岩鬼「や~まだ!」

山田「どうしたんだ岩鬼?」

岩鬼「とんまが女子高生と話してるで!」

山田「本当だ、桜高の生徒じゃないか。お~い」

律「あのデカイ人達あんたの事呼んでないか?」

殿馬「ズラ?」

山田「お~い!殿馬~!」
岩鬼「おっす!」

殿馬「山田に岩鬼、偶然ズラね」

律「あの、どちら様?」

岩鬼「なんやドブスちびな姉ちゃんやなあ」

律「は?」

殿馬「気にするなズラ、岩鬼の美的センスはおかしいズラ。」

律「はは…まぁいいや、はじめまして田井中律です。」

山田「あぁすみません突然、僕は山田太郎と申します。それでこっちが」

岩鬼「男!岩鬼や!!ところでとんま!なんで女子高生と楽しげに話とるんじゃい!」

殿馬「昔ピアノを教えてた生徒がこの学校にいるから会いに来たズラ。」

岩鬼「その姉ちゃんか?」
律「違いますよ、わたしの友達のことです。」

殿馬「名前は琴吹紬ズラ。」

山田「いかにもお嬢様って感じの名前だな。」

律「そうなんですよ~ムギはまさしくお嬢様なんです。」

岩鬼「なんや姉ちゃんとは正反対な感じやなぁ」

殿馬「お前が言うなズラ。」

岩鬼「じゃかあしゃい!!とんま!!」

山田「あはは、でも岩鬼もお坊ちゃまなんだよな。」
律「お坊ちゃま…ププ」

岩鬼「ドブスちびも笑なや!!」

律「む!一度ならず二度までも!こんな美少女に向かってなんてことを~!この葉っぱァ!!」

岩鬼「なんやと~!」

山田「なんかサチコとのやり取りにそっくりだな。」


山田「ところで殿馬、用事はいいのかい?」

殿馬「そうだったズラ、紬に会いに来たズラ。」

律「あっ、ごめんなさい!すぐに呼んできます!葉っぱなんかにかまってるんじゃなかった。」

岩鬼「ぐぬぬぬ!!まぁええわ、わいもお嬢様とやらに興味があるから見てやろうないか!」

山田「やめろよ岩鬼!迷惑だろ?」

殿馬「まったくだズラ。」


―部室―

律「お~いムギぃ!」

紬「どうしたの?りっちゃん。」

律ムギにお客さんだぞ~。」

紬「お客さん?誰かしら?」
律「それは会ってのお楽しみい~。」


―校門前―

律「ほら!あそこの小さい人!」

紬「ん?あっ!あの人は!」
殿馬「よう紬、久しぶりズラ」

紬「殿馬先生!!」

岩鬼「なんや金髪やで?外人さんかいな?」

紬「あら?こちらの方々は先生のお知り合いですか?」
殿馬「まぁそんなとこズラ」
岩鬼「わいは男!岩鬼ちゅうもんや!よろしゅう!」
山田「こんにちは。」

紬「ウフフ、こんにちは。」

紬「ところで殿馬先生はどうしてここに?」

殿馬「たまたま通りかかったズラ、ついでに顔でも見ていこうと思ったズラ。」
紬「まぁ、ウフフ。」

岩鬼「スケベな奴やなぁ。」
殿馬「うるせぇズラ。」

紬「そうだ!先生お時間ありますか?」

殿馬「大丈夫ズラ。」

紬「よかったら久しぶりに演奏聞かせていただけませんか?」

殿馬「いいズラ。」

山田「ほら、岩鬼もういいだろ帰るぞ。」

岩鬼「せやな、わいは音楽なんてサッパリやからなぁ。」

紬「あら、御一緒なさらないのですか?」

山田「元々偶然ここで会ったんだ、邪魔しちゃ悪いし帰るよ。」

岩鬼「せやせや!ほんじゃな!とんま!金髪の姉ちゃん!それとドブスちびの姉ちゃんもな!」

律「やかましぃ!葉っぱ野郎!さっさと帰れ!!」


―部室―

唯「ムギちゃんとりっちゃんどこに行ったんだろ?」

澪「私達より先に部室に行ったのにな。」

梓「トイレじゃないですか?」

律「おい~す!今日はお客さんが来てるぞ~!」

唯「りっちゃん、どこに行ってたの?それにお客さん?」

紬「ウフフ、先生どうぞ~。」

殿馬「邪魔するズラ。」

唯「え?」

澪「誰?」

梓「ですか?」

紬「ウフフ、私が小さい頃に習ってたピアノの先生なの~。」

殿馬「殿馬一人ズラ。」

律「演奏してくれるらしいぞ!」

唯「聞きたい!聞きたい!」
澪「ピアノかぁ、なんか参考になればいいけど。」

梓(…小さい人だなぁ。)

紬「ワクワク」

唯「ドキドキ」

澪「期待してるのはわかるけど、声に出さなくても。」

律「あれれ~?澪ちゅわんにはわからないんですか?~ミュージシャンの血が騒ぐのが!」

澪「うっ、うるさい!」

梓(ドキドキ)

殿馬「それでは始めるズラ。」

紬「どうぞ~。」

殿馬「……」 スッ

殿馬「」ポロロロロン ズラピコピン

律(これは!わたしはピアノなんてサッパリだけど心を揺さぶられる旋律だ…律だけに。)

唯(ほぇ~、なんだか心に響くよ~。)

澪(凄い!凄い!なんだか繊細だけど、パワーに溢れてる音だ!)

梓(G線上のアリアか…ポピュラーだけど、今まで聞いてきたものとまったく違う!凄い!涙が出そうなメロディーだ!)

紬(ウフフ、やっぱり先生のピアノは素晴らしいわ~。)

殿馬「」ズラズラピンピン

殿馬「」ズラズラ ジャ~ン

律「…」

唯「…」

澪「…」

梓「…」

紬「…」

殿馬「これで終わりズラ、聞いてありがとうズラ。」


紬「相変わらず素晴らしかったですわ。」パチパチ

律「凄い!感動しました!」パチパチパチ

唯「うん!感動しました~!」 パチパチパチ

澪「わ、私も!!」パチパチパチ

梓「体の奥底から揺さぶられました!!」パチパチパチ

唯「づらちゃん先生凄い!」
殿馬「づらちゃん?」

澪「こら唯!失礼だろ!」

律「あはは!でもなんかぴったりだな!」

澪「り~つ~!!」

殿馬「別にかまわないづら」
紬「ウフフ、殿馬先生もてますね?」

梓(…づらちゃん……づらにゃん……)ブフゥウ!

紬「殿馬先生、よろしかったら私達の演奏を聞いてくださいませんか?」

律「そうだな!」

澪「あんな凄い演奏のあとじゃ気が引けるけど、せめてものお礼に。」

唯「え~?私達も負けてないよ~。」

梓「唯先輩…」

殿馬「かまわないづら。」


律「ワン・ツー・スリー・フォー!!」

唯「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」




唯・澪「ふわふわ時間~♪」ジャ~ン


梓「ふぅ~」

紬「いかがでしたか?」

殿馬「いい演奏だったづら、素晴らしい仲間づらな。」パチパチパチ

唯「えへへ~」

律「いや~それほどでも~」
澪「調子に乗るな、ふふ」

紬「お茶にしましょうか。」
唯「やった~!お茶お茶~」
律「いえ~い!」

梓「き、今日は特別ですよ、もぅ。」

殿馬「お茶?」

澪「いつも練習の合間にティータイムしてるんです。…それだけの時もあるけど。ゴニョゴニョ」

さわ子「それにちなんで放課後ティータイムというバンド名を付けたんです。」

唯・律「さわちゃん!!」

紬・梓「さわ子先生!!」



澪「ヒィィィ…ミエナイキコエナイ」


さわ子「初めてまして殿馬さん、私、軽音部顧問の山中さわ子と申します。」

唯「えっ!づらちゃんの事知ってるの!?」

律「有名人だったのか!?」
梓「ていうか、さわ子先生いつのまに来たんですか?」

澪「ミエナイキコエナイ、ミエナイキコエナイ」

紬「澪ちゃ~ん。」

さわ子「殿馬さんと言えば世界的なピアニストであり選手よ。」

唯「選手?」

律「何の?」

梓(何だろう?卓球かな?)
澪「あれ?ここは誰?私は何処?」

紬「澪ちゃ~ん、もしも~し。」

さわ子「あなた達本当に知らないの?」

律「だから何なんだよ~」

唯「づらちゃん教えて~」

殿馬「野球づら。」

唯・律・梓「ええ~!?」

澪「はっ!!私はいったいどうしてたんだ!?」

紬「あらあらまぁまぁ」

唯「づらちゃんピアノの先生じゃなかったの~?」

律「う~む、意外すぎる。」
梓「わ、私は実は知ってましたよ。」

澪「話についていけない。」
さわ子「殿馬先生は東京スーパースターズのレギュラー選手なのよ。」

殿馬「づら」

紬「まぁ!そうだったんですか?」

律「ムギも知らなかったのかよ」

唯「づらちゃん凄~い!サインちょうだ~い!!」

梓「唯先輩!失礼ですよ!!」

澪・さわ子(私も欲しい…)

殿馬「づら」

唯「やった~!!」

律「サインゲット~!!」
紬「うふふ」

澪「野球選手のサインか~」
さわ子「ピアニストのサインでもあるのね~。」

梓「あ、あの『中野梓へ』でお願いします。」

殿馬「づらづら」


キーンコーンカーンコーン

さわ子「あなた達もう下校時刻よ」

律「んじゃ~帰りますか~」いや~今日はいい一日だったなぁ!」

澪「今日は私達のために演奏してくれてありがとうございました。」

梓「ありがとうございました。」

唯「づらちゃんありがとう~。」

紬「これからも頑張ってくださいね。」

殿馬「こちらこそありがとうづら、いい気分転換になったづら。」

唯「よ~し!!私達放課後スーパースターズも頑張るぞ~!!」

律「バンド名変わってるよ。」

澪「おいおい。」

梓「影響されやす過ぎです。」

紬「あらあら。」

さわ子「まったく。」

殿馬「づら」







おわり



最終更新:2010年11月20日 01:19