【帰り道】

唯「みんなじゃーねー」

紬「また明日」

梓「失礼します」

律「じゃなー」

澪「………」

律「澪」

澪「うわっ!」

律「帰んないの?」

澪「か、帰るっ」

澪(あああ緊張する…)

澪(でも言わなきゃ…。律がどう思ってるのか)

澪「な、なぁ律…」

律「ん?どした」

澪「あの、その…」

律「なんだよ?」

澪「律はさ、いちごのことどう思ってるんだ…?」

律「…はぁ?」

――――――
――――
―――
――



【翌日】

澪「もう律のことなんて知らん」

唯「へ?」

紬「え?」

梓「はい?」

澪「悩んでた私がバカだった」

紬「なにがあったのかしら…」

がちゃ

律「おっすー」

唯「あ、りっちゃん」

澪「………」ぷいっ

律「なぁんだよ澪、まだすねてんのか?」

澪「うっさい!馬鹿律!」

律「へーへーすんませんでしたー」

唯「いったい何があったんだろうね」ひそひそ

紬「わからないけど…。澪ちゃんの中で何か吹っ切れたみたいね」ひそひそ

唯「解決ってことでいいのかな?」ひそひそ

梓「………」

律「ムギ―。お茶にしようぜー」

紬「あ、はいはい」

梓「あの、澪先輩」

澪「ん?どした梓」

梓「昨日なにがあったか、後で詳しく話してもらえませんか?」

梓「唯先輩とムギ先輩は納得したみたいですけど、私はちゃんと知りたいです」

澪「わかった、それじゃ帰りな」

律「おーい、帰んないのー?」

澪「すぐ行くから先行っててくれ」

律「わかった」

バタン

梓「すいません、なんか時間作っていただいて」

澪「あぁ、大丈夫だぞ」

梓「それで、昨日何を…?」

澪「んーとだな…」

――――――
――――
―――
――

律「いちごって、あのいちごか?」

澪「う、うん」

律「どう思うってなんだよ」

澪「その、好き…とかさ。最近仲良いみたいだから…」

澪「2人で遊びに行ったりしてたし…」

律「なんでそのこと知ってんの?」

澪「え?あ…いやその、あれだよ!風の噂ってやつ!」

律「ふーん」

澪「い、今はそんなこといいじゃないか!それで、どう思ってるんだ?」

律「好きだよ。面白いし、いい奴だし。ちょっとひねくれてるけどな」

澪「そ、そっか…」

澪(好きってどっちの意味なんだろ…)

澪「………」しゅん

律「あ、なに?もしかしていちごに妬いてんの?」

澪「んなっ?!!」

澪「ななななな…///」

律「図星か…ふふん」

澪「や、妬いてなんかないっ!!!」

律「構ってほしいならそう言えばいいのに。素直じゃないのね澪しゃんたら!ぷぷぷ」

澪「~~~~~っ!!/////」

澪「………こんの」

律「へ?」

澪「バカりつぅぅぅっ!!!」がつんっ

律「あだぁっ!」

澪「このバカ!」

律「はぁ?何だよいきなり」

澪「バカバカバカ!」ぽかぽか

律「痛い痛い!やめろって」

澪「わ、私がこの数日どんな思いをしてきたと思ってるんだ!」

律「そんなもん知らん!」

澪(なんだよ律のやつ全然普通じゃん!これじゃ悩んでた私がバカみたいじゃないか)

律「あのな、お前がここ数日どう思ってたかなんて知らないけどさ」

律「聞きたいこととか言いたいことがあんならこうやって面と向かって言えばいいじゃん」

律「長い付き合いなんだから、今さら何ともないだろ」

律「つかお前昨日唯たちとファミレスいたろ」

澪「し、知ってたのか?!」

律「あんだけ騒いどいて気づかないわけがあるか。アホ澪」

律「店出る時に騒がしかった方を見てみたら4人でいたところを発見したよ」

律「双眼鏡まで持っちゃってさ、ぷぷ」にやにや


澪「ぐぅぅ…」


澪「そ、それでさ」

律「ん?」

澪「いちごとこれからどうするつもりなんだ?」

律「これからって?」

澪「その…つつ、付き合ったりとか…」

律「うーん、どうだろうねぇ」

律「いちごのことは好きだし、もっとよく知りたいとは思うけど。いちごのやつ何考えてっかわかんないし…」

律「澪はどうすればいいと思う?」

澪「えっ?!」

澪「わ、私にそれを聞くのか?!」

律「一応な。参考程度に」

澪「………」

澪「つ、付き合えばいいと思う」

律「ほう」

澪「私と」

律「」

律「はい?」

澪「わ、私と付き合えばいいと思う。いちごじゃなくて」

澪「私の方が律のことよく知ってるし、幸せに出来ると思うんだ」

律「あのー…澪さん?」

澪「そうだ、それがいいよ!そうしよう、な!」

律「落ち着け」ぶすっ

澪「ぎゃあ!め、目がぁ」

律「なんだそれは。告白なのか?」

澪「そ、そんなつもりじゃないぞ!」

澪「ただそっちの方がいいんじゃないかなぁ~っていうだけだ」

律「はぁ…」

律「お前はとことんアホなやつだな」

律「いや、もうあれだな。一種の才能だな」

澪「えへへ…」

律「いや、ほめてないから」

澪「それで、どうこの提案?」

律「断る!」

澪「え…」

澪「………」うるうる

律「ちょっと待て!泣くな!」

澪「泣いてない!!」

律「よく聞け澪。私が断る理由は3つある」

律「ひとつはだな。まずずるい」

律「そういうことを言うならちゃんとそういう機会なり場なりを自分で作れ。勢いですんな」

律「もうひとつは、私は付き合うなら出来れば自分からその気持ちを伝えたい」

律「最後な。これは正直に言うけど…」

律「澪と付き合うとか想像つきません!」

律「当たり前のようにずっといた幼馴染だし、いきなりそんなこと言われても困る!というか現に今焦ってる!」

律「そういうわけでその提案はお断りします!」

澪「ぬぬぬ…!」

律「おっ、話してるうちにもう家着いちった」

律「色々話せてよかったよ、そんじゃな!」

澪「あっ、こら!」

澪「ったく…」

――――――
――――
―――
――

澪「…というわけだ」

梓「………」

澪「まぁ私が間抜けだったというか、一人で舞い上がってたんだよ」

梓「…それで」

澪「ん?」

梓「それでいいんですか?」

梓「こ、こんなこと言うのは失礼かも知れませんけど…」

梓「それってつまり遠回りにフラれたってことなんですよ?」

梓「悔しくないんですか?」

澪「あぁ、悔しいさ。でも律の言ってることは正しい」

澪「流れに任せてそういうこと言うのは間違ってる」

澪「それに私は律のこと好きだけど、必ずしも律は私のことが好きってわけじゃないからな」

梓「それは…」

澪「だから、努力するんだ。律に振り向いてもらえるように」

澪「もしそれで律が私に振り向いてくれたら、私の勝ちってことだろ?」

澪「あの時点で私と付き合っておけばって堂々と言える。律に一枚噛ませることが出来るじゃないか」

梓「でも、律先輩の気持ちは今いちご先輩に向いてるじゃないですか」

澪「別に今じゃなくたっていいんだよ」

澪「これからじっくり、律を落として行くのさ」

澪「むしろ時間が経った方が、律は大きな一枚を噛むことになるしな」

梓「そんなの…」

梓「そんなのダメですっ…!!」

梓「こんなに好きなのに、そんな簡単に身を退いていいんですか?!」

澪「身を退くわけじゃないって。律を見返してやるんだよ」

梓「律先輩には、澪先輩じゃなきゃダメです」

梓「いちご先輩なんかじゃダメなんです!!」

梓「あんなに作戦練って尾行もしたのに、こんなの…」

澪「あ、梓…。落ち着いて、な?」

梓「私、こんなの認めない。認めませんから」

ばたん

澪「お、おい梓!」

澪「はぁ…。ややこしいことになった…」


梓(どうしてそんな簡単に諦めきれるの?おかしい、おかしいよ!)

梓(ずっと一緒だったのに、好きだったのに。簡単に奪われちゃっていいの?!)

梓(確かにいちご先輩は容姿もいいし、性格もよさそうだけど、でも澪先輩とは違う!)

梓(律先輩も律先輩。鈍感すぎだよ、バカ)

梓(もういい。私が2人をくっつけてみせる)

梓(そのためにはまずいちご先輩のところに行かなきゃ…!)



【翌日】

澪「律」

律「んあ?」

澪「はいこれ、この前借りてたCD」

律「おう、さんきゅ。どうだった?」

澪「んー、いまいちだったな」

律「なんだとっ?!どこがいまいち何だ言ってみろ!」

澪「なんか全体的にガシャガシャしてて聞いてて疲れる」

律「いいじゃんノリが良くて!」


いちご「………」

エリ「なーにぼーっとしてんのっ」とんっ

いちご「?!エリか…びっくりさせないでよ」

エリ「さっきから律のことばっか見てるでしょ?」

いちご「そんなことないって」

エリ「にしても2人とも楽しそうだねー」

いちご「…うん」

ぎゃーぎゃー

わーわー

いちご「………」

エリ「澪に嫉妬してんの?」

いちご「……!」

ごんっ

エリ「あてっ!」

いちご「…怒るよ」

エリ「もう怒ってるじゃないすか…」

いちご「ふん」

エリ「律のこと、気になる?」

いちご「………」

エリ「どうなの?」

いちご「………」こく

エリ(あああぁぁ、いちごかわいいいぃぃぃ)

エリ(大丈夫よいちご!あんたならきっと律とお似合い!)

エリ(律もいちごのこと好きみたいだし、いけるよ!)

エリ(私がキューピッドになってあげるからね!)

律「ほんっとお前にはセンスがない!」

澪「律にだけは言われたくない!」

エリ「いよっす!」

律「なんだエリ!こっちは今取り込み中だ!」

ぐいっ

律「へっ?」

エリ「悪いね澪。ちょっと律借りるよ!」

びゅーん

律「うおあああ!!」

澪「……何事?」


【廊下】

律「なんだよエリ!いきなり引っ張りやがって」

エリ「ごめんごめん」

エリ「律に渡したいものがあってさ」

律「渡したいもの?」

エリ「はいこれ!」すっ

律「映画のチケット?」

エリ「そ!」

律「なんでこれを私に?」

エリ「チケットが2枚あるってことは、意味わかるよね?」

律「私と行きたいのか?」

エリ「律…それマジに言ってる?」

律「ちがうの?」

エリ「はぁ…こりゃ苦労するわ」

律「?」

エリ「いちごと行くに決まってんでしょ!」

律「な、何でいちごとなんだよ!」

エリ「隠さなくていいよ律。私全部知ってるから」

律「えっ?」

エリ「いちごのこと、気になってるんでしょ?」

律「ちっ、ちが…///」

エリ「あんたら2人して本当かわいいねぇ」

エリ「大丈夫だよ、いちごも律のこと気にしてる」

エリ「だからいっといで!」

律「で、でも悪いよ!」

エリ「いいのいいの!」

エリ「2人の幸せの一端を担えるなら、これ以上の喜びはないもの!」きらきら

律「」

エリ「あ、その映画は最近公開したばっかのアクション映画なんだけど、ちょっとホラーも入ってるのよ」

エリ「ちなみにいちご、怖いの苦手だから」

律「な、何でわざわざそういう映画見るんだよ!」

エリ「あえてよ、あ え て ♪」

エリ「あ、私からって言っちゃダメだよ?」

エリ「そんじゃ、よい報告を期待してるよん」

すたたた

律「あっ、おい!」

律「行っちゃったよ…」

律(本当は誰の手も借りたくなかったんだけどな…)

律(でもエリもあぁ言ってるし、せっかくの好意を無碍にするわけにもいかないよな)

律「…さんきゅ、エリ」ぎゅっ


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最終更新:2010年11月11日 02:30