梓「唯先輩。ホウキをお願いします」

唯「手を離して大丈夫?」

梓「ムギ先輩を信頼してますから」

紬「ありがとう、梓ちゃん♪」

梓(だけど肩車って、冷静に考えると結構な体勢だよな)

紬「うふふ♪」 さすさす

梓「・・・結構引っかかってるな」 ひょいひょい

澪「梓、無理するなよ」

梓「ええ、私は平気です。・・・ムギ先輩は大丈夫ですか?」

紬「100人乗っても大丈夫よ」

唯「うーん、白ウサギ♪」

律「持って回るな、おい」

梓「済みません、もう少し前にお願いします」

紬「はいはい♪」

梓「そこで結構です・・・よっ」 ひょいひょい

唯「もう一人乗らないと、届かないかな」

澪「そうなると、あずムギッツか」

律「どうして私が下決定なんだよ。梓、もう止めだ。危ないから降りてこい」

梓「でも、これが取れないと」

律「そこまで無理する事じゃないって言ってるんだよ。ムギ、ありがとう。もう良いよ」

梓「はぁ」

紬「ゆっくり屈むわね」 すーっ

梓「済みません、お役に立てずに」 しゅん

律「だったら脱げ」

梓「えっ?」 びくっ

律「ほら、早く」 ぐいぐいっ

梓「な、な、にゃーっ」 すぽっ

紬「うふふ♪」 きらきらっ

律「澪、ほれ」 ひょい

澪「ジャケット、結構汚れちゃったな。天井をはたいたから、埃が落ちて来たんだ」 ぽんぽん

梓「ああ、そういう。そういう意味でしたか」 ほっ

紬「うふふ♪」 きらきらっ

澪「大体、こんな所か」

梓「あ、ありがとうございます」

澪「気にするな。よし、掃除の続きをするぞ」

紬「後は壁と窓を拭いて終わりね」

唯「紐は?」

律「もしかしてあれは、何かのスイッチかも知れないぞ」

唯「だったら、迂闊に取らない方が良いのかな」

紬「紐を引くと何が起きるの?」

唯「おめでとーって、垂れ幕が下がってくるとか」

律「色んな意味でおめでたいな」


澪「ふーん♪ふふーん♪」 きゅっきゅっ

律「いるよな。掃除の時に、鼻歌を歌う奴」

唯「でも鼻なんだから、歌うって言うのも変じゃない?」

律「うーん、意外と深いな」

梓「どうでも良いから、掃除をお願いします」

唯「あずにゃんはいつも真面目だね。お姉ちゃん、肩凝っちゃうよ」

梓「なんですか、それは。とにかく手を休めないで、掃除をお願いします」

澪「ふーふふーん♪ふふふーっ♪」 きゅっきゅっ

唯「澪ちゃん、楽しそうだね」

澪「作曲の才能が芽生えたかも知れないな」

唯「だったら今度は、私が詞を書いてみるよ」

澪「お。ゆいみお誕生だな」

梓「ふ・・・。ふふーん♪ふふふーん♪」 ちらっ、ちらっ

律「梓、鼻歌下手だな」

梓(下手って言われたし。鼻歌が下手って、意味分かんないし)


紬「後は机と椅子を元の場所へ戻してと」 ひょいひょい

律「ドラムは大体、この辺か」

澪「食器棚が残ってるぞ。これこそ、全員じゃないと動かないな」 ぐいぐい

澪「せーので持ち上げましょうか」

律「全員、囲めー」

唯「おー」

律「持ち上げろ-」

紬「おー」

梓「・・・何故、私を」

澪「つい」

律「冗談はそのくらいにして、本当に運ぶぞ」

澪「お前が言い出したんだろ」

紬「まあ、まあ。もう一度、せーのでは持ち上げるわよ」

唯「おー」

梓「唯先輩は、そればかりですね」

紬「うふふ♪・・・せーの」

唯「ぅおーっ」

梓(い、意外に野太い声が)

律「みんなで力を合わせて、気持を一つにするんだっ」

澪「またややこしい事を」

紬「わっしょい♪わっしょい♪」

唯「ぬぁーっ」

梓「何一つとして揃ってませんね」

唯「それが軽音部の良い所だよ」 にこっ

梓(何故、突然笑顔)

紬「もう少し下がって、下がって。下がって」

律「今思ったんだけど。これ以上下がると、私は壁と棚に挟まれるんじゃないのか」

澪「気のせいだろ」

梓「気のせいですよ、気のせい」

唯「なんだか、妖精さんみたいだね」

紬「ロマンチックねー」

律「というか、あんこが出そうなんですけど」

律「あー、ひどい目に遭った」

紬「まあまあ。でもこれで、一通り終わったわね」

澪「後は食器を棚へ戻して終わりか」

唯「これ、紅茶が入ってた箱だよね」

律「「どうかしたのか?」

唯「空なのに、音がするよ」 かたかた

澪「爆弾だったりしてな。はは」

律「後ろに隠れるな」

唯「そういう音じゃないんだけどね」 かたかた

澪「確かそれは空で、でもデザインが可愛かったから残してたのよね」

唯「飴ちゃんでも入ってるのかな」 かたかた

澪「好奇心は猫を殺すぞ」

律「むしろ、開けない方が殺すと思うけどな」

唯「・・・分かった。これだよ、これ」 かたかた

律「近すぎて見えないよ。・・・ああ、これか」

澪「・・・思い出した」

紬「そういう事ね」 ぽんっ

梓「さっき言ってた、探してる写真ですか」

律「鋭いな。梓、開けてみろ」

梓「・・・私の恥ずかしい写真とか、そういう意味ですか」

律「さて、どうかなー」

紬「もう、りっちゃんってば。大丈夫よ、とっても素敵な写真だから」

澪「第一私の写真以上に恥ずかしい物なんて、そうはないさ」 ふっ

唯「あずにゃん、早く開けてみてよ」

梓「・・・びっくり箱ってオチとか」

律「つくづく可愛くないな。昔はあんなに素直だったのに」

梓「なっ」

紬「嘘嘘。梓ちゃんは今でも可愛いわよ」

梓「はぁ」

澪「大丈夫。良いから開けてみろ」

梓「・・・分かりました」 かぱっ

梓(紅茶の良い匂い。・・・封筒、か) かたっ

唯「なんて書いてある?」

梓「・・・宛先は、中野梓」

唯「差出人は?」

梓「田井中律、秋山澪、琴吹紬。・・・平沢唯」

唯「何が入ってるんだろうね」

梓「・・・写真が入ってます。皆さんが言ってたように」

唯「どんな写真?」

梓「場所は、この部室。そこで皆さんが写ってます」

律「私達だけか?」

梓「違います」

澪「他には誰が?」

梓「・・・私が、皆さんと一緒に写ってます」

紬「つまり?」

梓「私が初めて部室に来た日の写真です。・・・それと、手紙が一通」



┌───────────────────────┐
│                                  │
│  あずにゃんへ                        .│
│                                  │
│  いつまでも、この5人で                ......│
│  また今度も、この5人で                .....│
│                                  │
│                                  │
│  田井中律 秋山澪 琴吹紬 平沢唯         ..│
│                    中野あずにゃん    .│
│                                  │
└───────────────────────┘


唯「あーずにゃん♪」

梓「ちょっと、唯先輩」

唯「昔は良くこうしてたねー」

梓「今でもしてるじゃないですか」

律「まあまあ。とにかく大切に保管しようって事になってさ」

唯「初めは、天井の紐にぶら下げようって言ってたんだよ。あずにゃんがいつ気付くかと思って」

澪「でも私達のバンド名は、放課後ティータイムだろ。大体、天井って」

紬「だからティーセットのどこかにしまっておこうって。さっきの紐で、隠した場所を思い出したの」

唯「ちょっと、やりすぎちゃたけどね」

律、澪、紬「あはは」


梓「あの。えと、その」

律「ん、どうした?」

梓「いえ、その。そんなに皆さんが、私の事を気に掛けてくれていると思ったら。えと、その」

唯「でも写真の場所、忘れちゃったしね」

律「それでこそ、私達だ」

澪「威張って言うな」

紬「せっかくだし、また写してみる?」

律「良いな、それ。よーし、全員並べー」

律「もうちょっと詰めて。ほら、寄って寄って」

梓「狭いんですけど」

唯「大丈夫大丈夫」

澪「全然答えになってないぞ。律、タイマーは」

律「今セットした」

紬「りっちゃん、早く」

律「おぅっ」 とたとたっ

律「とーちゃーく」

澪「この、また無理矢理」

梓「だから寄りすぎですって」

律「なんだとー。みんな、囲めー」 きゅっ

唯「おー♪」 きゅっ

紬「えいっ♪」 きゅっ

澪「全く♪」 きゅっ

梓「えーっ?」 

ぱしゃっ



┌──────────────────┐
│                           .│
│ これを読んでいる私へ          ......│
│                           .│
│ いつまでも、この5人で          .....│
│ また今度も、この5人で          ....│
│                           .│
│                           .│
│ 律先輩 澪先輩 ムギ先輩 唯先輩  .....│
│                   中野梓  .....│
│                           .│
│                           .│
└──────────────────┘

                     終わり


最終更新:2011年10月18日 12:57