11月20日
唯「また純ちゃんと遊びに行くの?」
憂「うん。夕方には帰ってくるから夕飯の心配はしないで」
唯「…うん、いってらっしゃい」
憂「それじゃ、行って来るね。お姉ちゃん」バタン
唯「…」

憂は最近、休日に家を空ける事が多くなった
私がけいおん部の誰かからの誘いを断って作った、憂の為の日でもだ
そして、今日もそうだった
最初は日が合わなかっただけだと思いもしたが、毎週毎週そうなると嫌でもそうでないと分かってしまう
私は当て付けのように11月半ばの今日までだけで、もう5回はその日を作った
その努力が虚しく散ったついでに、相手も毎回同じだという余計な事まで知った

なぜ余計かと言うと、相手を知ってしまうと大して気にも止めなかった外出が、その名前のおかげで私に見事なお餅を妬かせた
私はその度に何とも言えない、落ち着かない気持ちになるのだ
そんな感情など、私の中にある豊富な感情お品書きにも載っていなく、毎回ともて嫌な気持ちにさせられるのであった

唯「…ギー太弾こっ…」ガタガタ
唯(明日こそは…)ジャーンジャーンペキョン



―11月21日―

唯「ういー今日は遊べるー?」
憂「ごめんッ!お姉ちゃんッ!今日もダメなんだ…」
唯「えぇー…何するの?」
憂「それはちょっと…色々と…」
唯「ふーん…」
憂「ごめんね…」
唯「誰と?」
憂「純ちゃんだよ。最近色々あって」
唯「そ…わかったよ…行ってらっしゃーい」

憂「お昼からだけどね。それまで何かする?」
唯「いい。そう言えばギー太の練習しなくちゃ」スタスタ
憂「お姉ちゃん怒らないで」
唯「怒ってないよぅ。本当に練習しなくちゃ」バタン
憂「振り向きもしなかった…」
憂「もう少しだけ待ってね…お姉ちゃん…」


―唯の部屋―

唯「…」ペキョンペキョン

唯「モウオコッタモン…」ガキョンガキョン

唯「モウシラナイ…」ギギギ…

―夜―

憂「お姉ちゃーん!帰ったよー!」

シーン…

憂「お姉ちゃん?」
パタパタ
憂「お姉ちゃん?」コンコン

シーン…

憂「入るよ?」ガチャ

唯「…」ジャーンジャーン
憂「…」
唯「…」ジャララン
憂「ただいま…」
唯「…おかえり」
憂「晩ご飯…作るね…」
唯「…うん」
パタン…
憂鬱(……お姉ちゃん…怒ってる…?)


―11月22日―
唯「…」ポテポテ
律「おーす!唯!」バシン!
澪「おはよ、唯」
唯「あっ…!りっちゃん澪ちゃん…おはよう…」
律「なんだー?ゆいー?元気ないなー」
唯「えっと…うん…ちょっとね…」
澪「どうしたんだ?ゆい?」
唯「…あのね…最近憂が…律「なッ!なーんだ!また憂ちゃんかーw」
澪「ほ、本当だな。相変わらず仲いいなー2人はー」アハハ…

律「す、すぐ仲直りするってーw」
澪「あ、ああ、気にするな!土曜にはいつも通りだ」ハハ…
唯「うん…ありがと…」
律「そ、それよりさー」
澪「な、なんだー?りつー?」
唯「…」
律「キョウノオヤツハナニカナー?」
澪「ナ、ナンダロウナ-?」


―学校―
唯(なんで私はこんなに落ち込んでるのかなぁ…?なんであんなにムカムカしたんだろ…?)
オハヨー!オハヨー!
唯(私達は姉妹で…憂は妹で…)
イチゴーノートウツサセテー ヤダ
唯(妹が友達と遊んだくらいで、なんでこんな気持ちになるのかな…?)

ユイヘコンデルナーバラスカ?コエガデカイ!イテッ!
唯(変だよね…)
ユイドウシタノ?アッヒメコオハヨー オハヨー
唯(どうしちゃったんだろ…私…)
シズカー!コクバンケサナイトー! トドカナイ…

―昼休み―
ザワザワ
唯「…」トボトボ…
ザワザワ
唯(憂に会いたくなくて、早く出たらお弁当貰うの忘れた…)
バタバタ
唯(購買行こ…ゴールデンチョコパンあるかな…?)
ハヤクイコッ!ゴールデンチョコパンナクナルヨー
唯(あっ!憂だ!)


3年2組

憂「すいませーん」
律「おっ!憂ちゃん!」
澪「どうしたんだ?」
憂「あのーお姉ちゃんいますか?」
紬「唯ちゃんなら購買に行ったわ」
憂「そうですか…」
律「唯の弁当かー?www」
憂「あっ…はい。渡しといてもらえますか?」
澪「ああ、渡しとくよ」
憂「すいません…」
紬「憂ちゃん…どうかした?」
憂「え?」
紬「なんだか元気がないから…」
憂「…お姉ちゃんを傷つけちゃったみたいで…」

紬「そう…土曜日の事ね?」
憂「はい…」
澪「…」
憂「最近かまってあげられてないから…」
澪「なぁ。そこまでしてする事なのか?」
憂「…」
律「まぁ!土曜になれば唯も分かってくれるって!」
澪「それまでにケンカしちゃたら意味ないだろ!」
律「でも、ここまでやっちゃったんだしさ!」
澪「そうだけど…唯すごく落ち込んでたぞ!あんな唯見た事ないし簡単に済む事なのか?何かあってからじゃ遅いんだぞ?」

律「そうだけどさー…」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁ」
憂「すいません…私のせいで…」
澪「いや…憂ちゃんのせいって訳じゃないし…」
律「じゃあ、どうすんだよー?」
澪「…そうだな…とりあえず準備で忙しいのは解るけど、もっと唯の相手してやってくれ」
憂「はい…わかりました」
澪「そう言う日は連絡してくれれば出来る事は律も頑張ってくれるから!」
律「ええー!私がかよ!澪がやれよ!」
澪「文句あるのか!?もちろん私だってやる!」
憂「ありがとうございます…」ペコ
律「ちぇー!」
澪「一番やる気だったのは律だろ!」
律「そうでちゅねー」


―部室―
唯「…グスッ」
唯(憂とおしゃべりしたいな…)
唯(憂と一緒にテレビ見て一緒に笑いたいな…)
唯(憂と一緒にご飯作って、一緒に美味しいねって言いながらご飯が食べたいな…)
唯「ういに…グスッ…ギー太弾いて…ヒグッ…聞がぜだい…な…うッ…」フルフル
唯「うえぇぇえぇえん!!!」エーン

唯「ええぇえぇぇ!!」エー


唯「えーん」

唯「エンエンエン」


―家―
憂「…」
ガチャン
憂(もう帰って来た…)
憂「お姉ちゃんおかえりー!」
唯「……ただいま…」
憂「うん…ご飯出来てるよ…」
唯「…うん…着替えて来るね…」
憂「わかった…待ってるね…」
唯「…」
憂(お姉ちゃん目が赤かった…)
憂「…」
パカ ピッピッ プルルル…


―食卓―
憂「さっ!お姉ちゃん食べよ!」
唯「うん…」
唯(私の好きなものばっかだ…)

カチャカチャ

憂「お姉ちゃん!明日休みだし遊びに行こ!」
唯「えっ?」
憂「どこか行きたい所ある?」
唯「でも…いいの…?」
憂「大丈夫だよ!」
唯「純ちゃんは…?」
憂「純ちゃん?もう純ちゃんの用事は終わったよ?」
唯「……」
唯「本当?」
憂「本当だよ!明日は遊びに行こうね!」唯「…うん!」


―11月23日―
唯「まずは!映画に行って!次は!ゲームセンターでしょ!それからそれから!」
憂「ふふ…」
憂(お姉ちゃん嬉しそう)カワイイ

―夜、食卓―
カチャカチャ
憂「明日学校終わったら遊びに行こうよ」モグモグ
唯「え?…行きたいけど…部活が…」
憂「きっと行けるよ!」
唯「うん…」
憂「そんな気がするんだ!」
唯「うーん…じゃあ…きっとそうかもね!」
プルルル…
唯「あっ!メールだ!」
パカ
唯「りっちゃんからだ!なになに?」


to:りっちゃん
sb:Re:
本文
明日はみんな予定があるので部活は中止!
以上!


唯「!!」
唯「うい!明日部活お休みだって!」
憂「良かったね!お姉ちゃん!」
唯「憂の言う通りになったよ!憂すごいね!」
憂「えへへ///」
唯「いい子いい子」ナデナデ


―11月22日、ゆい帰宅後―

憂(お姉ちゃん目が赤かった…)
憂「…」
パカ ピッピッ プルルル…

ガチャ
澪「はい」
憂「すいません、憂です」
澪「ああ、憂ちゃんか。唯は帰って来たか?」
憂「はい、今帰って来たのですが…どうも泣いた後みたいなんです…」
澪「…そうか、昼休みから居なくなったからな…しかしかなり重症だな」
憂「…私これ以上は無理です…ごめんなさい…」
澪「いや、いいんだ。こっちも今それについて話し合ってた所なんだ」

憂「そうですか…」
澪「ああ、もうかなり話しは進んでるし、今更なしには出来ない。沢山の人も巻き込んでるしな」
憂「はい…」
澪「それで、梓に聞いた所大体そっちは完成しつつあるらしいじゃないか」
憂「はい。後は何度かやれば…」
澪「だから、もう無理して休日まで出てくる事はない。明日も来なくいい。唯の側にいてやってくれ」
憂「はい。私もそうしたいです…。それと…」
澪「なんだ?」
憂「明後日もお姉ちゃんをお借りしたいんですが…無理ですか…?」
澪「…好きにしてくれて構わない。ここ最近唯に無理させたからな」

憂「ありがとうございます!」
澪「ただし!25日からは唯が部活中にひっそり3人でやってくれ。日もないしな。なるべく唯は遅くまで引き止めるから」
憂「わかりました」
澪「梓は理由つけてそっちに送るからさ。準備もこっちでする。それと預かった弁当は明日返すよ…」
憂「…はい。何から何まですいません…」
澪「気にするな。私達もやりたくてやってるんだから」
憂「ありがとうございます」
澪「いいんだ。ありがとうは唯自身から聞くから」


―11月24日、放課後―

憂「お姉ちゃーん!待った?」ハァハァ
唯「待ってないよ!早く行こ!時間がなくなっちゃう!」
憂「お、お姉ちゃん。焦らないで。ふふ…」
唯「だって!だって!時間がもったいないよ!せっかく憂と遊べるのに!」ワクワク
憂(お姉ちゃん…そんなに寂しかったのかな…?ごめんね…)ジワッ
憂「うん!お姉ちゃん!早く行こう!どこ行く?」
唯「おー!憂がやる気になってる…」
憂「えへへ」
唯「うんとね、うんとね…まずは…お茶しよっか?」
憂「もう、お姉ちゃんたらっ…」クスッ
唯「てへへ…今日は部活がなくて紬ちゃんのお菓子食べられなかったから…」スイヤセン…
憂「ふふ…いいよ!お姉ちゃん!お姉ちゃんが行きたい所行こッ!」
唯「うん!行こッ!憂!」



―カフェ―

唯「このケーキおいしいねぇーういー」モグモグ
憂「うん。おいしいね。お姉ちゃん。」モグモグ

唯(憂といると楽しいな…些細な事でも楽しいって思えるよ…けいおん部のみんなや和ちゃんとはなんか違うんだ…)
憂(やっぱりお姉ちゃんといると楽しいな…ささやかな仕草とかリアクションとか見てて可愛いよ。表情も豊かで見てて元気が出るよ)
憂「お姉ちゃん。これ食べたらどこ行く?」
唯「そーだねー…そだっ!前に可愛い小物屋さん見つけたんだー」

唯(すごい落ち着く…憂の声と笑顔に癒やされるてる気がする…)
憂(一緒にいるとすごい落ち着くよ…)

憂「わぁ、いいね。行ってみよう!」

唯(妹とかそんなじゃなくて…友達みたいとかそんなじゃなくて…憂はもう1人の私なんだ…憂が私以上に他の人と時間を共有すると私が私でなくなって、憂が憂でなくなってしまう気がするから…だからあんなに辛かったんだ…)
憂(お姉ちゃんはお姉ちゃんであってお姉ちゃんじゃないみたい。もっと特別な存在なんだろうな…2人が一緒にいてやっと私になれる気がする…)
唯「行ってみよう!その前に…これも食べていい…?」
憂「もう…お姉ちゃんたらっ…食いしん坊さん…」クスッ
唯「てへへ…」

唯(良かった…変わってなくて…)
憂(やっぱり私の横にいるのはお姉ちゃんじゃないとダメだよ…)



―11月25日、放課後―

律「唯ー部室行くぞー!」
唯「りっちゃん隊員!待ってくだせえ!」
澪(この2日で元気出たな…良かった…)
紬「まぁ…唯ちゃんたらっ…」ウフフ…

―部室―

律「ちなみに今日中野は休みだ!」
唯「えー!あずにゃん来ないのー?今日のあずにゃん分が…」
澪「仕方ないだろ。家庭の事情なんだから」
律「そーだぞー」
唯「うー」
紬「そう…梓ちゃん来ないの…残念ね…今日はとっておきのお菓子を用意したのに…」
唯律「とっておき!?」
澪(お前まで食い付くな!)

紬「そうなの~ベルギー王室で出されるベルギーチョコを取り寄せたの~」
唯律「早く食べたい!」
澪(もういいや…)
紬「そのチョコをケーキにしてみました~」ジャーン
唯「おいしそーう!」ダラダラ
律「うはー!うまそー!」ダラダラ
澪「おー!美味そうだな。これは」

―2時間経過―

唯「そろそろ帰らなきゃ」
澪「ちょ!ちょっと待て!」
律「そ、そーだぞー!まだこの話しは終わってない!」
唯「え~!早く憂に会いたい!」
澪「いや、ほら!まだ今日は練習してないだろ!」

唯律「え?」
澪(なぜお前まで)
澪「練習するのっ!」
唯「でも…あずにゃん居ないよ…?」
澪(忘れてた…)
律「じゃあ、やめだな!」
澪「なんでだ!」ゴチン
律「いてっ!」
唯「うーん…どうするの~?」
澪(どうしよう…このままでは帰ってしまう…)
律「どうすんだよ?まだ6時だぜ?」ヒソヒソ
澪「どうするって…何かないのか?」ヒソヒソ
唯「?」
律「ねーよ!ケーキで精一杯だって!」ヒソヒソ
澪「お前が考えたんじゃないだろ!」ヒソヒソ
唯「??」

律「頑張って食ったじゃん!」ヒソヒソ
澪「それじゃ意味ないだろ!」ヒソヒソ
唯「ねー?」

澪「な、なんだ?」
律「ど、どーした?」
唯「私帰るねー」バイバーイ
澪律「ちょっt紬「ちょっと待て!唯ちゃん!」デーン
唯「何?むぎちゃん?」
紬「あたしね!新しく曲作ったの!!」
律「マジで!?」
澪「いつの間に…」
唯「えー!聞きたーい!!」
澪(またむぎに助けてもらってしまった…)紬「うん!実は昨日出来たばかりなの!聞きたい!?」
唯律「聞きたい聞きたい!」ワクワク
澪(…聞きたい……)
紬「じゃあ、演奏するね!」


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最終更新:2010年12月13日 21:19