『りっちゃんは手でする方が好き』

唯「りっちゃんはなんでミシン苦手なの?」

律「なんかさぁ~、自分の手じゃないと使いこなせないってかさ」

律「ボタン一つでどんどん進んで行くのがおっかないってかさ」

紬「あ~、なんとなくわかる気がするわ」

律「だろ?」

澪「素直に機械音痴だって言えばいいのに」

律「うぐっ……」

唯「手縫いのボタン付けは上手だよね」

律「それは誰にも負ける気はしませんな!」

 ・ ・ ・ ・ ・

梓「あ~、昨日はとんでもない勘違いしちゃった……」

梓「すみません、遅れました……」ガチャ

澪「機械つかった方が早く済むのに……」

律「手の温もりってのがあるだろ」

梓「!?」

唯「お、あずにゃん来たね。やっほ~」

梓(これは明らかにオナニーの話をしている最中! 今度こそは間違いないっ!)

梓(澪先輩はバイブ派で律先輩は手淫派か……)

梓(澪先輩なんかはおもちゃ使うの怖いとか思ってるイメージあるけど、実際は違うもんなんだなぁ)

紬「梓ちゃんどうしたの? そんなところに突っ立って」

梓「え? いえ、なんでもありませんよ」

律「梓はどう思うよ、機械に頼らなくても逞しく己の手で生き抜く方がいいよな」

澪「せっかく便利な物があるのに、それを使わずにどうするんだよ」

梓「私は、そのときの気分に合った方を使ってます」

唯「さすがあずにゃんだね」

梓「ちなみに私は昨日手でしました」

紬「へぇ~、梓ちゃんもそういうこと(お裁縫)するのね」

梓「はい、お恥ずかしながら」

紬「別に恥じることなんかないと思うけど」

梓「そうですか?」

紬「ええ、淑女の嗜みだと思うわ」

梓「なるほど、逆に隠す方が恥ずかしいとムギ先輩はおっしゃるわけですね?」

紬「え? ええ、そうね」

梓「そういうことならぶっちゃけますけど、私は週に3、4回くらいのペースでしてます」

梓「皆さんはどうですか?」

律「私は必要があればするけどさぁ。そんなの滅多にないしなぁ」

梓「けっこう淡白なんですね」

律「え? ああ、うん」

澪「私は結構してるよ」

梓「だと思いました」

澪「ママ……じゃなくて。お母さんがそういうのが得意でさ」

澪「暇があればやってるから、その手伝いをしてるうちに上手くなったって感じかな」

梓「秋山家はそういうことに関してえらくオープンなんですね」

澪「ん?」

梓「澪先輩のお母さんもやっぱり機械派なんですか?」

澪「そうだな、よく使ってるよ」

梓「だとすると、そういう家系なんですね」

澪「前も通販で新しいやつ買ったらしくてさ、私も使わせてもらったんだけど、やっぱり最新型は凄かったよ」

梓「親が使ってるやつを使い回してるんですか!?」

澪「え? 別に普通だよね」

梓「いえ、さすがにそれは引きますって」

澪「なんで?」

紬「私も人並みには出来るんだけど、あまり自分でやるなんてことはないわ」

紬「とくに父が『怪我をしたらどうるすんだ』って心配しちゃって、あまりやらせてもらえないの」

律「さすがお嬢様だな」

紬「ちょっと過保護で困るんだけどね」

梓「いや、怪我を心配されるほどやっちゃうムギ先輩にも問題があると思いますけど」

紬「そ、そう?」

律「私も一回おいっきり刺さって血が出たことがあったなぁ」

澪「おい! 痛い話はやめろって!」

梓(オナニーで処女喪失なんて、律先輩はワイルドだなぁ)

唯「私は家でそんなのしたことないなぁ~」

梓「唯先輩はそうでしょうね」

梓(オナニーしてる唯先輩なんてあまり想像出来ないし)

唯「学校の授業中くらいかな、するって言ったら」

梓「逆にそれは大胆ですね」

澪「何言ってるんだ?」

梓「え? もしかして澪先輩も授業中にしたことあるんですか?」

澪「だってそういう授業なんだから」

梓「そんな素敵な授業聞いたことありませんよ……」

澪「は?」

唯「もし家でやる必要があるときはいつも憂に頼んでやってもらってるからなぁ」

梓(やっぱり……。あの憂の唯先輩に対する溺愛ぶりを見たらそれも納得だよ)

唯「前なんかりっちゃんにもしてもらっちゃったし」

梓「ええっ!?」

澪「うわっ!? びっくりしたぁ!」

紬「どうしたの梓ちゃん、そんな大声出して」

梓「あ、いえ……」

梓(まさか唯先輩と律先輩がそんな関係だったなんて……)

梓(私はてっきり律先輩は澪先輩だとばっかり思ってたから)

澪「唯も他人に頼んでなんていたらいつまで経っても上手くならないぞ」

澪「ちゃんと自分でも出来るようになっとかないと」

梓「でも、そこまで上手くなる必要もないとは思いますけど……」

紬「そうかしら? もし彼氏なんかが出来てそういうこと(手編みのマフラーや手袋)してあげたら喜ぶと思うけど」

梓「ムギ先輩、さすがにその発言はどうかと思います……」

紬「へ?」

唯「でも、見かけによらずりっちゃんってば上手いんだよ、あずにゃん」

梓「へ、へぇ~……」

律「あ、信用してないって感じだな。なんだったらもしそんな機会があれば梓にもしてやるよ」

律「私の指さばきを見るがいい!」

梓「い、いえ。結構です……」

律「ええ~……、やらせろよ~!」

梓「へ、変態!」

律「うぐぁっ!? まさかそこまで罵倒されるとは……」

律(って、梓の制服のボタン一つ取れかけてるな)

律「なぁ、梓。ちょっと脱げ」

梓「えっ゛!?」

律「いいから、ちゃんと私がしてやるから」

梓「あ、あの! ちょっと!」

唯(あ! あずにゃんの制服のボタン)

澪(取れかかってるな)

紬「わぁ~! りっちゃんの技がここで見れるのね♪」

梓「そんな喜んでないで止めて下さいよ!」

澪「まぁ梓。ここは律に任せてみてもいいんじゃないか?」

梓「澪先輩まで!?」

唯「りっちゃんの妙技に酔いしれること間違いなしだよ!」

梓「うぅ~……」

律「ほれほれ、梓~」グイグイ

梓「わ、わかりました! 自分で脱ぐので無理矢理はよしてください」

律「わかればいいんだよ」

澪「あ、でも針とか持ってるのか?」

梓「は、針っ!?」

梓(そんなハードなプレイを!?)

律「大丈夫! 女子の嗜みとしてちゃんとカバンに入れて毎日持ち歩いてるからな」

梓「その嗜みは特殊すぎやしませんか!?」

律「じゃあ、ちゃちゃっと終わらせるからな」

梓「あの……全部脱がなくていいんですか?」

律「は? なんで?」

梓「わ、わかります。ブラウス着たまま、スカート履いたままの方がそそるってことですね」

律「ん?」

梓「じ、じゃあ、お願いします」ドキドキ

律 チクチクチクチク

律「ほい! 出来上がり~!」

梓「あれ?」

澪「本当に、手縫いは見事だよな」

律「ミシンなんて目じゃねーっての」

唯「ボタン付けだけでしょ?」

律「うるへー」

梓「……」

紬「どうしたの梓ちゃん。黙っちゃって」

律「私の指技に感動して言葉が出てこないんだろ?」

梓「また騙されたっ!!」

律「な、なにっ!?」




『上野クリニック』

数学教師「あ~、で~あるからして、この正方形の面積が……」

梓「Say! 包茎!」ガタッ!!

数学教師「うるさいぞ、中野」

梓「す、すみません……」

数学教師「だからこちらの長方形の一辺が……」

梓「ち、超包茎!?」ガタッ!!

数学教師「出てけ~」




梓「と、このように私はどこにでもいる極普通の女子高生であることが皆さんにもわかって頂けたと思います」

梓「だから、もうエロにゃんだなんて呼ばないで下さい!!」





澪「梓、誰と話してるんだ?」

梓「い、いえ。なんでもありません」

唯「ムギちゃ~ん、今日のおやつは~?」

紬「今日はいちごをたくさん頂いたから持ってきたの」

律「おお~、これはまた立派ないちごだ」

梓「れ、練乳! 私の分には練乳をドピュっと一杯かけて下さい!!」

澪「ドピュ?」


おしまいってかネタ切れってか赤玉打ち止め



最終更新:2010年12月10日 06:39