外で何かきこえた
明らかに律の声だった。
澪は立ち上がり、カーテンの隙間から外を見る
澪「(律ちゃんだ…!)」
それを確認して澪は急いでベッドに隠れた
澪「(あれ?どうして隠れてるんだろ…)」
律が何度か澪をよんだけどちょっとしたら声が聞こえなくなった。
澪「(律ちゃんいっちゃった…)」
澪は自分に失望した。
どうして隠れているのか。どうして無視するのか。
どうしようもなかった。
澪「(もういいや…)」
ガチャ
律「澪ちゃんおはよ!」
澪「…!」
突然部屋に入ってきた
それは律である。
律「いくよ!」
澪「…」
律「おーい」
澪「やだ…」
澪は毛布に包まっている。
律から澪の顔は見えない。
そして律がカバンを床に置いてベッドへ近づき、毛布を奪う
律「おりゃーーーー!」
澪「…きゃ…!」
律「アッハッハ!!」
澪「…?」
なぜか律が楽しそうだった
律「学校いこー!」
澪「…」
律「な?」
澪「っぷ…」
律「?どうしたの?」
澪は律を見ていると楽しくなった
澪「学校いく…」
律「昨日約束したもんねー!」
澪「うん」
律「じゃぁ私下で待ってるね」
澪「分かった!」
律はカバンをもって元気そうに階段を下りていった
そして澪は部屋で着替える
澪「(律ちゃん…)」
澪「(来てくれてよかった!)」
澪「(早くしないと…!)」
澪「あ!」
澪「お礼いわないと!」
律「澪ちゃーん」
澪「はーい」
着替えをすました澪が、カバンを持って急いで階段を下りる
そして玄関にいく
律「いこっか」
澪「うん!」
律「お邪魔しましたー」
ママ「はーい」
澪「いってきまーす」
ガチャ
家から外へでる。澪が靴をはきなおす
律「早く澪ちゃーん」
澪「ごめんね…」
律「いいって!」
澪「あの…!」
律「なにー?」
澪が恥ずかしそうにする。俯いてモジモジしている
澪「昨日ね…」
律「学校まで競争だー!!」ッタッタタ
律は走っていった
澪「あ!待って律ちゃーん!」
澪「っとまぁこんな感じだよ」
澪が語り終える
みんな静かにしている
澪「ん?どうした…?」
唯「りっちゃんかっこいいね!!」ジーン
唯が身をのりだして言う
澪「あ、ああ。そうだな…」
紬「りっちゃんかっこいいわ~」
唯「りっちゃんってさ、あんなんだけどみんなのことちゃんとかんがえてるもんね?」
紬「そうね~。気配り上手ってわけではないんだけど…」
梓「じゃぁなんなんですかね?」
澪「律はやさしいんだよ」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「なんだ?」
唯「その後学校には普通にいったの~?」
澪「別に普通だったよ」
梓「行きづらくなかったんですか?」
澪「いや。はじめはそうだったけど全然そんなことなかったよ」
唯「頑張ったね澪ちゃん!!」
澪「いや…」
紬「りっちゃんのおかげね」
澪「そうだな」
澪「律には感謝している。色んな所で助けてもらってるんだ」
澪「今までずっとそうだった」
唯「さすが部長!」
紬「そうね~」
唯「りっちゃんが居て良かったね!」
梓「そうですね」
紬「その話はりっちゃんとたまにしたりするの?」
澪「しないよ」
梓「しないんですか?律先輩ならそのネタで澪先輩をいじめそうじゃないですか?」
澪「う…。確かにそうだな」
唯「じゃぁどうして?」
澪「さぁ、あいつのことだ。どうせ忘れてるだろ」
澪「とにかく]
澪「私は律が居ないと私はダメなんだ」
澪が真面目な顔で言う
また静かになる
澪「…」
澪「あっ!違う…!今のは…、」
梓「いえ、いいなーって思って…」
唯「うん!よかった!」
紬「じゃぁ、今日そのときのお礼を言えばいいんじゃないかしら?」
澪「…!」
唯「うん!それがいいよ澪ちゃん!」
澪「い、いや、どうせ忘れてるだろうし…」
梓「澪先輩!言ったほうがいいと思います!」
澪「梓まで…」
紬「そろそろ来るんじゃない?」
澪「(はぁ。なんだよこの流れは…)」
澪「(今更お礼なんてな…。照れくさいっていうかなんていうか…)」
唯「私りっちゃん大好きだよ!」フンス
唯がいきなりそんなことを言い出す
紬「私もよ」
梓「なんやかんや言って頼りになりますからね」
唯「澪ちゃんもでしょー?」
澪「あ、ああ」
澪「私にとって律は
ガチャ
突然部室のドアがあく
みんなが振いむく
律「遅れたー」
唯「りっちゃーん!」
律が部室に入ってすぐに唯がだきつく
律「ぅお!?なんだなんだ!?」
紬「遅かったねりっちゃん」
梓「お疲れ様です」
唯「りっちゃんの話してたんだよ!」
律「へ?そうなの?」
唯「うん!澪ちゃんがね!」
澪「…!バカ!してない!」
律「ははーん…。どんな話だー?」ニヤニヤ
澪「なんでもない…」
紬「澪ちゃん!」
澪「ひっ!」
紬「頑張って」ニコ
澪「う…。分かったよ…」
律「?」
澪「ちょっと変な話なんだけどな…」
律「ぉう」
澪「小学生の時に私が漏らしたの覚えてるだろ?」
澪「私が音楽室で…」
澪「そのときの話だ…」
律「ふむふむ」
澪「それで…、保健室につれてってくれて…」
澪「そのあと掃除してくれて…」
律「ストッーーーーープ!!!」
澪「…?」
律がいきなり叫ぶ。
みんなもきょとんとしている
律「澪…」
澪「なんだ…?」
律「その話…」
澪「…うん」
律「覚えてましぇーーーん!!」キャピ
澪「…」
澪「そうか」
律「大体いつの時だよー。よくわかんねぇやい」
澪「ならいいんだけど…」
律「そんなことより…見てくれこれを!」
唯「なにー?」
梓「いきなりなんですか…?」
澪「(そうだよな。大体何年前の話だよ。覚えてるほうがすごいだろ!)」
澪「あ!」
澪がいきなり思い出したように言う
律「どったの?」
澪「そうだ。それでだな…」
紬「澪ちゃんはその時のお礼をいいたいみたいよ」
律「…!」
澪「…。」
澪「まぁ、そんな感じだ…」
澪「その…、あれだ…」
澪が俯いている
澪「あの時は
律「ストッーーーーーーーーープーーー!!」
いきなり律が叫ぶ。みんなが驚く。
澪「なんだよ…!!」
律「お礼なら言ってくれたぞ?」
澪「え?」
律「言ったじゃん!覚えてねぇの!?」
澪「え?」
律「ボソっとだけど」
澪は混乱する。そして当時を思い出してみる
すこしの間ボーっとして突然ひらめく
澪「あ」
律「な?」
澪「保健室か?」
律「あたりー!」
澪「あぁ!そうだ!いったんだ!」
律「うん。だから大丈夫だからな」
澪「…」
律「ってか、後で楽器屋いくんだけど一緒にきてくれない?」
澪「ああ」
律「ほら!さっきの!見てくれみんな!!」
唯「なーにー?」
梓「テストですか?」
律「そうだ!!見るがいい!!」バ!
律がテストを勢いよくみんなに見せる
梓「うっ…」
唯「りっちゃん…」
紬「12点…?」
律「…えへ…?」キャピ
みんなが動けずに固まっている
澪「ぷっ…」
律「む?」
澪「あっはっはっはっは!」
唯「りっちゃん…。重症だね!!」
梓「留年ですね。ぷぷ…、っはっはっはは!」
紬「さすがりっちゅん。やってくれるわ~」
しばらくみんなで笑った。
その後は律のテストのこと。部活のこと、色々みんなではなした。
そして少しお茶をして解散。
律「みおいくぞー」
澪「ちょっと待ってくれ」
律「はいよー」
澪「よし。いくか」
律「おう」
二人で歩く
澪「(そういえば…)」
澪「(律覚えてたんだな…)」
律「どうしたー?」
澪「なんでもない」
end
最終更新:2010年11月11日 20:43