Ui side
平沢家!
家を出てほんの数週間なのに、見違えるほどお姉ちゃんの包丁裁きは上達していました。
やっぱりお姉ちゃんはやる時はやる人だなぁ。
なんて感心しながら二人で作った料理を食卓に並べ終わった頃。
梓ちゃんと純ちゃんが揃って、いつもと変わらない様子でやって来ました。
軽音部のこと、これからのこと。きっとみんなで話し合わなきゃいけないことは多いんだろうけれど。
今日は楽しく!賑やかに!
美味しい料理に舌鼓が打てれば良し!だと思います。
唯 「あずにゃん、これ私が作ったんだよー!食べて食べて!」
梓 「・・・えーぇ、見た目は美味しそうだけど・・・ 大丈夫かな。あ、こっちは・・・」
憂 「それは私が作ったの」
梓 「じゃ、こっちをいただきます(ぱくっ)。美味しい!」
唯 「ひどいよ、あずにゃん~~~(うるうる)」
純 「唯先輩、梓はツンデレだから。本当は先輩の料理、食べたくて食べたくて仕方がないんですよ」
梓 「ちょっと、変なこと吹き込まないでよー・・・・」
純 「にっひっひ♪」
唯 「そうなの!?あずにゃん!!」
梓 「・・・・え、いやあの」
唯 「本当に可愛いんだからあずにゃんは!(ぎゅう)」
梓 「ちょ、食事中に抱きつかないで下さい!お行儀悪いです!」
憂 (にこにこ)
唯 「はい、私の!食べさせてあげるからね!あーんして、あーんって!」
梓 「あ、ちょ!一人で食べられますから(ぱくっ)!
梓 「・・・あ、すごい美味しい(まぐまぐ)」
唯 「でしょー♪」
憂 「お姉ちゃん、本当お料理上手になったよねー」
唯 「溢れんばかりの才能が、とうとう料理でも開花したんだよ!天才過ぎる自分が怖いです(ふんす)!!」
純 「相変わらず憂のお姉さんは面白いね」
憂 「えへへ♪」
梓 「・・・面白すぎでしょ」
純 「そこが良いくせに。ねー♪」
唯 「ねー♪」
梓 「いつの間にやらこの二人、息ぴったりだし・・・・」
憂 「くすくす」
梓ちゃんと純ちゃんはすっかり仲直りできたみたい。
本当に良かった・・・
そして、そんな楽しかった夕食会から一週間後。
新歓ライブが無事終了しました。
手ごたえはばっちり!練習の甲斐もあって大成功のうちに幕が閉じたと思います。
あとはライブを見てくれた子が、入部してくれるのを待つだけ。
梓ちゃんの想いと、純ちゃんの友情と、みんなの努力。
何一つ無駄にしたくない。だからお願い、新入生きて!!
新歓ライブの翌日。軽音部!
山田 「純先輩、いい加減ジャズ研に戻ってくださいよ」
純 「私が戻ったら、山田のパートを私が取っちゃうけど、それでも良いの?」
山田 「構いませんよ。実力で阻止して見せますから」
純 「じゃ私、居場所がなくなっちゃう。戻る意味ないじゃん」
山田 「そ、そんな事ないです!先輩には先輩として、後進の指導とか色々ですね・・・」
純 「はいはい、で。なんで山田がここにいるの?毎日ジャズ研の練習後に顔出してさ」
山田 「じゅ・・純先輩がこれ以上軽音部に篭絡されないように見張りです!ジャズ研のためです!」
山田 「べ、別に純先輩の顔を見ないと落ち着かないとか、そんなんじゃないんだから!」
梓 「・・・・・(ツンデレだ)」
憂 「・・・・・(ツンデレなんだ)」
憂 「純ちゃんが心配なんだよね。はい、お茶でもどうぞ(かちゃっ)」
山田 「要りません!軽音部の施しは受けません!」
純 「こら山田!先輩に向かって、その態度はないでしょ!」
山田 「う・・・だって・・・・」
梓 「まぁまぁ純。山田さんも。憂のお茶は本当に美味しいんだから、ね。飲んでいきなよ」
純 「そうだよ。せっかく平沢先輩が煎れてくれたんだから、ありがたく頂きな、ね?」
山田 「~~~~~!きょ、今日はもう帰ります!さ、さよなら!」
(つかつかつか・・・ばたん)
憂 「行っちゃった・・・・」
梓 「・・・・可愛い子だね」
純 「いじりがいあるでしょ」
とんとん。
純 「ん?ノックの音?山田、忘れ物でもしたかな」
憂 「はーい(とことこ、かちゃ)。・・・あれ?」
憂 「あなた達は・・・・」
梓 「憂、誰だったー?」
新入生A「こ、ここ軽音部ですか・・・?」
新入生B「あの、私達、入部希望なんですけど・・・」
梓・憂・純 「・・・・・・・!!」
梓 「ほ・・本当に入部希望なの??」
A 「はい」
純 「ブラバン部やジャズ研じゃなくて・・・・?」
B 「いえ、軽音部に・・・・」
憂 「と言うことは・・・・」
(ぐっ!!)
梓・憂・純 「やったぁーーーーー!」
A・B 「・・・・・!?」
純 「ああ、ごめんごめん。ビックリさせちゃった?色々あったからさー。ま、中に入って入って」
梓 「さ、ここにかけて。憂、お茶お願い」
憂 「了解~~~♪」
純 「さ、お茶がくるまでに自己紹介しておこうか。私はまぁ・・・仮部員の身なんだけど」
純 「で、今お茶を煎れてる大人しそうなのが現キーボード。本当はギターも達者なオールラウンドプレイヤー。
平沢憂ね」
憂 「純ちゃん、誇張しすぎ~~~。あ、はい。お茶どうぞ♪」
純 「そしてそこのツインテールがギターで部長の
中野梓。一番ちっさいくせに部長」
梓 「背は関係ないでしょ・・・ よろしくね!」
A 「あ、私!新歓ライブで中野先輩のギターに感動して、それで軽音部に入ろうって思ったんです!」
梓 「・・・・え?そ、そうなんだ。・・・・・へへ」
純 「照れてますなー」
憂 (にこにこ)
B 「でも、私たちまったくの素人で、楽器もあまり触った事なくて・・・それでも入部して平気ですか?」
梓 「まったく問題ないよ!ちゃんと教えるし、一緒に練習して頑張ろうね!」
梓 「それに私が軽音部に入るきっかけになった先輩もね。あ、私も新歓で感動して入部したクチなんだけど」
梓 「その先輩も入部当初はギターに触った事も無かったんだって。でも一年後には、人を感動させる演奏が出来るようになってたんだよ」
梓 「だから大丈夫!」
純 「はい確かに!入部希望用紙うけとりました♪」
梓 「それじゃ二人とも、自己紹介をお願いできるかな」
A・B 「あ、はい!私たちは・・・・!!」
雨降って地かたまるって諺があります。
今回の梓ちゃんと純ちゃんの行き違いは、きっとその雨だったのだと。
すべてが丸く収まった今なら、そう思えるんです。
みんな一生懸命に青春してるから、時にぶつかり合う事だってあるし、必要なことだとも思う。
でもそれを乗り越えられたら、雨の過ぎ去った跡になら・・・
これまで以上の実りが、そこには残されるんだって。
梓ちゃんと純ちゃんの結びつきのように。
これからの軽音部のように・・・!
だから。
だから!!
これから、楽しい一年が送れそうな予感です♪
梓・純・憂 「軽音部へようこそ!!」
おわり!
最終更新:2010年12月07日 01:33