…帰り道…

テクテク

唯「禁制の起源は自分に対して明瞭になっていない意識である、黙契では人は共同体の中で恐れ、崇拝を対象にする時に人の意識が共同体から赦されなれ合う」

唯「禁制は共同体の内部にあるにしても神聖を強要され、人は共同体から赦さず、思想な土壌では黙契と禁制はほぼ区別ができず各2つが混融された資料である」

唯「これより入眠幻覚と出離の体験を抽出し我が成す、続いて共同幻想とリンクを開始…」ブツブツ


澪「唯のやつ何ぶつぶついってんだ?」

紬「明日唯ちゃん古文のテストの追試なの」

澪「あいつまた赤点とったのか」

律(あいつまた赤点かよ)

梓「律!」

律「ん?」

梓「あ、あのさっきはどうしたの?」

律「え?あー別に何でも」

律(嫉妬で梓の手を引いたなんてかっこ悪くていえるわけないだろ…)

梓「そ、そっか…」

ニャン

澪「ん?おいあれ猫じゃないか」

紬「本当…ワゴン車がきてるわ!あのままじゃ轢かれちゃう!」

唯「!!助けなきゃ!」

ダッ!

澪「ばかもう遅い!唯危ない!戻れ唯!」

律(なんか唯と澪が騒がしいな、なんだ?)

梓「あ、あれ!」

梓が突然指差し、焦った口調と青ざめた表情で叫んだ、機が動転しただただ叫ぶ

梓「唯先輩が唯先輩が!」

律「え?」

当然ただならぬ気配を感じ律は指差した方向へと顔を向ける

唯「ねこちゃん!」

唯は道路に踊り出て猫を突き飛ばし、猫は反対道路へと転がっていった

それを確認するとホッと心を落ち着かせる唯、だが顔を横に向けると地獄行きのクラクションを鳴らし自身へと向かってくれ鉄の塊がそこにあったのだった

唯「きゃあああああああああああああああああああああ」

律澪紬梓「唯(ちゃん(先輩」

キーン

「……」

思わぬ状況に眼をつぶった梓はいつまでたっても聞こえてくるであろう音が聞こえてこない事を不思議に思い、そっと見たくもない景色を確認するように眼を開く

梓(…私のカウンター能力、電磁変換防壁が発動してる…まさか)

それを意味するものは爆発に縛られた時空の力

律「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂喜の器、沸き上がり否定し痺れ瞬き眠りを妨げる、結合せよ!時間の呪縛―タイムズ・バインド―」

…やはり嫌な予感は的中していた

梓「な、何やってるの!その力を無理に使ったらむぎ先輩の能力、時限業火―タイム・リミット―で爆発しちゃうんだよ」

律「さすが梓だな、防壁を張ってくれてたか、爆発するのは分かってるよ、でも今はしてないだろ」

律「文字通り私の時限業火―タイムリミット―は一分だ、唯を助けてくれ」

梓「あ…でも…律をそのままには!」

律「いいから早くいけよ!いつ爆発するか分からないし私じゃ唯を助けれない!お前しか動けるやつがいないんだ、私の頑張りを無駄にする気かよ!」

梓「あ…あ…くっ」

ダッ


梓「唯先輩!」

ズリズリ

律「そうだそれでいい、梓」

梓「はぁはぁ、歩道まで引っ張ったよ!ねぇ、えらいよね、私えらいよね!!ほめてよ律!!」

律「ああ、よくやった梓」ニコッ

梓「えへへ、私頑張ったよ、頑張ったんだよぉ…」ジワ

律「ああ…にしても爆発しないな、あれか能力がきれた途端にドカーンってやつか、ハハッ」

梓「そんな事いわないでよ…やだよ、律…うっうぐっ」

律「…まだ時間が30秒程あるな、なぁ梓…最後に一つだけ頼みがあるんだ」

聞きたくない、最後なんてそんな言葉聞きたくなかった、しかし最後だからこそ聞き届けなければいけない、梓はそう思った

梓「ひっく、うぅ、ヒック、なんだよう、なんだよう」

律「フヒッwwwwwww顔面騎乗させてくれないかヘケッwwwwwww」

梓「」


梓「は、はぁ?何いってんの、ばっかじゃないの!しねこのボケ!」

律「冗談だよwな、私達ってさ、こういうけなしあう関係の方がいいよな?」

梓「え?」

律「泣いて別れるなんて嫌だって事だよ」

梓「ば、ばーかばーか!泣いてないもん!」

律「そりゃ良かった!な、最後に一つだけ、言いたい事があるんだ」

律(変な気分だな、死ぬって腹くくってるからかな、今なら何でも言える気がする)

梓「う…変な…事だったら…はったおすからね…グス」

律「変な事かも…」

梓「え?」

律「こんな時にいうのもなんだけどさ、いやこんな時だからか」

梓「ん…」

律「私はお前の事が大好きだ、もちろんラブの方でな」

梓「…え?」

律「前から好きだったんだ」

梓「…」

律「私と本気でぶつかってくれた時からかな」

梓「…」

律「これでお別れだから」

梓「…」

律「最後に言っておきたくて」

梓「…バカ」

律「ぁ、ごめん、やっぱりこんな時にバカだよな」

梓「本当バカだよ」

律「ご、ごめん」

梓(でもそんな律の事が私は…)

梓「大好き」

律「え?」

梓「私も律の事が大好き…だよ?」

律「ほん…どう…?」ボロボロ

梓「本当だよ?」

律「うっ、ううっひっく…」

梓「泣いてるし…」

律「いいだろぉ!嬉しいんだから!」

梓「ばーかばーか」

律「ばーかばーか」

梓「えへへ…ねぇ律ハグハグしてほしいな///」テレ

律「あ、あぁ///」

ダキッ

梓「わっ痛いよ…///」

律「ごめ///」

梓「りーつ///」

律「あずさっ///」

梓「ね」

律「ん?」

梓「ちゅーしてほしいな///」

律「へ?あ、うん…///」

梓(うぅ緊張する…///)

律(恥ずかしいし///)

律「ちゅ…」

梓「ぁ…んっ…ふぁ…」

律「ちゅ…ん…ん…」

梓「りつ…ぁ…りつぅ…ちゅ…」

律「あずさぁ…あず…ん…」

梓「はっ、ぷはっ」

律「はぁ…はぁ…」

梓「ばーか」

律「ばーか」


……

唯(うわぁ///)

澪(す、すごい///)

紬(人間窮地に立たされたら何でもできる作戦成功!良かったわね、りっちゃん、梓ちゃん、時限業火は解除しておいたのよ)

紬(そして唯ちゃん澪ちゃん協力ありがとう)

唯「ねぇ、澪ちゃんすごいね!ていうかりっちゃん達既に一分たってるの気づいてないのかな」ボソボソ

澪「多分な…それにしてもこんな上手くいくなんてな!」ボソボソ

澪「唯の幻影を見せる能力、行き過ぎた幻想―オーバードライブ・イリュージョン―と」

唯「澪ちゃんの人の力を借りて他の能力者の能力を底上げさせる能力、借り手の補助交易―アシストルート―で!」

唯「あずにゃんは能力の気配を読むってむぎちゃんが言ってたからね」

唯「澪ちゃんの補助能力は性質上探知されにくいし、手伝ってくれたお陰でバレずに完璧にワゴン車と猫にゃんを再現できたよ」

澪「えへへ」

唯「もう動いていいのかなあ、そういえば澪ちゃん誰から力を借りたの?」

澪「秘密だ」

唯「けちー」

紬「やっほー、りっちゃん、梓ちゃんおめでとう、実は私の能力既に解除しておいたの~」

律「ええええ!なんでむぎ動けて…ってわああああ!梓離れろおおおお///」

梓「おい、デコ!さわんな!あっちいけ///」

唯「ひゅーひゅーお熱いですなー」

澪「クスッしょうがないやつらだな」


澪(私が誰から力を借りたって?そんなもの決まってるだろ?)

澪(これを見てる画面の前のお前!そう口が少し開いてるお前だよ!)

澪(おい!口閉じるな!)

澪(今ちょっと苦笑いしただろ)


―おわり―



最終更新:2010年12月20日 01:07