唯「う、うん」

梓「言いましたよね?」

唯「言ったけどそれはあくまでそういう歌詞で……」

唯「作詞も私じゃないし……」

梓「でも唯先輩が言いましたよね?」

梓「私 思わず泣いちゃいましたもん」

唯「えっと……とりあえず離してよあずにゃん……」

唯「もう何時間もくっついたままだよ」

梓「だーかーらー!」

梓「『永遠に一緒だよ』って言ったのは唯先輩じゃないですか!」

唯「うーん……」

梓「全く……これだから記憶障害は……」 

カタカタカタカタ

梓「ほら! これ! ユーチューブこれぇ!」

梓「http://www.youtube.com/watch?v=XNiHNuz6p6w」※見れません

梓「ルック!」

梓「これの2:29のとこ! ほらぁ!!」

梓「ね? ね? 言ってるでしょ?」

唯「う、うーん 言ってるねぇ……」

梓「これ誰 これ歌ってるの」

唯「私だけど……」

梓「でしょ? 唯先輩ですよね???」

梓「ここ澪先輩パートにしなかったってことは」

梓「そういう意味ですよね!???」

唯「だってそこサビだし この曲自体私がメインボーカル」

ギュウウウウウ

唯「痛い。痛いよあずにゃーん」

梓「私なにか間違ったことしてます?」

唯「いや、別に……」

梓「これここラストないてるの私ですよ これ」

梓「悲しいんじゃないんです 歓喜のあまり涙腺がね」

梓「涙腺がちょっとね」

唯「も、もうわかったからとりあえず離れてよ……」

梓「嫌です。だって私唯先輩のこと大好きなんです」

唯「う、うん ありがとう」

梓「……」

梓「ちっがーう!」

唯「……」

梓「ほらぁ これもっかい見て!」

梓「http://www.youtube.com/watch?v=XNiHNuz6p6w」 ※見れません

唯「……」

梓「ルック!」

唯「うん……」

梓「もうーさっき飛ばさなかったらよかった!」

唯「ど、どうかな私たちの演奏」

唯「ほんとはもっと練習したかったんだけど時間が……」

梓「そういうのどうでもいいですから!」

梓「2:21ね 2:21のとこから聞きましょう」

唯「…………」

唯「……うん。言ってるね」

梓「コレ 誰 歌ってるのだれ 誰パートですかー?」

唯「わたくしこと平沢唯です……」

梓「じゃあわかるでしょ? わたしの意図はわかるでしょ!??」

唯「……うん そだね」

梓「じゃあやりなおしますよ」

梓「唯先輩 私の顔みてください」

唯「うん……」

ジィー

梓「そんなに見つめないでくださいもう唯先輩ったらぁ///」

梓「でもそんな先輩が大好きです///」

唯「……」

唯「わたしは だ、大大好きだよ……」

梓「大大大好きです///」

唯「えぇ……」

梓「どうしたんですか」

梓「ほら、大大大好きって言われたら?」

唯「大大大 大好き……」

梓「違います!」

唯「あれ、大一個すくなかったかな……」

梓「『愛してる』でしょう!?」

唯「それはしらなかったよ……」

梓「わたしは愛してるの響きだけで強くなれるんです!」

梓「はい! リピートアフターミー!」

梓「愛してます唯先輩」

唯「あ、愛してるよあずにゃん……」

梓「はふん///」

梓「も、もっかい」

唯「あ、あいして」

梓「ふにゃあ///」

唯「あ、なんか煙でてる……」

唯「いまのうちに逃げよっと……」スタコラ



平沢家 一階

憂「あれ おねえちゃん 梓ちゃんは?」

唯「いまは寝てるー」

憂「そうなんだ でも良かった」

唯「なにが?」

憂「二人がくっついてくれて」

唯「へ? なんだって?」

憂「梓ちゃんにならお姉ちゃんを任せられるしね」

憂「しっかりしてるし、とってもいい子だし」

唯「えぇ!?」

唯「あれ 私たちっていつのまに」

憂「梓ちゃんがいってたよ? お姉ちゃんから告白したんだって?」

唯「どういうことなの……」

唯「私の知らないうちに過去が改ざんされてるよ……」

憂「違うの?梓ちゃんからなの?」

憂「でも付き合ってるのは本当だよね?」

憂「だって出会った頃からいちゃいちゃいちゃいちゃ」

唯「うぅーしてないよー あれはね そのスキンシップ」

憂「あ、なるほどね 好き好きスキンシップね、わかるよ」

唯「憂……だめだこりゃ……」

梓「もう!なんで勝手に一階におりてるんですか!」

唯「ひぃ でたっ」

唯「あれ? だきついてこない……」

梓「だきついてほしいんですか?」

梓「でもだめでーす 飴と鞭は使い分けるべきなんです」

梓「ときにはこうやって厳しく鞭を打ってですね」 

梓「私の真の愛を確認してもらわなければ!」

唯「いまが飴だよね?」

梓「あとでまた抱きついてあげますからっ♪」

唯「もうあずにゃん分が飽和してるよ……」

梓「私の唯先輩分はいつもエンプティですよ?」

憂「ふたりともずるいよー私もいれてー」

唯「そうだ あずにゃん 憂に抱きつきなよ」

唯「姉妹だし似たようなもんでしょ……」

憂「おいでー」

梓「んー たしかに憂でも唯先輩分は実は多少なり補給できるんですが」

梓「いかんせん量産型では 非効率的なのです」

梓「実数値にすると 本物の10分の1未満です」

梓「私はだいたい一日6時間抱きつくことで補給が完了するんですが」

唯「ながいよ……燃費わるすぎだよあずにゃん……」

梓「憂に抱きつくと考えたら」

憂「一日60時間も……」

唯「無理だよ……」

梓「でしょ? だから代わりなんて不可能なんです」

梓「そりゃどうしてもってときは憂に変身してもらってなんとかしますけど」

梓「本人がいるんなら そっちのほうが手っ取り早いです」

梓「ほら あと今日は2時間29分のこってますよ」

唯「そんなに……」

梓「間違えました4時間29分でした」

唯「ほんとに測ってるの?」

憂「わー お姉ちゃん大変だねぇ」

唯「ういーなんとかしてよー」

憂「でも恋人どうしだし 幸せ絶頂だねお姉ちゃん!」

唯「なんで見守るモードに入ってるの……しかも恋人って……」

唯「勝手な設定にはもううんざりだよ……」

梓「ほら うだうだ言ってないで早く!」

梓「はやくぅ!! カモン! カモン!」ハァハァ

唯「こうなったら……」

憂「お姉ちゃん?」

唯「逃げる!」ダッ

梓「あっ」 

梓「逃がしませんよ!」

唯「憂ー しばらく家はたのんだよー」スタコラ 

憂「お姉ちゃん」

梓「……」

憂「梓ちゃんどうするの……」

梓「……」

梓「逃がしませんよ唯先輩」

梓「こちとら命がかかってるんです」

梓「たとえ地の果てまでも追いかけてやるです」

憂「これ聞くのはどうかとおもうけど」

憂「もし、もしだよ?お姉ちゃん分が補給できなかったら

憂「梓ちゃんはどうなるの?」

梓「考えたくもないけど……おそらく……死ぬ……」

憂「死ぬんだ……」

梓「いままでそんなことなかったからね」

梓「全く考えたことなか ぐはっ!」

憂「血ィ!!? 口から血ィ!!?」

梓「あ、いまのは演技だよ」

梓「ことの深刻さをわかりやすく伝えるためにね!」

憂「す、すごいねぇ」

梓「でも……すでに微妙に ふひ」ガタガタガタガタ

憂「どうしたの?震えてるよ?」

梓「きん……だん……しょうじょ……うが…!」

梓「うへへへへっへええへ」

憂「だいぶキてるね」

梓「補給さえすれば うぇへえ なんとかなるけど」

憂「なら早く追いかけたほうがいいよ!」

憂「別れてさがそ! 私も手伝うから!」

梓「いや憂はここにいて」

梓「もしのこのこ戻ってくるようなら真っ先に私に電話して」

梓「その際先に唯先輩は拘束しておくこと!」

梓「もし逃がしたら この際憂で唯先輩分を……」

憂「!?」

憂「はい! 了解です!」

梓「いきますよ私の唯先輩 待っててください……グフフ」

梓「あなたのあずにゃんが参ります……」ニヤニヤ



秋山家

唯「というわけなんだよぉ~」

澪「そうか 苦労してるんだな唯は」

唯「かくまってよー」

澪「でも根本的な問題を解決しないと」

澪「いくらかくまっても無駄だと思うぞ?」

唯「根本っていうとやっぱり」

澪「あぁ もうはっきり言うんだよ」

唯「はっきりかぁ」

唯「うーんでも 傷つけたくないしなぁ」

澪「傷つく? 何をいってるんだ唯」

澪「こういえばいいんだ 手本をみせてやる」

唯「さっすが澪ちゃん! 心強いね!」

澪「まぁ見てろ」

澪「『ごめんね!私がいつまでも曖昧な態度をとってしまったせいで』」

澪「『あずにゃんに誤解させちゃったね!』」

唯「おぉ! いい感じ!」

澪「『だからこの際はっきり言うよ』」

唯「そうだ!言っちゃえー!」

澪「『あずにゃん愛してるよ!』」

唯「   」

澪「『だからあずにゃん……是非私と付き合ってください!』」

唯「……」

唯「澪……ちゃん…?」

澪「『唯先輩の気持ちが聞けてうれしいです……』」クネクネ

澪「『これからもずっと永遠に一緒ですからね!』」

澪「『うん! あずにゃーん ダキ』」

澪「『唯先輩……みんなが見てます///』」

澪「『ええじゃないかッ ええじゃないかッー』」」

澪「ふふふふ」

唯「そんな……澪ちゃんまで」

澪「そうだ」

澪「あ、 もしもし梓? 唯がさー」

唯「!!?」

澪「うん 唯がなー 伝えたい言葉があふれそうな程あるんだってさ」

澪「うんいま私の家だぞ」

唯「や、やばいよ」

ガシ

唯「っ!!? はなしてよ澪ちゃん!」

唯「今現在 私の頭の中で警鐘がガンガン鳴り響いてるんだよ!」 

澪「あー そうなんだ じゃあそこからならすぐこれるな」

澪「ハハハ お安い御用だ 今度ケーキでもおごってくれ」

澪「じゃあ待ってる」

澪「ふぅ こら 抵抗するな」

唯「ここは……魔窟だった……いや餌場だっ!!」 

澪「私は愛のキューピッド秋山の異名を持ってるからな!」

唯「うぅ こんなの澪ちゃんのキャラじゃないよ……」


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最終更新:2010年12月17日 03:30