# ジャズ研究会
――ジャズ研 部室
ガチャッ
純「こんにちはー」
先輩B「おいーっす」
純「あれ? 部長だけですか?」
先輩B「まぁねぇ~…珍しくまだ誰も来てないみたい」
先輩B「それにしてもなんかこそばゆいねぇ~、部長って響き」
純「部長がそう呼べって言ったんじゃないですか」
先輩B「そうだっけ? まぁどうでもいいんだけどさ~そんなのは」
純「なにしてるんですか?」
先輩B「部室の整理。純も手伝え」
純「えー」
先輩B「部長の言うことは絶対じゃ」
純「…は~い」
――職員室
先輩「失礼します」
顧問「ん?どうした? 三年は今日休みだろ?」
先輩「えぇ、そうなんですけど…受験も終わってやることがなくて」
顧問「そっか、タバコ吸う?」
先輩「吸いません」
顧問「あぁそう」
先輩「体に悪いですよ?」
顧問「たとえ体に悪かろうが値段が上がろうが、それでも戦い続けるのが喫煙者なんだよ」
先輩「……あの」
顧問「なに?」
先輩「前から失礼を承知で聞こうと思ってたんですけど……」
先輩「先生が元暴走族って本当ですか?」ボソッ
顧問「あぁ゛ん?」
先輩「ひっ…ご、ごめんなさ…」
顧問「なんてね、ウソウソ。ちなみに元暴走族ってのもね」
先輩「な、なんだ」
顧問「なんか顔が恐いからってさー、よく間違われるんだよね。高校のときなんか爽やかなテニス部だったのに」
先輩「そうだったんですか…」
顧問「ヒマなら私の青春時代の話でも聞いてく?」
先輩「いえ、結構です。暴走族かどうか知りたかっただけなので。ありがとうございました」
先輩「では失礼します」
顧問「え……それ聞きに来ただけ?」
――廊下
先輩(ふぅ…ずっと気になってたことが聞けてすっきりした)
先輩「……」
先輩(これからどうしよっかなー)
先輩「……」
先輩(部室…まだ練習は始まってないかな)
先輩(暇だし行ってみよう)
――ジャズ研 部室
ガサゴソ ガサゴソ
純「このスコアはどうするんですか?」
先輩B「あ~~…そっちにしまっといて」
純「はーい」
純「結構ゴチャゴチャしてますね、部室」
先輩B「私はゴチャゴチャしたままでも別にいいんだけど……おっ、面白そうなの見つけた」
純「え?」
先輩B「じゃ~ん、謎のノート~」
純「ノート?」
先輩B「読んでみようよ~」
純「いいんですか? 勝手に」
先輩B「いいのいいの、部室にあったんだし」
先輩B「整理してるとこういうのが見つかるから楽しいよね~」
純(まさか初めからそれが目的で…)
先輩B「どれどれ…」ペラペラ
先輩B「『今日はウォーキングベースを弾けるようにがんばった』」
純「……なんですかそれ」
先輩B「知らん。まだなにか書いてある」ペラペラ
先輩B「『誰も来なくて寂しい』…」
先輩B「……」
純「?」
ガチャッ
先輩「あれ? もう来てたんだ」
純「あっ、先輩」
先輩B「今日三年は休みじゃなかったんですか?」
先輩「やることないから…ってなにそれ?」
先輩B「このノート? さっき部屋掃除してたら見つけた」
先輩「それ…」
純「知ってるんですか?」
先輩「懐かしい…私が一年のときに買ったやつだ」
先輩B「一年のときに? そのわりには数ページしか書き込まれてませんけど…」ペラペラ
先輩B「こんなの何に使ってたんですか?」
先輩「まぁ…ジャズ研の日誌みたいなものよ。その日にあった楽しいことや思い出を書き残そうと思って」
先輩「けど私が一年のときは部員二人でまともに活動もできなかったし…途中で書くことがなくなっちゃったのね」
先輩B「そりゃまた暗い学校生活だったようで」
先輩「うるさい。二年になってからは急に忙しくなったから…ノートとることも忘れてたみたい」
先輩B「ふ~~ん…」ペラペラ
純「先輩、このあと予定とかありますか?」
先輩「え? ないけど」
純「あの、それじゃあ…よかったら練習を」
先輩「そうね、せっかく来たんだし」
純「!」
純「ありがとうございます!」
先輩B「ねぇ」
先輩「なに?」
先輩B「このノートさぁ~…使ってもいい?」
先輩「いいけど……あっ」
先輩「だったらちょっと貸して」
先輩B「ほい、なにするんですか?」
先輩「久しぶりに…なにか書こうと思ってね」
先輩「……」カキカキ
先輩B「……もう寂しくないですもんね」
先輩「え?」
先輩B「いえいえ、なんでもないですよ~」
ガチャッ
先輩A「こんにちは~」
先輩C「先輩? どうしてここに」
先輩「あなた達の様子を見にね」
先輩B「うそつけ、暇なだけだったくせに」
先輩「うるさい。はい、ノート」
先輩「ちゃんと書くのよ」
先輩B「へいへい」ペラペラ
先輩B「……」
ジャズ研は桜ヶ丘で一番最高の部活!!
みんな大好き!!
byジャズ研元祖部長
先輩B(シンプルだなぁ~…)
# ジャズ研究会
おわり
最終更新:2010年11月13日 01:12