純「ふぅ、終わったー」
憂「いっぱい驚かせたねー」
純「うーん…でもまさか気絶する人がいるとは」
憂(あれやっぱり澪さんかな…)
純「そうだ、どっか遊びに行こうよ」
純「せっかく色んな出し物があるんだし」
憂「あっ、私はまだ仕事があるから…」
憂「先に行ってて」
純「そう?じゃあお先に」
純「さてと…」テクテク
純「……」
純「どこ行こう」
純(一人で回るのもなんかなぁ…)
同級生「純~!」
純「あっ」
同級生「なにしてるの?一人?」
純「まぁね」
同級生「よかった~純友達いないんだ」
純「いや、その言い方はないでしょ」
同級生「私も友達がクラスの当番でいないんだ。一緒に回ろうよ」
純「うん、いいよっ」
同級生「で、どこ行く?」
純「私も考えてたんだけど……そうだ!」
同級生「なに?」
純「映研に知り合いの子がいるから、そこ行こうよ」
同級生「映研かぁ…」
同級生「映研ってなにしてるの?」
純「さぁ…映画観たりとかかな?」
映画研究会
映女「つまり、私たちは自主映画制作とその上映を主な活動にしてるの」
純「映画作ってるの!?」
同級生「すごっ!!」
映女「観ていく…?」
純「もちろんお願いします」
映女「じゃあちょっと待ってて!今準備を…」
純「あ、ここってポップコーンないの?」
同級生「私はコーラで」
映女「それは売店に行ってください…」
純「えへへ、冗談冗談」
同級生(あれっ?ないの?)
上映中
純「……」ジーッ
同級生「……」ジーッ
ナレーション『人類は、謎のキノコ細菌に覆われ滅亡しました』
ナレーション『生き残ったのは一人の少女と一匹のタヌキ…』
少女『毎日キノコばっかり』
少女『たまには別な物が食べたいね』
タヌキ『ポコッ』
純(タヌキが着ぐるみだ…)
同級生(しかもかわいくない…)
タヌキ『ポコ~ッ!』
映女(かわいい…)
純(ていうか…あんまりおもしろく…)
同級生(ねむ…)
映女(やっぱり…つまんないのかなコレ)
映女(タヌキはかわいいけど)
純(それにしてもタヌキかわいくないなー…)
上映終了
映女「ど、どうだった?」
純「あ~…うん」
同級生「ふぁあ~…」
純「えっと~…」
純(正直微妙だったけど…)
映女「どう?」キラキラ
純(うわっ!?輝いた目でこっちを見てる!)
純「…よかったと思うよ」
映女「本当!?」
純「……」
純「あっ、主役の人は可愛かった」
映女「なんで一瞬沈黙したの…?」
純「それじゃ、次どこ行く?」
同級生「先輩たちのとこ行こうよ」
純「あ、いいねぇ…確かここらへんに」
先輩B「そこのお嬢ちゃんたち~ちょっと寄ってきな~」
同級生「先輩!」
先輩B「よく来たね~、まぁ入りなよ」
純「ここはなにやってるんですか?」
先輩B「ん?キャバクラ」
純「え…」
同級生「へ?」
先輩B「冗談だって」
純「な、なんだ…びっくりした」
純(まさか学園祭でキャバクラって…)
先輩B「いや、嘘」
純「えぇ!?」
ガラッ
先輩B「二名様ご来店~」
「「「いらっしゃいませー!」」」
ワイワイガヤガヤ
純「うわー…繁盛してる」
先輩B「すごいでしょ?私が発案したんだ~」
純「でもいいんですか?学祭でキャバクラって…」
先輩B「表向きはキャバクラじゃなくて談笑喫茶ってことにしてんの」
純「…そんなお店初めて聞きました」
先輩B「私が作った」
「「「ありがとうございましたー!」」」
紬「~♪」
純「見た目は普通の喫茶店だけど…」
純「斬新だね…色々と」
純(なんか着てる服も色っぽいし)
同級生「これが大人の世界なのかな?」
先輩B「さ、二人もなんか頼みなよ~」
先輩B「私が接待してあげる~」
純「えっとじゃあ…なんか食べよっか?まだお昼前だけど」
同級生「いいよ」
先輩B「はい、メニュー。オススメはオムライスだよ~」
純「じゃあそれを…」
純「って、高っ!!」
同級生「1300円!?」
先輩B「すいませ~ん、オムライス2つ~」
純「キャンセルでお願いします!!」
先輩B「え~?」
純「さすがに高すぎですよ…」
先輩B「なんだよ~~」
純「すいません」
先輩B「まぁいいや…同じ部活のよしみでケーキぐらいはおごってあげるよ」
純「本当ですか!」
同級生「ありがとうございます!」
先輩B「すいませ~ん、ケーキ2つ~」
純(……ん?)
純(ケーキは600円…オムライスは1300円…)
純「……」
純「あの~…」
先輩B「ん~?」
純「ケーキの代わりにオムライスってのは…」
先輩B「無理だナ」
「お待たせしました、ケーキでーす♪」
純(ちっちゃ…)
先輩B「あ~そうだ、アーンしてあげる」
純「え?」
先輩B「アーンだよアーン。当店のサービスです」
純「いやいやいや」
先輩B「先輩の言うことが聞けないのかよ~」
純「いやアーンはちょっと…」
先輩B「素直なやつだな~」
同級生「私!私にやってください!!」
先輩B「はい、アーン♪」
同級生「アーン♪」
純(あっ、なんか楽しそう)
同級生「おーいしいっ!」モグモグ
先輩B「…そういえば聞いたんだけどさ~、軽音部一人来てないんだってね~」
純「そうなんですよ。友達も困ってるみたいで」
先輩B「大変だね~、なんとか間に合えばいいけど」
純「先輩も心配してるんですか?」
先輩B「そりゃま~…同じ音楽系の部活だし」
先輩B「いつものメンバーがそろわなくて不安な気持ちは、分かるしね」
先輩B「良い演奏するし、頑張ってほしいよね軽音部」
純「へぇー……先輩って軽音部のこと認めてたんですね」
先輩B「うん?」
純「あ、いやその…ほら、部長ってあんまり軽音部のこと好きじゃないじゃないですか」
純「だから先輩も…」
先輩B「私は違うよ~。てか、あの人も本当はそうじゃないと思うんだけどね」
純「?」
先輩B「だいたい認めるもなにも…一生懸命、魂込めてやった演奏はみんな良いものなんだ」
先輩B「そういう頑張ってる人は否定しないよ」
純「……」
先輩B「どうした?」
純「先輩…なんか見直しました!」
純「先輩って結構マジメなんですね」
先輩B「…それは今までダメだと思われてたのかナ?」
純「あ…」
純「ち、違いますよ!やだなー、あははは」
純「じゃあ私たちはこれで」
同級生「ケーキごちそうさまでした」
先輩B「あいよ~…あっ、そうだ」
純「なんですか?」
先輩B「このケーキ、部長と副部長に届けてやって。講堂にいると思うから」
純「はい、分かりました」
同級生「ライブ頑張ってくださいね!」
先輩B「はいは~い」
純(なんか…先輩の意外な一面が知れたな~)
講堂
純「ここかな?」
同級生「そうじゃない?」
純「あの…失礼しまーす」
先輩2「あら?純じゃない」
先輩「どうしたの?」
純「お二人にケーキの差し入れを」
同級生「どうぞ」
先輩「あぁ、あの子からか…」
先輩「わざわざありがとう」
純「いえいえ」
同級生「演劇、もうすぐ本番ですか?」
先輩「そうよ、観ていく?」
純「すいません、私たちこれからクラス当番で」
先輩「そう…」
純「でも、ライブは必ず聴きに行きます!」
純「頑張ってください!」
先輩「うんっ」
和「すいませーん、お願いしまーす」
先輩2「はーい。ほら、行くよ」
先輩「じゃあまた後で。楽しみにしてね」
純「はい!」
純(やっぱ先輩かっこいいー)
先輩2「まだ素数かぞえてるの?」
先輩「か、かぞえてない!」
純「先輩たちも大変だねー、クラスの出し物にライブに」
同級生「ほんとだねー…」
同級生「あっ、私はここで」
純「うん、了解」
同級生「よかったら私たちのクラスもあとで寄ってね!」
純「私のクラスもねー」
同級生「バイバーイ!」
純「…さてと、戻るか」
純「……」
純「それにしても…」
ワイワイガヤガヤ
純「今日はいつもの学校と全然違うなー」
純(お祭りだしそりゃそっか)
純「ただいまー」
女「あっ、おかえり」
純「ライブまでちょっとやっていくね」
女「うん、お願い」
純「……」キョロキョロ
純「梓は?」
女「仕事が終わったからさっき部活の方に行っちゃった」
純「そっか、分かった」
純(憂は確か休憩中…)
純(それにしても、梓も大変だろうなぁ…頑張ってぐらいは言おうと思ったんだけど)
純「……」
純(あっ、そういえば梓のオバケ姿見てない)
12-A おわり
最終更新:2010年11月13日 00:22