梓「なんですか? 唯先輩」
唯「そ、その……」
唯「もうすぐバレンタインだね! えへへ」
梓「あー、もうそんな時期ですか。すっかり忘れてました」
唯「あずにゃんは誰かにチョコあげるの?」モジモジ
梓「んー、まだ考えてませんね」
唯「そっかあー」チラッ チラッ
梓「そんなに人の顔チラチラ見ないで下さい」
唯「うっ、ごめんね……」
律「おい……かわいいな」
紬「唯ちゃん」キラキラ
澪「なんというか……梓もよく気づかないな」
梓「あ、でも」
唯「何っ!?」
梓「憂と純にはあげるかも……」
梓「ど、どうしたんですか?」
唯「なんでもないよ……」
律「梓……」
紬「唯ちゃん! 私がおいしいチョコあげるから元気だして!」
澪「唯も自分も欲しいって言えば……言えないか」
梓「ゆ、唯先輩は誰かにチョコあげるんですか?」
唯「……うん、あげるよ」
梓「そ、そうなんですか!」
唯「うん……」
梓「あ、えーっと……」
唯「誰にあげるかとか聞かないの?」
梓「あんまり踏み込むのも悪いかなって……」
唯「あずにゃんのばか」
梓「えっ」
律「唯がチョコ渡す人って……」
紬「梓ちゃん!」
澪「梓だな」
梓「ばかって……」
唯「なんでもないよ。ごめんね」
梓「い、いえ……」
唯「……ばか」
梓「えっ? えっ?」
律「こっちを見て助けを求められても困る」
梓「あ、す、すいません……」
唯「ちぇー、つまんない」
澪「ま、まあまあ」
紬「唯ちゃんケーキ食べて元気だして?」
唯「ありがと……」モグモグ
律「あ、梓は好きな人とかいるのかー? な、なんちゃって」
梓「どうしたんですかいきなり」
澪「わ、私も気になる!」
梓「澪先輩まで?」
紬「唯ちゃんも気になるよね?」
唯「う、うん」
梓「なんでまた急に」
律「いいじゃんかおしえろよー! 私達の仲だろー? このっこのっ」
梓「わ、わかりましたからやめてください!」
紬「教えてくれるの?」
澪(よくやった、律!)
梓「好きな人ですよね?」
律「あ、ああ」ゴクリ
梓「いるのはいます」
澪「ほ、ほんとか!?」
梓「はい」
律「誰なんだ?」
梓「言える訳ないじゃないですか」
唯「あずにゃん、私?」
梓「そうでs……じゃなくってなんでそうなるんですか!!」
紬(あら?)
紬「梓ちゃんはその人にチョコはあげないの?」
梓「逆に渡せませんよ。緊張しちゃって」
律「そういうもんなのかー?」
梓「そういうもんなんです!」
澪「け、軽音部の中の誰かとか?」
梓「そ、そんなわけないです!!」チラッ
唯「ん?」
梓「な、なんでもないです……」
律「でもその慌て方は怪しいな」
梓「な、何を」
律「もしかして私だったりして?」
唯「」ピクッ
梓「それはないです」
律「ムギ、聞いたか……」
紬「よしよし」ナデナデ
唯「あ、じゃ、じゃあ私だったりして!」
梓「あうっ……」
紬「あら? どうしたの梓ちゃん」ニヤッ
梓「な、なんでもないです!」
唯「ねえ! 私だったりして! ねえ!」
梓「ちょっ、ちょっと唯先輩は黙っといて下さい!」
唯「」ガーン
唯「ムギちゃん……」
紬「よしよし」ナデナデ
澪「結局軽音部の中の誰かなのか?」
梓「な、内緒です!」
律「教えてくれよ梓ー」
梓「嫌ですよ。律先輩でも私と同じ立場だったら言わないはずです」
律「私は好きな人いないからなー」
澪「な、なんだって!?」
律「ん?」
紬「あらあら……」
唯「あずにゃん!」
梓「な、なんですか」ドキッ
唯「気になる!」
梓「何がですか?」
唯「あずにゃんの好きな人!」
梓「うっ……」
唯「教えて?」ジーッ
梓「ぐっ……」
紬「梓ちゃん! その誘惑には負けるべきよ! 負けるべきなの!」
梓「うぐぐ……」
唯「……」ジーッ
梓「……わかりました」ハァ
唯「ほ、ほんと!?」
梓「でも名前までは教えません!」
律「ちぇー、梓のやつ私には言わないって言ったくせに」
澪「律、いつでも私を頼ってくれていいんだぞ?」
律「ん?」
紬「じゃあ何を教えてくれるの?」
梓「あ、えーっと……さっきから皆さんに聞かれてるやつです」
唯「軽音部かどうかってやつ?」
梓「はい」
律「どうなんだ?」
澪「軽音部なのか!?」
梓「……は、はい」
紬(唯ちゃんで決まりみたい)
紬「で、その軽音部の中の誰なの?」
梓「えっと……ってムギ先輩! からかわないでください!」
紬「うふふ♪ 梓ちゃんかわいい♪」
梓「もう!」
唯「むーっ」ムスッ
律「澪、唯のやつあれ嫉妬か?」
澪「律のばか」
律「え?」
澪「もういいよ唯唯ってさ……」
律「み、澪しゃん?」
紬「特徴とかはないの?」
梓「特徴ですか……?」
紬「例えば黄色いヘアピンつけてるとか!」
唯「」ピクッ
梓「そ、そんなの言ったらもうバレちゃうじゃないですか!」
唯「私! 私黄色いヘアピンつけてるよあずにゃん!」
紬「唯ちゃん、落ち着いて?」
梓「そ、それはやっぱり言えませんよ」
律「じゃあ「絶対この人ではない!」ってやつは誰なんだ?」
梓「律先輩です」
律「澪~!」ギュッ
澪「り、律!」ギュッ
唯「じゃあ、あずにゃんは何色のヘアピンならいいの!?」
梓「ずれまくってますよ唯先輩……」
紬「……いいこと思いついちゃった!」
律「ん? どうしたムギ」
澪「何を思いついたんだ?」
紬「梓ちゃん」
梓「はい?」
紬「皆に一回ずつ抱き着いてみて?」
梓「にゃ!? む、無理ですよそんなの!」
律「私は別にいいぞー」
澪「律!」
律「あ、いやー……ははは」
梓「ほ、ほら! 律先輩や澪先輩も反対みたいですし……」
紬「じゃあ唯ちゃんだけ!」
唯「え?」
梓「なっ……む、無理です!」
唯「あずにゃん、私の胸に飛び込んできて!」バッ
梓「もう! 変にのらないでくださいよ唯先輩も!」
紬「梓ちゃんの反応で誰が好きなのか分かると思ったのに残念♪」
梓「からかわないでください!」
澪「梓、そろそろ教えて欲しいな」
梓「澪先輩まで私を困らせないでください……」
律「ほらほらー! 早く言わないと唯に抱き着いちゃうぞー!」
唯「え? なんで私?」
梓「ダ、タダ、ダメに決まってます!」
澪「そうだぞ!」
律「じょ、冗談だってー」
律(やっぱり梓の好きな人は唯か……?)
梓「とにかく! もうこの話はこれで終わりです!」
唯「えー嫌だよ! あずにゃんの好きな人知りたい!」
梓「……そんなに言うなら、唯先輩は好きな人いるんですか?」
唯「え? わ、私!?」
紬「あら……」
澪「そうきたか」
梓「どうなんですか?」
唯「わ、私は……えーっと」
梓「教えてください!」
律「そうがっつくなよ梓」
梓「だって気になります!」
紬「梓ちゃんの好きな人だから?」ボソッ
梓「な、なななっ!///」
唯「え? 何?」
梓「なんでもありません!」
紬「うふふ♪」
律「恐ろしや……」
澪「さすがムギだな……」
梓「と、とにかく! 今は唯先輩に好きな人がいるかいないかです!」
梓「どうなんですか?」
唯「いるよー! 軽音部だよ!」
律「いやにあっさりしてるな……」
澪「すごいな……」
律(まあ唯の好きな人は梓以外はとっくに気づいてるんだけどな)
梓「うっ……こんなにあっさり答えられたらどう追及していいのかわかりません」
紬「唯ちゃん、どんな特徴の人なの?」
律「唯、私なんだろー?」
澪「こら律!」
唯「律ちゃんも好きだよー」
律「え?」
澪「え?」
唯「でもそういうのじゃないかな」
律「あ、なんだびっくりした」
澪「よ、よかった……」ホッ
律「ん? よかった?」
澪「あはは! いやーいい天気だな!」
律「澪?」
梓「じょ、冗談はさておき、どんな特徴の人なんですか?」
唯「んー……特徴かあ」
紬「なんでもいいの、例えばツインテールとか!」
唯「ム、ムギちゃん!」
梓「それだったら私だけになっちゃうじゃないですか!」
唯「う~……だって難しいよ。皆個性的なんだもん」
律「まあ、確かに唯の言う通りだ」
梓「一つ特徴言えばすぐに誰なのか分かっちゃいます」
澪「じゃあ唯も一人一人抱き着いてみたらどうだ?」
唯「あずにゃ~ん!」ダキッ
梓「ちょ、ちょっと唯先輩!!」
律「そうか、唯には通用しないな……」
紬「……うーん」
澪「ムギ、何か思いつきそうか?」
紬「澪ちゃん、ちょっと来て?」チョイチョイ
澪「ん? なんだ?」
紬「それっ♪」ダキッ
澪「ム、ムギっ!?」ダキッ
律「おいムギ!」
紬「澪ちゃんいい匂い♪」チラッ
唯「ムギちゃんどうしたの?」
律「ムギ! 離れろー!」ジダンダ
紬「ふふっ♪ ごめんね」パッ
澪「だ、大丈夫だけど……」
梓「何がしたかったんですか?」
紬「ちょっと実験してみたの」
梓「実験って……」
紬「それっ♪」ダキッ
梓「にゃっ!?」ダキッ
唯「!!」
紬「梓ちゃんかわい~いっ!」
梓「ちょ、ちょっと! どうしちゃったんですかムギ先輩!!」
唯「ムギちゃん!!」
紬「どうしたの唯ちゃん?」
唯「あずにゃんから離れて! ずるいよ!」
紬「あら? なんで?」
唯「そ、それは……もう! いいから離れて!」
律(あ、なるほど。唯に嫉妬させたかったのか)
澪(ムギは考えることが違うな……)
紬「ごめんね、唯ちゃん」パッ
梓「あっ……」
唯「……」ムスッ
梓「唯先輩……?」
唯「」ムスッ
梓「あの……」
唯「あずにゃんムギちゃんにくっつかれて嬉しそうな顔してた」ムスーッ
梓「いや、あの……び、びっくりしただけです!」
律「梓が唯にくっつけば解決するんじゃないか?」
梓「な、なんでそうなるんですか!」
澪「唯の顔見てみろ」
梓「え?」
唯「あずにゃんから私に……?///」
梓「うっ……」
紬「梓ちゃん! ファイト!」
律「梓! 応援してるぞ!」
澪「が、がんばれ!」
梓「もう! なんですかこの空気!」
唯「さああずにゃん! 私は準備OKだよ!」バッ
梓「しなくていいです! というか立ち直り早すぎです!」
唯「ちぇー」
最終更新:2010年11月01日 19:57