律「おーい、唯ー? いつまで寝てるんだ~?
  朝しょ――って、なんだこりゃ!?」

唯「なーにー、りっちゃ~ん、朝から素っ頓狂な声出さないでよー」

律「いやいやいやいやいや! これで、れいしえにいられたら、すご、すごっ!」

紬「どうしたの、りっちゃーん?
  ……あらあら、うふふ、よかったぁ『せいこう』したようね~」

澪「どうしたんだより――」

律「あ、澪が固まった」

梓「……なんですか、朝からぁ、ふぁーあ、よく寝ましたぁ……」

唯「あずにゃ~ん、おはよう」

梓「はい、おはようござい――きゃああああああああああ!!」

唯「な、なに? どうしたの!?」

梓「せ、せえなおうあ! 見ちゃダメですぅぅぅぅぅ!」

 あずにゃんを宥めるために、抱きつく。 
 ああ、そういえば、私たち、何も身に着けてないやー。

紬「……グッド!」

律「待て待て待て待て! ムギ、ここはいったん退避する場面だ!」

 りっちゃんが、澪ちゃんと、ムギちゃんを引っ張って、外に出る。
 数回の深呼吸を、あずにゃんがして、落ち着くのを待った。


梓「……み、見られちゃいました~」

唯「裸なら、お風呂で散々見られてるし、慌てることないのに~」

梓「そ、そうじゃありません! これと、それとは話が違いますです!」

唯「ねぇ……あずにゃんは、私のこと、愛してるんだよね?」

梓「当たり前です! 唯先輩以外はありえません!」

唯「みんなのことも、好きだよね?」

梓「……はい」

唯「ならさ、みんなに宣言しちゃおうよ、私たち、付き合うことになりました~って」

梓「でっ、でも……ううううぅぅぅぅ~」

 悩むこと数十秒、どうやらあずにゃんの中で葛藤があるようだった。
 だけど、笑顔になった。

梓「……はい、それも案外、いいかもしれませんね」

唯「……うんうん、あずにゃんは物分かりが良くて、えっちで、可愛くて、
  最高のパートナーだよ~」

梓「えっちなのは唯先輩のほうです……」

唯「愛の証、愛の証」

梓「誤魔化されたくないですけど、唯先輩が好きなので、誤魔化されてあげます」

唯「ありがと~、じゃあ、リビングに行こうか」

梓「はい」

 着替えをして、二人でリビングへ。もちろん、手を繋いで。
 待ち構えてたのは、りっちゃん、ムギちゃん、澪ちゃん。

唯「お待たせー」

梓「しましたー」

律「まあ、とりあえずおはよう! あは、あははは!」

唯「おはよー、えーと、私たち付き合うことになりましたー」

澪「か、軽い……」

律「いや、ゆゆ、唯?! だって女の子同士なんだぜ?」

唯「えぇー、りっちゃんと澪ちゃんだって、昨日えっちなこといっぱいしてたじゃーん」

律「うぇ!? ちょお、なんで唯が知って! えぇっ?」

唯「ドアがちょこーっとだけ開いてから、覗いちゃったぁ」

澪「はは、ははは……」

梓「澪先輩が石像になりました」

紬「もう私、幸せで昇天しそう……、
  できたら今度、私にも覗かせてね!」

律「ない、その選択肢はない!」

澪「……そうだな、律、私たちも言っちゃおう、どうせなら」

律「私たちは、『経歴のある』カップルだ。
  黙ってて悪かった、だけど、話せてスッキリしたよ、ありがとう」

紬「実はちょっと寂しかったりもするけど、  
  傍で見てるだけの世界も素敵なのよね」

梓「わだかまりも解けたことですし、いつもの放課後ティータイム復活ですね」

律「景気づけに、なにかやっちゃおうぜー!

唯「それなら、はっぴーな今日は、外でライブだぁ!」

律「そうだな! ズバコォンとやってやろうぜ!」

澪「わ、わわ私だって、もうやってやるー!?」

紬「ええ、もうやるしかないわ!」

梓「ふふ、楽しくなってきましたね」

 今日も、これからも、私たちは、成長していく。
 『夢』も『理想』も、きっと叶えられる。
 だって、こんなにも、私たちは、輝いている。
 人生のスポットライトがあたるのは、これから。
 高校生の時以上に、私たちは輝けるんだ。
 うん、『なにか』を探していた私、もう大丈夫だよ。
 私は、見つけた。見つけられたから。


 それは――永遠のダンスだ。
 それは――愛だ。
 それは――


梓「唯先輩、これからも、よろしくお願いしますね」






ED





最終更新:2010年12月12日 19:22