梓「誉め言葉は受け取っておきますけど、だからって抱き着かないでください」
唯「え~? あずにゃんちっこいし、抱っこすると気持ちいいんだもん」ギュー
梓「暑苦しいんですっ」
唯「最近めっきり寒くなってきたのに……」
梓「だからって、別に唯先輩に暖めてもらおうとは思いません」
唯「私はあずにゃんとあったかあったかになりたいよぉ~」ギュ
梓「もう部活終わったのに、いつまで抱き着いてるつもりですか!」パシ
唯「はう……あずにゃん、何か冷たい……」
梓「その通り、私はクールな女なんです。だから抱き着いても暖かくならないんですよ」プイ
唯「ううう、その表情……ちょっと格好いいかなって思って抱き着くのを躊躇った自分が悔しいよ」ポッ
梓「……格好、いい……ですか?」
唯「……うん。あずにゃんの意外な一面を発見だよ」
梓「…………」プイッ
唯「あ、今のはわざとらしかったかな」
梓「わっ、わざとやったんだから、わざとらしくて当たり前です! もう帰りますから!」プイ
唯「はうう……そ、それだよ! 今の顔! 惚れ直したよ、あずにゃん!」キューン
梓「うく……惚れるとか! そういうこと、簡単に言わない方がいいと思いますけど!」カァァ
唯「え? だって……私、あずにゃんのこと、大好きだし……胸の奥が、きゅんってしたよ?」
梓「女の子同士ですよ!? きゅんってしないでください! そもそも私のことを変な目で見ないでくださいっ!」クワッ
唯「……だ、だって、あずにゃんってばすっごく可愛いんだもん……こう、口では上手く言えないけど、色んなことしたくなっちゃうくらい……」ウルウル
梓「うっ……そんな、泣きそうな目で見ないでくださいよ……」
唯「じゃあ、ちょっとだけ抱き着いてもいい?」ウルリ
梓「……ちょっとだけですよ、もう帰らないと暗くなっちゃいますから」ハァ
唯「やったー! ありがとうあずにゃん! 大好きだよ、あずにゃんっ!」ギューゥ
梓(うぅぅ……唯先輩に抱き着かれて暑苦しくも嫌でもない、自分がちょっと変なのはわかってるんだけど……)
唯「んふー♪」ギュム
梓「…………」
梓(唯先輩、本当に嬉しそうだなぁ……ぽわんってしてて、すりすりしてきて、あれ……ちょっと、気持ちいいかも……)
唯「あーずにゃんっ♪」スリスリッ
梓「は、い……」ポヤーン
唯「ほっぺ摩擦だよ! 少しあったかくなった?」スリスリスリ
梓「あっ、あの……あんまり、勢いよくすりすりしない方が……いいかも、です……」ポッ
唯「うん……じゃあ、このくらい?」スリッ
梓「……ん……はい、激しくされると、折角のやぁらかいほっぺの感触が……はぅ……」
唯「ん~? んじゃ、こお……かな?」スリッ
梓「ん、ふぅ……やぁらかいです……」
唯「……ねぇ、あずにゃん。前から抱き着いてもいい?」ピトー
梓「……駄目ですよ。いくら唯先輩のほっぺがやぁらかくっても、私、今日は用事が……」
唯「とっても急ぐ用事?」ギュ
梓「んっ……い、いえ、別に、明日でもいいかなってくらいです、けど……」ドキドキ
唯「じゃ、前から抱き着いて、もっとほっぺすりすりしてもいいよね?」
梓「よくない……です……」ドキドキドキ
唯「ほんと? それなら、さっきみたいにキリッとした顔で、私を叱ってくれる?」
梓「あぅ……」
唯「叱ってくれないなら、止めないからね」チュ
梓「んっ」
唯「えへへ……ほーら、あずにゃん! 前から抱っこだよ!」ダキッ
梓「ふわ……」
唯「んふ、あずにゃん、とっても抱き心地いいね……やぁらかくて、ふにふにしてて、もう本当に我慢出来なくなっちゃうっ」ギュー
梓(ああ……胸、唯先輩の胸、押し付けられてる……あったかくて、気持ちいい……)
梓「んぅ」ギュ
唯「……あずにゃん、用事があるんじゃなかったの?」
梓「べ、別に、急ぎの用事じゃないって言ったじゃないですかっ」カアッ
唯「んじゃぁ、もうしばらく私に付き合ってくれる?」
梓「いい……です、よ? 暗くなるまで、なら……後輩として、先輩の命令は断れませんから……」
唯「うぅん、命令じゃなくって、お願いだよ。私、あずにゃんとエッチなことしたい……駄目かな?」
梓「先輩命令なら……そうでないなら、今日は、駄目です……」ギュウ
唯「駄目なのに、どうして私を抱き締めてるのかな」
梓「い、嫌なわけじゃない、っていう気持ちを、伝えたいからですっ」
梓「いきなり好きって言われても、心の準備が出来ませんし……その、きっと、私っ……唯先輩が思ってるより、エッチなこと期待してますから……」ギュ
唯「……部室じゃ出来ないこと、期待してるのかな?」
梓「出来ないんじゃなくて、したくないんです……は、はっ、初めてっ……だから、全部初めてだから、最初から最後まで誰にも邪魔されたくないんですっ」
唯「ん……そっか。それじゃ、ここで無理にあずにゃんを襲うわけにはいかないね」パッ
梓「あ……」
唯「でも、ちょっとだけ上を向いてくれる?」
梓「はい?」
唯「んっ……ふ……」チウ
梓「んむっ、ん……ん。んぅ……♪」チウゥ
唯「……ごめんね、あずにゃん。私、今日はこれだけで我慢するから……ねっ。あずにゃんが許してくれたら、もっとエッチなことするつもりだったんだけど」
梓「あ、あぅ……んくっ、ゆ、唯せんぱぁい……私、ただ、静かにふたりっきりになりたいだけで……エッチなこと、されたくないわけじゃ、ないですよ……?」
唯「え?」
梓「う、うちの親、今日もいませんから……私の部屋なら、邪魔は入りませんから……そこで、続き、して欲しい……です……」
唯「私でいいの、あずにゃん? 誰も止める人がいなくて、あずにゃんの家にお泊まりなんかしたら……ものすっごくエッチなことしちゃうかもしれないんだよ?」
梓「だっ、だから、誘ってるんですよぉ? 私も、唯先輩に、エッチなことされたいと思ってましたから……」
梓「んぅー……多分、このほっぺの感触が離れたら、もう、いくら唯先輩の誘惑でも、二度と誘わないかもしれないです……私、結構世間体とか気にするので……」ニュムー
唯「……うん。ありがと、あずにゃん……折角だからお誘いに乗るよ!」
唯「ほんとはね、女の子同士でにゃんにゃんするの、キモチワルイって言われると思ってたから……安心しちゃった……」グスッ
梓「なっ、何で唯先輩が泣くですか!? 私、変なこと言いましたかっ!?」ワタワタ
唯「うん、変だけど私にとっては嬉しいことだよ! だから、だ、だからっ……嬉しくてっ……んく、ちょっと、だけ……ぐすっ……」
梓(ああもう、嬉しいのに泣くとか……いくらエッチなこと出来るからって、唯先輩ってば……私が唯先輩を想っているより、きっと、もっと、私のことを……)キュゥゥン
梓「あの……」
唯「う、うん!?」
梓「私みたいなのは、唯先輩に、嫌でも懐いちゃうんです……わかります?」
唯「嫌……だったの? 私に抱き着かれるの」
梓「本当に嫌だったら、叩いてでも振りほどきますよ」
梓「わっ、私が言いたいことは……その、唯先輩みたく人懐っこい方がですね、他人との関わりを避けてきた私にとって、え、えっと……しつこく抱き着いてきて……」
梓「口で言ってもわかってくれなくて、いつでもどこでも抱き着いてきちゃって、困ったなあと思っていたらいつの間にか抱き着いてもらえないと寂しい気持ちになっちゃってですね」
梓「だ、だから、唯先輩に抱っこされるのは、決して嫌なわけではなくって、むしろ嬉しいっていうか……人肌の温もりが恋しい私にとって、ビーンボールギリギリだったというか……」
唯「長いよ、あずにゃん」
梓「はい?」
唯「言い訳とかいらないから、ひと言だけ、あずにゃんの気持ちを教えて。お願い」
梓「…………」
梓(唯先輩は……私の話を聞いてなかったわけじゃない。聞いていたからこそ、私が自分を誤魔化そうとしているのが許せないんだ……)
唯「あずにゃん?」キュッ
梓(唯先輩くらいに私を抱き締めて、可愛いとか、好きだとか言ってくれる人はいなかった……刷り込み、かもしれないけど、でも、やっぱり好きなんだと思う)
梓「……わ、私……唯先輩が、好き……です……」
唯「嬉しい……ほんと?」
梓(だから、私は唯先輩を抱き締め返して、こう言うことしか出来ない)
梓「はい……ん、んくっ……大好きです、唯先輩。本当です、嘘じゃないです……」
唯「……ありがと、あずにゃん。とっても嬉しい」ギュウ
梓「あぅ……」ギュッ
唯「嘘だなんて思わないよ。あずにゃんは、こういう時に嘘をつく子じゃないもん」チュッ
梓「んっ……ん、ちゅむ……」
唯「でも……だから、ここでエッチなことは出来ないよね。ズルいよ、あずにゃん」チュチュッ
梓「んふ、ふぁ……なっ、何が、ズルぃっ……んぅ、やぁ、キス、駄目ですよぉ」
唯「あずにゃんのおうちに行かないと、これ以上のことが出来ないんだよね? ズルいよ、私を焦らして興奮させて……ほんと、ズルい……あずにゃん……♪」チュッ
梓「ん……しっ、心外ですね……焦れるのも、興奮するのも、唯先輩だけじゃないのに……」ギュウウ
唯「……あずにゃんも、私とエッチなことするの想像して、興奮してくれてるの?」
梓「べっ、別に、エッチはしなくてもいいんですけど……唯先輩と一緒にいられるのが嬉しいんですけど……興奮とか、そういうんじゃなくって」
唯「う? また、長いの?」
梓(うわぁ……そ、そんな、にっこり微笑まれたら……うううううっ……)
梓「わ、私っ……唯先輩と一緒にいられれば嬉しいです。エッチなことが出来れば、もっと嬉しいです……」
唯「それじゃ、私をどうしたいとか、私にどうされたいとか……そういうことも考えてるのかな?」ニコー
梓「はっ、はい……するのも、されるのも、どっちもじっくりねっちりたっぷり考えてました! だから、もう恥ずかしいこと言わせないでください!」
唯「……うん、わかった。続きはあずにゃんのおうちで聞かせてもらうね」キュム
梓「ん……」キュ
梓(あう……何か、余計なことまで口走っちゃった気がする……けど、唯先輩が嬉しそうだから、いっか……♪)
あずさのへや!
唯「あーずにゃん!」ガバァ
梓「にゃあ!?」
唯「さっき、あずにゃんとエッチなことしたいって言ったよね、私。期待か不安か心配かは別にして、あずにゃんも帰り道でずっと考えてたよね?」モゾモゾ
梓「ん、んぅっ……それは、否定しませんけどっ……だからって、いきなりベッドに押し倒さないでくださいっ!」モジッ
唯「ふっふふー。よいではないか、よいではないか!」ヌガセヌガセ
梓「やぁぁぁん!? ちょ、唯先輩っ! あの、やっ……やだ、強引にされるなんて嫌ですっ!」
唯「はっ……はわ……ご、ごめん、あずにゃん! 私、興奮しすぎて自分を抑えきれないよ!」ガクガク
梓「抑えてください! 学校からずっと手を握って帰ってきて、私なんかそれだけでずっとどきどきしまくりだったのに、着いた途端に襲われるとか考えてませんでしたよ!?」
唯「うぅぅ……私も、まずは優しく抱き締めて改めてキスかなとか、あずにゃんが抱き締め返してきてくれてから、おっぱいをキスしながら触った方がいいのかなとか、色々考えてたんだけど!」
梓「強引なのは否めませんが、そっちの方が微妙にいい流れじゃないですか……そうしてくれたらよかったのに……」ボソ
唯「私のエッチな気持ちは抑えきれないんだよ、あずにゃん……もっと、こう……直接的な、あずにゃんのやらしー声を聞きたいんだよ」サスリ
梓「んぅ……や、やっ……唯先輩、そんな、太ももはまだ早すぎですっ」ピクン
唯「ケダモノと呼んでくださって結構です!」ハゥハゥ
梓「ん、んん……唯先輩、お願いですっ……初めてのエッチは、素敵な思い出にさせてください……」ウルッ
唯「はう……涙目の上目遣いは卑怯だよ、あずにゃんっ……!」ズキューン
梓(卑怯なつもりはないんだけど、唯先輩のやたらハイテンションな勢いが弱まった気がする……)
梓「ゆ、唯先輩……?」ドキドキ
唯「うう、ん、はふ……ご、ごべんね、あずにゃ……あり?」プパー
梓「ハナチ!? ちょっ、わ、わわわっ! 唯先輩っ!?」バッ
唯「もがっ!? ん、んぷ……う、あう、あうやん、はな、いはい……」
梓「あ……すみません、びっくりしちゃって……」
唯「……ううん。私こそ、興奮しすぎてハナチ出しちゃうなんて……」ツメツメ
唯「シーツに垂れなくてよかった……でも、あずにゃんの綺麗なお肌に、血が……」
梓「制服、脱がされてて結果オーライなんでしょうか……んもう、かなりドキドキしてたのに……急に覚めちゃいましたよ」フキフキ
梓(別に、私の肌はそんなに綺麗じゃないのに……唯先輩のお肌の方がすべすべなのに……何だろ、お世辞だと思っても、嬉しくてどきどきする……)
唯「ちょ、ちょほーっと血が止まるまえ待っへへ! うん、すぐ止めるから!」
梓「……唯先輩。ご飯食べて、お風呂に入って、仕切り直しましょうよ。さすがに焦りすぎだったと思います」ザンネンデスガ
唯「うん……あうにゃんに、すぐ手をらせるっへゆうりょーきょーに慣れないといけないかもひんない……」ハプー
梓「何言ってるかわからないから、ハナチ止めてから喋ってください」ハァァ
唯「うん……ごべんね」
梓(勢いでエッチしそうだったけど、これはこれでよかったのかな……?)
梓「あっ、あの……私、お風呂入れてきますね」
唯「うー」パタパタ
梓(ケダモノちっくな唯先輩に襲われてみたかったけど、まぁ、やっぱり初めては優しくして欲しいし……それは後のお楽しみで……)ドキドキ
しょくご!
唯「ご馳走様、あずにゃん。美味しかったよ~」マンプク
梓「あ、お風呂のお湯、貯まったみたいです。お先にどうぞ、唯先輩」
唯「え?」
梓「え、って何なんですか」
唯「一緒に入らないの?」
梓「ちょ!? い、いきなり、そんなっ……一緒にお風呂だなんて……」ドキドキドキ
唯「一緒に入ろーよ、あずにゃん。食器の後片付け、私も手伝うから……ねっ? こんなチャンス、なかなかないよ?」
梓(チャンスといえば、確かにチャンスなのかなぁ……でも、まだ唯先輩の前で裸になる覚悟、出来てないし……お風呂場でエッチなことされるかも……ううん、絶対にされちゃうし……)チラッ
唯「ね、ねっ、あずにゃん! 一緒に入ろ!」キラキラ
梓「…………」
梓(はうう、尋常でない期待の眼差しだよぉ……私が断るとか欠片も考えてない感じの……どうしよう、断ったらすっごく落ち込むんだろうなぁ)
梓「……わかりました。ただし、お風呂ではエッチなことしないって約束してくれますか?」ピッ
唯「ええー」
梓「エッチする気満々だったわけですね」ハァ
唯「今だって、かなーり頑張って我慢してるんだよ?」
梓「どんだけ性欲を持て余してるんですか」
唯「好きな人が目の前にいたら、ついつい手を伸ばしたくなっちゃうと思わない?」
梓「……ええ、まぁ……そうかもしれませんけど」
梓(面と向かってナチュラルに『好き』とか、唯先輩ってばほんとにもうっ)ドキドキ
唯「お風呂だと、お互い裸でしょ? そしたら、こう、触るっていう行為自体がエッチなことにっ」ハァハァ
梓「お触り前提で話を進めないでくださいよ! んもう、私なんか唯先輩に裸を見せるだけでも恥ずかしいのに……」
唯「私も、あずにゃんに裸を見られるんだよ? お互い様だよぉ?」
梓「うく……」
梓(そ、そっか……そうだよね、お風呂なんだし……唯先輩の裸……見ちゃうんだ、私……)カアア
唯「あれ? どうしたの、あずにゃん?」
梓「ん……な、何でもないです……」ドキドキ
梓(こんな気分で一緒にお風呂入ったりしたら、きっと、ちょっと触られただけで流されちゃうよ……)
梓「……あの」チラッ
唯「うん?」ニコー
梓「やっ、ぱり、お風呂は別々に入りませんか……?」
唯「それはやだ」キッパリ
梓「ですよねー。でも、私的には、その、初めてのエッチは……ベッドがいいなあ、って」カアアッ
唯「ううっ、それじゃ触らないように頑張るよ……だからあずにゃん、一緒に入ってくれる?」
梓「約束ですよ? もし破ったら、私すぐに上がっちゃいますからね?」
唯「うんっ、約束やくそく。その代わり、じっくりたっぷり舐るように、あずにゃんの裸を観察させてもらうよ!」グッ
梓「いえ……それはそれで、とっても居心地の悪い気分になりそうなんですが……」
唯「さあ! そうと決まれば、早く食器洗っちゃおう! そして裸のお付き合いを!」ガチャガチャ
梓「あう……」
最終更新:2010年12月16日 23:21