次の日!

梓「唯先輩、無事に帰れてよかったですね」

唯「うん!ちょっと前後の記憶があやふやだけど…」

紬「精密検査の結果は異常なしだったし、きっと大丈夫よ!」

律「でも宇宙人の技術はすごいからな。結果に出てきてないだけで実は色々いじられてるかもしれないぞー?」

律「手術の後を残さずに人体実験をしたりとか…、脳にアンテナを埋め込んで人間を操作したりとか…」ヒッヒッヒ

澪「……唯はそんなことないよな?」

唯「ソウダヨ。アヤツラレテナンカナイヨ、ミオチャン?」

澪「おいやめろ」

紬「でも昨日はちょうどオカルト研の子が通りかかってくれて本当に助かったわ」

唯「意外に交渉上手だったしねー。本当オカルト研様々だよー」

澪「今度お礼言っとかないとな」

律「ああ、お礼ならさっき封印の玉をあげといたよ。とても喜んでたぞ」

梓「それまだ引っ張るんですか」

律「しかし帰り道ってこんなにも危険がいっぱいだったんだな」

澪「トラックに熊におまけにUFOだもんなあ…」

梓「むしろ唯先輩が危険を呼び寄せてるような気がするんですけど」

唯「うぅ…、もしかして安全な帰り道なんてないのかなあ…」グスッ

紬「安心して唯ちゃん!唯ちゃんのために絶対に安全な帰り道を用意したから!」

唯「えっ?用意したって…?」



作戦その13・洞窟大作戦!

地下通路!

唯律「うひゃー!すごーい!!」

澪「まさか学校の地下にこんなものがあるなんて…」

紬「学校から唯ちゃんの家まで直通の地下通路よ!斎藤に言って作らせてたの!」ビシッ

梓「なんというか…すごい…」

紬「昨日完成したばかりだからまだ照明設備は整ってないけど、地上よりは危険は少ないと思うの」

唯「十分だよ!ありがとー、ムギちゃん!」ダキッ

紬「どういたしましてー、唯ちゃん」ナデナデ

紬「みんな気をつけてね。足元は真っ暗だし、地面もまだでこぼこしてるところがあるから…」テクテク

律「ああ、わかったよ。それにしても中は結構広いんだな~」スタスタ

梓「そうですね、思ったより作りもしっかりしてますし…」トコトコ

澪「でも急いで作ったようなあとが所々残ってるな…。道具は置きっぱなしだし、土埃もまだ舞ってるし…」コツコツ

唯「本当だよ~、これじゃあ制服が汚れちゃ……ふぇ、ふぇっくしゅん!」クシュン

ゴゴゴゴゴ…

澪「…なあ、今の音って…?」

梓「まさか…」

ガラガラガラガラ

紬「大変!唯ちゃんのくしゃみで地下通路が崩れちゃったわ!」

唯「うひゃー!」

梓「ああ!?唯先輩が落ちてきた岩で生き埋めに?!」

律「唯ー!!?」

澪「くしゃみで崩れるってどれだけ脆いんだよ…」ブクブク…



次の日!

律「それにしても無事に救助されてよかったなー唯」

澪「どのチャンネルでも唯のことやってたよ。海外のマスコミも結構来てたんだってさ」

紬「思わず全世界の注目を集めちゃったわね」

唯「これが世界進出ってやつなんだね!」

梓「なんか違う気がします」

澪「ところでなんでくしゃみで崩れちゃったの?」

紬「それがこっちの手違いで地下通路の作成を中国の業者に依頼してたらしいの…」

律「手抜き工事だったんだな」

唯「一瞬私のくしゃみがすごくなったのかと思ったよー」

唯「でも昨日は見たいテレビがあったのに見れなくて残念だよ…」シュン

紬「唯ちゃん本当にごめんね…」シュン

唯「なんてね!昨日は憂に録画頼んどいたから大丈夫だよ!」

澪「何を見たかったんだ?」

唯「えっとね、事件は会議室でうんたらかんたら~、ってやつ!」

梓「タイトル覚えてないんですか…」

律「…そうだ!ムギ、ちょっと耳貸して!」ゴニョゴニョ

紬「なになに?」



作戦その14・なんとかブリッジを封鎖せよ作戦!

律「みんな!今日は普通に帰るぞー!」

唯「えー!?でもそれじゃあ車に轢かれないかなあ?」

紬「うふふ…。それが今日は大丈夫なの!」

梓「何か作戦でもあるんでしょうか?」

澪「さあ?」



帰り道!

律「ほら唯、もうすぐ家に着くぞ!」

唯「あ、ほんとだー。わーい!」タタタッ

梓「…なんか今日はえらくあっさり行きましたね」

澪「いつもなら途中でトラックが突っ込んでくるんだけどな…」

律「ふっふっふ…。今日はそんな心配はないんだぜ!」

唯「?どうして?」

紬「ここら辺一帯を交通規制して車が通れないようにしたの~」

澪「なんと」

唯「そういえば今日はトラックの姿すら見てないよ!」

梓「交通規制って…、スケールが大きすぎます…」

紬「そうかしら?唯ちゃんのためなんだからこれくらい平気だけど…」

澪「それにしたってさすがに限度が…」

唯「でも私は嬉しいよ!だってムギちゃんは私のためにしてくれたんでしょ?」

紬「唯ちゃん…」

唯「それにりっちゃんは色んな作戦を考えてきてくれるし…」

律「唯…」

唯「澪ちゃんは大人な意見でみんなを支えてくれるし…」

澪「唯…」

唯「あずにゃんもなんだかんだ言って私の事を一番心配してくれるしね!」

梓「唯先輩…」

唯「こんなに優しい友達がたくさんいて、私はとっても幸せだよ!」フンス


グラグラグラグラ

唯「わわわわわっ!?じ、地震?!」

梓「けっこう大きいですよ!?」

澪「は、早く避難しよう!」

ミシッ ピシッ ガラガラガラ

律「おい!地割れまで起きてるぞ!」

紬「きっと地下トンネルのせいで地盤が弱くなってるんだわ!」

唯「救命阿!」

梓「あっ!唯先輩が地割れに巻き込まて中国人みたいな悲鳴をあげてる!」

澪「次は頭に隕石が直撃とかなしだからな」ブクブク…



1週間後!

唯「みんなひさしぶり~!」ガチャ

梓「唯先輩!?怪我は大丈夫ですか!?!右足は食べられてないですよね!?ボクシング始めるとか言わないですよね!?」

唯「そんなこと言わないよ~。ほら、私は元気元気!」ピース

律「梓ったら唯が1週間も学校来なかったからすごく心配してたんだぞ~」ニヤニヤ

紬「部室でも『まさか唯先輩、何かあったんじゃ…』ってずっと言ってたのよ」ニコニコ

澪「事故続きで少し疲れたから休んでるだけだ、って何度も言ったんだけどな」クスッ

梓「そ、そんなことないです!!///」カァーッ

唯「そんなに心配してくれたの~?いや~、照れるな~」クネクネ

梓「もう!!唯先輩なんかもう知りません!!」タタタッ

紬「あっ、行っちゃった…」

律「ちょっとからかい過ぎたかな」

唯「私追いかけてくるよ!」タタタッ

梓「もう!律先輩もムギ先輩も澪先輩も人のことからかって…」

梓「唯先輩も唯先輩です!人に心配ばかりかけて、そのくせ自分は平気そうな顔して…」

梓「…人の気も知らないで……」ボソッ

唯「お~い、あずにゃ~ん!」タタタッ

梓「に゛ゃっ?!ゆ、唯先輩!?追いかけてこないでください!!」

唯「あずにゃーん、ごめんってばー!」

梓「知りませんっ!!」タタタッ

唯「あっ!急に飛び出したりなんかしたら…」

梓「えっ?!」

プップー! キキィィーーーッ!!

唯「あずにゃん危ない!!」ダッ

梓「あ…」

ドンッ!!

梓(……あれ?私生きてる…?)

梓(私、唯先輩から逃げようとして道路に飛び出して…、そしたらトラックが突っ込んで来て…)

梓(あっ!そういえば唯先輩は!?)ガバッ

唯「…大丈夫だった?あずにゃん?」ヒョコ

梓「ゆ、唯先輩!?」

唯「もう道路に飛び出したりしちゃだめだよー?」

梓「先輩…、トラックは…?」キョロキョロ

唯「私もやられてばっかりじゃ嫌だからね!この1週間憂に頼んで密かに身体を鍛えてたんだよ!」

唯「これくらいのトラックだったらもう片手一本ででも止められるよ!」フンス

梓「唯先輩…、ありがとうございます…」

梓「あ…、でもこれならもうトラック対策とかいらないですよね」クスッ

唯「あ!そういえばそうだね!」エヘヘ

『はたしてそうかな…』

唯「ふぇ?!今の誰?!」

梓「わ、私じゃないですよ!確かそこのトラックから…」

『御名答、これはトラックの内臓スピーカーを通しての声だ…』

『私の名前は虎九太郎(とら くたろう)…。全日本裏トラック連合の会長だ…』

梓「そんなまんますぎる名前、奇面組以外で初めて聞きました」

『今貴様らを襲った刺客は我らの中でも一番の下っ端…、裏トラック連合の恥さらしよ…』

『それにしても…、そいつを倒した程度でいい気になってるとは…、まだまだ青いな…』

平沢唯よ…!次こそ必ず我らの同胞が貴様を轢き殺す…!覚悟して待っていろ…!』

唯「なんかすごいことになったね」

梓「はい…、唯先輩本当に変な組織に命を狙われてたんですね」

唯「これからどうしよう…?」

梓「とりあえず警察にチクっちゃいましょう。せっかく名前を教えてくれたんですし」ピッポッパ

プップー! プーッ! ゾロゾロ…

梓「あっ!いつの間にかトラックに囲まれてます!」

唯「本当だ!それにあのロゴマーク…、全日本裏トラック連合だ!」

梓「唯先輩…」

唯「…絶対大丈夫だよ、あずにゃんは私が守ってあげるから…!」

梓「…はい!」

唯「とは言ったものの、あれだけの数を相手するのはさすがにキツいよ~。どこか逃げ道を探さないと…」キョロキョロ

梓「…あっ!唯先輩、あれ!?」

バリバリバリバリバリバリバリバリ…

紬「斎藤!もっと高度を下ろして!」

斎藤「御意!」

律「唯ー!助けに来たぞー!」

澪「今はしごを下ろすから、それに捕まるんだ!」

唯「みんな…助けに来てくれたんだ…」

梓「これでなんとかなりそうですね!唯先輩、早く行きましょう……唯先輩?」

唯「…私ってさ、みんなに助けられてばっかりだよね」

唯「りっちゃんにはいつも引っ張ってもらって…」

唯「澪ちゃんには何でも頼ってばっかで…」

唯「ムギちゃんにはうんと優しくしてもらって…」

唯「あずにゃんにも本当に感謝してるよ」

唯「私の方が先輩なのにギター教えてもらったり…、一緒に勉強みてもらったり…」

唯「他にもあずにゃんにはいっぱい助けてもらって、支えてもらって…、これじゃあどっちが先輩かわからないよね」

梓「何ですかいきなり…」

唯「…ねえ、あずにゃん」

梓「はい?」

唯「こんな駄目な私だけど、これからも迷惑掛けるかもだけど、ずっと一緒にいてくれるかな?」

唯「これからもずっと…、卒業して、大人になっても…」

梓「…それって……///」

唯「わかりにくかったかな?」ニコッ

梓「……仕方ないですね。わかりました!唯先輩の面倒は全部私が見てあげます!」

梓「卒業して、大人になっても…。ううん、おばあちゃんになっても!」

律「ゆいー!はやくー!」

唯「うん!今行くよー!…さ、行こう!あずにゃん!」

梓「はい!」


唯たちの放課後はまだまだ終わらない!!




最終更新:2010年12月12日 20:13