唯「(う~こんな世の中嫌だよ…)」

唯は悩んでいた。

最近、世の中が急激に変わってしまった。
もちろんその変化は軽音部の中にも影響を及ぼしている……



音楽室
唯「おはよ~…」

律「おぉーすっ!」

澪「おはよう!」

紬「おはようーっ」

梓「おはようございまーすっ」


律「なぁ唯!ちょっと聞きたいことあるんだけど!」

唯「えっ……何?」

唯は心配そうに律に聞いた。

なぜ唯が律の質問を心配するか。

その理由は今からちょうど1ヶ月前にある。


ちょうど1ヶ月前に政治家がとんでもない政策をだしたのである。


『国民正直化計画』

犯罪を減らすため、そして、日本国民を正直にしようと言う政策だ。

この政策が出た次の日から『思考発信装置』という装置をつけることを義務付けられた。


この装置をつけている者に質問を問いかけると、嘘偽りない答えを返してしまう。



もちろん軽音部のメンバー全員もこの装置を付けていたのだった……

律「なぁ唯?昨日は憂ちゃんとどんな事したの?」


唯《一緒のベッドで寝ちゃった~》


唯「ち、違う!嘘だよっ!」カァ…


律「へ~?この歳になっても妹と寝てるんだ~?あとさ~…」


唯は質問が聞こえない様に耳を塞いだ。

質問を聞かなければ装置は作動しない。


唯「りっちゃん!変な事聞かないでよねっ!」

唯「もう~っ!そういうりっちゃんは聡くんどんな事してるのさっ?」


律「ゲームだけど」
律《ゲームだけど》


唯「ズルいよ~」


こんな感じで1ヶ月過ごしていた。



ある時、紬がこんな質問をした。


紬「あの…女の子×女の子ってどう思いますか?」

澪《?》

律《?》

唯《?》

梓《?》


紬「はぁやっぱりそうですよね……」

唯「むぎちゃん、女の子×女の子ってな~に~?」

律「おい!バカっ!」


紬《私はりっちゃん×唯ちゃんが一番だと思います!》

紬「そ…そういう事です…」

律「へ~………」

唯「え?りっちゃん、りっちゃん×私って何?」

律《私と唯がカップルになるってことだよ!》

律「………」

唯「へ、へぇ~……」

唯「………」

律「………」

律「(気まずくなっちゃったよ…)」

紬「2人はお互いにどう思ってるんですか?」


唯《りっちゃんといると楽しいよ~!えへへっりっちゃん可愛いしね!》

唯「いや!違うよ!?…憧れで可愛いな~ってことだよ!」


律《唯はちょっと駄目な所があるから支えたくなるんだよな!》

律「これはっ!…友達として…」


澪「(ああ……軽音部は変わってしまったな……)」


梓「(唯先輩そんなこと思ってたんだ……)」

紬「え!?じゃあ両思いなんですね!」

紬はワクワクしていた。
もしこの装置が言葉だけではなく、映像も発信していたら紬は幸せ者だっただろう。

紬「このまま二人とも付き合ったらどうですかっ?」

唯《りっちゃんもそんな思っててくれたんだ!私はお付き合いしたいなっ!》

律《唯がいいなら…っ!》


唯「…よ、よろしく…」

律「よろしく…」


紬「二人とも!今の気持ちはっ!?」


二人とも耳を塞いでいた。

梓「えぇっ!唯先輩と律先輩付き合っちゃうんですか…!?」

律《うん!》
律「(別に言わなくても伝わるな)」

紬「(もしかしたら梓も?……でも別に聞かなくていっか、)」

唯「…じゃあもう帰ろっか…?」

律《一緒に帰ろぜ!唯!》

律「カァァッ…」


律はおでこまで赤くなっていた。

唯と律は2人きりで帰った。

唯「(うぅ…なんかドキドキする…)」ドキドキ

律「(なんで無口で帰ってるんだ…付き合ってるのに…)」ドキドキ


一言も話さずに唯の家に着いた。

唯「じゃ、じゃあ私はここで……」

律「おぅ…!じゃあな…」


憂「お姉ちゃんおかえり!…あれ?律さん…?」

律「ひ、久しぶりだね憂ちゃん…!」

憂「ちょうど良かった~!カレー作りすぎちゃったんですけど、良かったらウチどうですか!?」


律《行く!行くよ!》

律「……………」カァァ…ッ




唯の家
憂「はい、どうぞ律さん!お姉ちゃん!」

律「おぉ~美味しいカレーだな!」モグモグ

唯「でしょ~!憂が作るものは全部おいしいんだよっ」モグモグ

憂「そういえばお姉ちゃん達なんで2人きりで帰ってたの?」

律&唯《私たち付き合ってるからっ!》

律&唯「モグモグッ(あ、違っ!これは…)」

憂「えっ?なんでお姉ちゃん達が……?」

唯《へへ~っ!りっちゃんって照れると顔が赤くなってすごく可愛いんだよ~!》

律「唯っ!」カァァ…

律《私ちょっと駄目な子が可愛いく思うんだよね!》

唯「りっちゃん……」

もはやカレーの味なんて分からなかった。

憂「もう!!お姉ちゃんなんで黙ってお付き合いしちゃうんのよっ!……もう知らないんだから!」バタンッ


憂は自分の部屋に引きこもった。


律「………」

唯「……これから…どうする~?」


律《一緒にお風呂に入りたいなっ!》

律「いやいやいやっ!ただ思っているだけだから!」カァァッ

唯「じゃあ一緒に入ろっか…」カァッ

律「……へっ?」

唯《じゃあ一緒に入ろっか…》カァッ

唯「もう何度も言わせないでよね!(いいやっほおうーい!)」

律「(キタアアアア!)」


ちゃぽーん

唯「(りっちゃんと裸で2人きり…)」

律「(唯と裸で2人きり)」


唯「じゃあ私先に体洗ってるね」

律「それじゃ私は湯船に使ってるよ!」


ゴシゴシ
唯「(…………)」

律「(…唯が洗ってる所見てみたい…)」


ゴシゴシゴシ……

ゴシゴシゴシ…
唯「あっ…」

律「ん?どうしたんだ唯?」

唯《背中に手が届かないよ~》

唯「だっ!大丈夫だよっ!じ、自分で洗うからっ」

律「本当に大丈夫なのかよ?」ボソッ

唯《りっちゃんに体を洗ってほしいな~》

律「ちょっ!何変なこと考えてるんだよ!」

唯「……本当はどうおもってるの?」


律《洗いっこしたい!》

唯「…………いいよ」


ザバーンッ
律は顔を赤くしながら湯船から出て、唯の背中に近付いた。

唯「……………」ドキドキ

律「じゃ、じゃあ体洗うぞ…」ドキドキ

唯「……うん」ドキドキ


ガラッ

憂「ちょっと待ったーっ!」

律&唯「……!!」ビクッ

憂「律さん!お姉ちゃんと何してたの!?」

律《洗いっこしようと……》


律「嫌、これはっ!唯が背中に手が届かな……」

憂「だめーっ!律さんもうウチから出てってー!」


律「……わ、悪かったよ…(自分から誘ったくせに…)」ガチャ

唯「(ああ……りっちゃん……)」



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