梓「で、私はまた唯先輩の足…今度はだいぶ付け根の近くで、してたんだけど」
梓「あー、人の肌ってすごいよね。すっごく滑らかでさ、スッスッて。でも軟らかく当たってる感じで」
純「だってさ、憂。今度試してみたら?」
憂「……」フンッフンッ
純(聞いちゃいねえ)
梓「ともかく、そんなふうに私はもう夢中になってやってたわけ」
梓「ただ、さっきと違うのがね、唯先輩が起きてて」
梓「私の体をなでてくれたり、頭を抱き寄せてくれたり」
梓「そうは言っても、いわゆる、さわったり…とかみたいなのは、してないんだけど」
梓「……」
梓「…なんか、暑くなってきたね。ジュース飲も」ゴクッ
憂「……ふーっ」チューーズッ
純「……あたしも」ングッングッ
梓「再開するね」
梓「普段、唯先輩に抱き着かれたり体触られたりしたときは、安心する感じだけど」
憂「うん」
梓「そのときばかりはテンション上がるって言うか、うん」
梓「…だから、思わずね?」
梓「膝を、唯先輩のアソコに押し当てちゃって」
梓「そしたら、これそのときもすっごいビックリしたんだけど!」
梓「唯先輩も腰をこう、こんな風に動かしてたんだって!」クネクネ
憂「こんな感じかな…」クネクネ
梓「だから結局、お互いでお互いの体を使う状態になったの」
純「ダブルオナニーだ、ダブルオナニー!」
梓「ただ、やってみるとわかると思うけど、結構動きにくくて。慣れないとよくないんだろうね」
憂「へえ……純ちゃん?」
純「やったら絶交だから。大好きなお姉ちゃんとでもやってなよ」
梓「それもダメ」
梓「でも私、どっちかって言うと行為そのものよりも雰囲気のほうが重要で」
梓「今もそういう知識があるわけじゃないんだけど」
梓「『唯先輩とそういうことしてるんだ』って実感が、何より最高に興奮した」
憂「雰囲気っていえば、気になることがあるんだけど」
梓「何?言っていいよ」
憂「そのとき梓ちゃんはやっぱりお姉ちゃんの名前呼んだりしたの?」
憂「あと、お姉ちゃんも何か言ってた?」
梓「うーんと、その辺ちゃんと覚えてないけど…たぶん無言」
憂純「無言!?」
梓「私必死だったし。何か言われた記憶もないから…」
梓「きっと二人してハァハァ言ってたんじゃないかな」
純「ああ、それはそれで納得できるかも」
純「それで、続きは?」
梓「続き…って、言うほどのことはもうないんだけど…」
梓「ちょっと二人に質問。二人とも自分でしてて、終わりの…アレの感覚ってどんなの?」
憂「へ?」
純「あたしは、なんだろ。『あ、来るな来るなー』って思いながらちょっと強くして」
純「で、波みたいに引いてからビクンってなって、下に力が入るような逆に抜けるような…そんな感じ」
梓「うんうん、なるほどね。憂は?」
憂「……わ、私、その…………したことない」
梓「えっ?」
純「聞こえませーん!」
梓「今更ぶりっ子したって無駄!憂だけそういうの話さないのはフェアじゃないよね」
憂「ホ、ホントだよ!?そういうのよくわからないっていうかっ」
梓「うーん……いいよ、そういうことにしといたげる。でも貸しだからね?」
純「何もあたしらの前でまで優等生しなくていいのにねー」
憂「本当だってばぁ…」
梓「まあいいや。要はね、私はイったんだけど」
梓「普段は、気分がだんだんのぼっていくっていうか」
梓「ジワーーっと来て、ある程度でピークになって、あぁー…ってゆっくり下降する感じ」
純「ふんふん」
梓「…そんな感じ、なんだけど」
梓「唯先輩のときはやっぱり違ったね。全然違う!」
純「へえ。どんな風に?」
梓「まず、最初のジワーが、ブワーッ!になった」
梓「ピークの位置ももっと上だね、我慢とかそういうのしてなくてもね」
梓「それで、そのときの感覚が、ジーンジーンジーン…みたいな風になるんだ」
純「なるほど。説明がひど過ぎて全然わかんない」
憂「うん。梓ちゃん、お姉ちゃんみたいなこと言ってる」
梓「だって説明しづらいもん!」
梓「それから、どっちが先に満足したかは知らないけど、いつの間にかどっちも止めてて」
梓「いつもしないようなことしたから、疲れて。唯先輩と話もしないで寝ちゃった」
梓「今度こそ完全にね。これで私の話はおわり!まったく、何話してるんだろ…」
憂「……ふー」
純「はぇー…」
梓「別に面白い話じゃなかったでしょ?」
純「いやいや、なかなか聞き応えある話だったよ」
憂「わ、私もそう思う!」
梓「まあ結構恥ずかしい思いしたし、それなのにつまんないとか言われたら…」
憂「あははっ、どうしようもないかも…あ、ちょっとお手洗い行ってくるね」
梓「うん、いってらっしゃい」
純「あれぇ、憂……さっきの話で濡れちゃった?」
憂「じゅ、純ちゃん!」
純「じょーだんじょーだん。さっさといっといでー」
憂「……もうっ」ガチャ
純「……にしても、梓と憂のお姉ちゃんが、そんなことをこのベッドでねえ?……降りとこ」ギッ
梓「ちゃんとシーツ洗ってるしっ!」
純「まあまあ。それで、それからどうなったの?」
梓「だからどうもしないってば。寝たの」
純「そうじゃなくてさ、起きてからの話も聞かせてよ」
梓「え?ああ……いいよ。これはあんまり思い出したくないんだけど」
純「何かあったの?」
梓「ううん。別に、何かあったわけじゃないけどね」
梓「朝、目が覚めたらね、下半身が軽い…って言うのかな。とにかくいつもと違ってて」
梓「もちろん、下に何も履いてないせいなんだけど」
梓「まだ目が覚めてなくて『私何してたっけ?』って思ったの」
梓「すると、だんだん思い出してきて…………一気に目が覚めた」
梓「ていうか血の気が引いた」
純「冷静になるの遅すぎでしょー…。それから?」
梓「パニックだよ。私、唯先輩に嫌われて、……警察に捕まると思ってたもん」
純「け、警察…!?くくっ、全然目ぇ覚めてないじゃん!」
梓「私は笑えないから!正直そのとき真剣に死ぬこと考えたからね!?」
純「ぷくく……あはははっ!死ぬって、大げさすぎー!」
純「あー苦しー!……はぁっ。大体、梓の話だと受け入れられてるのに、パニクるのはおかしいでしょ」
梓「そうだけど、あの感覚は当事者じゃないとわからないよ…理屈じゃないんだよ」
純「まああたしには、ふくくっ、警察にっ、捕まるようなこと…け、けーさつ…ぶわはははっ!」
梓「あーもー笑うなーーっ!」
ガチャ
憂「お待たせー」
純「はーはー…あっ、聞いてー!梓ったらさー!ひひっ、け、けいさつに!」
梓「しつこい!!」
純「わかったわよー……ねえ憂、後でおもしろい話聞かせてあげる」
憂「え、なになにー?」
梓「憂、純は無視していいからね!」
憂「へ?う、うん」
梓「あんまり余計な茶々入れると話すのやめるからね!?」
憂「あ、続き話してくれるんだ?」
梓「うん。えっと…朝起きてパニックになったんだったね」
梓「それで、私はまず唯先輩に謝ろうと思ったの」
梓「でもベッドにいなくて、ますますパニックだよ。唯先輩、怒って帰っちゃったのかなって」
梓「着替えもしないですぐに追い掛けようとしたんだ…すぐ見つかったけどね」
純「あれ?ねえ梓、聞いても…あー、やっぱりいいや」
梓「ええっ?気になること言わないでよー!」
純「気にしない気にしない。それで、唯先輩はどこにいたの?」
梓「ああ、えっとね、この部屋のすぐ近くのリビングで朝の番組見てた」
梓「唯先輩もすぐに私に気づいて『おはよ~』って」
憂「へえ…お姉ちゃんの方が早起きだったんだ?」
純(部屋にいるのが気まずかったんだろうなあ…)
梓「私の方は、開口一番に謝ったんだけど、唯先輩は」
梓「『そういう気分になることもあるよね』って、笑って許してくれたの」
梓「後は特に何もなし。いつも通りにダラダラ過ごしたかな」
梓「何事もなかったみたいにね」
純「ふーん」
梓「これでホントのホントにおしまい」
梓「ただ、唯先輩の言葉は嬉しかったんだけど……納得いかなかったんだよね」
憂「どういうこと?」
梓「気の迷いでそういうことをしたって思われてることがね。私、本気だし!」
純「でも寝ぼけてヤったんでしょ?」
梓「……だから、少し日にちを置いて、改めて唯先輩を家に呼んで」
純(スルーされた)
梓「それで、告白した」
純「うわー…なんつーか、不純なきっかけだなあ。なんて告白したの?」
梓「さすがにそれは言わない」
純「ちぇっ。憂は知ってる?」
憂「ごめんなさい。お姉ちゃんも教えてくれないの…」
梓「二人だけの秘密だからね。で、OKもらったわけだけど、そのときに、唯先輩が」
『今すぐはだめだけど…わたしたちがちゃんと恋人らしくなれたら、今度こそ本当にしようね』
梓「って。『私もうれしかったよ』って!えへへ…だから、はじめの質問の答えはNoだね」
純(今、梓自爆したのに気づいてないな…)
憂「そっか…今は二人とも、本当に恋人って感じだよ!」
梓「そうかな!私たち、ちゃんと恋人できてるかな!?」ズイズイ
憂「う、うん…」
純「梓、引いてる引いてる」
梓「はぁーーっ…全部話したーー!でも、なんかスッキリしたかも!」
憂「あはは。お疲れ様」
梓「それで、純。退屈は紛れた?」
純「十分ですとも!時間も潰せたしね」
憂「よかったね、純ちゃん!」
憂「でも、もうこんな時間なんだ…いけない、お姉ちゃんの晩御飯の準備しなきゃ!」
梓「あ、それなんだけど憂、今日は、その…」
憂「え?…ああ!じゃあ、なおさら早く帰らなくちゃね?ふふっ」
梓「ごめんね」
純「あれ…いつもより解散早いんじゃない?用事?」
梓「用事っていうか、お客っていうか……来るから。唯先輩」
純「そういうことね…」
憂「そういうこと。じゃあお先にー。純ちゃんもほどほどにね!」ガチャ
純「バイバーイ。…梓、もうすぐ来るの?唯先輩」
梓「まだだけど、部屋の片付けとかいろいろしないとだし」
梓「最近唯先輩も忙しいから、時間大事にしたいっていうか…」
純「はいはい。お邪魔虫は退散しますからねー」
純「…今夜は頑張っちゃいなよ?にひひっ♪」
梓「か、からかわないでよ!」
純「でもま、とにかくあたしも帰るね。さすがにそれで残ろうとは思わないし」
梓「あ、玄関まで送るよ」
純「んじゃねっ」
梓「そうだ。純、聞いていい?」
純「何?」
梓「私と唯先輩って、恋人らしいよね?」
純「んー…まあね。見てるこっちが恥ずかしいぐらいにはね。それがどうかした?」
梓「ううん、ちょっと確認しただけ。じゃあね」
純「よくわかんないけど…うん。バイバイ!」
ガチャ
純(憂、帰っちゃったか…)
純「……」トコトコ
純「…………」
純「あっ!あぁーー……」
純(梓ゲスいわ…)
END
最終更新:2010年12月18日 02:00