澪「はっ!?」

憂「あ、気が付いた?」

澪「憂ちゃん?ここは・・・」

憂「憂」

澪「え?」

憂「ちゃんと呼んで欲しいな」

澪「ごめん・・・憂」

憂「うん。ここはさっきのお店からすぐ近くの公園」

澪「で、これは?」

憂「膝枕?」

澪「///」


律「復活したけどまたすぐ死にそうな勢いだな」

唯「澪ちゃん大丈夫かな?主に心臓が」

律「大丈夫だろ、脆いけど案外立ち直りも早いからな」

唯「そっか」


憂「もうビックリしたよ、お姉ちゃん突然倒れるんだもん」

澪「いや、ビックリしたのはこっちだよ」

憂「?」

澪「・・・なんで憂ちゃんそんなに可愛いの?///」

憂「え・・・!?」

澪「ちょっと『お姉ちゃん』って呼ばれただけなのに何あれ?・・・って私は何を恥ずかしいことを話してるんだああ!?」

憂「・・・///」

純「あれ、憂?」

梓「澪先輩も?何してるんです?」

憂・澪「わーーー!何でもない、何でもない!」


唯「ピンチ到来だね」ペロペロ

律「どう切り抜けるか見ものだな」ペロペロ

律「ってだから寒いっちゅうの!なんで二個目買ってんだよ!」

唯「二人なら暖かいよ」

律「それはなんか違う・・・」


梓「・・・まあいっか。それでは失礼します」

澪「あ、ああ・・・」

純「待たんかい」

梓「・・・なに?」

純「こんな美味しい光景をスルーとかありえないでしょ・・・」

梓「悪趣味だなぁ・・・」

純「というわけで澪先輩」

澪「はい!」

純「憂」

憂「は、はい」

純「なにがあった?」


律「ゴクリ・・・」

唯「ゴクリ・・・」

律「さっき食べたばっかなんだからアイス屋を見て唾を飲み込むのはやめなさい」

唯「は~い・・・」


澪「実は・・・かくかくしかじか」

純「!?」

梓「憂が澪先輩と姉妹!?」

憂「う、うん・・・」

純「私を差し置いて・・・」

梓「アホは置いといて・・・よかったね、憂」

憂「・・・ありがとう、梓ちゃん!」

澪「よかったってどういうことだ?」

梓「あ・・・!な、なんでもないです!」

澪「?まあいっか。二人はどうしてここへ?」

純「お二人と違ってただの買い物ですよ・・・はぁ」

澪「そ、そっか」


律「露骨にテンション下がったな佐々木さん」

唯「佐藤さんじゃなかったっけ?」


梓「・・・それじゃ私たちは買い物の続きに行こうか、純」

純「うん・・・澪せんぱ~い、今度は私とも遊んで下さいね~」

澪「あ、ああ、わかった」

憂「二人ともばいば~い!」

澪「・・・・・」

憂「・・・・・」

澪「あのさ、憂」

憂「なあに、お姉ちゃん?」

澪「さっきの話さ」

憂「!」

澪「よかった、ってことは・・・そういうこと、なのか?」

憂「・・・///」


律「澪がここまで空気の読める子だったとは・・・」

唯「なに?どういうことなの?」

律「まあ見てなって」


澪「つまり、憂は私にお姉ちゃんになって欲しかった・・・と。そういうことでいいのか?」

憂「うん・・・だから一日レンタルって聞いた時は飛びあがるくらい嬉しかったんだよ?」

澪「そうか・・・実は今回、私の勝手な都合に巻き込んで憂には悪かったかなと思ってたんだ」

憂「そんな!むしろどんどん巻き込んで欲しいよ!」

澪「ありがとう、憂。やっぱり私、憂みたいな妹が欲しかったよ」

憂「私もだよ、澪お姉ちゃん」

澪「へへ」

憂「えへへへ」


唯「あー、そういうことだったのかー」

律「そういうことだったんだ」

唯「つまり二人は両思いだったんだね!」

律「そう・・・ってなんか違わないか?」

唯「そうだよ、きっと」


澪「・・・お腹減ったな」

憂「そうだね、何食べよう?」

澪「うーん・・・さすがにハンバーガーは無いよな・・・」

憂「お姉ちゃんの食べたいものでいいよ?」

澪「いや、今日はせっかく憂と姉妹なんだし何か特別な・・・あっ!」

『ケーキ食べ放題』

憂「・・・ここでいいの?」

澪「ああ!いつもは体重気にして入らないからな!それに今日という特別な日にはケーキが相応しい」

憂「お姉ちゃんもけっこう甘いもの好きなんだね?」

澪「ああ、唯には負けるけどな」

憂「ふふっ」


律「まさか澪がケーキに走るとは・・・」

唯「多分ムギちゃんのケーキの方が美味しいと思うんだけど・・・」

律「まあ記念ってことなら納得だけどな」

唯「そういうものかな」


澪「うめー!」モグモグ

憂「うん、食べ放題だからもっと適当なものかと思ったけどこれは美味しいね!」

澪「これはムギのお菓子に勝るとも劣らないな・・・」

憂「紬さんのお菓子ってそんなに美味しいの?」

澪「ああ、なんでも貰い物だそうなんだけど、それが高級感溢れるものばかりで」

憂「いいなぁ、軽音部・・・あ」

澪「・・・」

憂「・・・」モグモグ


『洋菓子店KOTOBUKI』

律「・・・まさか、な」

唯「ないない、それはないよ」

律「だよな、考えすぎだよな」

律・唯「アハハハハ」


澪「ふー、食べた食べた」

憂「久しぶりに食べすぎちゃったー」

澪「・・・まさかとは思うが憂」

憂「なに?」

澪「唯と同じく食べても太らない体質だったり・・?」

憂「まさか!これでも体重には気を使ってるんだよ」

澪「おお同志よ!」

憂「お姉ちゃーん!」

澪「・・・一緒に頑張ろうな」

憂「うん!」


律「唯はいいよな、体重気にしなくていいし」

唯「りっちゃんもあまり気にしてるようには見えないけど?」

律「澪ほど過敏じゃないだけだよ」

唯「そっか」


澪「次はどこ行こうか」

憂「はい!CDショップに行きたいです!」

澪「異議なし、それじゃ早速行こうか」

憂「やった~!」

澪「で、着いたわけだけども」

憂「・・・・・」

澪「へぇ、憂も洋楽なんて聞くんだ」

憂「あっ、うん。梓ちゃんに勧められて・・・」

澪「納得だ」


唯「りっちゃん見て見て!変なジャケット!」

律「ブフッ!なんだそりゃ!」

唯「前衛的だねー」

律「お前、前衛的って使いたかっただけじゃないのか?」

唯「そんなまさか・・・」


澪「CDにはこうして惜しげもなくお金を注ぎこめるのに、何故服にはお金をかけたくないのだろうか・・・」

憂「お姉ちゃん?」

澪「何でもない、独り言だよ」

憂「そっか、でもけっこう買ったね」

澪「ああ、うん。良ければ一緒に聞こうか」

憂「本当?やった!」

澪「誰かと一緒に聞くってのもなかなかないからな」

憂「特別?」

澪「特別特別」

憂「ふふふ」


律「そしてお前は何故演歌のカセットテープを買った」

唯「いや~、買ってくれと訴えかけてきたのでつい・・・」

律「お前の感性は澪以上にわからん」

唯「いいじゃん演歌・・・」


澪「早速聞こうと思うんだけど、どっちい行こうか?」

憂「どっち?」

澪「うちと憂の家」

憂「もちろんお姉ちゃんの家で!」

澪「即答・・・」

憂「だって・・・」

澪「特別?」

憂「そうそう」

澪「考えてみれば律以外を上げるのは初めてな気がするな」

憂「・・・」

澪「どうした?」

憂「ううん、なんでもない」


律「む、澪の家に向かうのか」

唯「さすがに家の中までは付いていけないね」

律「帰るか・・・」

唯「そうだね」

……

澪「さー上がって」

憂「お邪魔します」

澪「違うよ」

憂「え?」

澪「ただいま、だ。憂は今私の妹なんだからな」

憂「!た、ただいま!」

澪「ああ、おかえり、憂」


唯「ただいまー、っと」

律「お邪魔しまーす、っと」

唯「いらっしゃーい、っと」

唯・律「プッ」


澪「ここが私の部屋。とりあえず飲みもの持ってくるから寛いでてよ」

憂「私が行ければいいんだけど・・・ごめんねお姉ちゃん」

澪「そういう水臭いことを言う妹は嫌いだぞー」

憂「うっ・・・ありがとう、お姉ちゃん」

澪「よしよし。それじゃちょっと待っててな」

憂「はーい」


律「さて、とりあえず飲食物だな」

唯「私が持って行くからりっちゃんは」

律「駄目だ、私がやるから唯は部屋に行っていなさい」

唯「ケチー」


澪「お待たせー・・・っと、早速自分の買ったの開けたのか」

憂「うん、CDの封だけは切っておいたよ」

澪「よし、それじゃ早速」

~♪

澪「しっとりした曲があったと思えば・・・」

憂「うん、激しい曲もあって」

澪「曲毎に全く違う表情を見せる。これは・・・」

憂「さすが梓ちゃんだなぁ、こんな凄いのを知ってるなんて」

澪「つ、次は私のを聞くぞ!」

憂「うん、わかった」



唯「・・・やることなくなって暇だねりっちゃん」

律「実際やることないから二人を追いかけまわしてたんだしな」

唯・律「ほげー」


~♪

憂「お姉ちゃんの買った曲、可愛い・・・!」

澪「そ、そうか・・・」

憂「普段からこういうの聞いてるからあんなに可愛い歌詞が書けるんだね!」

澪「そんなことは・・・///」

憂「・・・?あっ!」

澪「ん?」

憂「このバンドのベースの人、左利き!」

澪「何っ!?」


律「やっぱ憂ちゃんの料理はうめえ・・・」

唯「うぷ・・・苦しい・・・」

律「だから言ったろ、昼飯あるんだからケーキはほどほどにしとけって」

唯「うう・・・」


澪「そうか・・・なんかジャケットの写真に惹かれて買ったんだけど理由はこれだったか・・・」

憂「知らないで買ってたんだ・・・」

澪「ああ、これはもう運命だな」

憂「運命!?」

澪「憂、ありがとう」

憂「へ?」

澪「憂がいなければCDを買うこともなかったろうし、レフティーに気付くこともなかったと思う」

澪「本当にありがとう」

憂「そ、そんな・・・」

澪「でも」

憂「?」


律「ふう・・・食った食った」

唯「」

律「唯?ゆいちゃ~ん?駄目だこりゃ」

唯「」


澪「本当にお礼を言いたいのは、憂が妹になってくれたことそのものに対してだ」

澪「CDとか関係なくね」

憂「え?」

澪「今日は、何をしてても憂と一緒にいるだけで楽しかった」

澪「だから、ありがとう」

憂「そ、そんな・・・」

澪「それで、なんだけど」

憂「?」

澪「今日だけじゃなくて、たまにでいいから明日からも憂のお姉ちゃんになりたいんだけど・・・駄目かな?」

憂「・・・喜んで!」


律「澪は憂ちゃんみたいな妹が欲しいっていってたけど」

律「私なら妹はちょっと不出来なくらいがちょうどいいな」

律「なあ、そう思わないか?唯」

唯「zzzzz」




終わりです



最終更新:2010年11月08日 23:15