律「あはは。わりー、わりー。・・・えーと、絡まってるけど取れそうじゃないか?」

澪「切るにはもったいないような髪だしな」

梓(良い匂いですしね♪) くんか、くんか

律「私は左をやるから、澪は右で。梓は後ろを頼む」

唯「じゃ、私が前で」

紬「みんな、ごめんなさい」 しゅん

律「良いって、良いって。でもこうしてると、お嬢様に仕える侍女達みたいだな」

澪「まあ、実際そうなんだろ」

唯「そかな。私はいつも憂に、こうしてもらってるよ」

律「・・・そこはせめて、お前が憂ちゃんにやってやれ」

律「ここをこっちに通してと。・・・ふぅ、なんとか解けたな」

梓「昇天ペガサス盛りになった時は、どうしようかと思いましたけどね」

紬「ありがとう、みんな。・・・それに、ごめんなさい」 しゅん

澪「ムギ、もう良いって。人間、たまには羽目を外したくなる時もあるさ」

紬「澪ちゃん♪」 

梓「年中羽目を外してる人もいますけどね」

唯「もう。あずにゃんはすぐそういう事言うんだから」

梓「自覚してるなら、改めて下さい」

律「全くだぜ」

澪「お前もだ、デコッパチ」

紬「それで、このネコ耳はどうする?やっぱり捨てた方が良いのかしら」

梓「もったいないけど、ここまで来ると危ないですからね。髪の毛をばっさり切るような事になったら大変ですし」

澪「だったら、最後に律で試してみるか」

律「この野郎。いっそ半分に折って、他の人も使えないようにしようぜ」

唯「その前に、私が使ってみるよ」


梓「・・・今までの流れ、見てました?」

唯「勿論。みんなが使ったなら、私が使わないって事は無いんじゃない?」

梓「無いんじゃないって事は無いんじゃないんですか」

唯「無いんじゃないって事は無いんじゃないって事は、無いんじゃないって私は思うんだけどな」

律「そういう、訳の分からない会話も、無いんじゃない?」

唯「とにかく私、付けるから」 かぱっ

律「わっ。こいつ、本当に付けやがった」

澪「怖い物知らずだな」

紬「でも、ちょっと恰好良いかも」

梓「付けたのは、ネコ耳ですけどね」

唯「あずにゃんー。にゃーん、にゃーん」 すりすり

梓「ちょっ、ちょっと。唯先輩」

唯「にゃん?」

梓(この笑顔が。この匂いが私を惑わせる♪) くんか、くんか

唯「どう、どう?にゃー、にゃー。にゃにゃにゃにゃー」 しゃかしゃか

律「どうと言われても、なあ」

澪「まあ、なんだろう」

紬「あまり普段と変わらないというか、なんというか」

梓「結局唯先輩のキャラが強すぎて、ネコ耳のインパクトが薄れてるんですよね」

唯「華のある美少女って、罪だよねー♪」

律「イラッとするが、結構否定出来ん」

唯「だったら、外そっと」 すっ

澪「・・・簡単に外れたな」

紬「唯ちゃん、何かやった?」

唯「内緒。ただ、髪の長さも関係してるかも知れないね」

梓「確かに私達3人とも、髪が長いですし」

唯「あー、なんかつまんないなー」

律「仕方ない。これだけはやりたくなかったんだが」

澪(出るか、出てしまうのか。あれが、ついに出てしまうのか♪)

唯「嫌な予感がするんだけど」

律「ふふふっ。そういうお前には、これをお見舞いしてくれるわ」 すっ、かぱっ

梓「あ、律先輩が唯先輩の頭の上にっ」

律「真顔で言うな」

唯「おでこはー。おでこは駄目ーっ。おでこを出すなど、人としてあってはならんのですーっ」 

律「悪かったな、おい」


紬「でもおでこを出した唯ちゃんも、すごい可愛いわよ♪」

梓「逆に前髪を垂らすと、律先輩の印象は大分変わりますね」

紬「唯ちゃんがシンプルな美少女なら、りっちゃんはワイルドな美少女かしら」

律「止めろよ、おい」 てれてれ

澪(本当の事を言われて、何を照れる理由があるっ)

唯「とにかくこれは却下。おでこを出すなど、女子としてのたしなみに欠けるのです」 すっ

梓「唯先輩が言っても、説得力に欠けるんですけどね」

律「ちぇー。だったら、私がネコ耳を付けてみようかな」

澪「外れなくなっても知らないぞ」

律「唯も言ってただろ。みんなが付けて、自分が付けない理由は無いって」

紬「りっちゃん。悪い事は言わないから、止めた方が良いわよ」

律「良いじゃん、良いじゃん。私も髪が短いから、すぐに取れるって」 かぱっ

唯「あーっ。りっちゃん、違うって。私は付けたんじゃなくて・・・」

律「どうだ。似合うか。にゃー、にゃー、にゃー。なんてなー」 しゃかしゃか

梓「それで、ネコ耳は外れますか」

律「何だよ、ノリが悪いな。こんなのすぐに・・・。あれ?」

澪「おい」

律「待て、待てって。今すぐ外すから・・・。あれ?」 たらー

紬「りっちゃん、やっぱり外れない?」

律「おかしいな。・・・ちょっと、マジでやばいかも」 あせあせ

唯「あのさ。私本当は付けたんじゃなくて、指を間に挟んでたんだよね」

律「それって、どういう事?言ってる意味が、全然分かんないっていうかー」 あせあせ

澪「おい、律。・・・律ってば」

律「ちぇ。みんな帰れ帰れ。どうせ自得自得だよ。ああ、帰れ帰れ」

紬「りっちゃん」

唯「りっちゃーん」

梓「律先輩」

律「私はこんなの付けてても、全然平気なんだよ。良いから、みんなもう帰れよ」

澪「全く。・・・みんな、早く帰ろう」 ぱたん

唯、紬、梓「う、うん」 ぱたん

律「・・・本当に帰るのかよ、全く。で、どうすれば良いんだよ」

しーん

律「返事も無しか、当たり前だけど。取りあえず、一人遊びしてみるか。・・・にゃー」 しゃかしゃか

しーん

律「無限大に虚しいな。でもって、どうやって帰れば良いんだ?帽子を被るか、タオルでも巻くか。なあ、澪」 

しーん

律「返事がある訳無いか。はは、はは。あはは・・・」

しーん

律「なんだよもう。・・・やっぱり、外れないし」 

しーん

律「唯ー、ムギ-、梓ー。なんとかしてくれー。澪ーっ」 

しーん

律「・・・一人で叫んでても仕方ないか。暗くなった後で、こっそり帰ろう」 

しーん


律「本当、一人で何やってるんだろ」

カチャ

澪「どうして一人なんだ」

律「見ての通りだろ。みんな帰って・・・。どあっ、どうしてここに?」 

澪「どうしてだと思う」

律「どうしてって、それは」

唯「ふむふむ♪」

律「ここは軽音部だし」

紬「そうそう♪」

律「私達は、軽音部の部員だし」

梓「うんうん♪」

律「だから、その。あの。えーと」

唯「私達が、りっちゃんを見捨てて帰る訳が無いよ」

律「唯・・・」

紬「って、澪ちゃんがずーっと言ってました♪」

澪「ム、ムギッ。私は別にその。何も冗談なんだから、そう真剣にならなくても・・・。というか、つまりはそういう事だ」

梓「こういう律先輩も、新鮮で良いですけどね」

律「ど、どういうのがだよ」

梓「言って良いんですか?」

律「駄目っ」

澪「全く」 くすくす

律「とにかく、その。えーと。・・・どうも、申し訳ありませんでしたっ」 がばっ

紬「まあまあ♪まずは、そこに座って」

梓「解き甲斐がありそうですね」

澪「それと、これ」

律「ああ、カチューシャ」

澪「これがないと、やっぱり律じゃないからな」

律「澪・・・」

澪「さっさと解いて、さっさと帰るぞ」 ぽふっ

唯「・・・ここを、こう通して」

梓「こっちに引っ張って、と。……どうですか?」

律「……取れるかも」 すっ

紬「最後はやっぱり、カチューシャを付けないと♪」 かぱっ

律「あ、ありがとう」

澪「礼なんて必要無いだろ、私達には」

唯「そうそう。さっきもりっちゃんが言ってたじゃない」

紬「私達は、軽音部の部員なんだからって」

梓「そういう事です」

律「お前ら・・・」


澪「さて、どうする」 ぽふっ

律「どうするって、その」

澪「私達は軽音部で、お前はなんなんだ?」



律「ああ、そうだな。みんな、帰るぞ。・・・部長の私に付いてこいっ」

澪、紬、梓、唯「おーっ」




                                  終わり



最終更新:2010年12月01日 02:15