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コイントス - (2007/01/22 (月) 22:32:31) の編集履歴(バックアップ)


気が付くと、ロキは先ほどの無機質な空間とは明らかに違う場所に居た。
木造の何処か古臭い感じのする建物。
相当痛んでいるようで、天井から所々陽光が差し込んでいる。
「転移させられたのか……下等生物の割りにはやるじゃないか」
面白くなさそうに呟く。
自分より格下と思っていた存在ににしてやられたのだ当然だろう。
ふと足下を見ると鞄が一つ放置されていた。
おそらくコレが主催者の言っていた支給品なのだろう。
「ふん、俺には必要無いものだ――」
ドラゴンオーブが有る今の自分には主催者が用意した武具など必要ない。
そう考えたロキであったが、そこで異変に気づいた。
隠し持っていたドラゴンオーブが無い。
このゲームでは、参加者は私物を持ち込めない。
それはロキのドラゴンオーブも例外ではなかった。
「ちっ!」
ロキは鞄の中身を確認し、舌打ちした。
一応支給品を確かめては見たが、中にはドラゴンオーブどころか、武器すら入っていなかったのだ。

ロキは思考する。
武器の事はひとまず置いておき、これからの行動方針を考えていた。
“自分をくだらない事に巻き込んだ愚か者を始末する”それがロキの最終目的だ。
これには、二通りの道が有る。
一つは、このゲームに勝ち主催者の元へ向かう道。
もう一つは、このゲームを破壊して主催者の元へ向かう道。
“ゲームに勝つ”単純かつ確実な方法だ。
だが、主催者の思惑に乗るの事になる。
それが面白くない。
なら、“ゲームを破壊”すればいい。
だが、これは険しい上に不確実な方法だろう。
ロキは柄にもなく悩んでいた。
しばらく悩んでからロキは有る事を思いつき、懐から先ほど確認した支給品の一つを取り出す。
「たまにはこんなのも悪くないだろう」
そう言うと支給品である貨幣を手に持ち。
「表ならゲームに乗る、裏ならゲームを破壊」
コイントスを行った――――
――コイントスの結果を確認すると、ロキはもう一つの支給品であるママチャリを持ち上げ外に出る。
行動方針は決まった。ならここに止まる道理は無い。
支給品を確認した時に、ロキはママチャリが乗り物で有る事を確認していた。
荷物を前のカゴに入れママチャリに跨る。
そして、何故かペダルをこがないままふらふらと僅かに前へ進んだ後……
「く……のあッ!」
地味に転倒。
どうやら最後までマニュアルを読んでいなかったようだ。
慌ててマニュアルを読み返すロキ。これにはロキも思わず苦笑い。


そして数時間後、そこには華麗にママチャリを乗り回すロキの姿があった。

【C-06/午前】
【ロキ】[MP残量:100%]
[状態:正常・自転車マスター]
[装備:ママチャリ@現実世界]
[道具:10フォル@SO・荷物一式]
[行動方針:???]
[思考:ドラゴンオーブを探す]
[現在位置:観音堂周辺]


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ロキ