AAAキャラバトルロワイアル @ ウィキ内検索 / 「目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない」で検索した結果

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  • 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない
    第93話 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない 二回目の放送が終わってから一時間程経過した頃には、プリシスとアリューゼは目的地である氷川村に到着していた。 道中、放送を聞く為に立ち止まることもあったが、それ以外には特に問題も起こらず順調に進んでいる。 強いて問題を挙げるとしたら、二人とも放送で知り合いの名が呼ばれたことにより、口数がちょっとだけ減ったくらいである。 「少しいいか?」 アリューゼは背負っていたデイパックを地面に下ろしながら呟いた。 ランタンを取り出して火を灯す。この手の道具の扱いには慣れているのか、作業は本当に少しで終了した。 「へ~、見かけによらず器用なんだ。でもさぁ、別に明かりは必要なくない?」 辺りは暗くなってはいるものの、別に彼らは明るい場所から急に暗い場所へ行った訳ではない。既にこの暗さに目が慣れている。 お...
  • ◆MJv.H0/MJQ
    ...CROSS 093 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない 【氏が書かれたキャラ】 キャラ名 登場回数 アシュトン、レオン 3回 レナ、プリシス、ディアス、エルネスト、アルベル、ノートン、アリューゼ、クラース 2回 クロード、セリーヌ、ボーマン、ノエル、チサト、ミカエル、ガブリエル、フェイト、ソフィア、ロジャー、ビウィグ、レナス、レザード、メルティーナ、ルシオ、洵、ロウファ、ロキ、フレイ、ブラムス、ジャック、ガルヴァドス、チェスター、アーチェ、すず、ダオス、ジェストーナ 1回 このロワに於ける主力書き手の中でも、ぶっちぎりの投下数を誇る。選択肢の多いバトンを渡すのが上手く、また自身も渡されたバトンをしっかりと受け取る事ができる等リレーSSを非常に熟知している事が見受けられる。バトル、繋ぎ、ギャグ、考察と何でもござれなお方。また、氏を語る上で外せないのが...
  • SSタイトル元ネタ
    ...夜を往く』 093 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない Janne Da Arcの曲『explosion』の歌詞『目障りなら“壊せばいい” これ以外やり方を知らない』 094 もしも願いが叶うなら 下川みくにの楽曲『If ~もしも願いが叶うなら~』TBS系列で放送されたドラマ『もしも願いが叶うなら』他、同タイトルの楽曲などが多数見つかりました。どれから取ったものか、もしくは元ネタなしなのかはこれを書いてる人間には分からな(ry 099 もの言わぬ友よ(前編)もの言わぬ友よ(後編) 『サクラ大戦~熱き血潮に~』の第6話サブタイトル。「熱き血潮に」は初代「サクラ大戦」のリメイクだが、初代にはこのエピソードがない。ヒロインの一人である李紅蘭のエピソードは制作スタッフが忘れてたために一作目には無かったが、リメイクで付け加えられた。しかもこの話が原因の一つとしてリメイク版はク●...
  • 作中時間順目次
    ...H0/MJQ 93 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない アルベル、ディアス、レオン、レナ、ガブリエル、プリシス、アリューゼ ◆MJv.H0/MJQ 1日目 夜中 NO. タイトル 登場人物 作者 94 もしも願いが叶うなら クロード、アーチェ、クレス、マリア、チェスター ◆Zp1p5F0JNw 95 カタストロフィーは想いとは裏腹に リドリー ◆O4VWua9pzs 96 天才(変態)が欲するモノ レナス、レザード、ソフィア、クリフ、ルーファス、すず ◆yHjSlOJmms 97 不協和音 (1)不協和音 (2)不協和音 (3)不協和音 (4) クロード、アシュトン、チェスター、マリア、クレス、ボーマン ◆wKs3a28q6Q 99 もの言わぬ友よ(前編)もの言わぬ友よ(後編) ディアス、ガブリエル、アルベル、アリューゼ、プリシス ◆yHjSlOJmms 100...
  • 本編SS目次
    ...H0/MJQ 93 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない アルベル、ディアス、レオン、レナ、ガブリエル、プリシス、アリューゼ 夜 ◆MJv.H0/MJQ 94 もしも願いが叶うなら クロード、アーチェ、クレス、マリア、チェスター 夜中 ◆Zp1p5F0JNw 95 カタストロフィーは想いとは裏腹に リドリー 夜中 ◆O4VWua9pzs 96 天才(変態)が欲するモノ レナス、レザード、ソフィア、クリフ、ルーファス、すず 夜中 ◆yHjSlOJmms 97 不協和音 (1)不協和音 (2)不協和音 (3)不協和音 (4) クロード、アシュトン、チェスター、マリア、クレス、ボーマン 夜中 ◆wKs3a28q6Q 98 光の勇者ジョーカーを引く クロード、IMITATIVEブレア 真夜中 ◆yHjSlOJmms 99 もの言わぬ友よ(前編)もの言わぬ友よ(後編) ディアス、...
  • 渇いた叫び
    第53話 渇いた叫び もうやだ疲れた。足が痛い。 それが箒を失い久々に自身の脚での移動を強いられることとなったハーフエルフの率直な感想だった。 同行する男――確かジャック・ラッセルと名乗った――のせいで出発までに時間を取られたため、未だに山頂には辿り着かない。 それどころか未だに分かれ道すら見えてこないのだ。せいぜいH-05かG-05なのだろう。 I-05の分かれ道を経由し道伝いになんか来ないで野山を突っ切ればよかったと少しばかり後悔した。 道中交わした会話がジャックの過去話オンリーだったことも退屈した原因かもしれない。 仲間の特徴やら共に戦った過去を話したい気持ちもわかるけど、ちょーっと女の子への気遣いってもんが足りないんじゃないの? 「……ねぇ、ちょっと見張っててくれない?」 足を止めジャックに言う。無論、返事も待たずに邪魔臭い拡声器を押し付けながら。 「こ...
  • 天才に涙はいらない
    第62話 天才に涙はいらない 僕は天才だ。完膚なきまでに天才だ。 かつてクロードお兄ちゃん達と冒険を始めるまでは“ただ頭がいいだけのクソガキ”だった、それは認める。 だけど今の僕は――あの冒険を終えた後の僕は“心の弱さ”を克服し、冷静な判断力とどんな事態にも動じない鋼の心を手に入れた。 まさに真の天才。僕の瞳にはダイヤモンドのように固い決意をもつ「気高さ」が宿っていることだろう。 『――レイ、ノエル・チャンドラー、ロウ――』 だから、これぐらいで動じちゃいけない。 仲間がし――居なくなることは、最初の放送までに何も出来なかった段階で覚悟しておくべきことのひとつだった。 だから僕は動じない。動じるわけにはいかない。 今僕が死んだら、今首輪の秘密に気付いた僕が死んだら、誰一人助からなくなってしまう。 みんなを救うためにも、僕は泣いたらいけな...
  • 第三回放送
    第106話 第三回放送 黒い闇に包まれた夜空に、主催者ルシファーの姿が浮かび上がる。 もはや驚く者はいないだろう。 幸か不幸か、参加者達もこの異常な状況に適応してきてしまっていた。 そんな人々の状態を知ってか否か。ルシファーは神経を逆撫でるかの如く、心底愉快そうに放送を開始した。 「ククク…ご機嫌いかがかな、諸君? 今放送を聞いている者は、このゲームの一日目を無事乗り切ったという事になるな。おめでとう。 二日目も、これまで以上に殺戮に励んで頑張って生き延びて貰いたい。期待しているぞ。 また放送の最後には、一つ朗報を発表してやろう。ありがたく思うがいい。 では、恒例の死亡者の発表から行おう…。 『ミラージュ・コースト』 『ガルヴァドス』 『チサト・マディソン』 『ジャック・ラッセル』 『アーチェ・クライン』 『藤林すず』 『ルーファス』 『ア...
  • LIVE A LIVE
    第66話 LIVE A LIVE 「あ、村だ…」 森の中を歩くこと数時間、レナとディアスの二人は氷川村へと到着した。 「村だったら他の人もたくさん来るだろうし、クロード達もいるかもしれないね!」 「ああ、そうだな…」 村には恐らく人が集まる、故に知り合うと会う可能性も高い…基本的にはそういう思考でディアスは村を訪れた。 だが、知り合いを捜す目的は共に行動する為では無い。 (レナを…共に連れて行くわけにはいかない) 彼が知り合いを探す目的は、レナを『信頼できる人物に託す』事である。 勿論レナといる現在は、彼女の保護を最優先として行動するつもりだ。 しかし彼の真の目的は、この殺し合いというゲームに乗った者を始末する事。 自衛の時のみ戦うというつもりは無い。ゲームに乗っている人物…即ち『マーダー』がいたら、自ら戦いを挑み、殺すつもりだ。 ...
  • 境界線上のフェイト
    第141話 境界線上のフェイト 「嘘、だろ……?」 親友。 チェスター・バークライトにとって、クレス・アルベインとはそのようなカテゴリーに入る人物であった。 ダオスを倒す旅の仲間達の中でも、旅に出る以前からの仲であった。 そんな唯一無二の親友が、死んだ。 「おいおい、冗談キツイって。勘弁してくれよ」 この島でも無事に会えて。アーチェの死をきっかけに仲違いして。 それでも、お互いにまた会えると信じていた。 クレスがチェスターはきっと戻ってくると、マリアに喋っていたように。 チェスターが口に出しこそしないが、いつかまた一緒に戦えるだろうと考えていたように。 二人でルシファーに立ち向かう未来を夢見ていた。 「やめろよ、やめてくれよ……」 改めて、気づいてしまったのだ。 チェスターにとって、クレスは――。 「どうして、死んじまう...
  • 天才(変態)が欲するモノ
    第96話 天才(変態)が欲するモノ あれからどれくらいの時間がたっただろうか、レザードが用意したソフィアの術の取得は遅々として進まず、いたずらに時間だけが過ぎていた。 言われたように熱心に移送方陣の取得に取り組むソフィアだったがそもそも、レザードが扱う術と紋章術の形式が違う。 それを一から学ぼうと言うのにはたかが数時間では短すぎた。 現在レナスはこの観音堂の入り口で見張りを行っている。 時折レザードがソフィアを罵倒する声が聞こえてくるだけで静かな物だ。 そんな中レナスは焦っていた。既に参加者の1/3以上が死亡している中で、自分はまだ誰とも刃を交えていない。 戦い自体しないに越した事はないのだが、主催の言いなりになった人間を止めるつもりでいる自分が1度も戦闘を行っていないのはなんとも歯がゆい。 せめて何か情報が仕入れることができるかもしれないと思い、これから起きる惨劇で死に...
  • 別れ
    第50話 別れ 「はぁはぁ・・・・ここまでくればもう大丈夫だな。」 ルーファスは道の脇の林の中に入ってソフィアを降ろした。 「すいません。助けていただいてありがとうございました。」 ソフィアは降ろされて正座を崩したような座り方をしながら御礼を言った。 「あーいいっていいって、それよりこの林で少し休もうぜ。」 ルーファスもソフィアを降ろすと少しダルそうに座った、 ルーファスはソフィアを抱えてシンから逃げ出して、これからの事を考えていた。 アリーシャを優勝させるためには周りの人間を殺すしかないのだが、ソフィアをこのまま 一人置いていったり殺してしまう行動を取るのもなんだか気が向かなかった。 (あー・・・・どうしたもんかねぇ・・・・。) 「あの・・・・お名前を伺ってもよろしいですか?」 ソフィアは少し顔を覗き込むように目を合わせながら名前を聞いた。 「お?俺はルーファ...
  • ある男の思考
    第29話 ある男の思考 (……さて、これからどうしたものか) 戦場でこの私に挑んできた、まだそれほど年を経てない小僧どもを相手にしばらく遊んでやり、 必死になって向かってくる奴等に、 圧倒的な力量の差というものを分からせてやるために、いざ、本気で相手をしてやらん。 といったところで、急に空から落ちてくる圧倒的な光の渦に包まれて……… (駄目だ、以降の記憶がどうしても思いだせん――) 気がつけば武器は無く愛竜もおらず、異様な広間にて怪しい奴に互いに殺しあえと言われる始末。 まったく、訳が分からん。 とはいえ分からないことを延々と考えていても仕方がないので まずは怪しい奴から渡されたバッグの中身を確認することにする。 ふむ、これは……ピアスと、水、それになにやら透明な鈍器……?、といったところか。 容器に入った水はミトラの聖水というもので不死者とやらによく効くらしい。...
  • 夢は終わらない(ただし悪夢)(前編)
    第121話 夢は終わらない(ただし悪夢)(前編) 「夜は姿が見えにくいから、気合を入れナイトいけないな……」 まだ暗い夜の闇を見つめながら、クレス・アルベインは一人呟く。 夜の見張りにはかつての冒険で慣れてはいたが、立派な建造物の外で単身見張りの任に就くのはほとんど初めてのことだった。 家を取り囲む立派な塀のせいで視界が若干狭いのだが、塀の外に出ても暗すぎてよく見えないだろうと考え扉のすぐ近くで見張りをしている。 『見えもしないのに下手に見晴らしのいい場所に出て、不意打ち喰らって死にました』では洒落にもならない。 自分が暗闇で遠くが見えないからといって、他の参加者までそうであるとは限らないのだから。 双眼鏡の類が支給されている可能性もあるのだし、楽観は出来まい。 相手にはこちらを遠距離から確認する方法があるという前提でいるべきだろう。 自分が死んだら眠っ...
  • 断ち切る思い
    第75話 断ち切る思い 『さて、次の放送は6時間後の午後6時だ…』 耳障りなルシファーの声でミラージュは目を覚ました。 慌てて放送を聞こうとしたが、もう遅い。 既に死亡者や禁止エリアの発表は終わってしまっていた。 『…では、これで放送は終了する』 「私とした事が…たるんでいましたね」 窓から外を見て辺りを伺った。 恐らくあの時気絶させられてから、ずっと寝ていたのだろう。 ガンツは無事なのだろうか?自分の荷物が無くなっていた事からするに、彼も無事で済んだとは思えない。 ただ自分がこうして生きているのだから、ガンツも生きているかもしれない。 窓から見る限り周囲に危険は無さそうだ。安全を確認したミラージュは外へ出ることにした。 太陽は既に空の真上に来ていた。 荷物を失ったのはともかく、放送を聞き逃したのは大きな痛手だ。 (クリフもマリアも、そしてフェ...
  • 不協和音 (4)
    第97話 不協和音 (4) 迂闊だった。バーニィシューズという強力なカードを手に入れたせいで、楽観的になっていた。 少し考えれば分かることじゃないか。何故この事に思い至らなかったのか。 『秘仙丹を飲み爆死した友人を見て怒りに駆られたチェスターが、俺と出会った場所まで復讐を果たすためにやってくる』 ホテルに戻らなければ簡単に避けれたはずの些細なトラブル。 だが、遭遇してしまった“些細なトラブル”は“何としても崩さねばならない高い壁”へと切り替わる。 奴は情報を握っている。俺が殺し合いに乗ったという情報を。 その情報は、スタンスを偽り殺し合う気のない者の中に潜伏することを不可能にする最悪のカード。 これを使われると話が通じるかどうか怪しい殺し合う気の者のみとしか手を組めなくなる。 ただでさえ少ないカードをこれ以上減らされては堪らない。奴は始末する。今、ここで! (とは言っ...
  • 愛しのヴァルキュリア(;´Д`)ハァハァ
    第22話 愛しのヴァルキュリア(;´Д`)ハァハァ 別に、那々美とは特別仲が良いわけじゃなかった。 それどころか、エインフェリアの中では疎遠な方だったと思う。 酒盛の時も戦闘の時も、私がカシェル達と輪の中心で好き勝手暴れまわるのに対し、那々美は常にあまり目立たぬ後ろの方に居た。 そんなこんなであまり接する機会は無かったけど、那々美のサポートには何度も助けられてる。 自分は飲んでもいなかった酒盛りの後片付けを手伝ってくれたりもした。 だから、会話もほとんどしたことないし、話だって合わないけど―― 那々美は、私の大切な仲間だ。 なのに――なのに私は、那々美を見殺しにしてしまった。 「…………」 苛立ちを乗せ、右の拳を木の幹へと叩き付ける。 ルシファーだとかいういけ好かない奴にもムカついたが、それ以上にみすみす那々美を死なせた自分自身に腹が立った。 那々美を...
  • 不協和音 (2)
    第97話 不協和音 (2) 顔には出さないが、ギョロはめまぐるしく変わる状況に僅かながら混乱していた。 アシュトンがウルルンが叩き起こされた際に見せた表情は、以前のアシュトンのそれだった。 別にアシュトンに人殺しをやめられたら困るからというわけではない。 見ず知らずの人間が死のうが生きようがどうでもいいし、人を殺そうが殺さまいがアシュトンの自由だ。 ギョロにとって問題なのは、アシュトンが自分自身を殺すこと。ただそれだけだ。 アシュトンの命が自分の命と直結しているからではない。 ギョロに取っては短いが、とても濃い時をアシュトンと過ごし、アシュトンの事が好きになったから。 口には出さないが、アシュトンとウルルンとの生活があればギョロは満足だった。 だから別に、アシュトンが殺戮に走った時も「意外だな」と思いつつも特に止めようとは思わなかった。 長々と落ち込まれる方が見ていて...
  • 罪状はDV 判決は死刑
    第114話 罪状はDV 判決は死刑 「行ったようだね。それじゃこっちも行こうか?」 クロードが暗闇に走り去ったのを見届けると、ブレアとロキは歩き始めた。 ロキはブレアに突きつけていたパラライズボルトを下げて、言う。 「一応言っとくけど、下手な真似したらお前の正体ばらして歩くからね、おとなしく歩いてなよ?」 仲間に余計な事を話されると面倒なので突きつけていたが、もう必要無い。 まあ、ブレアとしては逃げたり助けを求めたりしたところで正体を他の参加者にばらされてしまい、 実質殺し合いから脱落する事になるのだから、ロキに従うしかないだろうが。 「おとなしく歩けって言っても、もっと速く歩けよ。  さっきの不意打ちの時も思ったけど、やっぱりウスノロだな、お前」 ブレアは振り向く事もせず、沈黙を守ったまま、歩く速度を少し上げた。 (だんまり、ね。まあどうせこいつからは、まと...
  • 掴んだ1つの希望と2つの絶望?
    第56話 掴んだ1つの希望と2つの絶望? 部屋に立ち込めていた白い煙が徐々に晴れてきた。 オペラは自らの命運をかけた目の前の箱の底を見つめていた。 この箱の仕組みはよくわかっていない。箱の底は何故か見えず奈落の底まで続いているかのような深さだ。 そこに手を伸ばすと一つまた一つと中に入っているアイテムが取り出せる仕組みになっている。 オペラは期待と不安の入り混じる奇妙な感覚に襲われていた。 いやほとんど希望なんて抱いていないのかも知れない。 前回出てきた物が物だっただけに当然である。 それでも今の彼女がすがる事のできる唯一つの光明だ。 扉の外からはこじ開けようとする大きな音が部屋中に響き渡っている。 この音は例えるならオペラに迫る死神の足音に他ならない。 意を決しオペラはもう一度今まで存在を信じたことなかった神に祈りを捧げ箱の底に手を入れた。彼女の手が箱の中にあるもの...
  • 変態と不愉快な中年共
    第127話 変態と不愉快な中年共 俺は目の前の光景に唖然とした。 レザードの野郎が死んでいたクリフを操り始めた事にも驚いたが、そのクリフの繰り出した剛腕の破壊力にも驚いた。 闇夜に響き渡る大音響。 胸に風穴が開いたままフラフラと立っていたクリフが直ぐ傍に生えている木に対して放った右ストレートがもたらした破壊音だ。 素手なのにも関わらず、その一撃は大木と言っても差し支えの無いサイズの立木を軽々とへし折った。 今更ながらぞっとする威力だ。こんな馬鹿げた怪力の持ち主と正面から戦ってよく生き延びれたものだと自分でも思う。 「さて、どうでしょうか? 貴方の目から見てクリフの力に衰えは無かったでしょうか? それとももう何回か試した方がよろしいですか?」 少し離れた位置に立って同じ様にクリフを観察していたレザードが聞いてきた。 「どうって言われてもな…、よく考えたら...
  • AAAロワ辞典
    【AAAロワ辞典】 ロワ内で定期的に出てくる単語やロワ用語、作品ファンの間での通称などの一覧。 ついでに参加者ではないが作中にたびたび出る名前の説明なんかも。 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 あ行 【アッールベル】 変態野郎その3(その1、その2は推して知るべし)ことアルベルの事。 成り行きとはいえ某ネコ耳少年にメイド服を着せて、不覚にも萌えてしまう。 更にそんな少年から「お兄ちゃん」だなんて呼ばれたものだから更にドつぼに。 嗚呼、そんな君の明日はどっちだ? やっぱりアッー!な道なのか!? なお、「アッー」の元ネタは俗に言う『TDN』である。 【アニロワ】 盛況ロワにして、一つの時代を作ったとされる他所のロワ。まとめwikiは こちら 。 AAAロワの同期で、同日(2006年11月7日)に発足している。 スタート自体...
  • 変態仮面、夜を行く
    第90話 変態仮面、夜を行く 太陽が、西の地平線に触れた。 それと時を同じくして、始まったあの放送。 次々と読み上げられてゆく、死者の数。 そしてこれより立ち入りを禁止される領域の発表。 最後に、優勝者に図られる便宜。 それは、聞く者が聞けばまさに死神の鎌の峰で、首筋を撫で上げられるかのごとき恐怖と悲哀をもたらすだろう。 思わず耳を塞ぎたくなる。けれども、聞かずにいることはまず出来ない。 その地獄のような時間は、ちょうど太陽が完全に地平線に没する瞬間まで続いた。 後に残るは、ただ静寂のみ。 そう、それは陳腐な表現ながら、葬儀を終えた後の墓場に残されるかのような――。 誰もがそう思うだろう。 雑木林の茂みの中に安置された、白い棺桶を見たならば。 木漏れ日の切り取る夕焼けの残照も、やがて西の空に引きずられ消え行く中。 その棺桶は、震え出し...
  • 夢は終わらない(ただし悪夢)(後編)
    第121話 夢は終わらない(ただし悪夢)(後編) 「…………………………………………………………………………………………………………  …………………………………………………………………………………………………………  ……………………………………………………………………………………………………え?」 ありえない、理解できない、信じられない。 そんなワードを、目の前の男は口にしている。 「戦ったチェスターの話だと、炎を剣から出して攻撃してくるらしいから気をつけて」 ほとんど何も考えず、感情のままにプリシスは叫んでいた。 「嘘だッッ!!」 派手な音を立て、ソファから立ち上がるプリシス。 その横では、レナが顔面蒼白で言葉を失っている。 尋常ではない二人の様子で、クレスは大体の事情を察した。 「クロードが……ク...
  • 希望を胸に、精一杯生希望(生きよう)(前編)
    第104話 希望を胸に、精一杯生希望(生きよう)(前編) 先程聞こえた2度目の放送で、再び仲間の死を知った。 メルティーナ、夢瑠、エイミ。 あまり交流は多い方ではなかったが、それでも皆いい人だったと思う。 だが――みんなもうこの世にはいない。 おそらく神界で死んだ時と同じように、二度と蘇れはしないだろう。 死んだらエインフェリアに戻るだけ、なんて甘い事があるとは正直思えない。 だからこそ何としてでも生き延び、プラチナと会わなくてはいけないのだ。 根拠はないが、彼女とならこの殺し合いを壊せるような気がしている。 幸いあの後ミカエルに見つかることはなく、俺も洵達も放送で呼ばれずに済んだ。 ならば仲間の死を悼むのは脱出してからすることにして、今は自分に出来ることだけを考えよう。 そうと決まれば、まずは洵達と合流だ。 そう思い、放送のすぐ後でコミュニケーターを手に取...
  • とあるリーダーの戦場
    第129話(前編) とあるリーダーの戦場 「決めたわ。いい、クレス。私達は――――――――」 続く台詞を吐き出すその前に、ほんの一瞬だけ私は躊躇した。手に入れた情報を吟味した結果、これが最良の選択と言えるのか。 今の様な今後を左右する重大な決断を下した事は多々あった。それも自分の命だけではなく、自分を慕って付いてきてくれる多くの仲間の命運をも左右する大きな決断を。 その都度クリフが言うのだ。「まぁ、なるようになるんじゃねえか?」と、 そんな無責任な…等と思っていると決まってミラージュが「あまり楽観視するのは良くありませんが、マリアが決めた事なら私達みんな後悔なんてしませんよ」と私に微笑んで後押しをしてくれた。 それに続いてリーベルやマリエッタ、他のクルー達が口を揃えて「全力を尽くしますよ。リーダーが望んだ結果を手に入れる為にね」と言ってくれた。 今の自分の傍にはそんな...
  • 最後の良心?
    第70話 最後の良心? 「13人…か」 定時放送を聞いたボーマンは、死者の人数が予想以上に多かった事に複雑な心境を抱いた。 自分で殺したアドレーの名前が入っている以上、この放送が嘘であるという可能性は低いだろう。 クレアと言ったか、アドレーの娘だという彼女も死者の中に含まれていた。 この事にボーマンは少なからず安堵した。彼女は、父親を失うという悲しみを知らずに済んだのだ。 (いや、違うだろ…) その安堵をボーマンは自ら否定する。彼女にとって良かったのでは無い、自分にとって良かったのだ。 誰かの娘を悲しませる事を自分の手で作らずにすんだ事に安堵したのだ。 (…最低だな) 自分で彼女の父親を殺しておきながら、何て自分勝手な考えなんだ。結局の所自分の罪が減って安心しているだけなのである。 仲間だったノエルの死を聞いても、悲しみや怒り、憎しみが沸くと同時...
  • 不慣れなプリキュア MUSCLE HARD(前編)
    第134話 不慣れなプリキュア MUSCLE HARD(前編) 怖いものなんて、ほとんどなかった。 今思えばクソ生意気なガキンチョだった頃でさえ、大人や獣を怖いと思ったことがない。 あの頃は、何でも知っている気でいたから。 相手のことを知り尽くしたと思っていたから、怖くなんてなかった。 どんなに強い相手でも、底は知れていたから。 「……フェイト。状況は?」 本当の恐怖を感じたのは、悔しいけれどダオスと対峙した時だった。 底の見えない強さと、真意の知れないその行動。 目的のための過程として平然と村を壊滅させる漆黒の意志。 どれを取っても恐怖の対象となった。 「………………ッ!!」 そして今、それに次ぐ、いや、下手をしたら匹敵するくらいの恐怖を感じている。 情けないことに、声すら出ない。 「一応、間に合いました」 金縛りに合う...
  • 大人の嗜み
    第130話 大人の嗜み 静けさが、辺りを包んでいた。 警戒心を常に忍ばせている耳に届く音と言えば、この付近に居る5人の人間が立てる微かな物音のみ。 このような自然豊かな未開惑星の民家の庭で、虫の声すら聞こえてこない事には少々の物足りなさと不自然さを感じながらも、 エルネストは束の間の安息に磨り減らしていた精神を委ねていた。 その安息の中でも、ボーマンは余程警戒しているらしい。頻りにレザードを気にする素振りを見せていた。 今の短い会話の中でもそうだった。 露骨に睨みつけるような、そんな下手な真似は流石にしていないが、多々室内に注意を向けている。 分かりきっていた事だが、この島では誰もが平等に落ち着ける場所など存在しないらしい。その一例がこれだろうか。 溜息混じりの煙を燻らせると、エルネストはポケットの中の小さな箱をボーマンへと差し出した。 「どうだ?」 「...
  • その男、変質者につき――
    第27話 その男、変質者につき―― 波頭が断崖に当たり、白くしぶきを上げ砕ける。 海の独特の匂いを孕んだ風が、彼のごわごわとした黒い長髪をさわさわとなぶる。 生気のない土気色の肌に包まれた筋肉。 異形の存在にのみ放つことを許される、禍々しい眼光が双眸から溢れる。 鋼鉄の鎧すら引き裂くその豪腕は、がっぷりと胸の前で組まれている。 命なき者達の王(ノーライフキング)の異名を抱く男、ブラムスはその断崖の上に佇んでいた。 (あのルシファーとやらもまた、随分と酔狂な真似をやらかしてくれたものだな) 心中呟くブラムス。陽光を受けきらめく波が、長らく己が居城を出ることのなかった瞳に眩しい。 この光は、力のない同族であればとてつもなく不快に感じるどころか、 下手をすれば瞬時に灰になりかねないほど危険な光であるが、彼にはどうということはない。 不死王たる彼の体内に...
  • ある昼下がりの賢者
    第80話 ある昼下がりの賢者 放送が流れる。 禁止エリアは13時にC-5、15時にG-3、17時にE-6。 ミカエルは放送内容の内、それだけを頭に入れておいた。 死者の名前なぞ興味は無い。 「ちっ、ムカつくぜ…」 誰に言うわけでもなくミカエルは呟く。 ゲーム開始直後に2人殺した後、久しぶりに見つけた『標的』。 だがあと少しという所で逃してしまった。 しかも一度自分が負けた相手に一杯食わされて、だ。 腹いせにその辺りの民家を殴りつけたが、その程度では収まらない。 獲物を探して平瀬村を歩きながら考える。 死者の数は13人。その内自分で殺したのは2人。 残りの11人は自分以外の参加者が殺したことになる。 どうやら他にも殺し合いに乗った奴が多いようだ。 このペースなら、主催が言っていたようにゲームの終了も早いかもしれない。...
  • とある戦士達と機械技師の戦場
    第129話(中編) とある戦士達と機械技師の戦場 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ (やはり、あの女も生きていたか) 二階からこちらを光の矢で射掛けてきた女の姿は昼間に菅原神社で取り逃がした女だ。 あの武器も金髪の剣士の短刀同様あの時は使ってなかった。新たな協力者がいるのはほぼ間違いない。 そいつが戦闘力を有してるかどうかは不明だが、戦える事を前提に立ち回るべきだろう。 だが、まずは目の前にいる二人の対処の方が先決だ。状況的には2対2なのだが実質は狭い路地の所為で1対1が二組できている。 このままいけば俺が金髪の方を相手にする事になるだろう。問題は俺があいつを倒せるかどうかだ。 この狭い道幅では思う様に剣を振るえない。折角得意の二刀流の型を取れているのにまったくそれが活かせないのだ。 (せめて後20センチ両方の剣が短ければ引っかかる事もなくなる...
  • ツイてねぇ
    第47話 ツイてねぇ ……はぁ。 「……うぅ……ヒック……」 何時まで泣いてるつもりなんだか。 「ギャー」 「もうほっといてくれ、僕なんてどうせ、どうせ……」 もう一時間以上経ってんだぞ。 「いくらなんでもあの言い方は無いよぉ」 何時までもウジウジしてんじゃねぇぞ、うるさくてしかたねぇ! ……って言ってやりてぇ。 くそっ! 今日はツイてねぇな。 銃は動かねぇし、変な野郎に斬られるし、傷の治りはやけに遅いし、野郎は五月蠅いし―― 事の始まりは一時間……いや、そろそろ二時間くらい経つかな。 オレ様が休んでると奴は急に現れやがった。 何か動物らしき鳴き声と共に聞こえてきた男の怒声。それもかなり近くでだ。 オレ様はその声にビビっちまった。怒声には何か妙な迫力が有ったし、姿は見えなかったからな。 ...
  • 止まらない受難
    第20話 止まらない受難 しょうもない物を支給された怒りが冷めやらぬまま、アルベルは一路氷川村を目指して歩いていた。 村に行けば何か武器が調達できるかもしれないと考えたからである。 「ん?あれは…」 道を歩いていると、誰かが倒れているのが見える。近づいてみるとそれは女性だった。 「死んでやがるな…」 その女性―ミントは既に死んでいた。背中に大きな傷があるのを見ると、これが致命傷のようだ。 「背中に傷か…大方、背後から不意打ちでやられたってとこだろう」 ふざけやがって…とアルベルは下唇を噛む。 ――決して、この女性が誰かに殺されたことに対して怒っているのではない。アルベルの怒りの理由は別の所にある。 「背後から一撃とは意気地のない野郎だ。殺すなら堂々と戦って殺せってんだ、阿呆が」 一応使える物が残ってないか死体の周りを調べてみるが、どうやらこの女性...
  • 鎌石村大乱戦 開幕 ~守りたい者の為に~(前編)
    第110話 鎌石村大乱戦 開幕 ~守りたい者の為に~(前編) 俺はただ許せなかった。 こんなか弱そうな少女をこんなになるまで痛めつけて殺してしまうなんて…。 弓を取り出す為に地面に横たえた名も知らぬ少女の亡骸は、何故だろう? どこか安堵した様な表情で眠っていた。 今際の際にこの子が掠れた声で呟いた言葉 「ジャック、ジャック…。最後にお前に会えて嬉しいな……。 私、恐かったんだよ……一人は恐かったんだよ……」 「…私はお前と……」 この子とジャックと呼ばれた人物との関係は全く知らない。 それでも、この子のジャックに対する想いは伝わってきた。 死ぬ寸前に出てくる名前だ。きっと、この子にとって大切な人だったんだろう。 そして、最期の言葉は本当に、今にも消えてしまいそうな微かなものだったけど、その言葉はしっかり俺の元に届いていた。 ―――共に歩きたかった...
  • 美女と野獣と変態と
    第69話 美女と野獣と変態と 今ソフィアは命の恩人であるルーファスと別れ、先程出会ったレナス・ヴァルキュリアと共に神塚山の麓にいる。 太陽がほぼ真上にあるので、もうそろそろ正午と言ったところであろうか。 目的地は鎌石村であり反対方向ではあるのだが、午前中に遭遇した魔物を警戒して回り道を取っていた。 歩きながら簡単な自己紹介を済ました二人。 そこでソフィアは一つ疑問に思うことがあった。 「レナスさんが、私達のいた世界とは全然違う世界の神様だって言うのは分かったんですけど、戦乙女って何をするんですか?」 レナス自信の役職のような物である、戦乙女という単語の意味が良く分からなかったソフィアは好奇心で尋ねてみた。 「そうね…。簡単に説明するなら、私達神々も戦争をするの。それで、その戦争の戦力となる人間を人間界ミッドガルドから探して、 神界ヴァルハラへ連れて行くの...
  • 偽者だとばれたら負けかなと思ってる
    第109話 偽者だとばれたら負けかなと思ってる 「…ん?」 森林を抜け、F-3とF-4の丁度協会付近の街道に出た所にそれはあった。 「これは…デイパックですよね?」 道の真ん中に落ちていたのは、参加者全員に配られていたデイパック。 しかし周辺には持ち主と思われる参加者はおろか、遺体も見当たらない。 「誰かが捨てていったんでしょうか?」 「それにしては妙ですね。中には幾つか道具が入っていますし、多少消費しているとはいえ食料品も入っています。捨てていくなら、中身は全部持っていくと思うのですが」 「う~ん、そうですよね」 中に入っていたアイテムは拡声器とボーリング玉。 確かに武器とは言えないし使い所には困るアイテムだが、このデイパックがある限りは別に持ち運びには困らない。 何より食料品という貴重な消耗品に手を付けていないのが不自然だ。 「まあ危ない物は入ってないし...
  • 君が呼ぶ 哀しみのシュラオベ
    第115話 君が呼ぶ 哀しみのシュラオベ  布に包まれてくすんだ灯は、青年から少し離れた場所にあった。  道を逸れて草地に踏み出す仲間の足取りと地続きに揺れる光源を頼りにする、目の奥が痛みを訴えている。  圧迫感に近い、それは寝不足で張った肩から伝わるのか、それとも睫毛さえ抜けかねない涙の塩辛さによるものか。  たあいもないことを全力で考えて息を抜く。重圧にもたつく胸の内を淡白にすべく、尽力する。  肉体に起因するのではない息の詰まりを抜いた青年は、脚を踏み出す前に短く双眸を閉じ、 「……く、――ぁ」  きまりわるげに、閉じた口内にふくらむ欠伸を噛み殺した。  * * *  食えるだけマシであった食料を腹に入れて、三時間弱。  三回目となる放送を聴いた洵の、こなれた胃に割り込んだ思いは紛れもない安堵だった。 『アリューゼ。ヴァルキリー。炎使いはミカエルと...
  • To Destroy Nightmare
    第111話 To Destroy Nightmare F-05の森の中を2つの影が進んでいく。 レオンの前を行くアルベルが、このルートを行くことを提案した。 愚者の様に見えなくもないが、アルベルとて伊達に漆黒の団長をしていたわけではない。 戦闘のセンスだけでなく、戦術を練ることが出来て初めて強者たりえるのだ。 まだ幼いレオンに山道は厳しいことを承知の上でF-05を通るルートにしたのは、それが最善のルートだとアルベルの頭が判断したからである。 「おいガキ、あんまり遅れるようなら置いていくぞ」 誤算を上げるとしたら、レオンのプライドが思った以上に高かったことだろう。 疲労が溜まってきているであろう今、山道を余裕で行けるのは自分くらいだ。 これで組んだ相手がプリシスかレナだったら相手に合わせて平坦な道を行くところだが、小柄なレオンならさほど苦もなく担ぐことができる。 ...
  • Misfortunes never come single
    第137話 Misfortunes never come single 放送がはじまる少し前、静まり返った住宅街には三人の少女の姿があった。 マリアは己の気持ちを奮い立たせようと必死に思考を巡らせていた。 二人の仲間、レナとプリシスは溢れる涙を拭うこともなく立ち尽くしている。 私まで耐えられなかったらこの子たちはどうなる? 命を懸けて私たちを助けてくれたクレスの気持ちはどうなる? まだ生き残っている仲間たちは? 彼らのためにも、死んでいった者たちのためにも、私がしっかりしなければ。 そう思えば思うほど胸が強く締め付けられ張り裂けそうになった。 けれどここで立ち止まっているわけにはいかない。 「放送までもう少し時間があるわ。それまで室内で待機していましょう」 マリアはそう言うと、早足で民家へと向かいだした。 そのあとをレナとプ...
  • She Has The Sticky Fingers
    第116話 She Has The Sticky Fingers G-5エリアの山道。辺りは暗闇で視界が殆ど利かない。 唯一の自然光源である月明かりは密集している樹々の葉に遮られてしまっている。 稀にその隙間から僅かに射し込む光は、暗闇に目を慣らしたい人間にとってはむしろ逆効果となり、 余計に暗闇を強調しているかのようだった。 レナとプリシスの2人はランタンを点けてこの山道を下っていた。 『夜道に揺れ動く照明は人を寄せ付ける効果が有る』というのは、 この島でのたった半日だけの仲間、アリューゼがプリシスに教えてくれた事だ。 いや別に2人には誰かを呼び寄せるつもりなどは全く無い。 この暗闇の山道を歩くには、灯りを点けなければ余計に危険であり時間を取られてしまう、というだけの事だった。 一応不意打ちには備えてレナが左耳に魔眼のピアスを装着していたが、今のところピアスは...
  • もの言わぬ友よ(前編)
    第99話 もの言わぬ友よ(前編) 月光煌めく夜天の下、2人の男が対峙していた。 1人は蒼き孤高の剣士ディアス・フラック。 もう1人はある科学者が己の恨みを乗せて創り出した存在。天使の名を冠した狂信者ガブリエル。 かつて刃を交えた両雄は再びこの地で合間見える事となった。 引き抜いた剣を正眼に構えディアスはガブリエルを睨みつける。 相手の出方を伺いつつ戦略を組み立てていた。 自然と着目するところは相手の体のいたるところに見受けられる切り傷や焼け焦げた衣服。 (ここに来るまでに大規模な戦闘をしたようだな…。  こちらとて無理は出来るような状況ではないが付け入る隙はある) 特に接近戦を行う上での重要なファクターである武器を操る右腕の刺し傷と、 攻守共に必要になる機動力の要とも言える脚部の裂傷。 (速力でかく乱して、相手の右側を攻める。 あまり褒められた戦い方ではな...
  • もの言わぬ友よ(後編)
    第99話 もの言わぬ友よ(後編) ここで先頭を行くデイアスが外の異変に気付いた。 人影が一つ、周囲を探るようにうろついているのだ。 目を凝らしてその人影の正体を探る。 背後のプリシスもその誰かの正体を見極め2人はその人物の名前を口にした。 「「ガブリエルっ!?」」 前の二人が止まる事で後ろがつっかえる。 「どうした?」 アリューゼが身を屈める2人に尋ねた。一応前の2人に習って彼とアルベルも壁際に身を屈める。 「敵だ」 「間違いないのか?」 短く応えたディアスにアリューゼが更に問いかける。 「ああ、あいつには説得も無意味だし、この島の参加者を皆殺しにするつもりだ。  先程確かに倒したはずだが…」 「ならどうする? このままやり過ごすのか? それともぶっ倒して行くのか?」 アルベルの質問を聞きつつ、考えをまとめながらディアスはガブリエルを観察する。 先程奴の身...
  • 物言わぬ友よ(後編)
    第99話 もの言わぬ友よ(後編) ここで先頭を行くデイアスが外の異変に気付いた。 人影が一つ、周囲を探るようにうろついているのだ。 目を凝らしてその人影の正体を探る。 背後のプリシスもその誰かの正体を見極め2人はその人物の名前を口にした。 「「ガブリエルっ!?」」 前の二人が止まる事で後ろがつっかえる。 「どうした?」 アリューゼが身を屈める2人に尋ねた。一応前の2人に習って彼とアルベルも壁際に身を屈める。 「敵だ」 「間違いないのか?」 短く応えたディアスにアリューゼが更に問いかける。 「ああ、あいつには説得も無意味だし、この島の参加者を皆殺しにするつもりだ。  先程確かに倒したはずだが…」 「ならどうする? このままやり過ごすのか? それともぶっ倒して行くのか?」 アルベルの質問を聞きつつ、考えをまとめながらディアスはガブリエルを観察する。 先程奴の身...
  • 続・止まらない受難
    第40話 続・止まらない受難 「さあ、どういう事か説明してもらおうか!」 ネルはアルベルに銃口を向け強い口調で問いただした。 アルベル自信は別に自分がどう思われようが気にしない性格だったが、殺してもいないのに殺人の容疑をかけられていい気分などしない。 「おい!そこのガキ! 俺はあのまま死体を放置しとくのも哀れだったんで弔ってやろうとしただけだ」 夢留を睨み付け言い放った。 「ほう、あんたがそんなことをするようなやつだったとは思ってもみなかったよ。 私の知っているあんたはこの状況を幸いとして人殺しを楽しむタイプの人間のはずだよ」 尚も銃を向けつつアルベルを睨み付けているネルが割り込んできた。 「俺を見くびるなよ糞虫が!俺は無抵抗な人間を殺したり、弱いものイジメをするような趣味は無いんだよ!それに」 そう言うと左手のガントレットの鉤爪でドアを思いっきり引っ掻...
  • 不協和音 (3)
    第97話 不協和音 (3) まったく、俺はネーデ人に何か縁でもあるのだろうか? あと数時間で禁止エリアになる場所に留まる奴はいないだろうと判断し通り抜けようとしたD-04で、俺はノエルと再会した。 仲間に会うのはこれで二人目。これで目出度く二人しかいないネーデ人の知り合い両方に再会したことになる。 もっとも、ノエルの方はとうの昔に冷たい体になっているのだが。 (……念のため診ておくか) 時計で時間を確認する。大丈夫だ、禁止エリアになるまでにはまだ時間がある。 本格的な検死なんて勿論無理だが、ゆっくり死体を眺められるほど安全なエリアなどそうそうない。 殺害犯の獲物ぐらいしか得られる情報はなさそうだが、情報はあって困るものじゃないからな。 ――俺は弱い。この先生き残るためには、その事実を素直に受け入れるしかないだろう。 紋章術者のようにデカい一発も持ってなければ、...
  • 会えるといいね
    第85話 会えるといいね クロード退却後、彼らはホテル跡の中にいた。 「コンナ場所で油を売ッテイテイイノカ? アノニンゲンに追イ付ケナクナルゾ」 エントランスの床に腰を落としたガルヴァドスは、顔面に濡れタオルを押し付けながらチサトに話しかける。 「無駄よ、無駄。クロードの逃げ足があんなに速いなんて思わなかったわ」 古びたソファーに腰掛けたチサトが答える。 「それに、チェスター君と情報交換をして置きたいしね」 不意に近くの扉が開き、チェスターが姿を見せる。彼はチサトの前まで来ると、大きな溜め息を吐いた。 「どうだった……って、その様子じゃ見つからなかったようね」 「ここにいるって話だったんだが……くそっ!」 チェスターが探していたのは勿論クレスである。断じてクロードではない。 だが、クロードも金髪に赤いバンダナという事実は彼の頭から抜け落ちていた。...
  • くそむしテクニック
    第102話 くそむしテクニック 「いつまで泣いてやがんだよ!」 ガブリエルとの戦いが終わっても泣き止む気配の無いプリシスにアルベルは苛立つ。 とりあえずいつまでも外にいるのは危険と判断し、引き摺るように民家へ連れて行ったのではあるがこの有様である。 アリューゼ、ディアス、そして無人くんと仲間が目の前で死んだのだから悲しいのは分かるが…。 (仲間が死んで、ね…。ケッ、くだらん) 思い浮かんだ感情を自ら打ち消す。 このまま泣かせっぱなしでは埒が明かない。プリシスにはさっさと首輪解除の為に働いてもらいたいのだが。 しかし口を開けば罵詈雑言が飛び出すアルベルには、プリシスを上手く慰める事は不可能に近かった。 事実先程からアルベルなりに泣き止ませようとはしていたのだが全く効果が無い。 (やれやれ、やってられん) 現時点でプリシスを何とかするのは困難と判断したアルベルは腰を上げ...
  • 平瀬村大乱戦 第ニ幕くらい ~なんという冷静で的確な判断力なんだ!!~
    第139話 平瀬村大乱戦 第ニ幕くらい ~なんという冷静で的確な判断力なんだ!!~ 作戦は、決まった。 実にシンプルな作戦だ。 まずは自分――ルシオが単身突っ込んでいく。 そして敵を分断し、残った方をクロードが始末する。 おそらく自分が仕留め損ね逃走した相手を、クロードが追うことになる。 遠くでも情報を把握できる探知機があれば、密な連絡が取れずとも、大体は上手くいくだろう。 先の戦闘で非戦闘員がいることはわかっているのだ。 逃げない、ということはあるまい。 分断は、十中八九成功する。 全員での撤退は、仇であるルシオが登場した以上、選んでこないだろうという算段だ。 かといって、全員が全員戦闘が得意というわけではない以上、全員で迎撃ということもあるまい。 仮にそうなったとしても、探知機を見て違和感を覚えたクロードが援軍に来てくれるだろうし、さほど問題...
  • CROSS
    第92話 CROSS アーチェがその放送を聞いた後、最初に感じたものは安堵だった。 クロードから逃げ出したアーチェは、適当な木陰に座り込んでいた。走り出してからまだ十分も経っていないにも関わらず。 これでは逃げ切れたかどうか怪しいとこだが、彼女の体力ではこの辺りが限界だった。 そうして座り込んでから五分もしない内に、突然異変が起こった。茜色だった空が一瞬で黒く染めあげられたのだ。 「っ……」 それと同時に、アーチェの表情も暗い脅えの色に染めあげられる。 別にこの異変に驚いたのではない。この現象は数時間前に経験している。そう、これから何が行われるかを理解しての脅えだ。 『フフン……、こんばんは諸君』 放送を聞き終えたアーチェは静かに呟いた。 「……ごめんなさい」 確かに最初に感じたものは安堵であった。当然だ。クレスもクラースもすずも、そしてチェスタ...
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