第五話

平沢憂の法則!

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憂「さてとムギさん…続きを始めましょうか」

紬「…!!」

憂「行きますよ…!電光石火(ライカ)!」ヒュンッ…

紬「…!!」

紬「(速いっ…!)」

紬「…一秒を十秒に変える能力!」

憂「快刀乱麻(ランマ)!」シュッ…

紬「…くっ!」ヒョイ…

憂「間一髪避けましたか…やはりその能力は少々厄介ですね」

紬「(超高速で移動したこと思えば大きな剣も出してくる…)」

紬「(憂ちゃんの能力は一体…?)」

憂「でも段々と攻撃を避けるのに余裕が無くなってきてますね」

憂「私の電光石火がムギさんの能力の時間に追いつくのもそろそろでしょうか…?」

紬「…!!」

紬「(しかもあの高速移動…私の能力の中を使ってやっと眼で追える速さになる…)」

紬「(しかも段々とその速度は増してきて私の10秒に近づいてきている…)」

紬「(次の一撃は避けられるかどうか…)」

紬「(…それにしても能力…何故あのスピードであんなにも小回りが利くの…!?)」

憂「……」

憂「ふふっ。何故そのスピードでそんなにも小回りが利くのか…って顔してますね?」

紬「…!!」

憂「普通現実でこのスピードで動いていたら小回りが利かず方向転換する時にどうしても大きな隙が生まれちゃいますよね」

憂「でも何故か私はこのスピードで移動しても小回りが利き方向転換しても大きな隙が出来ない」

憂「…まさに理想的ですよね」ニヤリ

紬「…!?」

紬「まさか…あなたの能力は…」

憂「気づかれましたか?電光石火や快刀乱麻はあくまで私が元々持っている特殊能力で神候補から与えられた能力ではありません」

憂「これらは神器って言うんですけどね」

紬「神器…?」

憂「そして私はその神器に能力を加え理想的な神器を使ってムギさんと戦っていました」





憂「私の能力は理想を現実に変える能力です」


紬「理想を現実に…変える能力…」ゴクッ…

憂「素敵な能力だと思いませんか?…反面限定条件もなかなか厳しいんですけどね…えへへ…」

紬「(なんて能力なの…!限定条件こそわからないけと、それこそ私の能力に匹敵…いえ…)」

紬「(それに神器という謎の力も加えると最強の能力と言っても過言じゃないわ…!)」

紬「(その能力に…神器という力…)」

紬「(憂ちゃん…あなたは一体…)」

憂「まだ何か聞きたいことがある…って顔してますね?大方神器のことについてですかね?」

憂「別に説明しても構わないのですが…少々私も疲れちゃいました…ムギさんたらしぶといんだもん」

憂「これ以上バトルが長引くのはお互いにメリットも無いので…次で終わりにさせてもらいますね」

紬「…!!」

紬「(まずい…また高速移動で攻め込まれたら次は能力を使っても…)」

紬「…!?」ビクッ

憂「ふふっ」

紬「(しまった!?もう懐に…!!避けられない…!)」

憂「さようなら…ムギさん…!」ヒュン…

紬「…!!」グッ…

紬「……」

紬「……?」

憂「…間一髪でしたね」

唯「ムギちゃん!!」

唯「…憂っ!!」

和「憂…あなたは…」

紬「唯ちゃん…和ちゃん…」

憂「…ここまでですね。お姉ちゃんの前であなたを倒してしまうのはちょっと抵抗がありますから…」

唯「憂…どうしてムギちゃんを…」

憂「……」

憂「ごめんね…お姉ちゃん……」

憂「…電光石火!!」ヒュンッ…!

唯「あっ!?憂!?待って!」

唯「ういーー!!!」

~~~~~~~~~

唯「…大丈夫ムギちゃん?」

紬「ええ…なんとか…二人も大丈夫だった?」

和「ええ…鈴木さんは唯が倒してくれたから…」

紬「そっか…良かっ…うっ…!」フラッ…

唯「ムギちゃん!?」

紬「大丈夫…ちょっと長期戦で疲れちゃっただけだから…」

和「ムギがこんなにも苦戦するなんて…憂の能力って一体…」


さわ子「…あの子の能力については私達から説明するわ…」

犬丸&斉藤「……」

唯「えっ?…さわちゃん先生…?」

和「犬丸さんに斉藤さんも…?」

紬「(神候補が三人も集まって一体…?)」

唯「(…憂…一体何がどうなってるの…?)」


第五話終了です!




第六話

天界人の法則!


さわ子「……」

唯「さわちゃん先生…?」

さわ子「…まずは彼女の…憂ちゃんの能力について説明するわね」

さわ子「まずはバトルの為に神候補から与えられた能力…」

和「(まずは…?)」

さわ子「理想を現実に変える力」

さわ子「その名の通り憂ちゃんが描いた理想を現実のものに変えてしまう能力よ」

和「理想を現実に…なによそれ…反則じゃない…」

さわ子「確かに反則級な能力ね。ムギちゃんの能力と同等なぐらいに」

さわ子「でも、完璧な能力ではないわ」

さわ子「まず現実へと変えることが出来る対象は限られている」

さわ子「カップを落としても零れない紅茶…中に入って空に浮かぶことが出来るシャボン玉のように…」

紬「物の持つ性質を変えることが出来る能力であり、私の時間を変える能力を受けても私と同じ時間で動ける…っていう理想は無理なんですね」

さわ子「その通りよ。そういう意味じゃムギちゃんの能力の方が一見有利にも見えるけど…」

紬「…神器ですね?」

さわ子「…ええ。それについてはまた後で話すわ」

さわ子「そして彼女の能力のもう一つの穴…限定条件…これが問題よ…」

和「限定条件…?私の能力みたいに何か難しい条件が…?」

紬「そういえば憂ちゃんも厳しい限定条件があるとは言っていたけれど…戦っている時に何か特赦なことをしている様子は…」

さわ子「試合中に何か特赦なことをする必要は無いわ。本人の気持ち1つですぐに条件はクリア出来るもの」

和「…?それじゃあ欠点って一体…?」

さわ子「理想を現実に変える能力…その限定条件は」

さわ子「能力を使用するごとに己を寿命を一年削る…よ」

和&紬「…!?」


唯「えっ?」

さわ子「全く…とんでもない能力を与えた奴がいたもんだわ…まぁ、こんな能力を与えるような奴、私は一人しか知らないけどね…」

犬丸「…彼ですね」

斉藤「マーガレット殿…ですな…」

さわ子「アイツで間違いないでしょうね…」

さわ子「(マーガレット…神候補の一人であり…)」

さわ子「(そして…)」

唯「ちょ、ちょっと待ってよ!さわちゃん先生!!」

唯「寿命…寿命って一体どういうこと!?」

さわ子「……」

和「(唯…)」

紬「(唯ちゃん…)」

さわ子「…さっき言った通りよ。能力を使う度に憂ちゃんの寿命は一年減るの」

さわ子「…過度な使用は死に至る…両刃の剣よ」

唯「……」

唯「…憂の寿命は今、どうなってるの…?」

さわ子「…それはわからないわ。でも、こんな時に慰めの言葉を言っても仕方ないからハッキリと言うけど…」

さわ子「能力を使用する度に死に一歩近づく…それこそ次に能力を使用した時に死んでしまうかもしれない…」

唯「…!!」

和「そ、そんな…」

紬「そんな能力…どうかしてる…」

唯「…止めないと」

唯「憂を捜して止めないと!!」

和「そうね…そんな馬鹿げた能力をこれ以上あの子に使わせるわけにはいかないわ…!」

紬「ええ…今すぐにでも手分けして…!」

さわ子「焦っちゃダメ!…そんな能力を使っている以上、簡単に止められるような相手じゃないわ…」

さわ子「何かの覚悟のもとに使用しているはず…まず説得は通じないと思う…それが唯ちゃんでもね…」

唯「じゃあ叩いてあげないと!悪いことした妹はちゃんと私が叱ってあげなきゃ…!」

さわ子「……」

さわ子「…唯ちゃん、今から話すことをどうか落ち着いて聞いて欲しいの」



さわ子「あの子が神候補に与えられた力とは別にある…特殊な能力の話よ」


さわ子「…ムギちゃんはもう知っているわよね?」

紬「…神器ですか?」

さわ子「その通りよ。それが彼女の持つ特殊な能力の数々…」

さわ子「…天界人のみに与えられし神器よ」

和「天界人…?…えっ!?それって…!?」

紬「…!!そんな憂ちゃんは…!?」

犬丸&斉藤「……」

唯「…えっ?なに?みんなどうしたの?」

さわ子「そういえば…唯ちゃんには私達神候補のこと何にも説明してなかったっけ…」

さわ子「唯ちゃんよく聞いて…私達神候補三人…憂ちゃん…平沢憂は…」





さわ子「人間じゃありません」


和「憂…が…?」

紬「そんなことって…!」

唯「……」

唯「…何を言ってのさわちゃん先生?やだなぁ!憂は私の妹だよ~!」

唯「それにさわちゃん先生が人間じゃないって!どこからどう見ても人間じゃーん!!」

唯「いくら私が天然だからってそんな冗談に…」

さわ子「……」

唯「…騙されないんだからっ」

唯「だからさ!早く冗談って言ってよ!ほら、和ちゃんや紬ちゃんも黙ってないでさわちゃん先生に何か言ってやってよ!」

紬「唯ちゃん…おそらく先生の言ってることは…」

和「憂が…そんなっ…?」グスッ…

唯「……」

唯「…なんだよぉ、みんなして…」

唯「…憂は小さな頃からずっと一緒にいた私の家族だよ…?」

唯「……大事な私の妹なんだからぁっ!!!」

~~~~~~~~~

憂「……」

憂「ねぇ、お父さん」

マーガレット「……」

憂「私、もう覚悟を決める。お姉ちゃん…平沢唯を含めた全ての能力者を倒し貴方を神にしてみせる…」

憂「…だから舞台を用意してもらえないかな?」

憂「そこで全て終わらせてみせるから…」

憂「(お姉ちゃん…私は…)」


第六話終了です!



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最終更新:2010年10月31日 22:29