそうだしね…)」
和「(唯にとっての先生はさわちゃん先生のまま変わらないだろうしね…)」
和「(それよりも能力者バトルかぁ…)」
和「(…どうすんのよ私の限定条件…)」シクシク
ことぶきけ!
斎藤「失礼しますお嬢様。ディナーの準備が整いましたので…」
紬「ありがとう斎藤。すぐに向かうと皆様に伝えておいて」
斎藤「かしこまりました。それでは…」
ガチャ
斎藤「……」
斎藤「(今日も切り出すことが出来なかった…)」
斎藤「(空白の才と神候補をかけた能力者バトルはもう始まりを迎えようとしているのに…)」
斎藤「(しかし…やはりお嬢様を戦場の場へと連れ出すのは…)」
斎藤「(…辞退すべきか)」
紬「……」
よくじつ!
ほうかご!
律「さてと…今日の部活動は終了!そんじゃあ帰ろうぜ!」
唯「あっ、ごめーん。私、今日は和ちゃんと一緒に帰る約束があるんだー」
律「和と?昨日といいお前ら最近ベッタリだなぁ」
澪「まぁ幼なじみだし別に変なことじゃないだろ」
律「まぁ、それもそだな」
そんな中、梓だけは面白くないと思っていた
梓「だから勝手なモノローグ入れないで!?」
澪「それじゃあ唯。また明日な」
唯「うん!みんなバイバーイ!」
紬「……」
唯「和ちゃんお待たせー!」
和「ううん、私も今来たところよ」
唯「そっか良かったぁ!」
和「それじゃあ帰りましょうか」
唯「うん!」
?「……」
?「なーんだ!とっても弱そうじゃないですか!」クスクス
最終更新:2010年10月31日 22:26