【パラレルワールド】
放課後。

憂『あの……アナタが言ってる事は本当ですか?』

唯「うん……」

憂『じゃあ……私はお姉ちゃんの事を忘れてしまうんですか!?』

唯「……憂のお姉ちゃんと過ごして来た思い出を何か思い出してみて」

憂『……何で私の思い出の中にお姉ちゃんじゃなくてアナタが出て来るんですか?』

唯「だからさ……過去が書き換えられてるんだよ……もし、向こうの世界に行った私の事を忘れたくなかったらさ……一緒に戻れる方法を探して欲しいんだ」

憂『……………』

唯「お願い……私だけの力じゃ無理なんだ」

憂『分かりました……私も手伝います』

唯「本当!?ありがとう!」

憂『でも……何をすればいいんですか?』

唯「分からない……とりあえず学校をあちこち探索してみたけど……結局無駄な時間だったし……」

憂『……お姉ちゃんの事忘れるの嫌だよぉ!』

唯「私だって……憂の事を忘れるの嫌だよ……」

憂『何か……こっちの世界に来た時に何かありませんでしたか?』

唯「琴吹さんとトイレに行く途中に倒れて……起き上がったらこっちの世界に居た……」

憂『じゃあ、その倒れた場所を調べましょうよ!』

唯「もう調べたよ……特に何も無かった」

憂『そんな……ぐすっ』

唯「な、泣かないでよ……」

憂『もう……お姉ちゃんと会えない……私はお姉ちゃんと二度と会う事が出来ないんだ……』

唯「……ごめんね。私がこっちの世界に来てしまったばっかりに……」

憂『うぅ……ぐすっ……』

唯「ごめんね……」

梓『あれ?憂……何で泣いてるの?』

憂『梓ちゃん……お姉ちゃんがお姉ちゃんが……』

梓『唯先輩……憂どうしたんですか?』

唯「いや……梓ちゃんは私の事を覚えてる?」

梓『はい?覚えてますけど……パラレルワールドの唯さんですよね?』

唯「うん……よかった。覚えててくれて」

梓『……何で憂泣いているんですか?』

唯「いや、色々事情があって……」

梓『そうですか……あれ?唯先輩スカートの裾がほつれてますよ』

唯「あ……そう言えば直してなかった……ありがとう梓ちゃん」

梓『い、いえ……何処でほつれたんですかね?』

唯「……多分、何かに引っ掛けたんだと思う」

梓『そうですか……ほら、憂ハンカチだよ』

憂『うぅ……ありがとぉ……』

唯「……ねぇ何処で引っ掛けたと思う?」

梓『し、知らないですよ……憂大丈夫?』

憂『うん……』

唯「二人共、着いて来て!元の世界に帰れるかも」

憂『……え?』

唯「向こうの世界の私もこっちの世界に帰れるかも知れないから着いて来て!」

憂『ほ、本当ですか!?』

唯「まだ分からないけど……今頼れる物はこれしか無いよ」


唯「はぁはぁはぁはぁ」

梓『ど、どうしたんですか急に……ふぅ』

唯「……何処で裾がほつれたと思う?」

憂『お姉ちゃんと……会える』

唯「何処かに糸が落ちて無いか探してみて」

梓『い、糸?』

憂『糸を探せばお姉ちゃんと会えるんですか?』

唯「多分……見付からなかったら諦めて貰うしかないけど……」

梓『……ん?糸ってこれの事ですか?』

唯「私のスカートと同じ色だ……引っ張ってみて」

梓『は、はい……』グイ

憂『空中で途切れてる様に見えますね』

唯「……見えない?」

梓『何がですか?』

唯「フレディがガラスを引っ掻いたような傷が空中にあるの見えない?」

梓『ここからじゃよく見えませんね……』

唯「…………」ピトッ

唯(傷の部分だけ触れる……)

憂『お姉ちゃん……帰って来ますよね?』

唯「うん……」

梓『え!?唯先輩帰って来られるんですか?』

唯「多分……帰って来られるよ。よいしょ」

唯(開く……帰れるかも!)



【パラレルワールド2】

唯『ほぇ?何かあそこおかしくない?』

梓「な、何ですかアレ……あれ?」

唯「……いた!」

梓「唯にゃん先輩!」

唯「わ、私!」

憂『お姉ちゃん!』

唯「憂ー!」

梓「何コレすっげぇ」

唯「梓ちゃんみんなは?って言うか私の事覚えてる?」

梓「ゆ、唯にゃん……唯にゃん先輩!」ダキッ

唯「ちょ……やめろ」

梓『私が……唯先輩に抱き付いてる……』

唯『憂ー!会いたかったよーっ!』ダキッ

憂『ずずっ……私も私も会いたかったよ!』

梓「唯にゃん先輩~」スリスリスリ

唯「だからやめろっ!」

憂『あ、あの!』

唯「ん?どうしたの?」

憂『お姉ちゃんを連れ戻してくれてありがとうございます!』

唯『ありがとー!』

唯「ううん。こちらこそ色々とありがとうね」

唯『もう会えないと思ったけど会えて嬉しいよ!』

唯「うん、私もちょっとだけ嬉しい……かな?」

唯『えへぇー!ちょっとだけ!?』

唯「凄く嬉しいって言った方がよかった?」

唯『うん!』

唯「じゃあ……凄く嬉しいかな」

唯『流石向こうの私!』

憂『お姉ちゃん大丈夫だった?』

唯『うん!大丈夫だったよ!むしろ楽しかった!』

梓『……よかったですね唯先輩』

梓「ねぇ、ちょっとそこの梓」

梓『私……ですか?』

梓「うわぁ……本当に私と瓜二つだよ!」

唯「そりゃあパラレルワールドの梓ちゃんだからね……それより憂が心配だから会いに行かなきゃ!」

唯『憂なら大丈夫だよー』

唯「私の目で無事かどうか調べたいの!」

憂『お別れ……ですか?』

唯「うん……お別れだね」

憂「……また、会えますよね?」

唯『どうかな?先の事は分からないよ。こんな事は二度と嫌だけどね』

唯「私はまた会いたいなぁ~」

唯『アハハ……じゃあそろそろ行くね』

憂「……はい、さようなら」

唯『うん、さようなら』



【パラレルワールド】

唯『行っちゃったね~』

憂『うん……』

唯『パラレルワールドの私はどうだった?』

憂『カッコイイ人だったよ!』

唯『そっかぁ~!あ、私も話したい事が沢山あるからお家に帰ってパラレルワールドのみんなの事を話してあげる!』フンス

憂『ありがとう!』

梓『何かさっぱりした別れ方だったね』

憂『……うん、パラレルワールドのお姉ちゃんらしいよ。じゃあお姉ちゃん行こっか!』

唯『うん!』



【パラレルワールド2】

唯「梓ちゃん何時まで空中を眺めてるの?そろそろ行くよ」

梓「うん、分かった。……またパラレルワールド行きたいですか?」

唯「もう、勘弁して欲しいね……でも機会があればまたみんなと会いたいかな」

梓「ふぅん……」

唯「早く帰って憂と話しをしたいな……」

唯(もうパラレルワールドの入り口、開かないだろうな……)

唯(まず、憂と会ったら何を話そうかな?)

梓「……あれ?」

唯(とりあえず向こうの軽音部の事を話して……久しぶりに私の手料理を食べさせて……あぁやる事がいっぱいだよ)

梓「なんでだよ……チッ」

唯「ん?梓ちゃんどうしたの?」

梓「あ、いや何でもないです」

梓(制服の袖が何でほつれてるんだよ……うざってぇ)


おわり



最終更新:2010年11月12日 02:33