澪「あずにゃーん!!」

梓「へ?」

ダキッ

梓「うわあぁああ!!どうしたんですか澪先輩!?」

澪「あずにゃーん!」

スリスリ

梓「な、何で澪先輩がこんな事!?」

律「いやーそれがだな」

紬「その人は澪ちゃんじゃなくて唯ちゃんなの」

唯「そう、そして私が本物の秋山澪」

梓「唯先輩?じゃなくて澪先輩?」

梓「一体どういう事なんです?」

律「唯と澪、二人の体が入れ替わっちまったんだよ」

梓「そ、そんな漫画みたいな事」

律「何言ってんだ、私たちも漫画…」

紬 ボカッ!!

律「ゴフッ!」

梓「?」

律「と、とにかくだ、澪の体に唯が、唯の体に澪が入ってる」

澪「そうなんだよ、あずにゃん」

唯「分かってくれ梓」

梓「いまだに信じられませんけど」

梓「そう言えば澪先輩があんな風に抱きついて来るはず無いですよね」

梓「でも、どうしてこんな事に?」

紬「それがね」


~回想

澪「唯、あの棚の荷物取るから脚立抑えててくれ」

唯「了解しました」

澪「よいしょ、もうちょっと…」

グラグラ

澪「と、届かない…」

ガタン!!

澪&唯「うわー!!!!」


唯「と言うわけで気づいたら唯と身体が入れ替わってた」

澪「ビックリだよね」

梓「本当にそんな事が」




梓「へーそんな事が」

梓「で、元に戻れないんですか?」

澪「それが分かんないんだよね」

唯「そうだな、しばらくはこのままかも知れない」

澪「と言うわけで、あずにゃーん、よろしく!!」

ダキッ!

梓「うわっ!!」

梓(澪先輩の身体だと身長差があるから抱きつかれると胸が顔の位置に、しかも大きい///)

律「あれれ~梓、澪の身体だと嫌がらないんだな」

梓「そ、そんな事無いですよ」

紬「梓ちゃん鼻血出てるわよ」

澪「あずにゃん大変!横になって」

そう言うと、澪先輩は膝枕をしてくれた。

澪先輩の膝枕はとても心地よい柔らかさと暖かさ。

そして漂ってくる良い香り。

ナデナデと、澪先輩が私の頭を撫でてくれる。

ナデナデ

梓「えへへ」

紬「梓ちゃん嬉しそうね」

律「梓の奴、余計に鼻血出るんじゃねーの?」

梓「あ、あれっ私寝ちゃって…」

澪「あずにゃん起きた?」

目の前に私の顔を覗き込む澪先輩の顔、近すぎます///

澪「あずにゃん気持ちよさそうに寝てて、起こすの可愛そうだったから」

梓「すいません…」

澪「みんな先に帰っちゃったから私たちも帰ろうよ」

梓「そうですね」

梓「澪先輩と二人で帰るの初めてですね」

澪「そういえばそうだね」

梓「う~、この時間は結構冷えますね」

澪「あずにゃん、手繋ごうよ」

ギュッ

澪「あったかあったか」

梓「澪先輩の手暖かい」

梓 グ~

澪「あれ?あずにゃんお腹空いたの?」

梓「すすす、すいません今日寝ちゃってケーキ食べなかったので///」

澪「コンビニで何か買ってこっか?」

梓「そうですね」

梓「う~ん、どれにしよう…」

澪「あずにゃん、どれとどれで迷ってるの?」

梓「ピザまんとあんまんで…」

澪「じゃあ2つ買っちゃえば?」

梓「今2つ食べちゃうと夕飯が食べられなくなりそうで」

澪「じゃあ私も買うから半分個にしようよ」

澪「はい、あずにゃんの分」

梓「ありがとうございます」

梓 フーフー

澪「あずにゃん猫舌?」

梓「そうなんです」

澪「私もフーフーして上げるよ」

澪 フーフー

梓「何か照れくさいです///」

澪「えへへ」


~次の日

梓「~でね、憂が…」

純「へーそうなの」

澪「あーずにゃーん!!」

ダキッ!

梓「にゃっ!」

純「みみみ、澪先輩が何で梓に抱きついてんの?」

梓「純、違うの。この人は唯先輩なの」

純「へ?」

純に事情を説明する梓

純「へー、そんな事が…」

純「くそ、羨ましい。私にも抱きついてくれないかな…」

律「佐々木さん、私で良ければ抱きつくぜ」

澪「鈴木さんだよ」


~部室

紬「お茶にしましょう」

唯「律は?」

梓「純に抱きついてます」

紬「まあまあまあ」

唯「先にお茶にしてるか」

律「モコモコー純ちゃんの髪の毛モコモコー」

純「も、もう良いですか///」

律「も、もうちょっと」


澪「この苺タルト美味しいー」

梓「美味しいですね」

唯「甘さが絶妙だな」

紬「うふふ、高級スイーツよ」

梓「練習どうします?」

唯「身体が戻ってからで良いんじゃない?」

澪「そうだね」

梓「あの、澪先輩。良かったら今日も二人で帰りません?」

澪「え?良いよ」

紬「あらあらあら」


~帰り道

澪「あれ?雨降って来ちゃったね」

梓「あ、私折りたたみ傘持ってますよ」

バサッ

梓「一緒に入りましょう」

背伸びして澪に傘刺す梓

澪「いや、私の方が背が高いから私が傘持つよ」

澪「うわっ結構降って来ちゃったね」

梓「これじゃあ傘だとびっちょりになっちゃいますね」

澪「あそこで雨宿りしていこ」

澪「ふう、濡れ濡れになっちゃった」

梓「私タオル持ってますよ」

拭き拭き

澪「ありがと、あずにゃん」

梓「……あの、澪先輩」

澪「何?」

梓「入れ替わったって嘘ですよね?澪先輩」

澪「そ、そんな事無い私は唯だよ」

梓「もう誤魔化さなくても良いんですよ?」

澪「…………」

澪「何で気づいたの?演技は完璧だったはず」

梓「澪先輩の中に唯先輩が入ったのなら右利きになるはずなのに、左手でフォークを握ってました」

梓「同じく唯先輩は右手でフォークを握ってました」

澪「さすがだな梓」

梓「何でこんな事したんですか?」

澪「じ、実は……」


~本当の回想

澪「あずにゃん、あ~ずにゃん…」

ブツブツ

澪「いや、1ステップおいて『梓ちゃん』から入った方が良いか…?」

ブツブツ

律「澪、何一人でブツブツ言ってんだ?」

澪「なあ、律っちゃん」

律「その呼び方やめろ///」

澪「梓に抱きついてみたいんだけど。どうしたら良いと思う?」

律「は?」

澪「梓に抱きついてみたいんだけど。どうしたら良いと思う?」

律「普通に言い直してんじゃねーよ。そういう意味の、は?じゃねー」

澪「大事な事なので2回言いました」

律「澪が頼めば、梓ならさせてくれるんじゃね?」

澪「何でだ?」

律「ほら、梓って澪の事を慕ってるっぽいし」

澪「で、でも、そんなの私のキャラじゃないだろ?」

澪「私も唯みたいに抱きついてみたくて」

澪「もう一度言っておく、私は梓に抱きついてみたい。しかし良い方法が思い浮かばない」

律「ピーン!!」

律「良いアイデアを思いついた!」

律「澪と唯が入れ替われば良いんだよ」

澪「入れ替わる?どうやって?」

律「それはだな…」

律「入れ替わったフリをするんだ」

澪「入れ替わったフリ?」

律「そう、澪の中に唯が、唯の中に澪が入ったと言う事にする」

澪「なるほど、私は唯のキャラを演じればいいのか」

律「そう。その代わり躊躇したりすると怪しまれるから、やるからには全力だ」

澪「わ、分かった」

律「ロミオを演じきった君ならやれるさ、澪ちゃん」

澪「その呼び方止めろ///」

澪「で、でも唯には何て説明するんだ?梓に抱きついてみたいってのは、その…」

律「そこはだな、梓をドッキリに引っかけるとか言って騙すのさ。勿論ムギも」

澪「凄い、さすがだよ律っちゃん」

律「だからその呼び方止めろっての///」


~~

梓「………………」

澪「ごめんな、梓の事騙してた」

梓「……こんな事するなんて」

澪「ずっとやるつもりも無かった。今日で終わりにしようと思ってた」

梓「………」

梓「………止めないで下さい」

澪「え?」

梓「抱きつくのは止めないで下さい」

梓「騙されてたのは悔しいけど澪先輩に抱きつかれるのは嬉しかった」

澪「梓……」

梓「だから、唯先輩のフリじゃなくて澪先輩として抱きついて下さい」

澪「分かった……」

優しく梓を抱きしめる澪

梓「あ、でもあずにゃんって呼ぶのだけは勘弁して下さい」

澪「そ、そうだな///」



~次の日

澪「梓!」

ギュッ!!

梓「澪先輩、朝からそんな///」

紬「まあまあまあまあまあ!!」

唯「あれ?まだ入れ替わりやってるの?」

律「いや、入れ替わりは昨日で終わりだけど。自分を解き放ったらしい」

律「むっ、あそこに居るのは?」

律「純にゃーん」

ダキッ!!

純「ひゃっ!止めて下さいよこんな所で///」

律「良いではないか、良いではないか」


お終い



最終更新:2010年11月27日 04:12