罪状はDV 判決は死刑
**第114話 罪状はDV 判決は死刑 「行ったようだね。それじゃこっちも行こうか?」 クロードが暗闇に走り去ったのを見届けると、ブレアとロキは歩き始めた。 ロキはブレアに突きつけていたパラライズボルトを下げて、言う。 「一応言っとくけど、下手な真似したらお前の正体ばらして歩くからね、おとなしく歩いてなよ?」 仲間に余計な事を話されると面倒なので突きつけていたが、もう必要無い。 まあ、ブレアとしては逃げたり助けを求めたりしたところで正体を他の参加者にばらされてしまい、 実質殺し合いから脱落する事になるのだから、ロキに従うしかないだろうが。 「おとなしく歩けって言っても、もっと速く歩けよ。 さっきの不意打ちの時も思ったけど、やっぱりウスノロだな、お前」 ブレアは振り向く事もせず、沈黙を守ったまま、歩く速度を少し上げた。 (だんまり、ね。まあどうせこいつからは、まともな情報は得られないだろうしね。 だんまりでも別に良いけど少しからかってやろうかな) ブレアは参加者の中で、最もルシファーに近い人物だろう。 しかし、具体的な脱出方法やルシファーの弱点を知っているとは到底思えない。 何故ならルシファーからしてみれば、そんな事を知っている人物を送り込んでもメリットは皆無だからだ。 ブレアがこの島に来てからの情報や、事前に知らされているであろう何かしらの情報を聞き出すにしても、 今のこのような状況になってしまえばブレアが真実を話す保障など全く無い。 それならば、ブレアがだんまりを決めこんでいようがロキは構わなかった。 しかし、歩くペースが遅いのはいただけない。 「遅いって。もたもたしてると禁止エリアになるだろ?…こんなウスノロであのおっさん達を殺せるのかねえ?」 そう、こんなペースでは目的地が禁止エリアになってしまうかもしれない。 ロキは、まず最初の目的地には菅原神社を選んだ。 先程の放送では、菅原神社と鎌石村役場の2箇所に支給品が置かれるとの事。 エルネスト達が居た場所はD-2北部の辺り。そこからは菅原神社も鎌石村役場も、どちらも近く、同じような距離だった。 ロキは考える。 では、奴等は支給品を取りに行くだろうか? おそらく行くだろう。敵に対処する場合、戦うにせよ身を守るにせよアイテムは多いに越した事はないのだから。 逆に、近くに有るアイテムを取りに行かない理由の方が考え付かない。 そして支給品を入手した後は、おそらくフェイトの足の治療をする為、村に留まるはずだ。 では、奴等はどちらに行くか? 先程ロキは、フェイト達と情報交換をした時、奴等には『鎌石村では死体をゴロゴロ見たから危険だ』と、適当な事を教えた。 しかし、自分達を拷問しようとしたロキが教えた事を、今も馬鹿正直に信じている奴は居ないだろう。 その時のフェイト達3人の話からすると、奴等は平瀬村で強敵に出くわし逃げてきたようだ。 普通に考えれば平瀬村には近づかないと思われ、この2点のみから推測すると『奴等の行く先は鎌石村』となる。 だが、奴等には今ブラムスが味方についている。 ブラムスが居る今、奴等が多少の危険を冒してでも平瀬村に戻る可能性は0ではない。 むしろ、マーダーは見過ごす訳にはいかない、などというお約束の正義感を振りかざし、 その強敵の退治をブラムスに依頼する事も考えられ、その場合は平瀬村に向かう可能性は高いと思われる。 その強敵と言うのがさっきの「炎の男」(確かミカエルと名乗っていた。放送でも呼ばれていた)の事だった場合、 既に倒しているのだから、なおさら平瀬村側に向かうのを躊躇する理由は無い。 つまり結論は『どちらに行くか分からない』だ。 どちらに行っても、どちらに行かなくても、全く不思議ではない。 ならば近い方から潰していこう。 もし、奴等の言う「強敵」とやらがまだ平瀬村に居て自分に襲いかかってきても殺せば良い。 そうロキは結論付けた。 (ただ、1つ分からないんだよな。何でこいつは主催側の駒のくせにこんな弱いんだ?) 先程のブレアの不意打ちから判断すると、ブレアの身体能力はルシファーに送り込まれた駒にしては非情に低い。 ヴァルハラで見たレナスのエインフェリア達だってもっと良い動きをしていた。 単純比較すれば、ブレアはエインフェリア以下、つまり兵士でもない普通の人間程度の力しかない事になる。 ルシファーはロキの能力すら制限出来る相手だし、ブレアを強くする事くらいは簡単だっただろうに、 何故それをしなかったのだろうか?送り込むなら念の為にそれなりの能力を持たせておいても良さそうなものだが。 (まあそんなことは別に良いか。オッサン達を殺す時にはスタンガンでも持たせておけば用は足りるだろうし) ロキは気にしない事にした。どうせ直接対決させるのではなく暗殺させるのだから、ブレアが弱くてもそんなに関係ない。 それより、今はブレアの歩くペースの方が気になってきていた。 「だから遅いって。もっとキビキビ歩けよ」 歩くペースの遅いブレアに少しイラつき始めたロキは、ブレアの背中を押すように蹴った。 ブレアは「くっ」と呻き前方によろめくが、それでも振り返る事も歩みを止める事もしない。 「ほらほら、文句が有るなら言ってみなよ?」 そう言い、ロキはブレアを蹴りながら歩き始めた。 本当なら槍をブレアの背中に突きつけ「俺より走るのが遅かったら刺さっちゃうぞ~」などと ブレアをからかいながら走りたかったが、流石にそんな状況を他の参加者に見られると面倒な事になるので自粛している。 「冗談」や「イチャついていた」では通らないだろう。 (おっと、蹴ってるの見られても同じか?) 「ハハハ」 至極当然の事に気付いて思わず声を出して笑ってしまった。 ロキが突然笑い出しても、やはりブレアは振り向かない。 「…全く愛想の悪い奴だな。いや、感情表現が乏しいのか?」 嫌味を言ってみる。だがブレアはこれにも無反応だった。 ロキは蹴るのは止める事にして、ブレアを手で突いて押して歩く事にした。 到着までにどうにかリアクション取らせてみたいな、などと当初の目的とは微妙にズレた事を考えながら。 ブレアは意地や細やかな反抗をする為にロキを無視しているのでは無い。 ロキに支配されているこの状況をどうにか打開出来ないか、それを考えているのでロキの戯言など無視していた。 遅く歩いているのもわざとだ。考える時間は多い方が良い。 例え蹴り続けられる、押され続けられる屈辱を味わわせられ、いらついてノイズが大きくなろうとも。 (何か…何か有るはずよ…このクソったれをブチ殺せる手が何か…) 頭の中で響いている、チャンネルの合わないラジオのような雑音に邪魔されながらも ブレアは思いつく限りの対策を歩きながらシミュレートしていた。 〔戦う〕→〔殺される〕→『Error,Error,Error』 〔逃げ出す〕→〔ブレアがマーダーだと広められる〕or〔殺される〕→『Error,Error,Error』 〔従い続ける〕→〔用済みになれば殺される〕→『Error,Error,Error』 〔etc.etc.etc…〕→『Error,Error,Error…』 だが、今ブレアが考え得る全ての対抗策をシミュレートしても、ブレアの望む答えは得られない。 戦うにしても、このブレアの身体には戦闘能力は無く、武器の類は全てロキに抑えられている。 相手は参加者の中でもトップクラスの戦闘力を持つ男。勝ち目は0%だ。 ロキから逃げ出せるとも思えない。 逃げおおせたとしても、ブレアに都合の悪い話を広められ、 結局身動きが取れなくなり、今後は何も出来ずに終わってしまう事に成りかねない。 では従い続ければ良いのか。エルネスト、クラースを殺し、フェイトに取り入る… いや、仲間を殺す人間をあのフェイト・ラインゴッドが許す訳がないし、 そもそも用が無くなれば、同時にロキがブレアを生かしておく必要も無くなる。 まず、間違いなく殺されるだろう。 八方塞がりとは正にこの事だった。 現状を打開し、ブレアが自由を得るにはロキを殺す以外に手はないだろう。だが、その為の手段が何も無い。 (直接的な手段はダメね…何か対策を考えないと…) そう思い立ったブレアは、対策のヒントとなるような情報を探す為、この島に来てからの出来事全てを思い返す事にした。 彼女の頭の中にはこの島で自分が体験した事全てが、録画された映像のように正確に『記録』されている。 例えば、自分と居る時にレザードが話していた事は勿論、エイミがパンを食べながら噎せて咳をした回数等も全て記録されている。 その『記録』はブレアが思い返そうとすれば、いつでも思い返せるのだ。 ブレアはそれらの『記録』を全て掘り起こした。 スタート地点から現在に至るまでの膨大な情報量がブレアの脳裏を駆け巡る。 (何でも良いの。何か使える情報は無い? チラリと視界に入った物、ごく僅かながら聞こえてきた音、漂ってきた匂い、誰かが話していた事、何でも良い。 この状況を打開するヒントが何か無いの?) 〔スタート地点の断崖絶壁〕――『Nothing』 〔今までの移動中〕――『Nothing』 〔レザード、エイミと行動を共にした時〕――『Nothing』 〔エイミにグールパウダーを飲ませた時〕――『Nothing』 (この際どんな些細な事でも良い。何か1つでも。何か。何か) 〔ガウェインと取引をした時〕――『Nothing』 〔クロードと出会った時〕――『Nothing』 〔ロキと会話をした時〕―― (何てこと…可能性が1つ有ったじゃない) あまり思い出したくなかったロキとの会話を全て掘り返し、ブレアは見つけた。 というより、最初からロキは言っていたではないか。 『厄介な奴の相手をしてね。命からがら逃げてきたけどこのザマさ』 (このクソったれは誰かに敗北して逃げてきたのよ!…それは誰なの!?) ロキの顔面はみっともないくらいに腫れていた。『命からがら逃げてきた』という言葉は嘘では無いだろう。 それなら、ロキは誰から逃げてきたのか。 先程ロキは、ブレアにこのような作戦を伝えた。 『フェイトのパーティに潜り込み、三つ目と帽子を被った刺青の2人の男を暗殺しろ』 ブレアはこの島に入る前に事前に与えられた情報を検索する。 現在生き残っている参加者で、三つ目の男と言うのは「エルネスト・レヴィード」、 帽子を被った刺青の男とは「クラース・F・レスター」の事だろうが、ロキが彼らに敗北したとはとても思えない。 この2人、いや、フェイト・ラインゴッドも入れれば3人だが、確かに彼らは相当な実力者達だ。 だが、ロキは彼らを遥かに上回る戦闘能力を持っている。 能力を制限されているとはいえ、ロキの戦闘能力ならば、彼らとの1対3の戦いでも勝つのは容易のはずだ。 それでもロキは敗北した。何故か? エルネスト達の支給品が強力だったのか。それともエルネスト達の策にハマったのだろうか。 いや、そのどちらだとしても、体勢を立て直した今ならそれを警戒して再び襲い掛かれば良いだけの事。 そうしないでブレアを利用した暗殺計画を立てているという事は、 おそらくはフェイトのパーティには、ロキ1人では勝てない他の何者かが居るのだ。 (…現在の生き残りでこのクソったれに勝てそうな人物と言えば…) ブレアは再び事前情報を検索した。そして、答えはすぐに導き出される。 (ブラムス!不死者の王ブラムスがフェイト・ラインゴッドのパーティに居るのよ! ヴァルハラを統治するオーディンに匹敵する実力を持つと言われるブラムスならロキに勝てる!) 打開策、つまりロキを殺す手段の取っ掛かりがようやく見つかった。 その希望がブレアのノイズをやや治め、足取りをほんの僅か軽くさせた。 「ん?何だい?やる気出てきたのかな?」 それにロキが目ざとく気付き、話しかけてきた。 いや、先程からロキはずっとブレアを突いて押し続け、独り言のように喋り続けていたが、 ブレアはどちらも無視し続けていたのだ。 (いちいちイラつかせる男ね…) 当然、これも無視だ。 まだ、考えるべき問題は残っているのだから。 ブレアの意識は思考に戻る。 (『ブラムスを利用して、ロキを殺す』…私がロキから解放され、自由を得る為にはこの方法しか無い。なら具体的には…) まずはロキの作戦と同じく、ブラムスの居るフェイトのパーティに取り入らなくてはならないが、これは問題無い。 フェイトならブレアを信用し、仲間として受け入れてくれるだろう。 そして、フェイト達に取り入ったらすぐに、 『自分がロキに脅され、エルネストとクラースの暗殺を強要されている事』 『ロキがすぐ側で自分を監視している事』 この2つを打ち明け、フェイト達と一緒にロキを倒す作戦を立てれば良い。 ロキの作戦である『エルネスト、クラース両名の暗殺』は、力の無いブレアが行うには暗殺のタイミングを見計らなくてはならず、 パーティに潜入してすぐ、という訳には行かない事はロキにだって分かっているだろう。 つまり、ロキに疑われずに、フェイト達がロキを倒す作戦を練る時間は充分に出来るという事だ。 (ここまでは何の障害も無いわ。問題なのはフェイト達がロキと戦闘する事になった時よ) いざ戦闘となれば、ロキはブレアの裏切りに気付き、フェイト達に『ブレアは偽者だ』とばらすだろう。 それでもフェイトはロキの言う事など信じないかもしれない。 いや、正確には信じないようにする、と言うだけで、心の何処かにブレアへの疑惑を持たれ続けるのは避けられない。 フェイトはかつての冒険でIMITATIVEブレアと遭遇し、その存在を知っているのだ。 その為、ロキに『ブレアは偽者だ』と教えられれば、誰よりも簡単にそれを受け入れてもおかしくはない。 つまり、ブラムスがロキを殺したとしてもブレアはフェイトに疑われ続けてしまい、 先程のシミュレートの結果通りに身動きが取れなくなってしまう。 しかし、ロキを殺すにはブラムスの力を利用するしか方法は無いし、ロキを殺さなくては、どの道ブレアは終わりなのだ。 (なら…フェイト・ラインゴッドにばらされるのを前提で、それを誤魔化す方法は…) ブレアはもう1度『記録』を検索する。 今度はフェイトを言いくるめる、もしくは誤魔化す方法だ。 再びスタート地点から現在に至るまでの膨大な情報量が脳裏を駆け巡り、 〔スタート地点の断崖絶壁〕――『Nothing』 〔今までの移動中〕――『Nothing』 〔レザード、エイミと行動を共にした時〕――『Nothing』 〔エイミにグールパウダーを飲ませた時〕――『Nothing』 〔ガウェインと取引をした時〕――『Nothing』 〔クロードと出会った時〕――『Nothing』 〔ロキと会話をした時〕―― そして先程と同様、ロキとの会話で1つ引っかかる。 『――タチヲタスケタブレア」トハベツジンダト思うよ。本物だとしても操られているか――』 『本物だとしても操られている』 (…これは…使えるかしら…?) つまり今のブレアは『エターナルスフィア内に入っている本物のブレアがルシファーに操られている』という設定にするのだ。 この設定をフェイトに伝えれば、身動きは取りにくくなるという点は同じだが、 単純に偽者である事がばれるよりは遥かに扱いが変わってくるだろう。 ブレアが『操られている本物』であるにしても『偽者』であるにしても、ルシファー側の人物である事に違いは無い。 そして、その『ルシファー側の人物』の役割は、殺し合いを円滑に進行させる事、と言うのは誰でも簡単に想像出来るだろう。 そうすると、ブレアが『偽者』である事がばれた場合、拘束されるだけならまだしも、最悪殺される事も充分有り得る。 だが『本物が操られている』のだったら? 本物のブレアと面識の無い参加者なら、念の為に殺しておこうと考えても仕方ないかもしれないが、 かつてブレアに助けられた事の有るフェイト・ラインゴッドなら、どうにかブレアを救う手段を探そうとするのではないだろうか。 そして、そこには付け入る隙も生まれるのではないだろうか。 (自由には動けなくなるけど、ロキに従わさせられている現状よりはまだマシね…やるしかないわ!) ただ、ここで更に問題なのは「ブレアが操られている」事を伝える方法である。 操られている者が操られている事を伝えるなど不自然極まりない。 (古風な手だけど…走り書きのメモをデイバッグに忍ばせておく…なんて手かしらね) つまり、自分はルシファーに操られているから警戒しろ、という内容のメモを自分のデイバッグに隠すように入れておくのだ。 メモには、僅かな時間だがブレアが自分の意識を取り戻した時に書いた、と言う設定を一緒に書いておけば良いだろう。 仲間になる際に、フェイトに所持品を検査させてそれを見つけてもらえればきっと上手くいく。 (後はそのメモをいつ書くか…これもまた古風な手だけど用足しに行く振りでもして…) そこまで考えた時、ロキの声が耳に入ってきた。 「――ルシファーって奴も馬鹿だよな?お前みたいな役立たずを送り込むなんてさ」 (何…だと!?…こいつ…) 『ルシファー』と言う単語にブレアは反応してしまい、ついロキの方へ振り向きかけてしまう。 「おっと?反応アリかな?ふ~ん『ルシファー』か。 敬愛する『ルシファー様』を馬鹿にされてムカついたのか?」 ロキは楽しそうに話す。 「でもそうだろ?ブレアなんて知らない俺にだって、お前が偽者だって事はすぐに看破出来たんだ。 簡単に見抜かれたお前は無能。そんな無能を送り込むルシファーもまた無能って事さ。 フレイアだってもっとマシな作戦を取るよ。そうは思わないか?」 実に楽しそうな口調だ。きっとこの男は人を見下す時が一番好きなのだろう。 (…くっ…今の内にせいぜい調子に乗っていなさい… 貴様の目的のフェイト達を見つけた時こそが、貴様の死ぬ時なのだからね!) 自分の産みの親であるルシファー。 その彼をプログラムごときにバカにされるのは許せる事ではないが、今は耐える時だ。 (でも、残念ね。貴様は私が直接殺してやりたかったのに。 出来る事なら私自身が切り刻んでやりたかった。 手足を切り落とし、動けない無様な姿を笑ってやりたかった。 喉を切り裂き、そこからそのよく動く舌を引っこ抜いてやりたかった。 動けず喋れもしない貴様に、対策のヒントをくれたのは他ならぬ貴様自身なのだと言い放ってやりたかった。 でも、ブラムスに殺させるのではそれも出来ないわね…とても残念だわ) しかし“残念”という言葉とは裏腹に、ブレアは内心では笑っていた。 直接手を下す事は出来ないが、ロキが死ぬ瞬間を想像すると酷薄な笑いが表情にも出てしまいそうだ。 だが、表情に出してしまえばロキに怪しまれる。これも耐えなくては。 怒りにも喜びにも耐えて、ブレアは黙って、無表情で、暗く静かなエリアをただ歩く。 ロキの目的、そしてブレアの目的ともなったブラムスとフェイトを目指して。 先程までブレアに生じていたノイズは、今はもう殆ど治まっていた。 【F-3/深夜】 【IMITATIVEブレア】[MP残量:100%] [状態:体にやや痺れ ノイズは治まり気味 ロキに対する怒りと同時に、ロキを殺せる希望を見つけた事に対する喜びを併せ持つ] [装備:無し] [道具:荷物一式] [行動方針:参加者に出来る限り苦痛を与える。優勝はどうでもいい] [思考1:フェイト、ブラムスに接触、利用しロキを殺させる] [思考2:ロキがフェイトにブレアの正体をばらした場合に備えておく] [思考3:レザードがマーダーだと広める] [思考4:無差別な殺害はせずに、集団に入り込み内部崩壊や気持ちが揺れてる人間の後押しに重点を置き行動] [思考5:レナの死をクロードが知った場合クロードをマーダーに仕立て上げる(その場にいたら)] [備考1:※ルシオ、ルーファス、クリフの特徴を聞きました。 名前は聞いていませんが、前もって人物情報を聞かされているので特定しています] [備考2:フェイト達に会うまでは保身を優先し、誤情報を広めるつもりはありません] [備考3:クロードの持ち物で存在を知らないのは「昂魔の鏡」「首輪探知機」の2つです] 【ロキ】[MP残量:90%] [状態:自転車マスターLv4(ドリフトをマスター) 顔面に大きな痣&傷多数 顎関節脱臼(やや痛むが何とか修復完了)] [装備:グーングニル3@TOP、パラライズボルト〔単発:麻痺〕〔50〕〔90/100〕@SO3] [道具:10フォル@SO、ファルシオン@VP2、空き瓶@RS、スタンガン、ザイル、ボーリング玉、拡声器@現実世界、万能包丁@SO3、首輪、荷物一式×2] [行動方針:ゲームの破壊] [思考1:ブレアを使ってクラース、エルネストを殺害] [思考2:1を実行後、ブラムスとフェイトを味方に付ける。出来なかった場合は…?] [思考3:ブレアは用が済んだら殺しとく] [思考4:まずは近い平瀬村から調べる] [思考5:見つけ次第ルシオの殺害] [思考6:首輪を外す方法を考える] [思考7:一応ドラゴンオーブを探してみる(有るとは思ってない)] [思考8:できれば自転車取り返したいなー] [備考1:顎を治しましたが、後2時間位は長い呪文詠唱などをすると痛みが走るかもしれません] [備考2:自分をフルボッコにした相手はブラムスと特定しています] [備考3:レザードは多分殺し合いには乗っていないだろうと予測(マーダーであるブレアが殺したがっているから)] [現在位置:F-03北部] 【残り21人+α?】 ---- [[第113話>頼れる相棒,守るべき妻子,愛しき女神の元へ (前編)]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第115話>君が呼ぶ 哀しみのシュラオベ]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |[[第109話>偽者だとばれたら負けかなと思ってる]]|IMITATIVEブレア|―| |[[第109話>偽者だとばれたら負けかなと思ってる]]|ロキ|―|