憂「お姉ちゃん、じゃあ紹介…するね。この人が紬さん」

紬「こんにちは、唯ちゃん」

唯「あ…むぎちゃんだ♪」

紬「!」

憂「覚えてる?」

唯「おぼえてるよ…ともだちだもん
そっちはみおちゃんだよね」

澪「あ…」

唯「へへ、おぼえてる、だいじょうぶだよ
それでそっちはういのともだち?」

律「え…」

憂「律さん…」

澪「唯、こいつは律だ
唯の恋人だ覚えてないか?」

唯「こい…びと?でも、わたしもりつちゃんもおんなのこ、だよね?」

律「!!
くっ…」だっ

澪「律!!」

紬「りっちゃん…」

憂「律さん…」


律「くっ…うう…唯、なんで…」ぽろぽろ

澪「律…」

律「澪…
唯、私のことだけ忘れてた……なんでだよ、私との記憶はそんなすぐ消えるような……くそっ」ぽろぽろ

澪「そんなことでどうするんだ」

律「え…」

澪「お前、唯の恋人だろ」

律「でも、唯は私のこと恋人だとは思ってないよ…
というか、覚えてすら…」

澪「唯がどう思ってるかは関係ない、お前はどうなんだ
恋人と思ってないのか?
唯のこと、好きじゃないのか?
泣き言いってる場合かよ!!」

律「澪…」

澪「覚えてないのならさ
思い出させればいいよ
お前は唯の側にずっといてやれ
先生いってたよ。大事な記憶は最後まで残りつづけるって
律、唯を信じよう
お前との記憶はあいつにとって大事な記憶のはずだろ?」

律「…澪………」ぐす

澪「泣くなよ、ほら行ってやれ。唯とお前との記憶は病気なんかじゃ消えやしないさ」

律「ありがと…私、頑張るよ」たっ


病室


唯「あ、さっきの…」

律「憂ちゃんたちは…?」

唯「おいしゃさんといっしょにいったよ」

律「そうか、唯」

唯「なぁに?ええと…」

律「私は律っていうんだ」

唯「じゃあ、りっちゃんだね!」

律「!!」

唯「どうしたの?りっちゃん」

律「い、いやなんでもない!私たち、今から友達だ!」

唯「いいの?」

律「当たり前だ!」

唯「うれしいなあ♪」


次の日の病室

律「唯、ギー太だぞお」

唯「ぎーた?」

律「ああ!
お前は軽音部に入っててだな!このギターのギー太で演奏してたんだ!
弾いてみろよ!お前のギターはかっこよかった!」

唯「でももちかたわからないよ…」

律「いいからいいから!触ってみろよ!」

唯「うわぁ…おもいね~」

律「懐かしいか?」

唯「ん~、わかんないなぁ」

律「そうか…」



しばらくたった日の病室


律「唯、ギー太だぞ!」

唯「ぎーた!」

律「気に入ったか?」

唯「ぎーた!ぎーた!」

律「…聞こえてないな」

唯「~♪」

律「まぁ、いいか
じゃぁ、これから毎日ここにギー太は置いておくからな」

唯「~♪」

律「…じゃあな」がちゃん


澪「どうだ?」

律「澪…ああ、『あなた…だれ?』って言われた時よりはマシになったよ
まぁ私よりギー太に夢中だな、なんか知り合ったばっかりの唯みたいだよ」

澪「じゃぁ、大丈夫なんじゃないか」

律「え?」

澪「知り合ったばっかの時に戻っただけだ
なら、また仲良くなって恋人になれるさ」

律「…なんか自信でてきた」

澪「がんばれよ」

律「ふふん、当たり前だ!」

澪「やれやれ」



またしばらくたった日の病室


律「唯、もうすぐで退院だぞ!」

唯「たいいん?」

律「学校に戻れるんだよ!」

唯「みんなにまいにちあえるね!」

律「私ともな!」

唯「たのしみだよ!りっちゃん」

律「へへ///」



またまたしばらくたった日の病室


律「唯!ギター練習してるか?」

唯「してるよ!こーどをすこしおぼえたよ!」

律「やったな!凄いぞ」

唯「えへへ」

律「じゃぁ、部活も来れるな!」

唯「たのしみ!」

律「明日退院だから、明後日ぐらいに来いよ!」

唯「うん!」



翌々日


律「ここが桜ヶ丘高校、私たちの学校だ!」

唯「ひろいね~」

律「病院の部屋よりははるかに広いぞ!」

キーンコーンカーンコーン

律「今から部活だ!」

唯「ちゃんとぎーたもってきたよ!」

律「よし、みんなに披露しようぜ~」

唯「みんな、おどろくかなあ」



部室


じゃじゃん じゃ~ん!

澪「凄いな!退院してて心配だったけど…」

紬「頑張ったのね♪」

唯「えへへ」

律「じゃあ唯も帰ってきたことだし…一回合わせてみるか!」


じゃじゃじゃじゃ じゃ~ん!!

律「ふう」

澪「久しぶりにみんなで合わせれたな!」

紬「唯ちゃんが入院してる時はしてなかったしね」

唯「なんで?」

紬「それは、誰か一人でも抜けたら、放課後ティータイムではないもの」

唯「ほうかごてぃーたいむ?」

律「私たちのバンド名だ!」

唯「へ~、なんかかっこいいね!」


澪「…じゃ、練習も終わったし帰るか」

紬「そうね」

律「帰りにカラオケ行こうぜ~」

澪「そうだな、唯が思い出すきっかけになるかも…」

唯「からおけって?」

律「歌って遊ぶとこだ!」

唯「?」

律「まぁ行ってみりゃ分かるよ」

紬「…澪ちゃん」ぼそ

澪「ん?なに、ムギ」

紬「りっちゃんと唯ちゃん、二人で行った方がいいかもしれない
今一番早く思い出さなきゃいけないのはりっちゃんのことだし…」

澪「そうだな…」


律「ここがカラオケだ!」

唯「おおきいね~!」

律「じゃ、入るか」


律「まったく、つれねーよなぁ、澪もムギも用事があるなんてな
あ、先歌うか?」

唯「でも、私…歌知らないし…」

律「じゃぁ聞いててくれ」

律「君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI
揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ
いつも頑張る君の横顔
ずっと見てても気づかないよね
夢の中なら二人の距離
縮められるのにな…」

律「ああ神サマおねがい
二人だけのDreamTimeください☆
お気に入りのうさちゃん抱いて今夜もオヤスミ☆
ふわふわ時間、ふわふわ時間、ふわふわ時間♪」ちら

唯「ふわ…ふわ…たぁ…いむ…♪」ぱくぱく

律「!!
唯、二番…頼めるか?」

唯「え、あ…うん!やってみる」がし

唯「ふとした仕草に今日もハートZUKI☆ZUKI…♪」



律の家


澪『そうか、唯ふわふわ時間覚えてたのか…』

律「ああ、多分体が覚えてるんだろ
でも、私うれしくてさっ」

澪『この調子だよ
きっと律のこと、思い出してくれるよ』

律「…ああ」



しばらくたった日の部室


じゃじゃじゃじゃ じゃ~ん!!

律「ぶわ~!」

澪「合うようになってきたぞ、唯」

唯「えへへ…さいきん、ぎー太をずっとさわってるからかなあ」

律「練習ちゃんとしてるのか、えらいぞ!」

唯「えへへ…あと、いっしょにねたりもしてるよ」

律「よし、練習終わったし…今日はアイス屋に行こう!」

唯「あいす!」

澪「二人で行ってこいよ、この前は行けなかったろ?」

律「え、いいのか?」

紬「ええ、それにできるだけ二人でいたほうが…」

律「…!そっか…
ありがとう、ムギ、澪」



律「唯、なにがいい?」

唯「ちょこみんと!」

律「!
じゃあチョコミントで」



唯「りっちゃん」

律「ん?」

唯「おいひいね♪」

律「ああ
…アイス、ほっぺたについてるぞ」

唯「ふぇ?」

律「ったく、ほら
拭いてやるよ」

唯「え?いいよ、じぶんでや…」

律「ほら」ふき

唯「あ、ありがと…」

律「おう」

唯「///」



唯「りっちゃん、わたしたちってこいびとどうしだったんだよね?」

律「!
ああ、そうだよ」

唯「それなのにわたし、りっちゃんのことおもいだせないよ…
それってひどいことだよね…」

律「いや…」

唯「ごめんね…ぜったいおもいだすから…」

律「唯…」



律の家


澪『今度の日曜日、唯と一緒に出掛けたらどうだ?いつも行ってる駅前にさ』

律「そうだな…そこなら、思い出すかも…
誘ってみるよ」

澪『がんばれよ』

律「澪、いつもありがとな」

澪『ああ』



日曜日


律「……」

唯「りっちゃあん!ごめん、おくれちゃった…」

律「いいよいいよ
じゃぁ行こう」

唯「うん!」


映画館


律「ここが映画館だ
私たちは日曜日にいつも通ってたよ
なにか思い出せないか?」

唯「ごめん、おもいだせないや…」

律「そうか…
とりあえず、映画みようぜ」



上映中


唯「これ、みたことある……?」

律「!
ああ、唯が好きだった映画だよ」

唯「おもしろいね!」

律「ああ!」


ゲーセン


律「ゲーセンだ
ここも唯と一緒によく行ってたよ」

唯「ふえ~、にぎやかだね~」

律「なにかやるか?」

唯「あ、あれ!」

律「なに?」

唯「あのくまさん…」

律「(テディベア…!)
欲しいのか?」

唯「う、うん」

律「よし、とってやる!」


律「………」

唯「とれなかったね…」

律「うっ…すまん」

唯「いや、いいよ
わたしのためにとろうとしてくれたんだし」

律「…ああ、すまんな」

唯「もう暗くなっちゃったね…」

律「帰るか?」

唯「うん」

律「送ってやるよ、唯は可愛いからさらわれちゃうからな」

唯「///」

唯「………」


律「んじゃ、また明日な」

唯「りっちゃん、テディベア、ありがとね!」

律「え?でもとれなかっ…」

唯「ちがうよ、このまえの…りっちゃんがとってくれたやつだよ!」

律「唯…それって…」

唯「うん、思い出したの!」

律「!!」

唯「でも、りっちゃんと恋人だってことしか…りっちゃんとの思い出は……」

律「それで充分だよ、大丈夫だよ
思い出なんかまた作ればいいさ
唯が私のこと思い出してくれただけでいいよ」

唯「りっちゃん…」

律「思い出…いっぱい作ろうな…」

唯「うん…」ぐす

律「泣くなって」

唯「うう…」ぐす

律「ったく…」

唯「りっちゃん…」

律「ん?」

唯「大好きだよ!」

律「!
ああ、私もだよ…」ぎゅっ

ーENDー



最終更新:2010年11月25日 23:15