PM8:00 市内のとある病院

律「そうか…そういうことか…。」

憂「巻き込んでしまってすいません…」

律「いいって、そんな申し訳なさそうにしなくても。…それより・・・澪はどうなるんだ?」

憂「澪さんは、もう一つの人格を治療で取り除いたら、解放します。」

律「そうか…」

唯「う・・憂・・・!」

律「唯!無理するな!!」

唯「わ…私は・・・何があっても、憂のお姉ちゃんだよ・・・!」

憂「お・・・お姉ちゃん!」

律「・・・・」

律「なんかお邪魔みたいだから、私は帰るわ」

憂「律さん・・・」

律「いいってことよ。じゃ、また明日来るわ。」



同時刻 琴吹家・地下室


和「こんばんわ」

サイラー「お前は・・・?」

和「あなたと同じ、奪う者よ。」

サイラー「奪う者?なんのことだ?!」

和「あぁ、記憶を消されてるのね。なら都合がいいわ。」

サイラー「!? 何を・・・!?」

和「少し血をもらうだけよ。ぺロッ!・・・ふふ、これであなたの力は私のもの。本当は唯達の力を手に入れてからにしたかったけど、まぁいいわ。死んでちょうだい。」

サイラー「やめろ!!何をする気だ!」

和「あなたが今まで何人もの人にやってきたことをするだけよ。腹から切り裂かれたい?それとも頭がいいかしら?」



この少しあと 市内のとある病院


憂「もしもし。なんですか、斎藤さん?」

斎藤「唯さんの治療法が見つかりました。」

憂「?! それは本当ですか!?」

斎藤「再生能力者、すなわち中野梓の血液を注射すればよいのです・・・すいませんちょっと失礼します。」



同時刻 琴吹家


斎藤「中野梓の血液を・・・」

執事「斎藤さん、旦那様がお呼びです。」

斎藤「・・・すいませんちょっと失礼します。」

執事「2階の書斎にてお待ちです。」

斎藤「解かった。すぐに行く。」

紬父「入れ」

斎藤「失礼します。」

紬父「あの子たちに全てを話したそうだな。」

斎藤「はい。私は反対したのですが・・・」

紬父「いいじゃないか。お前は今までよくやってくれた。ここらで休みをとるというのはどうだ?」

斎藤「まだまだ隠居するわけにはまいりません。」

紬父「いや、お前には休みをとってもらう。永遠のな。」(カチャッ)

斎藤「?!」

紬父「お前は能力を防ぐことはできても銃弾は防げん。さらばだ斎藤。今までよくやってくれた。」(ドキュン!)

斎藤「うっ!」(バタッ!)

和「ふふ。本当によくやってくれたわ、斎藤。」



紬「!? 銃声?!」

紬「この絵は・・・?」

紬「斎藤とお父様が殺されてる・・・といことは今の銃声は!?」

紬「・・・」

紬「逃げなきゃ・・・!逃げて憂ちゃんにこのことを伝えなきゃ・・・!」



紬父「紬?いるのか?話があるんだが・・・」

和「ふふ、どうやら一歩遅かったみたいね」




PM10:00 唯のいる病院


憂「はい、平沢憂です・・・紬さん!?どうしたんですか、こんな夜に?!・・・え、斎藤さんたちが・・・?解かりました。すぐに行きます。」

唯「どうしたの・・・?憂・・・・・?」

憂「お姉ちゃん・・・・ちょっと行ってくるね。」

唯「また・・・・戦い・・?」

憂「・・・うん。」

唯「私も・・行く・・・」

憂「だめだよ!!お姉ちゃんは寝てなきゃ!!!」

唯「憂が戦うのに、私が戦わないなんて・・・・そんなの嫌だよ」

憂「お姉ちゃん・・・やっぱりだめだよ。ごめんね。必ず帰るから・・・!」



これより前 田井中家


澪(律!危ない!!)

律「?!」(グサッ!)

焔「あら、起きたの?どうやら澪が余計なことしてくれたみたいね。」

律「お前がどうしてここにいるんだ。」

焔「あなたのお友達が解放してくれたのよ。力を使う間もなく殺そうとしたけど失敗しちゃったわ。もう好きになさい。あなたの力で私を澪の中から消しなさい。」

律「いや、そんなことはしない。」

焔「・・・なぜ・・?」

律「悪いやつとは言え、お前は澪の一部だ。殺したくない。」

焔「・・・」

焔「ありがとう、りっちゃん・・・本当に・・・」

焔「本当にあなたが甘ちゃんで助かったわ。」(グサッ!)

律「!?」

澪(律!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)

焔「澪!?出てくるな・・・!うわぁぁぁぁぁ!!!!」(バタッ!)

律「また気絶した・・・・」

澪「・・・律・・・?」

律「澪・・・?だよな?すまん、今度は心を読むぞ。」

澪「今度は正真正銘の秋山澪だよ。それより律。その傷は・・・?」

律「へーき!へーき!そんなことより・・・」

澪「あぁ、梓が危ない」

梓「憂!?え、私の血が!?うん、すぐに行く」

梓(急がないと、唯先輩が・・・)

純「あーずさ!そんなに急いでどこに行くの?」

梓「純!?どうしてここに!?」

純「どうしてもあなたと遊びたくなったのよ。」

梓「ごめんなさい。あなたと遊んでるヒマは・・・」

純「そんなつれないこと言わないでよー」

梓「!?」

純「ごめんなさい。あたしからは逃げられないの・・・うぐっ!?」

澪「おいおい、人の大事な後輩に手を出すのは勘弁してくれよ」

純「あなたは・・・?!」

澪「お前の相手は私だ」

純「あー、びっくりした。でも無駄ですよ。前と同じように・・・うぐっ!」

純「どうして・・・?」

律「簡単なことさ。分身に心はないってことは、心がある奴が本体ってことだ。」

純「ということは・・・」

澪「そ、私は囮ってこと」

純「あー、負けちゃいました。あとはお願いしまーす」

和「本当にあなたは詰めが甘いわね」

律「和!?どうして・・・」

和「そういうことよ。さて、あなた達の力ももらうわね。」

澪「うっ!その力は!?」

和「そう、サイラーの力よ。あなた達の力を手に入れて私は完成に近づく・・・」



同じ頃 唯のいる病院


梓「唯先輩!」

紬「梓ちゃん!早く血を!!」



……

和「あら、もう一人面白いお客さんが来ているようね・・・」

律「憂ちゃん・・・?」

憂「和ちゃん・・・まさかあなただったなんて・・・」

和「ふふ、驚いた?」

憂「お姉ちゃん達には私が手をださせない!!」(カチャ)

和「もうそんな物私には通用しないわ」

憂「!?」

和「さて、あなた達はせめて楽に死なせてあげるわ」

(ヒュン!)

唯「和ちゃん・・・」

和「唯!?」

憂「お姉ちゃん!?」

(ヒュン!)

澪「消えた?和と一緒に・・・?」



世界のどこか


和「ここはどこ!?暗い!せまい!誰か助けてうわぁぁぁぁぁぁ!!!!」




澪「助かったのか?私達?」

律「そうみたいだな・・・唯は!?」

憂「お姉ちゃん・・・」

律「憂ちゃん・・・」

憂「なんでみんな私の周りからいなくなるの?!お姉ちゃん!あぁぁぁぁ!」



唯「ただいま、憂」

憂「!? 」

憂「・・・お姉ちゃん・・・!おかえり!」

律「なぁ澪?」

澪「なんだ?」

律「また明日から忙しくなるな」

澪「・・・・そうだな!!」







最終更新:2010年12月12日 21:15