猫「ニャーン」

澪「あっ子猫だ」

猫「ごろにゃーご」スリスリ

ドカッ

猫「ぎゃ!?」

澪「私は猫が大嫌いなんだよ!!」ドカッドカッ

猫「にゃあああ!!」

彼女の名前は秋山澪
見た目の美しさと反比例して性格が悪い女の子だ

猫「にゃーん」スタコラサッサ

澪「よかった…どっかにいってくれたよ」

澪「本当にあんな気持ち悪い生き物滅びてしまえばいいのに」


?「貴方は大変よくない事をしますね」

澪「えっ…誰?」

梓「私はあずにゃん星から来たあずにゃんだにゃ」

澪(うわ…コスプレしてる痛い人だ…)


梓「猫をいじめた罰…受けてもらうのにゃ!」

澪「ぎゃあああああ」



澪「…は!?」

気が付くとさっきのコスプレした人は消えていた

澪(はは…きっと変な夢を見たんだな)

澪(とにかく学校に行かなくちゃ…)

澪(あれ…いつもと比べて背が低くなったような…)




唯「あーっ猫さんだ、かわいーなー♪」

澪(え…猫だと?どこにいるんだ?蹴り飛ばしてやる)

憂「本当だ、かわいいねお姉ちゃん」

澪(この二人…私のほうを見て猫とかいってるけど…)

澪(馬鹿にしてるのか?文句言ってやる!)

澪「にゃーん」

澪(!!??)


唯「あー鳴いたー♪」

憂「きっとお姉ちゃんの事気に入ったんだよ~」

澪(え…そんなバカな…)

澪は水溜りを覗き込む

澪(え…)

そこにあったのは紛れもなく澪の大嫌いな猫の姿だった


澪「にゃーんにゃーん」

唯「よしよーし」ナデナデ

憂「お姉ちゃん早くしないと遅刻しちゃうよー」

唯「うん待ってーういー」ダッ


澪(どういうことなんだ…これは…)

梓「気が付いたようですね」ニヤリ



澪「にゃあ!」(さっきのコスプレ女!)

梓「どうです?猫になった気分は」

澪(ふざけるな!!元に戻せ!!)

ハミハミ

梓「あははは、くすぐったいですよ~」

梓「澪先輩にはしばらくその姿でいてもらいます」

澪(にゃんだって!)


梓「猫になって猫の気分を味わうがいいです!」

梓「では私は学勉があるので失礼するです」ダッ

澪「にゃーん…」ぽつねん

澪(冗談じゃない!見つけ出してギタギタにしてやるからな!)

澪はいく当てがないのでそのまま学校に向かう事にしました


澪(くっそー…こんな姿気持ち悪いだけなのに…)

和「てくてく」

澪(あれは同じクラスの和…ひょっとしたら私に気が付いてくれるかも)

澪「にゃーんにゃーん」

和「あら?子猫?」

澪「にゃーん」

和「この子…」

澪(私だよ!和)

和「首輪がついてないわね、野良猫かしら」

和「保健所に電話したほうがいいかな」

澪「!?」

澪は一目散に逃げ出した


澪(あやうく殺されるところだった…)

澪(あ、ようやく学校が見えてきた)


澪「にゃーん」

さわ子「あら?」

澪(さわ子先生だ!)

さわ子「誰かしら、こんなところに猫を連れてきたのは…」

さわ子「出てって頂戴!しっしっ」

澪「にゃ~!?」



澪(やっぱりこの姿じゃ学校に入れないよな…)

澪は仕方なく町を徘徊することにしました

澪(普段見慣れてる町もこうして見ると新鮮だな)




澪(お腹減ったな…)

サザエさんのオープニングのように魚屋さんから泥棒しようと考えましたが
魚は水銀で汚染されているのが発覚したためどこにも出回っていませんでした

澪(このままじゃ飢え死にしちゃうよ…)


?「お、ノラ公腹へってんのかー?」

澪(この声は…)

律「へへ…ちょうどドラ焼きがあるんだけど食べるか?」ニコッ


それは幼馴染の律でした

澪(律…)

律「これは部活のお菓子の余りなんだけどな、やるよ」

町をさまよっているうちにどうやら放課後になっていたようです

澪「ぱくぱく」

律「あはは、かわいい奴だなーお前」ナデナデ


澪(そういえば律と会うのも久しぶりだな…)

澪は高校に入ってから律に会うことが少なくなっていたのでした



律「ふふ、お前を見てると幼馴染の事を思い出すよ」

澪「!」

律「私の幼馴染に澪って奴がいてさ…実はずいぶん前に喧嘩したんだ…」

律「あいつ小学校の頃は恥ずかしがりで私の後ろにずっとついて来るような奴だったけど…」

律「高校に入るとなんだか話が合わなくなっちゃってね…」

澪「…」

律「あはは、こんな話お前にしてもしょうがないか~」




澪(そういえば律とずっと距離を置いてたんだよね…)

いつからだろう律と話さなくなったのは…

昔は律のことが大好きだった

いつも無口で本ばかり読んでいた私に笑顔で話しかけてくれていた律

でも高校に入って、私は変わった

中学校後期あたりから容姿がいいからと甘やかされた結果だろう

私は性格が悪くなり物や猫にやつあたりする最低な人間になっていったんだ…



澪は猫の立場になってみて
そして律に助けられてはじめて自分のおろかさに気が付いたのでした

澪「にゃあ…」

律「おいおいあまりのドラ焼きのおいしさに感動しちまったのか?」

澪「にゃー」スリスリ

律「ふふ、くすぐったいよおー」

律「そうだ、お前うちに来るか?」

澪「にゃ!?」


突然の申告に驚く澪

律「なんだかお前見てると他人…いや他猫に思えないんだよな」ニカッ

その笑顔は小学校の頃、澪に微笑みかけてくれた律とまったく変わっていないように思えました

澪(律…)

澪「にゃーにゃー」ぺろぺろ

律「へへっ私の事気に入ってくれたのかな、いっしょに帰ろうぜ」


澪(律なら…猫の私でも大切にしてくれるかもしれないな…)

澪(もう一生猫でもいいかもな…)

澪はそう思い始めていました


律「よし、じゃあお前の名前は…」

澪「にゃあー」

律「そうだな…」

律「山猫のようにしなやかで、樹木のような堂々たる威厳という願いを込めて…」

律「サンジュだ!」

澪「!!」


澪(なんていい名前なんだ…)


唯「あっりっちゃん!」

律「おー唯じゃん、どうしたんだこんな所で」

唯「アイス買いに着たんだ♪」

澪(こいつは朝方の…)

律「ところでこの猫を見てくれよ、かわいいだろ?」

唯「かわいー♪にゃんにゃん♪」ナデナデ

澪「///」カァァ

澪(皆、猫でもこんなに優しく接してるんだな…それに比べて私は…)



唯「にゃんにゃん、アイスだよー」

律「ばかっ猫に乳製品はまずいだろ!」

唯「ふひひっさーせんww」

澪(律も唯も屈託のない笑顔だ…私はこんな風には笑えない…)

澪(これからは私もこの人達みたいに優しく生きてみたいな…)

澪(律とも仲直りしたいな…)



その時でした!

ガシャアアアン ガラガラッ!!

律「うわ!!」

工事の鉄骨が律の頭上に落ちてきたのです

澪「にゃあ!!」(律!!)

バサッ

ガッシャアアアアン!


唯「りっちゃん!!」

律「いてて、私は大丈夫だ…」

唯「よかった…」

澪(律…無事でよかった…)

律「サンジュ!!」

澪の体からは血がどくどく流れていました



律「サンジュ!…私を庇って…」グスッ

澪(ふふ、律が無事で本当に良かった)

唯「サンジュちゃん…」おろろーん

澪(あー…意識が遠のく…)

でも…いい事をするってこんなに気持ちがいいものなんだな…

もっと早く気が付いておけばよかった…



その時、不思議な事に澪の目から見える世界の時が止まったのでした

澪(なんだろ…これ…走馬灯…?)

キラキラリーン

梓「あずにゃん登場だにゃん!」

梓「ありゃー…澪先輩とうとう死んじゃいそうにゃんか…」

梓「でもいい事をしたので特別に元の人間に戻してあげるにゃん」

梓「これからは心を入れ替えて生きるにゃん!」




澪「は!?」

気が付くとそこはベッド

澪「わ…私…人間だよな…」さわさわ

澪「全部夢だったのか!?」



澪「あっもうこんな時間だ!!遅刻しちゃうよ!」ダッ

急いで家から飛び出す澪、そして通学路を颯爽と走り抜けるのでした


猫「ニャーン」

澪「あっ子猫だ」

猫「ごろにゃーご」スリスリ


澪「かわいいなあ」ナデナデ




澪「おーい律!」

律「え…あ…澪…」

澪「久しぶりにいっしょに登校しないか?」

律「え…うんいいよ!」

澪「良かった♪」


それからというもの澪は律と仲直りをして
軽音部に入部、放課後ティータイムで元気に過ごしたという、よかったね



終わり