三日後!
【仕事は仕事!趣味は趣味!やはりyuiはそこらへんをきちっとしてるようですね!】
唯「(………………CM断った事までプラス評価になっちゃった…………)
またまた休日の繁華街!
唯「(…………ファンやスロットも駄目……となると……もうこれしかないよ……)
定員「いらっしゃいませー」
唯「……………セブンスター1つ」
定員「えー、440円になりやーす!」
定員「ありがしゃーす!」
唯「(…………ふふふっ……ついにここまで落ちちゃったか……)」
唯「(……後は……ドトールにでも行って吸えば……)」
1時間後!ドトール!
客1「……お、おい……あそこに居るのって……yuiじゃね?」
客2「……ま、マジだ……よく来るって聞いてたけど、本当に会えるなんて……」
客1,2「!?」
唯「…………スゥ……ごっほごっほ!!」
客1「あれ、yuiだよな……?タバコ吸ってるけど……」
客2「……めっちゃむせてる……」
唯「…………スゥ…………ごほごっほ!おえぇぇ……」
30分後!
唯「……スゥ…………ごほっ…………」
唯「(た、タバコを吸う事がこんなにもきついことだったなんて…………でも30分は我慢したしさっきからすごい見られてるし、もう大丈夫だよね?)」
客1,2,3,4,5,6「…………………………」
唯「…………」ガタッ ヨロヨロ
客1「お、おいyuiが帰るぞ……」
客2「すごいよろよろしてるけど……大丈夫か?」
二日後!事務所!
憂「お姉ちゃん!」
唯「んぁ?どうしたの?」
憂「これ見て!これ!フライデー!」
唯「あ、もう発売してたんだ」
【19歳yuiの孤独な一服!喫茶店で一人佇みながらセブンスターを吸う19歳を見たことがあるだろうか!?】
唯「あ、やった!記事になってる!」
憂「ちょ、ちょっと!何で喜んでるの!?ピンチだよ!芸能人としてだけじゃなく、未成年としてもやっちゃいけない行為なんだよ!?」
唯「そうだね……憂の言うとおりだよ……私はやっちゃいけない行為をしたんだよね……うん……罰は甘んじて受けるよ……」
憂「お、お姉ちゃん……。……さっき電話があってとりあえず1ヶ月の謹慎だって……」
唯「……うん。……しょうがないよね……」
憂「お姉ちゃん……」
1週間後!事務所!
唯「(……結局1ヶ月の自宅謹慎になったけど…………ファンの反応はどうなったんだろ?)」
憂「お、お姉ちゃん!テレビテレビ!」
唯「んぇ?テレビ?」
【こ、こちら渋谷のセンター街です!い、いまセンター街ではyuiの喫煙に対する不当な処分に対するデモが行われてる真っ最中です!】
唯「…………え……?」
【数えで二十歳となるyuiに対して喫煙を理由に処罰する事に反対した若者達のデモは、軽く目算しても5万人を超える人数となっており
既に渋谷、新宿、池袋、原宿と至る所でyuiコールが巻き起こっています!
さらに喫煙許可を20歳から18歳に切り下げを要求する活動も行っており、yuiの名の下に既に20万人近く署名が集まってる模様です!】
唯「ちょ、ちょっと待って!わ、わたしそんな事に名なんて貸してないよ!?」
憂「お姉ちゃんすごいよ!こんなにお姉ちゃんのこと考えてくれてる人が居るんだよ!?」
唯「ちょっと!?おかしいと思わないの!?何でただの1アイドルの不祥事で法律うんぬんまで持ち出してくるの!?」
憂「それだけお姉ちゃんの魅力がすごいってことなんだよ……」
唯「いらないよ!そんな喫煙アイドルみたいな魅力!」
男『やっぱりわし達喫煙者にとって最近の禁煙ブームはいたかったからなぁ……yuiには感謝してるよ』
女『yuiちゃんねぇ…かわいいわよねぇ。素直な感じで……』
【若者だけではなく、30代40代の年齢層にも人気が広がったyui!もう誰もこの流れを止められない!?】
憂「お姉ちゃん!タバコのCMオファーが50件近く…」
唯「日本じゃCM禁止されてるはずでしょ!?」
1週間後!事務所!
唯「(…………結局2週間で謹慎とけちゃったよ……しかも法案がどうのこうのって……もう勘弁してよ……どうしてうまくいかないの?)」
憂「お姉ちゃん」
唯「え、……あぁなに?」
憂「明日のライブの衣装はこれでいいよね?ロックテイスト」
唯「あぁ……いいんじゃない……?」
憂「うん!じゃあこれでいこうね!がんばってね!」
唯「(…………武道館か…………そうだっ!)」
翌日!武道館!
客「「『yuiーー!!!yuiーーーー!!』」」
憂「すごいなぁ……武道館が満員だよ……さすがお姉ちゃん……」
唯「そうでもないよ。それじゃあそろそろ私行ってくるね」
憂「あ、うん!ステージ中央はエレベータになってるから気をつけてね!」
唯「あいあいー」ガチャッ
唯「(…………さてと……トイレに行かないと……)」
10分後!
スタッフ「ちょ、ちょっとyuiさん!?本当にそれで出るんですか!?」
唯「そうだよ!何か文句あるの!?」
スタッフ「い、いえ……ありませんが……」
唯「じゃあ早くエレベーター上げてよ!お客さんが待ってるから!」
スタッフ「わ、わかりました……」カチッ
ウィーーーン
唯「(…………しょ、正直私もやりすぎかなと思うけど……)」
ウィーーーン
唯「(……で、でも流石にこれをやれば……)」
ウィーーーン
唯「(…………よし、私最後のライブだよ……っ!)」
ッパッパッパ!
客「「『おおおおおぉぉぉyuiー!待ってたぞぉぉおおお!』」」
ウィーーーン
唯「………………」
客「おおおぉぉぉおおお…………って、あれ?」
ウィーーーン ガシャッ
唯「………………」
客1「お、おい…………あの服って…………」
客2「あ、あぁ……和尚さん…………だよな…?」
唯「…………ミュージック!スタート!!」
1曲目!唯日和
チャーチャララチャーー♪
唯「………………」
客1「あ、この曲は!yuiのデビュー曲!」
客2「和尚には驚いたけど、いいぞぉぉお!yuiー!」
唯「(………………行くよ……わたし!)」
唯「………スゥ…………観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時ー!」
憂、客、バンド「えっ!?」
唯「照見五蘊皆空ー! 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空ーー!」
客「……………………」
憂「……………………」
バンド「………………」
客「(……え、演奏は唯日和だけど…………これって……)」
バンド「(……ちゅ、中断しないから……とりあえず演奏してるけど……これは……)」
憂「(……お、お姉ちゃん……なんで…………)」
客、バンド、憂『(…………何で般若心経……?)』
唯「空即是色!空即是色!空即是色!いえーい!」
5時間後!
唯「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦! みんなありがとーーー!」
客「…………ぜ、全曲般若心経で終わった……」
憂「お姉ちゃん!」
唯「あー憂ーおつかれー。どうだった?」
憂「ど、どうもこうもないよ!どうして歌詞変えたの!?」
唯「んー私的にあっちの方が好みだったから……?」
憂「から……って聞かれても知らないよ!お客さんが怒らないで帰ってくれたからよかったけど暴動が起きてもおかしくなかったよ!?」
唯「いーじゃん。元の作詞だって私なんだから……。それとも何?私の新しい歌詞が気に入らないとでも?」
憂「そ、そうじゃないけど…………それでも元の歌詞を聞いてライブに来てくれるお客さんだっているんだから……」
唯「知らないよそんなの!音楽は日々変わるの!これ日々ロックなの!」
1週間後!事務所!
唯「(……さ、流石の私も……あれ以来怖くてテレビがつけられなかったよ……、でもいつもの流れからすると憂がそろそろ……)」
憂「お姉ちゃん!テレビテレビ!」
唯「…………」
【歴史ブームに変わり今度は般若ブーム!?】
【先日武道館で行われた単独ライブ、有り余る才能を見せ付けたyui!
なんと全曲の歌詞をすべて般若心経に変更すると言うジミーヘンドリックスも真っ青の大革命!
この事に対するファンの反応はとても好意的!】
男『なんていうか……いいっすよね……こう常に自分を進化させるって言うか……』
女『私……すごい感動しちゃって…………汗だくになりながら心経してるyuiに心打たれたって言うか……』
専門家『やはりyuiの才能はすごい物がありますね。もともと音楽と言うのは宗教と密接な関係があって……』
唯「だから何でよ!あんなの完全な悪ふざけでしょ!?どこの世界に般若心経で5時間使うアイドルが居るの!?」
【スロット、タバコと続けてブームを叩きつけてきたyui!今度は般若心経ブームなのか!?
既にカフェなどでは常時、般若心経が流れているところばかり!
音楽の専門化をして、今回のyuiの曲はH&R……般若ロックと呼んでもいいほどの完成度と言わしめました!】
唯「……は、般若ロックってアホか!誰が聞きたいのよ!そんなの!誰よこんなアホな名前付けたの!?」
【当然の事ながら今週のアイドルランキング1位も当然この人!yuiだぁ!これで30週連続1位をキープ!どこまで行くのかyui!】
唯「………あ、あはは、ははは……も、もうだめだぁ……」
憂「………………」
1週間前!
憂「今すぐライブの映像をテレビ、CDショップ、有線ラジオ、そして各メディアに流してもらってください」
男「で、ですが費用が莫大なものになってしまいます!それにまだライブの映像だってろくに編集してないし……」
憂「費用なら20億は用意しました。それと映像ならダイジェスト形式で徹夜で編集してもらいましたから大丈夫です」
男「はぁ……」
憂「それとこれが肝心なんですが、映像を流出する前に必ず全ての報道関係者に饅頭をお配りしてください」
男「ほ、報道関係者ですか……?」
憂「はい。フライデーなどの芸能メディアはもちろん。専門家やテレビで毒を吐いてる芸能人すべてにyuiの事を賛同するようにしてください」
男「こ、今回の般若心経についてですか?」
憂「もちろんです。大衆なんて所詮、流されるためにあるんですから、こちらがブームという名の流れを作れば泳いでくれます」
男「な、なるほど……」
憂「それと………今回の音楽……H&Rとでも言って貰いましょうか。ついでに」
男「H&R………………般若ロック……ですか?」
憂「お姉ちゃんに相応しい革命的な音楽とでも言っておいてください。……費用が足りなくなったらまた私に」
男「わ、わかりました!では直に!」
憂「………………」
憂「……ふふふ……お姉ちゃん……安心してね……絶対芸能界を辞めさせないから……」
憂「おねえちゃんは常に輝いてないと駄目なんだよ…………ふふふ」
唯「あぁぁあああぁどーすればいいんだーーー!」
完!
最終更新:2010年11月10日 22:58