律「ボディチェンジ!!」
律(幼馴染は私に対して暴力的だ)
今日も今日とて放課後の部室!
澪「りぃいいつぅううっ!!」
ゴツン!
律「いてっ!!」
律「う、うぅ…ひどい」 ヒリヒリ
澪「余計な事するからだ」
律「ただ胸触ろうとしただけじゃん!」 ブーブー
澪「それが余計な事だって言ってるんだっ!!」
律「けーち」
澪「ケチじゃないっ!!」
律(もちろん仲が悪いとかじゃなくって
むしろ信頼の結果だと自信を持って言えるんだけど…
最近…少し不満に思うことがある)
唯「まあまあ 澪ちゃん」
律(例えばこの親友の行動だ)
澪「唯…」
唯「りっちゃんだって悪気があったわけじゃないよ」
澪「でも…」
律「そうだそうだー」
澪「調子に乗るなっ!!」
唯「澪ちゃん!」 ギュッ
律(あ、手握った)
澪「わっ…唯」
唯「怒っちゃダメだよ ね?」
澪「う、うん… 律…ど、怒鳴ったりしてごめん」
律「えっ ああ うんうん! わ、私こそごめんな」
唯「わあ!! やっぱり皆仲良しが一番だよねっ!!」 ギュギュッ
律(う、腕に抱きついただと…
て、て言うかおい、あの体勢だと胸の感触わかるだろ おい)
澪「わっ… こ、こら 唯…」
唯「えへへ」
律(そして澪も澪で唯相手にはあまり強く拒否しない
私の時は殴るのに…むぅ)
律(それに唯だけではない)
梓「ほら唯先輩、遊んでないで練習しますよ」
律(例えばこの後輩の行動だ)
唯「うぅ…あずにゃん先輩厳しいっす」
梓「ちゃんと練習しないといいライブができませんよ!
…澪先輩もそう思いますよね!」
澪「ああ、そうだな
唯、ちゃんと練習するぞ」
唯「ほーい…」
澪「律も」
律「はいよー」
澪「それにしても、梓は偉いな
いつもちゃんと練習してて」
梓「そ、そんな事は……こ、これが普通です!」
澪「ううん 偉い偉い」 ナデナデ
梓「…にゃあ」 クラッ
律(これだ… 梓は私達にとって可愛い後輩だし
澪から見ると背丈の差が丁度いいのか たまに頭を撫でられている
それが何ともまあ…むぅ…)
律(…つまりだ 何が言いたいのかと言うと
羨ましいのだ
スキンシップが得意な親友や
可愛がられてる後輩が すっげー羨ましい)
律(羨ましい 羨ましい 羨ましい 羨ましい
羨ましい 羨ましい 羨ましい 羨ましい…)
律「…」
澪「? …律?」
律「羨ましい」 ボソッ
澪「えっ?」
律「うらやましぃぃいあああああああああっ!!!!!!!!」 ダッ
澪「?!」
律「うわぁぁあああああああああああっ!!!!!!!!!」 ピューン
澪「へ?」
梓「り、律先輩出て行きましたよ…?」
唯「ど、どうしたんだろ?」
紬「うふふ、りっちゃんにも色々あるんじゃないかしら」 ポワポワ
唯「色々って…?」
澪「…」
澪(…りつ)
律の部屋!
律「うらやましぃい!!!!!!!」
律「羨ましい! 羨ましいっつの!」 ゴロゴロゴロゴロ
律「私も澪に抱きついたりしたいし頭撫でられたりしたいっ!!」 ジタバタ
ガチャ
聡「ねーちゃんうるさい…」
律「おい聡、レディーの部屋に入るならノックくらいしろ」
聡「はいはい」
律「それで、何か用か?」
聡「ドラゴンボール探してるんだけどこっち置いてない?」
律「…あのなあ聡」
聡「?」
律「現実とフィクションの区別くらいはつけろな?
ドラゴンボールはさ、現実には存在しないんだよ…
だからな、ギャルのパンティーは諦めろ」
聡「ちげーよっ!!本物じゃねーよっ!
ドラゴンボールの単行本探してんだよっ!!それくらい読み取れよっ!!
つか仮に本物探してたとして、もっとマシな願い事するよ!」
律「あーはいはい、漫画ね
確かちょっと前に借りてそのままその辺に放ったらかしだったな」
聡「読んだらちゃんと元の場所戻しといてよ…」
ヒョイッ
律「ん? …このキャラクターは…」
律 ピコーン!
律「これだ…」
聡「?」
律「これだよこれっ!! きゃはっ!!」
聡「これって…
ギニュー隊長がどうかしたの…?」
律「ボディチェンジだ!」
聡「はぁ?」
律「ボディチェンジを習得すれば澪に抱きついたり撫でられたりするのも夢じゃないぞ!!」
聡「さっき現実とフィクションの区別つけろとか言ってなかった…?」
ボディチェンジとは
ドラゴンボールの人気キャラクター、ギニュー特戦隊の隊長ギニューの使う他人と体を入れ替える技である。
「チェーンジ!」と叫ぶことで目の前の対象と自身と体を入れ替える。
余談ではあるがギニュー特戦隊5人の名前は全て乳製品が元になっている。
ギニュー隊長の名前の元はもちろん 「牛乳」 (←今回のテーマだよん☆)
律「つまりだな、ボディチェンジをつかって唯や梓と入れ替われば…ふっ ふふふっ」 ニヤニヤ
聡「姉ちゃん…そもそもさ、ボディチェンジなんてできないだろ…」
律「聡… あきらめたらそこで試合終了だぜ?」
聡「同じジャンプ漫画の名台詞でごまかされても…」
さわ子「その意気やよしっ!!!!」 ガラッ
律聡「うわぁあっ!!!!」
さわ子「何よ、そんなに驚いて!失礼しちゃうわね!」
律「あんた本当に神出鬼没だなっ!」
聡「…姉ちゃん知り合いなの?」
律「ああ、私の学校の教師で軽音部の顧問」
聡「ああ…軽音部…なるほど」
律「? 何、納得してるんだ?」
聡(姉ちゃんの軽音部って変わり者しかいないらしいもんな、納得)
律「それより、さわちゃん!このタイミングで出てきたと言う事は…」
さわ子「ええ!りっちゃんを修行につけてボディチェンジを習得させてあげるわ!」
律「わあ!!」
聡「なんでもありか」
さわ子「可愛い教え子が困ってるんですもの、放っておけないわよね
桜高の武天老師と呼ばれたこの私に任せて頂戴!」
律「桜高の武天老師…!!
でも男には?」
さわ子「無縁教師!! って何言わせるの、りっちゃん!」
さわ子「早速、明日の朝から修行を始めるわ!
最初はこの亀の甲羅を背負って牛乳(←今回のテーマよ☆)配達ね!」
律「わかりました!」
聡(迷走してるなあ…)
律(こうして私の苦しい修行の日々が始まったんだ…
けどその辺の描写は今回は関係ないから省略するよん
そうして…ついに)
あくる日の放課後!
唯「ふ~んふんふふ~ん♪」
律「唯、唯 ちょっと来てくれ」
唯「ほぇ? りっちゃんどうしたの?」
トイレ!
律「お願いっ!一日でいいんだ!唯の体貸してくれ!この通り!」
唯「へ?」
律(色々考えたが…無理やり入れ替わったりしても問題だし…
やっぱりこうやって正面から頼み込むしかないよな…)
唯「りっちゃん…体を貸してだなんて…
私、えっちな事はちょっと…ごめんね」 テレテレ
律「すまん、言い方が悪かった」
かくかくしかじか
唯「ほうほう、ボディチェンジ」
律「そうそう、ボディチェンジ」
唯「りっちゃん!そんな事できるの!?すごい!!」
律「へへん、まあな~」
唯「体が入れ替わるなんて…なんだか面白そうだね!私やってみたい!!」
律「! 本当か!?」
唯「うん!」
律「よ、よし! それなら善は急げだ
行くぞ!唯!!」
唯「うん!来てりっちゃん!!」
律「ちぇーんじっ!!!」 ボウッ!!
唯「!!」
律「…」
唯「…」
律「えっと…あ、あれ… 私?」
唯「ふ、ふっふっふ…」
律「も、もしかしてりっちゃん…本当に!」
唯(律)「ああ成功だ!!」
律(唯)「ちょっと鏡見てくる!!」
律(唯)「うおっ!!本当に私りっちゃんになってる!!
すごいすごい!!!りっちゃんすごいよ!!!」
唯(律)「ああ!私も初めて使ったけど…成功みたいだな!
あの苦しい修行に耐えた甲斐があったってもんだ…
これで心おきなく澪に…」
律(唯)「? 澪ちゃん? あ、そう言えばりっちゃんはどうして私と入れ替わりたかったの?」
唯(律)「えっ… えっと それは…(澪に抱きつきたかったからなんて言えないよな…)」
唯(律)「えっとな…そ、そう!皆をびっくりさせたくてさ!」
律(唯)「びっくり?」
唯(律)「そうそう!普段と変わらない部活なのに
実は!誰かと誰かが入れ替わってましたー!
ってびっくりするだろ?」
律(唯)「うおぉ!それはびっくりだね!」
唯(律)「でも澪や梓は真面目だからこういう事に付き合ってくれそうにないだろ?
それで唯が一番頼みやすかったって言うか…そんな感じだよ、うん!」
律(唯)「そっかぁ、何か面白そうだね!」
唯(律)(なんとか誤魔化せたか…? 唯が能天気でよかった)
律(唯)「えっと じゃあ今日はこのまま部活に行くの?」
唯(律)「そうだ!」
律(唯)「えぇ…私ドラム出来るかなぁ…」
唯(律)「あっ…しまった…私もギターなんて出来ないな…その辺は全然考えてなかった…」
律(唯)「それに私りっちゃんの真似なんて…」
唯(律)「うーん、ま 確かにさっきからちょっと違和感あるな…
ちょっとやってみ」
律(唯)「えっと……
イエエーイ!!軽音部一の美少女、田井中りっちゃんだよ!!」
唯(律)「…」
律(唯)「…」
唯(律)「わ…私ってそんな感じか…?」
律(唯)「た、たぶんこんな感じだよ!」
唯(律)「うぅ…なんだ…この居た堪れない気持ちは…」
律(唯)「そうだ、りっちゃんもやってみてよ~私の真似~」
唯(律)「…」
唯(律)「えへへ~」 ニヘラ~
律(唯)「!」
唯(律)「うい~アイス~」
律(唯)「わ、私だ!!」
唯(律)「ええ……ア~イ~ス~!」
律(唯)「!! アイス食べたいけど憂に「ご飯食べてから」って言われた私だ!!」
唯(律)「!! うぅ…ごめんなさい!」 ウルウル
律(唯)「怒られてる!! 私が憂にわがまま言って怒られてるよ!!」
唯(律)「わあ!本当に!!うい~大好きだよ!!」 ギュッ
律(唯)「くぁ!! 見える!見えるよりっちゃん!私には抱きつかれてる憂が見える!!」
唯(律)「…と、まあこんな感じだな」
律(唯)「すごいよ!りっちゃん!完全に私になりきってたよ!!
モノマネとかそっくりさんの域を通り越してたよ!!
唯(律)「いや、ご本人はお前だろ…」
唯(律)「ま、ギターさえ弾かなきゃ完璧だな」
律(唯)「どうしよう…私そこまでなりきれる自身無い…」
唯(律)「しょうがないなぁ… うーんと…」
唯(律)(でも考えてみれば唯本人がその場にいない方がいろいろやりやすいかな…)
唯(律)「よし! とりあえず唯はここで待機で」
律(唯)「えっ えええ!そんな… やだよ~
私毎日この時間が楽しみで来てるのに…」
唯(律)「唯… そうだよな…
やっぱり唯にとっても部活の時間は大切な時間だもんな ごめんな…」
律(唯)「今日のお菓子は何かなって毎日毎日楽しみなんだよ~」 じゅるり
唯(律)「私のごめんなを返せ」
律(唯)「でへへ…でもね!皆と一緒にお話したり練習したりする時間が楽しいのは本当だよ!」 ニコッ
唯(律)「そうだよな 私だって皆といる時間は楽しいし…大切にしないとダメだよな…
はは、こんな簡単な事、唯に教えられるなんて…
まったく いざとなったらチョコレートパフェで買収しようとしてた自分が恥かしいよ」
律(唯)「大人しくしてます!!」 フンスッ
唯(律)「えぇっ!」
律(唯)「何してるの!りっちゃん!!早く部活行ってきなよ!!」
唯(律)「扱いやすっ!!」
最終更新:2010年11月14日 04:18