ぶしつ!


唯「あずにゃん 早くこないかな~」

紬「そうね~」

澪「梓が来てくれないと また私が唯に抱きつかれちゃうよ」

唯「ほぇ?」

澪「?」


ガチャ

梓(律)「遅れてすみません!」

唯「あ、あずにゃんっ!!」 ガタッ

梓(律)「あっ」

唯「あっずにゃあんっ!!!!!」 ガバッ

梓(律)「ぎゃあああっ!」

唯「あずにゃん!!会いたかったよ~!」 スリスリ~

梓(律)「ちょっ 唯 くるしっ」

唯「あずにゃあん!!」 ギュギュッ

梓(律)「む、ムギ… 先輩 助け」


紬「あらあら うふふ♪」 ポワ ポワ

梓(律)(聞いてねえ!!)

澪「まったく 唯、その辺にしとけ

  梓、困ってるだろ」

唯「おっとと ごめんね、あずにゃん」

梓(律)「ぜぇぜぇ… も、もう…やりすぎ…です」

梓(律)(まったく…私は唯に抱きつかれるために梓になったんじゃないんだぞ!)

澪「さっき私に抱きついた時以上に勢いがあったんじゃないか?」

唯「さっき?」

梓(律)(!! やばっ)

澪「えっ…だからさっき…」

梓(律)「あ、あああああああっ!!!!」

唯澪「!?」

梓(律)「え えと…きょ、今日のお菓子は何かな~?」

唯澪「…」

梓(律)「…」

梓(律)(ご、誤魔化し方間違えたぁあっ!)

唯「あずにゃん…」

梓(律)(っ! 流石に唯には気づかれたかっ!?)

唯「やっぱり、あずにゃんもお菓子楽しみにしてるんだね!」

澪「なんだ、そうなのか」

梓(律)(…あれ)

紬「ふふっ 丁度梓ちゃんの分もお茶入ったわよ」

梓(律)「あ、ありがとう…ございます」

唯「あずにゃん!一緒にケーキ食べよう!!」

梓(律)(助かった…?)

澪「ふふっ 梓もこの空気に毒されてきたのかもな」 クスッ

梓(律)(あっ…

     しまった!これじゃあ澪に褒めてもらえない!

     ナデナデして貰えないじゃん!!)

梓(律)「や、やっぱり練習しますよ!!!練習!!!」

唯紬「ええっ」 ガガーン!!

唯「で、でもでもあずにゃん来てから一杯もお茶飲んでないし…」

梓(律)「練習!練習です!」

紬「あ、梓ちゃんの分のケーキもちゃんとあるし…」

梓(律)「ダメです!!練習が先です!!」


梓(律)(きっとこれなら…) チラッ

澪「…」

梓(律)(あれ? な、何か機嫌悪い…?)

澪「梓… そんなに焦らなくてもいいんじゃないか…?」

梓(律)「えっ…」

澪「梓の言うとおり…確かに練習も大事だと思う…

  でも前にも言ったけど… ティータイムも私達の大切な時間なんだっ」

梓(律)(…お…怒られてる…?)

唯「澪ちゃん…」


澪「だから…」

梓(律)(ど、どうして…こ、こんなはずじゃ…)

梓(律)「…」

澪「? …梓?」

梓(律)「……ぐすっ」 ウルウル

澪「!!」

梓(律)「そんなこといわれたって… じゃ、じゃあどうすればぁ…ぐすっ」 ウルウル

梓(律)(澪を怒らせるつもりなんて…無かったのに…)

梓(律)「うわぁあん…」

唯「あずにゃん…」

紬「…」


梓(律)「うっ ううっ…」 グスグス

ナデナデ

梓(律)「えっ…」

澪「ご、ごめんな…梓…言い過ぎたよ…」 ナデナデ

梓(律)「澪……先輩…」

澪「梓は…私達の事 一生懸命考えて言ってくれてたんだもんな…」 ナデナデ

梓(律)(いや すまん、澪 何も考えてなかった)

梓(律)(でも……何か幸せだ……) ギュッ

澪「! …ふふっ」

澪「よしよし」 ナデナデ

梓(律)「えへへ…」


唯「澪ちゃんいいなぁ…」

紬「うふふ」 ポワ ポワ


澪「…落ち着いたか?」

梓(律)「えっと……はい… すみません…お騒がせしました…」

澪「いいんだよ 私達仲間だろ?」

梓(律)「……はい」

澪「ティータイムだって大事な時間だ…それはわかってくれ、な?」

梓(律)「はい…」

澪「でもまあ 梓の言う事も一理あるよ」

梓(律)「えっと…そ、そうですよね!」

澪「たまにはティータイム無しでずっと練習するのもいいかもな!!」

梓(律)「え」

澪「よし!そうと決まれば…皆、今日は充実した練習をしよう!!」

唯「そうだね!あずにゃんのためだもん!」

紬「うん!たまにはいいかも」


梓(律)(ちょ ちょっと待てよ…

     澪に撫でられるって当初の目的は達成したが…

     練習…するって…… それって…)


梓(律)(やっべええええええ!!!!!!私ギター弾けねえ!!!!!)

唯「はい!あずにゃんのギターだよ!ほいっ」

梓(律)「え… あ… どうも…」

梓(律)(や、やべえ… ど、どうしよ…逃げれねえ…)

澪「さあ梓!練習しよう!」 キラリッ

梓(律)(ちくしょう!人の気も知らないでいい顔しやがって!

     て言うか元々は私が言い出したことだけど…)

梓(律)「あの… えと… その…」

梓(律)「律先輩!」

澪「?」

梓(律)「ほら、律先輩もまだ来てませんし!

     その…練習するのは皆揃ってからでもいいんじゃないかなぁ…なんて」

澪「え、でも…梓が練習しようって…」

梓(律)「ははは…そうでした…」

紬「でも…確かにりっちゃん遅いわね」

澪「まったく…どこをほっつき歩いてるんだか…」

梓(律)(実はここにいたりして…)

唯「う~ん…さっきまで一緒にいたんだけどなぁ…」

梓(律)(やべぇっ!!)

澪「? ああ、そう言えば…

  唯はさっき律と一緒に出て行ってたけど…アレはなんだったんだ?」

梓(律)「あ あ あの えと そ、それは!」

唯「りっちゃんとボディチェンジで遊んでたんだよ!」

梓(律)「ちょっ!!」

澪「ボディチェンジ?」

唯「うん! 私とりっちゃんの体を入れ替えてたんだ!」

紬「体を…入れ替えてた…?」

唯「そう! りっちゃんが「ちぇ~んじ!」って叫ぶと体が入れ替わるんだよ!」

澪「そんな変な話あるわけ…」

梓(律)「で、ですよねー! はは…」

唯「で、でも確かに…」


ガチャ

律(梓)「ちょっと律先輩!!遅いですよ!何やってるんですかっ!!!」

澪紬唯「!!」

梓(律)「ばかあああああっ!!!」


梓(律)「梓!お前なんてタイミングでっ!!」

澪「梓…?」

梓(律)「!…しまっ…」

律(梓)「梓は私です」

紬「えっと…ってことは…じゃあ今りっちゃんが律先輩って言ったのは…もしかして…」

唯「りっちゃんとあずにゃんの体が入れ替わってたんだね!」

律(梓)「そうです! 律先輩!変な事はしてないですよね!」

澪「…」

梓(律)「…は…ははは…」

澪「りぃいいいつぅうう!」


梓(律)「に、にげろぉ!!」 ダッ

澪「あっ!こら 待て 律!!!」



ろうか!

澪「こら律っ!!!!」 タッタッタ


梓(律)「ひっ」 タッタッタ


澪「唯も梓も様子がおかしいと思ったら!!

  お前の仕業だったのかっ!!」 タッタッタ


梓(律)「あわわわわ…」 タッタッタ


澪「また私をからかってたのかっ!」 タッタッタ


梓(律)「そ、そんなつもりじゃあ…」 タッタッタ


澪「いつもいつも!!律はっ!!」 タッタッタ


梓(律)「うう…」 タッタッタ


澪「今日と言う今日は許さないっ!!」 タッタッタ


梓(律)「ひいいい!お助け~!!」 タッタッタ



曲がり角!


梓(律)「ぜぇぜぇ…」


和「ん?」

梓(律)「和!」

和「梓ちゃん…?」

梓(律)「そうだ…」

和「ちょっと廊下は走ったら」

梓(律)「すまん!和!」


「ちぇ~んじっ!!」

澪「ん!?」 タッタッタ


和「いたた…」

澪「…」

和「澪…?」

澪「ふっ…騙されないぞ」

和「え?」

澪「唯から聞いてるからな

  律が「ちぇんじ!」って言うと体が入れ替わるって事は!」

和「ちょっと、何いって…」

澪「さあ観念しろ!律!!」

和「えっ ええ…どういう事…?」


ものかげ

梓(律)「すまん…和」 タッタッタ


ろうか!

梓(律)「和のおかげで助かった…」


律(梓)「へー、それは良かったですね」

梓(律)「ああ、ほんと良かった良かった…

     って梓っ!!!」

律(梓)「律先輩っ!!私の体で一体何したんですかっ!!!」

梓(律)「っ!」 ダッ

律(梓)「逃げようとしても無駄ですよ!!」 ガシッ

梓(律)「!? 何っ!」

律(梓)「忘れたんですか? 今の体なら私の方が力は上です!」

梓(律)「く、くっそ~…」

律(梓)「観念してくださいっ!!!」

梓(律)「わかった……降参する…だから離してくれ…」

律(梓)「…本当ですか?」

梓(律)「本当に本当だって…許してくれ!この通り!」

律(梓)「まあいいでしょう…また逃げようとしても同じ事だし」

梓(律)「本当にすまん!!

     梓には本当、悪い事したと思ってる!」

律(梓)「い、一体何したんですか!さっきから気になってるんですけど…」

梓(律)「そうだな…

     例えば… こんな格好とかしたっけ…」

律(梓)「格好!? ま、まさか恥かしい格好したりなんか…」

梓(律)「よっと」 グッ

律(梓)「へ?」

梓(律)「こんな感じだったかな」

律(梓)「ブリッジ…?」

梓(律)「そうだ!ブリッジだ!」

律(梓)「…はぁ…律先輩にはあきれま…」

梓(律) ニヤッ

律(梓)「!! まさかっ」


梓(律)「そのまさかさ!

      ちぇーんじっ!!!」 ぼうっ


梓「なっ!!っ!! 元に…戻ったっ!」

律「じゃあな!梓!!後はよろしく!」 タッタッタッ


梓「っ! は、早く立ち上がらないと…」

梓「ああっ!この体勢キツ…」

純「…」

梓「あ…」

純「…何してんの…梓?」

梓「えと…その…ブリッジ?」

純「そっか……頑張って…」 スタスタ

梓「…」

梓「…」 プルプルプル

梓「りつせんぱいっ!!!!!!!」



律「…しかしこのままだと追い詰められるのは時間の問題か」

律「…」

律「はは…て言うか何逃げてるんだ、私は…」

律「……悪いのは私なんだから…逃げちゃダメだろ…」

律「……でも」

?「りっちゃん」

律「!!」

?「ふふっ」


澪「和ごめん!!」

和「いいわよ、誤解はとけたんだし…

  それに今回は悪いのは律でしょ」

澪「…う、うん…」

和「…澪?」

澪「…」

和「顔色悪いわよ?」

澪「…えっ ああ…」

和「…何があったかは知らないけど…

  きっと仲直りできるわよ」

澪「そう…だよな」

和「でもあまり無理しちゃだめよ?」

澪「うん、ありがとう和

  ちょっと部室で休んでるよ」



ぶしつ!

ガチャ

澪「!!」


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最終更新:2010年11月14日 03:42