澪「お前…それ……」
律「へっへー、なんか面白そうだったから買ってみた」
澪「いや、なんで手錠なんて買う必要あるんだよ!」
律「いいだろ、これ。わっかにフワフワ付いててさ、着けても跡残ったりしないんだって」
澪「……誰が着けるんだよ」
律「澪しゃん」
澪「嫌だっ!」
律「いいじゃん。せっかく買ったんだし、試させてよ」
澪「嫌だって!」
律「澪!」
澪「な、なんだよっ」
律「今日は私の言う事聞くの」
澪「な……そ、そんな真剣な顔しても駄目なものは駄目だ!」
律「ええー!もー、ノリ悪いぞー」
澪「だって!………手錠とか…怖いし」
律「私が澪を怖い目にあわせると思うか?」
澪「そんな男前な顔されてもな……」
律「フワフワのを選んだのも澪の事ちゃんと考えてるからだって」
澪「そ、そうなのか」
律「当たり前じゃんか。私、澪の事好きだし」
澪「………」
律「澪も私の事、好きだろ?」
澪「ん…まあ……うん。好きだよ」
律「痛い事も怖い事もしないから。なっ」
澪「…………痛かったり怖かったりしたら、すぐやめる?」
律「やめる」
澪「じゃあ……いいよ」
律「よっしゃー!じゃ、早速だけど制服脱いで?」
澪「ぬ!脱ぐのか?」
律「シワになるって」
澪「…なんか……脱いで手錠って、2倍恥ずかしいんだけど」
律「はやく」
澪「あ、うん。ごめん…」
澪「えっと、どこまで脱いだら…」
律「ああ。Tシャツとかに着替えてなー」
澪「え?ああ、わかった」
(なんだ、全部脱ぐのかと……私ばっかりエッチな事考えてるみたいで嫌だな…)
律「じゃ、着けるぞ」
澪「う、うん」
カ、チリ
澪「………」
律「………どう?」
澪「どう、って……まあ思ってたよりは平気、かな」
律「そりゃそうか。まだ何もしてないからなー」
澪「まだ?おい、何かするつもりなのか?」
律「キスとか」
澪「キス!?」
律「ほら、後ろで固定したから抵抗できないだろ?」
澪「顔近い!顔近い!」
律「当たり前だろー?くっつくまで近付くんだから」
澪「は…恥ずかしい」
律「恥ずかしい?嫌なんじゃなくて?」
澪「え?……嫌…うん……うん?」
律「なんだ。受け入れてくれるんじゃん」
澪「…違うもん」
律「違わないって。澪も私とキスしたいんだろ?」
澪「………」
律「…いいじゃん。今なら、手錠されて動けないから仕方なく、って言い訳できるじゃん」
澪「…意地悪」
律「へへ…」
唯「みたいな」
梓「律先輩、男前すぎません?」
紬「りっちゃんはこのぐらいグイグイ押したほうがいいの!」
唯「澪ちゃんもこのぐらい素直なほうが可愛いよねー」
澪「な、普通こういう話って本人いない所でしないか?」
律「私らをどうしたいんだよ」
唯「2人のね、こういう妄想するとすっごく楽しい事に気付いたんです!」
律「です!じゃねえ」
澪「女同士だぞ…」
梓「女子校なんですし、そういう話もあっていいじゃないですか」
澪「良くない!」
紬「クラスの皆も2人の事応援してるのに…」
律「な…。ロミジュリなんかするんじゃなかったー!」
紬「梓ちゃんは何かある?イチオシの妄想」
梓「ありますよ」
唯「聞かせて聞かせてー」
澪「なあ、律……」
律「何も言うな……もう止まらないって」
澪「律……あのさ、また…アレやってくれないか?」
律「まーたー?昨日もしたじゃんかー」
澪「し!仕方ないだろ!胸大きいと、凝って大変なんだよ」
律「うっわ、嫌味な奴。へいへい、どうせ田井中さんは凝りゃしませんよーだ」
澪「茶化すなよ……ほら、胸…揉んでよ」
律「はいはい。……しっかし、肩じゃなくて胸が凝ったりするもんかねー。巨乳の苦労はわかんねえな」
澪「そ、それは」
律「ほら、早くブラ外せ」
澪「あ、うん。…はい」
律「じゃ、始めるぞー。よい、っしょ」
澪「は……っ……ん…」
(言えない…よな。律に胸揉んでほしいだけ、なんて……)
梓「みたいな」
唯「あー…いいねえー…はっはー」
紬「実際どうなの?胸の揉み合いとかした事あるでしょ?」
律「あー……どうだろ。近い事はある、にはある……かなー」
澪「律っ!」
梓「ほんとですか!?やったぁ!」
律「なんのやったーだよ」
梓「どっ!ど、どこまで」
唯「あずにゃんよだれ出てるよ」
澪「一時期、律が『揉んだら御利益ありそう』とか言って、ふざけて胸揉んでた時があったってだけだよ」
紬「結局、御利益は無かったのね」
律「ムギさーん……さらっとキツいでーす…」
梓「エッチな気分にはなりましたか!?」
澪「ならないって。律のやつ、いっつも加減しないでグニグニするからちょっと痛いぐらいだったし。……って言うか…耳まで赤くなるぐらいなら聞くなよ…」
唯「えー。でもりっちゃんは違うでしょ」
律「え?」
紬「隠してても絶対ちょっとエッチな気持ちあったでしょ?そもそも御利益が~、なんて適当についた嘘なんじゃない?」
律「ちがっ……そりゃ確かに『やらかいなー』とか、触ってて『気持ちいいなー』とかはあったけど、そんな」
梓「あったんですね!!」
澪「あったんだ…」
律「あー!もー!」
梓「ムギ先輩は何かあります?」
紬「1つとっておきのを今日の英語の時間に思い付いたの。でね、ノートに書いておいたの。見て」
澪「びっ…!」
律「びっしり…」
唯「愛だよ!愛!」
澪「そんな歪んだ愛情やだ」
律「澪の好きなタイプってどんな人?」
澪「なんだよ、急に」
律「いや、澪と恋バナとか全然しないなって思ってさ」
澪「あー。うーん、好きなタイプなぁ……」
澪「気を…遣わないでいい人かな」
律「え、顔とか性格とかじゃねーの?まあ、性格っちゃ性格だけど」
澪「男の人とそういう……意識して付き合った事ないし、絶対緊張するもん…。だから」
律「駄目だなぁ。そんなんじゃ彼氏なんかできないぞー」
澪「いいもん…まだ彼氏なんかできなくても。そういう律はどういうのがタイプなんだよ?」
律「私?私はー…そーだなー、考え方とかしっかりしててー、真面目でー、あと私がボケだからツッコミができてー、でも意外と抜けてて可愛いとこもあってー、たまに甘えたりもしてくるような人。が、いたら即!付き合うな!」
澪「それは…注文多すぎるだろ。そんな人なかなかいないって」
律「いや!いる!」
澪「いないよ。いたとしても、そんないい人には彼女いるだろうし」
律「いや!いる!フリーでいる!」
澪「すごい自信だな…」
律「だって、いるんだって」
澪「どこに」
律「ここに」
澪「………」
律「……なんつって………はは…」
澪「………」
律「冗談!冗談だよ!びっくりした?」
澪「気を遣わないでいい人」
律「え?」
澪「あれ、律の事だから」
紬「みたいなね」
唯「これは…」
梓「続きはいくら払えば読めるんですか?」
澪「もう許してくれ」
律「ムギ、授業ちゃんと受けような」
唯「全然のってきてくれないね」
律「当たり前だ!」
澪「自分が言われたらどうなんだよ?例えば…ムギと唯で妄想されたりしたら」
紬「え?うーん……ちょっと…」
唯「…うん、内容にもよるけど、あんまり気持ちいいものでもないね」
紬「ね」
梓「私は平気です」
唯「じゃ、あずにゃんには妄想じゃなくてほんとにいい事したげるね」
梓「え?なんですか?急に」
紬「梓ちゃん、じっとしてて。じゃないと痛くしちゃうかも」
梓「え!?そんなとこ……あっ!…あ」
梓「みたいな事になっても平気です」
律「なんねーよ」
唯「でも、やっぱり澪ちゃんとりっちゃんじゃなきゃ駄目かな」
紬「うん!インスピレーションの湧き方が他の人とは全然違うもの!」
梓「そうですね。唯先輩とムギ先輩ではいまいちキレの無い仕上がりになっちゃいますし」
律「キレ…?」
澪「私達にはあるのかよ」
律「いやー……今日は疲れたな…。なんなんだよ、皆して……なあ?澪」
澪「………」
律「……?澪ー?」
澪「…ほんとに、嫌?」
律「え?」
澪「皆が言ってたみたいな事。律は、ほんとに嫌か?」
律「そりゃ……女同士だし……澪も気持ち悪いだろ?」
澪「私は!…っ!」
律「わっ…な、なんだよ」
澪「………私は…律とだったら」
律「え…」
……
唯「とか、こんな感じかな?今日の帰りは」
梓「いいですね!」
澪「これ、いつ終わるんだよ」
終わり
最終更新:2010年11月01日 22:46