――テクテクテクテク

唯「お次はムギちゃん家だー」

憂「紬さんの家……すごそう」

唯「しかし問題が一つ」

憂「ま、まさか」

唯「そのまさか……家がまったくわかりません!!!」

憂「け、ケイタイで場所聞いたり」

唯「ハロウィンは突撃あるのみ!わざわざ場所を聞くわけにはいかない!」

憂「そんなもんなの?」

唯「うん!……多分!」

唯「しょうがない……ムギちゃん家は諦めるかぁ」

憂「残念だね」

唯「ムギちゃん……また後で!!」


紬(唯ちゃん遅いなぁ~お菓子沢山用意したのになぁ……って家の場所教えたっけ?)


――テクテクテクテク

唯「最後はあずにゃん家かな」

憂「梓ちゃんの家なら何回か行ったことあるね」

唯「うん、大きな家だね。CDとかコンポとか凄いのがいっぱい」

憂「ご両親が音楽関係の人だったかな」

唯「だからあずにゃんはあんなにもギターが上手いんだね!」

憂「お姉ちゃんも上手だよ!」

唯「えへへーありがとう、ういー!」

唯「そう言ってる間にあずにゃん家に着きました!」

憂「それじゃあ早速」


――ピンポーン

「はいはい」

ガチャ――

梓「誰でしょうか」

唯「トリック・オア・トリート!」

憂「トリック・オア・トリート!」

梓「ひぃっ……って唯先輩達ですか」

梓「予想外に凝った仮装ですね」

唯「トリック・オア・トリートだよあずにゃーん」

唯「それともあずにゃんはイタズラの方がお好きなのかなー?」

梓「ち、違いますよ!!すぐ持ってきますから大人しくしててください!」

タッタッタ――


――タッタッタ

梓「はい、お菓子ですよ」

唯「わーい、これまたおいしそうなおかしだねー」

憂「本当。ありがとう梓ちゃん」

梓「あ、いや唯先輩嬉しそうだし……いっかな」

唯「あずにゃんありがとうー大好きー」

梓「わっ、あ、いや、そんないいですって……えへへ」

唯「それじゃあ、また後でね!!バイバイ!」

憂「じゃあねー」

――バタン

梓「……もう、もっと居てもいいのに……」


――テクテクテクテク

唯「こんなに沢山もらったよ!」

憂「よかったねー」

唯「さあこれでパーティーが出来るぞー!」

憂「わぁーい」

和「あら、唯に憂じゃない」

唯「あ、和ちゃーん」

和「はいはい、今から貴方達の家に行くところだったの」

和「ちょうどいいわ、はいお菓子」

唯「おーありがたい!でもよく私達ってわかったね」

和「こんな所でそんな格好してるの唯達くらいよ」

唯「そっか~えへへありがとう」

憂「!?」

そのまま和ちゃんと一緒にお家へ向かいました。
ランタンの光がちょっと怪しい雰囲気をだしています。
もうすっかり暗くなっているのでちょっと怖いですね。

唯「さあただいま我が家」

憂「ただいまぁー」

和「おじゃまするわ」

憂「リビングでくつろいでてね、すぐ準備するから」

和「私も手伝うから」

憂「ありがとう!」

唯「はぁー歩きつかれたー」

お姉ちゃんはそう言うとソファーに寝転びます。
ちょっぴり服がめくれ、お腹が見えてるのが可愛いと思います。

貰ったお菓子をお皿等に空け、こたつの上に並べます。
後は自分で作ったお菓子も並べれば準備オッケーです。

これでお菓子パーティーが出来ますね。


憂「おねーちゃん、オレンジジュースここに置いておくね」

唯「わかったぁーありがとう、ういー」

憂「ふふふ……。和ちゃんもはい、ジュース」

和「ありがとう憂」

和「……他のみんなは遅いわね」

憂「んーもう来ると思いますけど――」

――ピンポーン

憂「あ、来た!」

「おーい、ゆーいー来たぞー」

「こらっ。夜遅いから静かにしろ」

「そうですよ!非常識な」

「まあまあまあまあ」

来ました。
みなさんを二階へ招き入れます。

唯「みんなーようこそ!」

律「よっしゃーお菓子食べるぞー」

澪「こら唯!おでこに落書きしてくな!」

唯「あはは澪ちゃんまだ少し跡が残ってるー」

律「みおちゅわんは可愛いおでこしていますねぇ」

澪「う、うるさい!」

紬「はい唯ちゃんお菓子いっぱい持ってきたよ」

唯「わーありがとう!ムギちゃん大好きー」

紬「ふふふ、家教えてなかったから来れなかったわね」

唯「うん、ごめんねー」

紬「いいのよ、代わりに今日はいっぱい楽しみましょう」

唯「うん!」

梓「私のお菓子美味しいからいっぱい食べてくださいね」

唯「もちろんだよーあずにゃーん!」

みんなはお話しに花を咲かせます。
みんなお姉ちゃんを囲んで笑い合っています。
お姉ちゃんは人気者です。とても嬉しく思います。

そんなお姉ちゃんを遠くからでも見ているだけでいいと思ってたんですが
どことなく寂しさを覚えてしまいます。

お姉ちゃんは私を見ていてくれるんでしょうか。
私はいつもお姉ちゃんを見ています。

けどお姉ちゃんはけいおん部のことで頭がいっぱいじゃないのか――
そう思っていました。

実際部活のことを沢山お話します。
後輩の梓ちゃんのこともいっぱい喋ります。

私達のことを話す時間は減りました。
やっぱり寂しいのでしょうかね。私は。

そんなお姉ちゃん達をぼーっと見ているとお姉ちゃんに呼ばれました。

唯「うい、こっちこっち」

憂「なあに?」

唯「ほらムギちゃんこの服、憂が作ってくれたんだよぉ」

紬「わぁすっごく綺麗に出来てるわね。流石憂ちゃんってところかしら」

憂「いえ、そんな」

唯「ういは何でも出来るもんねー」

唯「本当。出来た妹で、私の大切な妹だよー。よしよし」

そう言うと私の頭を優しく撫でてくれました。

律「部活じゃあ憂ちゃんの話ばっかだもんなー」

梓「耳にたこが出来ますよ」

紬「憂ちゃん愛されてるわねー」

そっかぁ部活でお姉ちゃんは私のことを……。
私は見えるところでしか判断してなかったですね。
お姉ちゃんは見えないところでも私をちゃんと見てたのかな。

何か前もこんなこと思ってた気がします。
その時もお姉ちゃんはちゃんと見ててくれる
そう無理矢理納得してきました。

でも今日ちゃんとしっかりこの耳で聞くことが出来ました。
なのでついつい嬉しくてお姉ちゃんに抱きついてしまいました。

とてもあたたかいです。

唯「わっ」

憂「お姉ちゃん……」

律「おー仲の良いことで」

紬「素敵なことじゃない」

あの後、いっぱいみさなんとお話をし笑い合いました。
お菓子も食べつくし、もうそろそろ帰らないと補導される時間です。

そんなみなさんをお姉ちゃんと一緒に玄関で見送ります。

唯「じゃあまた明日ねー」

憂「みなさんお疲れ様でした。おやすみなさい」

梓「憂また明日ね。唯先輩もおやすみなさい」

律「じゃーなー」

澪「二人ともおやすみ」

和「じゃあね、おやすみなさい」

紬「またね、唯ちゃん、憂ちゃん」

扉が閉まると途端に静けさが増しました。
何とも寂しい瞬間です。

なんとなくお姉ちゃんの腕に手を絡めます。

唯「ん……片付けてそろそろ寝よっか」

憂「うん」

唯「あっ、先にお風呂入るといいよ。片付けは私がやるから」

憂「えーっと……じゃあそうしようかな」

唯「片付け任してね!」

憂「うん!」


――カポーン

肩まで湯船に浸かり体の疲れを癒します。

今日は楽しかったです。色々と歩き回って疲れもしたけど。
いつも以上にお姉ちゃんと笑い合えたから良かったと思います。

そのままふわふわ時間を歌いながらゆっくり体を休めました。

暫くしてからお風呂場を出てリビングへ行くと
そこはすっかりキレイになっていました。

お姉ちゃんはソファーにうつ伏せに寝転がっています。

憂「お姉ちゃん?寝ちゃったの?ここで寝ちゃダメだよ」

体を揺さぶって起こします。

唯「んん……ねむいぃ」

憂「疲れたんだね。もう寝ようね」

唯「うん」

憂「お風呂はどうする?」

唯「明日の朝入るよぉ」

憂「そう、寝るなら一緒に寝ていい?」

唯「ふぇ?私お風呂入ってないから匂うかも……」

憂「いいの。私お姉ちゃんと一緒に寝たいから」

唯「えへへわかった。寝ようね」

そう言うとお姉ちゃんは立ち上がり私の手を引っ張って三階へ行きました。
上がって直ぐの扉を開けるとお姉ちゃんのお部屋。

朝から何も変わっていません。

お姉ちゃんはベッドにぴょんとダイビングしました。
そして少し跳ねるお姉ちゃん。
トランポリンにでも乗ったみたいで可愛いです。

そんなお姉ちゃんは寝転がった状態で私の方に手を差し伸べました。

唯「憂、おいで」

お姉ちゃんの手を握り、ベッドに潜り込みます。
ベッドはまだちょっと冷たかったけど
お姉ちゃんの方からあたたかさが伝わってきました。

唯「憂は良い匂い」

憂「そんなに匂い嗅いじゃ恥ずかしいよ」

すんすんと匂いを嗅ぐお姉ちゃんは可愛いけど
嗅がれる側は大変恥ずかしい思いです。

唯「良い匂い過ぎて眠気が凄いよぉ。いっぱい寝れそう」

お姉ちゃんは私の体に手を回しピッタリとくっついています。
足も私の足と絡め、離してくれそうもありません。
でもこんな状態が大変好きです。

ちょっと胸がドキドキして寝れそうもないかもしれないですけど。

今日みたいな良いことがあった日は
お姉ちゃんと一緒に寝るのが一番です。
嬉しさが二倍となって凝縮され、思い出として残る気がするから。

そうしている間にお姉ちゃんの寝息が聞こえてきました。
私も目を瞑りましょう。それだけでも体は休まります。

今日はいつ寝れるかな?お姉ちゃんの寝息を聞きながらそう思いました。


                                  おしまい



最終更新:2010年11月20日 06:24