唯「レズだもん」
律「お前、そんな事冗談でも……」
唯「ほんとなのにぃ……」
律「いや、ほんとなら尚更だろ。なんでわざわざ今カミングアウトするんだよ」
唯「んふふふ、えー?なんでだと思う?」
律「えー?知らねえって。なんのテンションだよ」
唯「あのねー、もう我慢できなくなったから」
律「我慢って?」
唯「あのー、りっちゃんの事好きなのが。気持ちが」
律「へぇっ?私?」
唯「そう!ダメ?」
律「ダメとかじゃないけど……え、レズで好きってことは、そういう種類の好きなのか?」
唯「ええー?もー…りっちゃんそんな恥ずかしい事言わせるのー?」
律「レズってばらすほうが恥ずかしいだろ…」
唯「えへへ、そうでした。ね、そっち座っていい?」
律「なんか怖いなあ。…ま、いいよ」
唯「ぐふふ、おじゃまおじゃまー」
律「なあ、唯」
唯「なあに?」
律「私さ、唯は梓の事好きなんだと思ってた」
唯「あ、抱き付いたりしてるから?」
律「そうそう。なんで私なんだよ?真逆じゃね?」
唯「あずにゃんは後輩として、だよー。ヤキモチ?いやー、はー、ヤキモチぃ?」
律「ち……がうし!バカ!」
唯「ね。りっちゃんにも抱き付いたほうがいい?」
律「はあ?」
唯「どうしたらいい?」
唯「はいっ、あったかあったかだよー」
律「そだなー」
唯「あったかあったか!」
律「あったかあったかー!」
唯「りっちゃん!」
律「んー?」
唯「前から抱き付いてもいい!?」
律「ええっ?あー……んー……そ、だな。きょ、今日寒いし……あったかいなら、いい、かな」
唯「おおぅ!やったねー。はーい、あったかあったかでーすよー」
律「んー、あったけえー」
唯「私、幸せだなー」
律「大袈裟だな」
唯「ほんとだよ?今日はねー、18年生きてきた中で今んとこいっちばん幸せ」
律「まじで?」
唯「だってさ、絶対ひかれると思ってたもん」
律「あー……」
唯「もう、超安心したよー。だからね、こうやってりっちゃんが普通に接してくれるだけですっごい幸せ!」
律「やーめろって。照れんじゃん」
唯「んふふー。ね、りっちゃんは私がレズっていうの聞いた上でさ、私の事どう思ってる?」
律「……大事な、友達。だ」
唯「……えへへ、ありがと」
律「ごめんな」
唯「なんで謝るの?私すっごい幸せだよ?普通こんな事聞いてまだ友達だって言ってくれる人いないよ?」
律「唯……ごめん。……ごめんな?私……ごめん……」
唯「……なんでぇ?なんでりっちゃんが泣くの?ずるいよ、私が……私が、我慢してるのに……」
律「ごめん……ごめん、唯……」
唯「謝らないでよっ!そんなの聞きたくない!」
律「唯っ…!!」
唯「ずるいよ……。そんなの拒絶されるより残酷だよ……。優しいままで、良い子のままでなんて……ずるいじゃん……。こんなの絶対諦められないよ……?」
律「……!!」
唯「ひっ……ひっ……うええぇぇ……」
律「唯ぃ……」
律「……落ち着いた?」
唯「うん……ごめんね、訳分かんない事言って。あ、お茶ありがと。りっちゃんお茶淹れるの上手いね。美味しい」
律「ああ、うん……。前にちょっとムギに教えてもらった事あったから」
唯「そうなんだ」
律「うん」
唯「…………りっちゃんが優しいからさ、ちょっと……欲張りたくなっちゃった」
律「……そっか」
唯「私ダメだね。ごめん」
律「……おかわり、いるだろ?」
唯「うん。お願い」
律「これ飲んだら帰ろ」
唯「そうだね」
律「……」
律「……」
唯「美味しい」
律「……」
唯「……ごちそうさま」
律「じゃ、帰るか」
唯「はーい」
律「戸締まり大丈夫だよな」
唯「うん。忘れ物も無いよ」
律「よし、じゃあ出るぞ」
唯「はーい」
律「……」
唯「……」
律「……唯、離してくれないと帰れないぞ」
唯「うん……もうちょっとだけ」
律「もうちょっと、な」
唯「うん……今日だけ」
律「今日だけ、な」
唯「私、りっちゃんの事大好きだったよ」
律「うん」
唯「けっこう澪ちゃんにヤキモチ妬いたりもしたよ」
律「うん」
唯「りっちゃんのドラムも好き」
律「うん」
唯「全部好き」
律「うん」
唯「でも今日で終わりにするから」
律「うん」
唯「この部屋から1歩出たら今まで通りに戻るから」
律「うん」
唯「安心してね」
律「うん」
唯「ごめんね。……はい!じゃ、帰ろ!」
律「…………おう」
唯「さーて、とー、今日のご飯はなーにかなー」
律「唯」
唯「憂のーごはーんーは世ー界ーいちー」
律「唯っ」
唯「りっちゃん。ごめん、今そっち向けない」
律「唯。私達さ、ずっと、ずーっと友達でいような」
唯「…………当たり前じゃん……」
律「……」
唯「また、明日ね」
律「おう。また明日」
乗っ取り終了
最終更新:2010年12月21日 02:25