AAAキャラバトルロワイアル @ ウィキ内検索 / 「続・止まらない受難」で検索した結果

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  • 続・止まらない受難
    第40話 続・止まらない受難 「さあ、どういう事か説明してもらおうか!」 ネルはアルベルに銃口を向け強い口調で問いただした。 アルベル自信は別に自分がどう思われようが気にしない性格だったが、殺してもいないのに殺人の容疑をかけられていい気分などしない。 「おい!そこのガキ! 俺はあのまま死体を放置しとくのも哀れだったんで弔ってやろうとしただけだ」 夢留を睨み付け言い放った。 「ほう、あんたがそんなことをするようなやつだったとは思ってもみなかったよ。 私の知っているあんたはこの状況を幸いとして人殺しを楽しむタイプの人間のはずだよ」 尚も銃を向けつつアルベルを睨み付けているネルが割り込んできた。 「俺を見くびるなよ糞虫が!俺は無抵抗な人間を殺したり、弱いものイジメをするような趣味は無いんだよ!それに」 そう言うと左手のガントレットの鉤爪でドアを思いっきり引っ掻...
  • 止まらない受難
    第20話 止まらない受難 しょうもない物を支給された怒りが冷めやらぬまま、アルベルは一路氷川村を目指して歩いていた。 村に行けば何か武器が調達できるかもしれないと考えたからである。 「ん?あれは…」 道を歩いていると、誰かが倒れているのが見える。近づいてみるとそれは女性だった。 「死んでやがるな…」 その女性―ミントは既に死んでいた。背中に大きな傷があるのを見ると、これが致命傷のようだ。 「背中に傷か…大方、背後から不意打ちでやられたってとこだろう」 ふざけやがって…とアルベルは下唇を噛む。 ――決して、この女性が誰かに殺されたことに対して怒っているのではない。アルベルの怒りの理由は別の所にある。 「背後から一撃とは意気地のない野郎だ。殺すなら堂々と戦って殺せってんだ、阿呆が」 一応使える物が残ってないか死体の周りを調べてみるが、どうやらこの女性...
  • 名無しさん
    ...やってくる 040 続・止まらない受難 043 ジョーカーと竜人と変態と 044 犯人に告ぐ、人質を解放しろ 046 二つの後悔 一つの決意 047 ツイてねぇ 049 かくれんぼ 050 別れ 055 君が望むなら僕は 057 選択 061 金髪に赤いバンダナ 070 最後の良心? 079 力が無ければ頭を使え! 080 ある昼下がりの賢者 084 光の勇者の不幸(連鎖編) 137 Misfortunes never come single 【氏が書かれたキャラ】 キャラ名 登場回数 マリア 4回 アルベル、クレス 3回 クロード、アシュトン、オペラ、エルネスト、ガブリエル、ネル、ノートン、ルシオ、夢瑠、ミランダ、クラース 2回 レナ、プリシス、ボーマン、レオン、シン、ミカエル、フェイト、ソフィア、クリフ、ロジャー、ミラージュ、ヴォックス、ビウィグ、IMITATIVEブ...
  • 作中時間順目次
    ... 名無しさん 40 続・止まらない受難 オペラ、アルベル、ネル、夢瑠 名無しさん 42 馬鹿ではない!決して馬鹿ではない! ジャック、アーチェ ◆XyG9sdMFLA 44 犯人に告ぐ、人質を解放しろ ガンツ、ビウィグ、ミラージュ 名無しさん 47 ツイてねぇ ノートン、アシュトン 名無しさん 48 逃げるが勝ち エルネスト、クラース、フェイト、ミカエル ◆MJv.H0/MJQ 49 かくれんぼ ジュン、クレス、マリア 名無しさん 50 別れ ルーファス、ソフィア、レナス 名無しさん 51 HEAT -灼熱- エルウェン、ダオス、クリフ、ルシオン ◆ZhOaCEIpb2 第一回放送 1日目 真昼 NO. タイトル 登場人物 作者 53 渇いた叫び アーチェ、ジャック ◆wKs3a28q6Q 54 白き煙の果てに オペラ、ヴォックス ◆yHjSlOJmms 55 君が望むな...
  • 本編SS目次
    ... 名無しさん 40 続・止まらない受難 オペラ、アルベル、ネル、夢瑠 昼 名無しさん 41 静かな湖畔の森の陰から すず、ロウファ、ノエル 朝 ◆wKs3a28q6Q 42 馬鹿ではない!決して馬鹿ではない! ジャック、アーチェ 昼 ◆XyG9sdMFLA 43 ジョーカーと竜人と変態と IMITATIVEブレア、エイミ、レザード 午前 名無しさん 44 犯人に告ぐ、人質を解放しろ ガンツ、ビウィグ、ミラージュ 昼 名無しさん 45 不可視の未来 クレス、マリア 午前 ◆XyG9sdMFLA 46 二つの後悔 一つの決意 レオン 午前 名無しさん 47 ツイてねぇ ノートン、アシュトン 昼 名無しさん 48 逃げるが勝ち エルネスト、クラース、フェイト、ミカエル 昼 ◆MJv.H0/MJQ 49 かくれんぼ ジュン、クレス、マリア 昼 名無しさん 50 別れ ルーファス、ソフィア、レ...
  • 天才に涙はいらない
    第62話 天才に涙はいらない 僕は天才だ。完膚なきまでに天才だ。 かつてクロードお兄ちゃん達と冒険を始めるまでは“ただ頭がいいだけのクソガキ”だった、それは認める。 だけど今の僕は――あの冒険を終えた後の僕は“心の弱さ”を克服し、冷静な判断力とどんな事態にも動じない鋼の心を手に入れた。 まさに真の天才。僕の瞳にはダイヤモンドのように固い決意をもつ「気高さ」が宿っていることだろう。 『――レイ、ノエル・チャンドラー、ロウ――』 だから、これぐらいで動じちゃいけない。 仲間がし――居なくなることは、最初の放送までに何も出来なかった段階で覚悟しておくべきことのひとつだった。 だから僕は動じない。動じるわけにはいかない。 今僕が死んだら、今首輪の秘密に気付いた僕が死んだら、誰一人助からなくなってしまう。 みんなを救うためにも、僕は泣いたらいけな...
  • 受難
    第3話 受難 「あの阿呆め、なめやがって…」 島の南端の灯台の近くで、アルベルは悪態をついた。 このゲームの主催者―ルシファー。自分達の住む宇宙を消そうとした男。 あの男は確かに倒したはずだ。なのに、何故生きている? それどころか、自分達を集めて殺し合いをさせようなんて…復讐のつもりか? 「フン、ならもう一度地獄へ送ってやるだけだ」 好戦的で戦う事が生き甲斐であるアルベルだったが、積極的にこのゲームに乗ろうとは思わなかった。 ルシファーの言うことを素直に聞くのが我慢ならなかったのだ。 かといって、他の参加者と馴れ合う気も無い。他人がどうなろうと自分には関係ないこと。 自身の力でルシファーを倒すことができればそれで良かった。 「んで、このバックには何が入ってんだ?」 ここでアルベルはバックの中身を確認することにする。 出来れば、刀やガントレ...
  • 夢は終わらない(ただし悪夢)(前編)
    第121話 夢は終わらない(ただし悪夢)(前編) 「夜は姿が見えにくいから、気合を入れナイトいけないな……」 まだ暗い夜の闇を見つめながら、クレス・アルベインは一人呟く。 夜の見張りにはかつての冒険で慣れてはいたが、立派な建造物の外で単身見張りの任に就くのはほとんど初めてのことだった。 家を取り囲む立派な塀のせいで視界が若干狭いのだが、塀の外に出ても暗すぎてよく見えないだろうと考え扉のすぐ近くで見張りをしている。 『見えもしないのに下手に見晴らしのいい場所に出て、不意打ち喰らって死にました』では洒落にもならない。 自分が暗闇で遠くが見えないからといって、他の参加者までそうであるとは限らないのだから。 双眼鏡の類が支給されている可能性もあるのだし、楽観は出来まい。 相手にはこちらを遠距離から確認する方法があるという前提でいるべきだろう。 自分が死んだら眠っ...
  • ◆Zp1p5F0JNw
    ◆bYERsdX5HA(旧◆Zp1p5F0JNw) 執筆作品一覧(14) 013 負けられない理由 025 父の面影 052 第一回放送 058 またまたご冗談を 066 LIVE A LIVE 075 断ち切る思い 083 逆転協奏曲 088 Partner 094 もしも願いが叶うなら 102 くそむしテクニック 106 第三回放送 109 偽者だとばれたら負けかなと思ってる 123 恨みと怒りのメビウス 145 5年半ぶりの目覚め 【氏が書かれたキャラ】 キャラ名 登場回数 クロード 4回 アルベル 3回 レナ、レオン、ミラージュ、ルシファー、ルシオ、リドリー、チェスター 2回 セリーヌ、アシュトン、プリシス、ボーマン、ディアス、オペラ、エルネスト、ミカエル、ソフィア、クリフ、スフレ、マリア、クレア、IMITATIVEブレア、ベルゼブル、ベリアル、レザード、洵、ロキ、ルー...
  • 夢は終わらない(ただし悪夢)(後編)
    第121話 夢は終わらない(ただし悪夢)(後編) 「…………………………………………………………………………………………………………  …………………………………………………………………………………………………………  ……………………………………………………………………………………………………え?」 ありえない、理解できない、信じられない。 そんなワードを、目の前の男は口にしている。 「戦ったチェスターの話だと、炎を剣から出して攻撃してくるらしいから気をつけて」 ほとんど何も考えず、感情のままにプリシスは叫んでいた。 「嘘だッッ!!」 派手な音を立て、ソファから立ち上がるプリシス。 その横では、レナが顔面蒼白で言葉を失っている。 尋常ではない二人の様子で、クレスは大体の事情を察した。 「クロードが……ク...
  • 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない
    第93話 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない 二回目の放送が終わってから一時間程経過した頃には、プリシスとアリューゼは目的地である氷川村に到着していた。 道中、放送を聞く為に立ち止まることもあったが、それ以外には特に問題も起こらず順調に進んでいる。 強いて問題を挙げるとしたら、二人とも放送で知り合いの名が呼ばれたことにより、口数がちょっとだけ減ったくらいである。 「少しいいか?」 アリューゼは背負っていたデイパックを地面に下ろしながら呟いた。 ランタンを取り出して火を灯す。この手の道具の扱いには慣れているのか、作業は本当に少しで終了した。 「へ~、見かけによらず器用なんだ。でもさぁ、別に明かりは必要なくない?」 辺りは暗くなってはいるものの、別に彼らは明るい場所から急に暗い場所へ行った訳ではない。既にこの暗さに目が慣れている。 お...
  • 墓(クレス)
    クレス                          i i   i      ヽ i ヽ   ヽ  ヾ        、`ヽ、                         i i  i  , '     i i  \  iヽ      ..    ヽ、__ヽ __                      ノ , i i/__---ー一i i-- 、ヽ iヽ     、      ヽ     \  '´⌒ヽ             / / i  i'ニ __      i i   `ヽ i _、     i  ヽ 丶      |i   " )_,,, _       / ', i  ハ. i   __ `ヽ 、 i i    i  iヽ ..   i  ...
  • 墓(アルベル)
    アルベル                                         /                                       l |                                       .| |        な   メ   自                     .| l        ん   .イ   分                      ヘ ヘ     ,,,-.、,,,,_,,,,,,、        て   ド   の                   、,,,,,,,__,ヘ丶'''''''`'´  , -''´ `ヽ        人   .服   .デ             ...
  • 少女と猛者
    第6話 少女と猛者 「ハァックション!」 「ん?風邪でも引いたの?」 「いや・・・誰かが俺の噂でもしてるんじゃねぇか?」 源五郎池付近で話をしているのは、アリューゼとプリシス・F・ノイマンの二人である。 二人はスタート直後に、池の周辺ですぐに出会った。 プリシスは最初、得体の知れない強面のアリューゼに対して少し警戒していたが、 当のアリューゼは女で、しかも子供のプリシスに攻撃を仕掛けるつもりは毛頭無かった。 アリューゼは「とりあえずは自衛の為に一緒に行動しないか」と持ちかけ、その旨を聞いたプリシスは 半信半疑ながらも警戒を解いて、アリューゼの案を飲むことにしたのだ。 (あいつ、さっきから何やってるんだ・・・?) プリシスのデイパックの中にあった鉄パイプのグリップ感を確かめながら、アリューゼはプリシスのしている作業を見ていた。 彼がそう思うのも無理...
  • 光の勇者の不幸(受難編)
    第63話 光の勇者の不幸(受難編) 「やれやれ…。まだ起きないわねぇ」 木に腰を掛けた状態で伸びをしながらそこにいる女性は独り言を発した。 燃える様な赤いショートの髪と澄んだ青空の様な瞳、そして髪の隙間からは特徴的な形のとがった耳を覗かせている。 彼女の名前はチサト・マディソン。 彼女は3時間程前からここに座っている。 突如出くわしたとんでもなく巨大な亜人をうまい事言いくるめてゲームを持ちかけ(自分がこの亜人を転ばす事ができたら協力するよう取り付けた) 結果、ゲームには勝利したのだが加減を間違えたらしく完全にKOしてしまいこの亜人が目覚めるまで待っていたのであった。 奥義の反動で疲労した体を休ませるために着込んだ回復効果のあるらしいヅラ付の鎧も、大分体が楽になってきたので今ではヅラをはずしている。 ヅラをつけていた時は知り合いの誰かと会ったらどうしようかとハラハラしたも...
  • 続・美女と野獣と変態と
    第78話 続・美女と野獣と変態と 観音堂。ここに集まった四人の情報交換は、面子の割には驚くほどスムーズに行われていた。 「ぬぅ……」 禿げヅラを被った不死者、ブラムスは小さく唸る。 「これは驚きましたね」 眼鏡を掛けた変態、レザードは何やら楽しげに呟く。 この二人が興味を示した情報。それは、当然ソフィアが持つルシファーに関するの情報だった。 フォーディメンションと呼称された世界。その世界の住人――ルシファー達が創り出したエターナルスフィアと呼ばれる仮想現実世界。 エターナルスフィアが起こすであろう反乱。それを阻止するためにルシファー達が送り込んだエクスキューショナー。 創造主と戦うために、エターナルスフィアの人間が作り出した生物兵器とその力。 そして、ソフィア達とルシファーの戦いの結末。 「ただ『変態、変態』と騒ぐ煩いだけの娘で...
  • 断ち切る思い
    第75話 断ち切る思い 『さて、次の放送は6時間後の午後6時だ…』 耳障りなルシファーの声でミラージュは目を覚ました。 慌てて放送を聞こうとしたが、もう遅い。 既に死亡者や禁止エリアの発表は終わってしまっていた。 『…では、これで放送は終了する』 「私とした事が…たるんでいましたね」 窓から外を見て辺りを伺った。 恐らくあの時気絶させられてから、ずっと寝ていたのだろう。 ガンツは無事なのだろうか?自分の荷物が無くなっていた事からするに、彼も無事で済んだとは思えない。 ただ自分がこうして生きているのだから、ガンツも生きているかもしれない。 窓から見る限り周囲に危険は無さそうだ。安全を確認したミラージュは外へ出ることにした。 太陽は既に空の真上に来ていた。 荷物を失ったのはともかく、放送を聞き逃したのは大きな痛手だ。 (クリフもマリアも、そしてフェ...
  • 金髪に赤いバンダナ
    第61話 金髪に赤いバンダナ 焼け落ちる分校を背にチェスターは北へ向かった。 この様子では消火は不可能。…あの少女の遺体も分校と共に燃えてしまうだろう。 埋葬してやりたかったが、もうそれも絶望的だった。 嫌な言い方だが、死んでしまった人間よりは生きている人間を優先しなければならない。 「無事でいろよ…みんな…!」 チェスターは森の中を進む。 体中にダメージが残っている今の状態では、正直殺し合いに乗った奴に会ったら間違いなく負けてしまう。 だから周りから目撃されやすい道でなく、森を進む事にしたのだ。 危険でない者からも見つかりにくくなってしまうが仕方ない。 昨晩から一睡もしておらず、燃えさかる建物の中を疾走して蓄積された疲労と少女を救えなかった無力感は、確実にチェスターの体を蝕んでいた。 「…クソッタレ」 言うことを聞かない体に、何も...
  • 『B』
    第125話 『B』 スフィア社最上階にある重役室の一室。 その部屋は実に殺風景だった。無機質な金属の壁に囲まれ、一切の飾り気も無く、家具の類の物すら見当たらない。 目に付く物と言えば部屋の中心に配置されている巨大なコンソールくらいだ。 とても個人に割り当てられた部屋とは思えぬ程に生活感が無く、物悲しさの漂う部屋だが、 何の為に存在しているのかと用途を問えばこの上なく分かり易い部屋だとも言えた。 部屋の主――ベリアルはコンソールの前に座り、 光で生成され空間に投影されている数枚のモニターの内の1枚を、険しい顔付きで睨みつける様に眺めていた。 その鋭い眼光と屈強そうな図体、そして無骨そうな表情は、いかにも『大雑把な肉体派』という印象を抱かせるが、 偏見に近いそんな印象とは裏腹に、彼は実に丁寧に、精確に、そして迅速に仕事をこなす人物だ。 技術者としての能力も高く、会社...
  • ある昼下がりの賢者
    第80話 ある昼下がりの賢者 放送が流れる。 禁止エリアは13時にC-5、15時にG-3、17時にE-6。 ミカエルは放送内容の内、それだけを頭に入れておいた。 死者の名前なぞ興味は無い。 「ちっ、ムカつくぜ…」 誰に言うわけでもなくミカエルは呟く。 ゲーム開始直後に2人殺した後、久しぶりに見つけた『標的』。 だがあと少しという所で逃してしまった。 しかも一度自分が負けた相手に一杯食わされて、だ。 腹いせにその辺りの民家を殴りつけたが、その程度では収まらない。 獲物を探して平瀬村を歩きながら考える。 死者の数は13人。その内自分で殺したのは2人。 残りの11人は自分以外の参加者が殺したことになる。 どうやら他にも殺し合いに乗った奴が多いようだ。 このペースなら、主催が言っていたようにゲームの終了も早いかもしれない。...
  • ロキおにーさんのわくわくやがいじっけん
    第68話 ロキおにーさんのわくわくやがいじっけん 時刻はそろそろ12時。 舗装された道の真ん中で、ロキは自転車に跨ったまま立ち止まっている。 その手にメモと鉛筆を握り締め、『時間』になるのを待っていた。 ロキから数メートル離れた物陰に、一人の男が隠れていた。男の名はビウィグ。 ミラージュを探している途中、自転車のベルの音を聞いて、ここにやって来たのだ。 目立つ音を出して、居場所を教えている者。それは、“余程の馬鹿”か“自分の実力に絶対の自信を持つ強者”のどちらかだろう。 前者なら、直ぐに襲撃してやるつもりだったが、ビウィグはロキを後者と判断した。 だから、彼は隠れているのだ。高い確率で隙が出来るであろう、その『時間』がやって来るまで。 数分後、空が突然薄暗くなり、その『時間』はやって来た。放送の時間がやって来た。 『こんにちは諸君。...
  • 犯人に告ぐ、人質を解放しろ
    第44話 犯人に告ぐ、人質を解放しろ 人質の女性を盾にされ、ガンツは今日で何度目かとなるその選択をサメ男に迫られる。 「さぁ、どうする。いつまでも考えていないでさっさと決めてしまったらどうだ」 「お、お願いですから、もう少しだけ考えさせてくださいっ、もうちょっとですから」 荷物を渡していいものかどうか、ガンツはその答えを未だに出すことができずに 朝からこの調子でズルズルと回答を引き延ばしていた。 以前に経験した、これと似たような事件を思い出そうとしているのだが、 薄れて久しいその記憶はどうしても手繰り寄せるのに時間がかかってしまう。 (たしか前にも同じような事がありまして、え~っと、できる限り話し合いでの解決をして、  それと騎士団憲章では、何を最優先にするんでしたっけ?) 「おいっ! もう十分だろう、さっさと荷物をこちらに渡せ」 「す、すいませんっ。...
  • Flying Sparks
    第128話 Flying Sparks 一体何故こんな事になってしまったのだろうか。 ようやくチェスターを捉える事に成功した。急所に一撃を叩き込み、無力化させる事に成功した。 手に残る感触はクロードに確かな勝利を伝えていた。 この一撃でチェスターには気絶するか、少なくともしばらくの間立つ事が出来ない程のダメージは与えたはずだ。 そう確信した矢先――――紋章術師の少女がチェスターを助ける意志を込めた掛け声と共に、閃光を撃ち出してきた。 少女への警戒を怠っていた訳ではなかった。 少女を見くびっていた訳でもなかった。 ただその紋章術の形態が、クロードの知るどの術にも類似しておらず、そして予想外の速度で飛んできたのだ。 知識と意識の外からの攻撃。反応出来たのは焦燥のみ。 覚悟を決める暇すらなく、クロードの身体は閃光に貫かれたはずだった。 しかし、クロードが気付い...
  • 絶望の笛(前編)
    第71話 絶望の笛(前編) ―――いったい何がいけなかったのだろうか? 「いや…いや…違うの! そんなはずは……そんなつもりじゃ……」 少女は驚愕と絶望の前で嘆いた。冷ややかな視線が少女を凍りつかせる。 ―――いったいどこで歯車が狂ったのだろうか? 「ジャック……」 特に少年の目が痛かった。その眼がすべてを根こそぎ抉り取った。 ―――仲間を想う気持ちのどこがいけなかったのだろうか? 「わたしは…わたしは…」 もう何もかもが壊れてしまった。修復しようがないほど。 ――――時は遡る―――― G-05とH-05の境界付近。道筋を離れ、林の中を覗いてみると、きこりが休憩できるような切り株がぽつんと置かれている。 アーチェとジャックはその切り株を背に座っていた。 二人は会話することもなく、頭を落とし、無言で地面を見ている。...
  • 現在状況(クロード)
    クロード・C・ケニー 現在地:E-05、北部 時間:黎明 初期支給品:エターナルスフィア@SO2、エネミー・サーチ@VP、昂魔の鏡@VP MP残量:???% 状態:右肩に裂傷(応急処置済み、大分楽になった)。背中に浅い裂傷と打撲(多少回復)。左脇腹に裂傷と打撲(多少回復)。全身に軽い痛み 装備:エターナルスフィア@SO2、スターガード@SO2、エネミー・サーチ@VP、首輪探知機@BR 道具:セイクリッドティア@SO2、昂魔の鏡@VP、荷物一式×2(水残り僅か)、アヴクール@RS(刀身に亀裂)、アシュトン、アルベル、レオンのデイパック 行動方針:仲間を探し集めルシファーを倒す 思考1:安全な場所まで移動し、アシュトンの手当てを行いたい 思考2:平瀬村でブレアと合流し、フェイト達の誤解を解いてもらう 思考3:プリシスを探し、誤解を解いてアシュトンは味方だと分かってもら...
  • 光の勇者の不幸(連鎖編)
    第84話 光の勇者の不幸(連鎖編) 「ハア…ハア…」 ジャック達から逃げ出したアーチェは、一人森の中を彷徨っていた。 もうどこに向かって進んでいるのかも、どこにいるのかも分からない。 彼女の頭にあるのは仲間に会いたいという一心のみ。 それだけが、今のアーチェを動かしていた。 今どこにいるんだろう? 既に彼女は走っておらず、その歩みは疲労のためか遅い。 さっきまで全力疾走を続けていた為に、彼女の疲労は既に限界の所まで来ていた。 それでも仲間を探し、アーチェは進む。 やがて前方に道が見えてきた。 どこへ通じているか分からないが、ここを進めばどこかの村へ出れるかもしれない。 村に行けばきっと誰かがいるはず。 クレスか、クラースか、チェスターか、すずか、ミン… ミントの名が浮かんだところでアーチェは気付く。 もうミントはいないという事を。 彼女は死...
  • ギャンブルはいつもハデのちぐう畜
    第133話 ギャンブルはいつもハデのちぐう畜 「くそっ! くそっ!」 激しく息を吐くのと同時に、やり場のない毒をも吐き出す。 彼、クロード・C・ケニーは、必死の形相で駆けていた。 理由は首から鳴り続けている警告音。 所謂、禁止エリアの警告音だ。 (間に合え、間に合ってくれ――!) 過ちの始まりは、平瀬村を目指して移動したことにあった。 彼のいたE-05から平瀬村まで直進すると、E-04の禁止エリアに侵入してしまう。 クロードは、基本的には南へと進んでいた。 しかし、アシュトンを背負ったまま山を登るのが負担になってきたため、やや西へも徐々に進行していたのだ。 それに“ある事情”が加わった結果、禁止エリアに足を踏み入れてしまうことになった。 (冗談じゃない、こんなところでッ!) まだ、自分は何もしていない。...
  • 物言わぬ友よ(後編)
    第99話 もの言わぬ友よ(後編) ここで先頭を行くデイアスが外の異変に気付いた。 人影が一つ、周囲を探るようにうろついているのだ。 目を凝らしてその人影の正体を探る。 背後のプリシスもその誰かの正体を見極め2人はその人物の名前を口にした。 「「ガブリエルっ!?」」 前の二人が止まる事で後ろがつっかえる。 「どうした?」 アリューゼが身を屈める2人に尋ねた。一応前の2人に習って彼とアルベルも壁際に身を屈める。 「敵だ」 「間違いないのか?」 短く応えたディアスにアリューゼが更に問いかける。 「ああ、あいつには説得も無意味だし、この島の参加者を皆殺しにするつもりだ。  先程確かに倒したはずだが…」 「ならどうする? このままやり過ごすのか? それともぶっ倒して行くのか?」 アルベルの質問を聞きつつ、考えをまとめながらディアスはガブリエルを観察する。 先程奴の身...
  • 幸運と不幸は紙一重? 
    第59話 幸運と不幸は紙一重? (ごめんね……プリシス。訂正する、2つじゃなかった) 黒服の男を追い掛けて森を抜けると、驚くことに獲物の数が増えていた。 (4つだった。目の前の3人と拡声器の娘) 自然に笑みが浮かんでくる。 『運が良い』こんなことを思ったのは何時が最後だったろうか? 獲物の様子がおかしい。 どうやら自分が現れたことに気付いていない様だ。 『運が良い』3人とはいえ、そんな間抜けの集まりなのだから。 思わず声に出して笑い出しそうになるのをグッとこらえ、代わりとばかりに剣を構えなおす。 「行くよ2人とも」 そしてアシュトンは一気に間合いを詰めに掛った。 ■ 「はやく、たす…逃げ……ごろざれちまう」 「あー、もう、だから何なのよ!」 助けを求めつつもこの場から逃げようとする男を、メルティーナは捕まえて思わず怒鳴る。 ...
  • もの言わぬ友よ(後編)
    第99話 もの言わぬ友よ(後編) ここで先頭を行くデイアスが外の異変に気付いた。 人影が一つ、周囲を探るようにうろついているのだ。 目を凝らしてその人影の正体を探る。 背後のプリシスもその誰かの正体を見極め2人はその人物の名前を口にした。 「「ガブリエルっ!?」」 前の二人が止まる事で後ろがつっかえる。 「どうした?」 アリューゼが身を屈める2人に尋ねた。一応前の2人に習って彼とアルベルも壁際に身を屈める。 「敵だ」 「間違いないのか?」 短く応えたディアスにアリューゼが更に問いかける。 「ああ、あいつには説得も無意味だし、この島の参加者を皆殺しにするつもりだ。  先程確かに倒したはずだが…」 「ならどうする? このままやり過ごすのか? それともぶっ倒して行くのか?」 アルベルの質問を聞きつつ、考えをまとめながらディアスはガブリエルを観察する。 先程奴の身...
  • ◆MJv.H0/MJQ
    ◆MJv.H0/MJQ 執筆作品一覧(15) 009 鳴子の音は何を誘う? 011 子供は見ちゃ駄目! 015 血まみれの…… 021 HURRY! 026 決して怖じ気づいた訳じゃねぇぜ 034 見えない不幸 048 逃げるが勝ち 059 幸運と不幸は紙一重?  068 ロキおにーさんのわくわくやがいじっけん 073 対戦乙女用最終兵器 078 続・美女と野獣と変態と 082 逃走しよう、そうしよう 085 会えるといいね 092 CROSS 093 目障りなら“殺せばいい” これ以外やり方を知らない 【氏が書かれたキャラ】 キャラ名 登場回数 アシュトン、レオン 3回 レナ、プリシス、ディアス、エルネスト、アルベル、ノートン、アリューゼ、クラース 2回 クロード、セリーヌ、ボーマン、ノエル、チサト、ミカエル、ガブリエル、フェイト、ソフィア、ロジャー、ビウィグ、レナス、レ...
  • 不協和音 (2)
    第97話 不協和音 (2) 顔には出さないが、ギョロはめまぐるしく変わる状況に僅かながら混乱していた。 アシュトンがウルルンが叩き起こされた際に見せた表情は、以前のアシュトンのそれだった。 別にアシュトンに人殺しをやめられたら困るからというわけではない。 見ず知らずの人間が死のうが生きようがどうでもいいし、人を殺そうが殺さまいがアシュトンの自由だ。 ギョロにとって問題なのは、アシュトンが自分自身を殺すこと。ただそれだけだ。 アシュトンの命が自分の命と直結しているからではない。 ギョロに取っては短いが、とても濃い時をアシュトンと過ごし、アシュトンの事が好きになったから。 口には出さないが、アシュトンとウルルンとの生活があればギョロは満足だった。 だから別に、アシュトンが殺戮に走った時も「意外だな」と思いつつも特に止めようとは思わなかった。 長々と落ち込まれる方が見ていて...
  • 不協和音 (3)
    第97話 不協和音 (3) まったく、俺はネーデ人に何か縁でもあるのだろうか? あと数時間で禁止エリアになる場所に留まる奴はいないだろうと判断し通り抜けようとしたD-04で、俺はノエルと再会した。 仲間に会うのはこれで二人目。これで目出度く二人しかいないネーデ人の知り合い両方に再会したことになる。 もっとも、ノエルの方はとうの昔に冷たい体になっているのだが。 (……念のため診ておくか) 時計で時間を確認する。大丈夫だ、禁止エリアになるまでにはまだ時間がある。 本格的な検死なんて勿論無理だが、ゆっくり死体を眺められるほど安全なエリアなどそうそうない。 殺害犯の獲物ぐらいしか得られる情報はなさそうだが、情報はあって困るものじゃないからな。 ――俺は弱い。この先生き残るためには、その事実を素直に受け入れるしかないだろう。 紋章術者のようにデカい一発も持ってなければ、...
  • 不協和音 (4)
    第97話 不協和音 (4) 迂闊だった。バーニィシューズという強力なカードを手に入れたせいで、楽観的になっていた。 少し考えれば分かることじゃないか。何故この事に思い至らなかったのか。 『秘仙丹を飲み爆死した友人を見て怒りに駆られたチェスターが、俺と出会った場所まで復讐を果たすためにやってくる』 ホテルに戻らなければ簡単に避けれたはずの些細なトラブル。 だが、遭遇してしまった“些細なトラブル”は“何としても崩さねばならない高い壁”へと切り替わる。 奴は情報を握っている。俺が殺し合いに乗ったという情報を。 その情報は、スタンスを偽り殺し合う気のない者の中に潜伏することを不可能にする最悪のカード。 これを使われると話が通じるかどうか怪しい殺し合う気の者のみとしか手を組めなくなる。 ただでさえ少ないカードをこれ以上減らされては堪らない。奴は始末する。今、ここで! (とは言っ...
  • 幸運と不幸は紙一重?
    **第59話 幸運と不幸は紙一重? (ごめんね……プリシス。訂正する、2つじゃなかった) 黒服の男を追い掛けて森を抜けると、驚くことに獲物の数が増えていた。 (4つだった。目の前の3人と拡声器の娘) 自然に笑みが浮かんでくる。 『運が良い』こんなことを思ったのは何時が最後だったろうか? 獲物の様子がおかしい。 どうやら自分が現れたことに気付いていない様だ。 『運が良い』3人とはいえ、そんな間抜けの集まりなのだから。 思わず声に出して笑い出しそうになるのをグッとこらえ、代わりとばかりに剣を構えなおす。 「行くよ2人とも」 そしてアシュトンは一気に間合いを詰めに掛った。 ■ 「はやく、たす…逃げ……ごろざれちまう」 「あー、もう、だから何なのよ!」 助けを求めつつもこの場から逃げようとする男を、メルティーナは捕まえて思わず怒鳴る。 このキモ男の様子から切羽詰ま...
  • 時空剣士、堕つ(後編)
    第131話 時空剣士、堕つ(後編) クレスは奥歯を噛み締めていた。 こうなったのは、完全に自分の落ち度だ。そう思えてならなかった。 男はさっきから自分よりもレナ、ミランダを優先して狙っていたではないか。 1対1の戦いには拘らず、倒せそうな相手から倒していく。 それがこの男の戦術だと分かっていたはずなのに、またもレナやマリアを危機に陥らせている。 自分がしっかりとあの男を止めていればこんな状況にはならなかったのに。 みんなを護ると決めた側からこの体たらく。一度は世界を救いもした時空剣士の名が聞いて呆れるというものだろう。 「頑張れレナッ! 頑張ってくれ!」 これで何度目だったか。 男がレナの作り出した防壁に向かって跳び、斬りつけ、防壁を蹴って距離を置く。 その度に防壁が歪み、レナの表情は段々と焦りの色に侵蝕されていく。 その度にクレスは歯痒さを切に感じな...
  • 生存者の現在状況一覧
    生存者の現在状況一覧 ※以下のものは本スレに投下されたものなため最新のものではありません。 ※本スレに最新データを投下され次第追加して下さると有り難いです。 第105話までのデータ 433 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/01/29(木) 05 28 02 ID PMXh0ayS0 どうなんだろうね。 SO2のソフト手元にないし漫画版では出て来すらしないしでよくわからないや。 設定まとめてあるサイトとかないのかなあ・・・ あと支援がてら各参加者が誰とロワ内で遭遇したか調べ上げたよ! 『誰かがいるのに気付いた』ら1カウントした。 相手の存在に気付かなかった場合(気絶中の遭遇含む)はノーカウント。参考に『?』付きで名前は挙げとくけど。 死体相手の遭遇と意思持ち支給品もノーカウント。これも()の中に参考として一応書い...
  • 君が望むなら僕は
    第55話 君が望むなら僕は 僕はプリシスのことが好きだ。 十賢者との最終決戦前、僕は思い切って彼女に告白した。 そのころの彼女がクロードを好きだったことは知っていた。報われない恋だと知っていた。 でも、僕は玉砕覚悟で告白した。 結果は…… 『ごめん……あたし…クロードのことが…』 答えはわかっていたけど、心に響く、本当に好きだから。それにプリシスもつらいと思う。 彼女も報われない恋だったから。クロードにはレナがいたから。 でも彼女は頬が赤く染め、微笑みながら言葉を続ける。 『二番目に好きな人がいるんだ。その人は影ながらあたしのことを心配していて、いつもあたしのことを想っていてくれる人』 『今はクロードが一番だけど、いつか心の整理がついたら。その人のことを一番好きだってあたしから言いたい』 僕は一瞬理解できなかった。 『えっ! それって?』 プリシスは瞳を落とし...
  • 決断の時
    第91話 決断の時 ガルヴァドスの腹の虫が盛大に鳴いたので、二人は少し早いが夕食にする事にした。 支給品の食料で済ませようかとも考えたのだが、現在位置は跡地と言っても元ホテルだ。 それなりのキッチンを備えているだろうと踏んだチサトは料理の腕を振るう事にした。 キッチンに着いたのはいいのだが、肝心の食材を蓄えているであろう冷蔵庫が見当たらない。 しばし捜し歩いた後に、食材備蓄庫なる場所を見つけたチサト達。 食材一種類の量は大した事ない上に、賞味期限が怪しい物も目立ったが、種類だけはたくさんある。 「何か、リクエストとかある?」 何を作ろうか迷ったチサトは、ガルヴァドスに尋ねた。 「何デモ、構わナイ。オ前が食べたい物デイイ」 「そうねぇ、じゃあ、ニンジンが少ないけどカレーにしましょう。キッチンはあっちだから材料運ぶの手伝って」 「心得タ」 ガルヴ...
  • もの言わぬ友よ(前編)
    第99話 もの言わぬ友よ(前編) 月光煌めく夜天の下、2人の男が対峙していた。 1人は蒼き孤高の剣士ディアス・フラック。 もう1人はある科学者が己の恨みを乗せて創り出した存在。天使の名を冠した狂信者ガブリエル。 かつて刃を交えた両雄は再びこの地で合間見える事となった。 引き抜いた剣を正眼に構えディアスはガブリエルを睨みつける。 相手の出方を伺いつつ戦略を組み立てていた。 自然と着目するところは相手の体のいたるところに見受けられる切り傷や焼け焦げた衣服。 (ここに来るまでに大規模な戦闘をしたようだな…。  こちらとて無理は出来るような状況ではないが付け入る隙はある) 特に接近戦を行う上での重要なファクターである武器を操る右腕の刺し傷と、 攻守共に必要になる機動力の要とも言える脚部の裂傷。 (速力でかく乱して、相手の右側を攻める。 あまり褒められた戦い方ではな...
  • 時空剣士、堕つ(前編)
    第131話 時空剣士、堕つ(前編) 彼女達を支えているのは、『希望』だ――――モニターの前でブレア・ランドベルドは考える。 おそらく現在プリシスは室内で首輪解除の為の作業を行っている。 レナがミランダの首輪をプリシスの下へと運び、そのプリシスが戦闘に出てこない事からもそれは容易に想像がつく。 首輪解除の方法。脱出を目指す彼女達にとって、その存在は希望そのものだ。 希望という大きな拠り所があるからこそ、彼女達は必死に戦っている。目的を持てるからこそ、己を保つ事が出来る。 ミランダの死を目の当たりにして挫折しかけていたレナが持ち直したのも、その希望に向かう意志があればこそ。 ブレアの居るF・D界の大多数の人間が失ってしまっている希望と意志の力とは、それ程までに強靭で、尊い。 しかし、もしもその希望が潰えてしまったら。 希望が大きければ大きい程、反動もまた大...
  • 負けられない理由
    第13話 負けられない理由 砂浜で二人の女が戦っていた。 灰色の長髪を靡かせ短剣を振るうのはクレア・ラーズバード。 相対する金髪ツインテールの少女リドリー・ティンバーレイクは赤く燃える剣を振り回す。 (この子…強いわ!) 次々に繰り出される斬撃を短剣で受け流しながら、クレアはそう感じる。 剣の扱い、身のこなし、どれを取っても一級品。とても普通の少女とは思えない。 加えて彼女の持つ剣からは振るうたびに火炎弾が発射されてくる。 一つ一つは大したダメージは受けないが、少しづつ確実にクレアの体力を奪っていく。 何とか隙を狙おうとするが、リドリーはそれを許してくれない。 このままではジリ貧だ。 戦いが続くうちに、クレアは防戦一方になっていく。 そしてついに、リドリーの放った斬撃がクレアの短剣を弾き飛ばした。 (しまった――!) リドリーは既に次の攻撃を行うべく剣を...
  • Your truth is my false(前編)
    第108話 Your truth is my false(前編) 「ククク…ご機嫌いかがかな、諸君?」 三回目の放送が始まる。 クレスは一言一句逃さぬようペンを走らせる。 死んでいった人たちの名前を呼ばれるたびに、線を引くのに抵抗がある。 多くの者が死んでいった。その中にはアーチェが、すずがいた。 今回の放送は今までになく死者が多い。 「クソッ」 無意識に苦言を漏らすと、クレスはすぐに気を取り戻す。 ここで弱音を吐いたらマリアさんを困らせることになる。 弱気になった自分を窘めると、隣でソファに腰掛けているマリアに目を向ける。 彼女も仲間を失ったのだ。その悲しみは深いに違いない、と心配になって視線を向ける。 そこにはペンを握り締めたままの彼女が映った。 何も言葉を発することなく、息を潜め虚空を見つめるマリア。 その姿は微弱に震えているよう...
  • スレ違わない?交差点
    第31話 スレ違わない?交差点 「どうすれば………いいのでしょうか………………」 少女の口から、重たく深い溜息とともに小さく呟きが漏れる。 今の状況と昨日の記憶とがどこまでも噛み合わない。 少女は何故こうなったのかを考えるため、再度自分の記憶を辿る。 昨日はいつもと同じ一日だったはずだ。 朝起きて教団に行った後、神に祈って修行をして、 日が暮れたら家に帰って遅くならないうちに寝た。 いつもと違うことなど何も無かった。 変わったことといえば 私に向かって蹴りつけてきたジャックさんに ゴドウィン様直伝の技の数々を見せて差し上げたのですが……… いえ、それが原因とはさすがに思えませんし。 少女はなおも記憶を探るが今の状況の原因となりそうなものは どうしても見つけられない。 「ゴドウィン様もおられませんし、  やはりここは……神に祈ってみるのが一...
  • 鎌石村大乱戦 開幕 ~守りたい者の為に~(後編)
    第110話 鎌石村大乱戦 開幕 ~守りたい者の為に~(後編) 「あいつら中々やりやがるな…」 ぱっと見ただの女の子と満身創痍の男にこれほどの苦戦を強いられるとは思っていなかったボーマンが呟いた。 その呟きに傍らにいるアシュトンが答える。 「チェスターは使い物になりませんしね…」 (まったくだ。これならあの時引き入れないで殺しておくんだったな…) 「どうしますか? あの大男かなりの怪力でしたよ。勝てない事もありませんが…」 「あの金髪は俺がやる。あっちの紋章術師の方はお前がやれ!」 まさか、強そうな方の相手をボーマンが引き受けてくれるとは思わなかったアシュトンは、 一瞬呆けた様な表情をするがすぐさまその申し出に頷いた。 (どう見てもあの大男は死に掛け…。『バーニィシューズ』を履いた俺の動きについて来れるわけがない。  格闘戦における速力の優位は俺にある。  それに炎...
  • とあるリーダーの戦場
    第129話(前編) とあるリーダーの戦場 「決めたわ。いい、クレス。私達は――――――――」 続く台詞を吐き出すその前に、ほんの一瞬だけ私は躊躇した。手に入れた情報を吟味した結果、これが最良の選択と言えるのか。 今の様な今後を左右する重大な決断を下した事は多々あった。それも自分の命だけではなく、自分を慕って付いてきてくれる多くの仲間の命運をも左右する大きな決断を。 その都度クリフが言うのだ。「まぁ、なるようになるんじゃねえか?」と、 そんな無責任な…等と思っていると決まってミラージュが「あまり楽観視するのは良くありませんが、マリアが決めた事なら私達みんな後悔なんてしませんよ」と私に微笑んで後押しをしてくれた。 それに続いてリーベルやマリエッタ、他のクルー達が口を揃えて「全力を尽くしますよ。リーダーが望んだ結果を手に入れる為にね」と言ってくれた。 今の自分の傍にはそんな...
  • 盤上の出来事
    第119話 盤上の出来事 「那々美……か」 菅原神社の本堂入り口で、洵は同じ倭国出身のエインフェリアの事を思い出した。 倭国最大の国『海藍(ファイラン)』にある、昂后神社の巫女職の継承者だった少女。 初対面の時には大人しく真面目で控えめな少女という印象だったが、それは彼女の一面に過ぎない。 夢瑠と2人で行動する時には、一緒になってカシェル辺りに悪戯を仕掛けて楽しんだり、 仲間内の恋愛話に興味を持ったりからかったりという、どこにでもいる少女のような面も有った。 いや、エインフェリアとしての資質以外を見れば、実際どこにでもいるような少女だったのだろう。 この遊戯の開戦の狼煙代わりにされたのはそんな少女だった。 あの時は流石に洵も怒りを覚えたが、殺し合いに乗ると決めてからは、その事を敢えて思い出そうとはしなかった。 決意が鈍るとか非情になりきれないとか、そういっ...
  • 頼れる相棒,守るべき妻子,愛しき女神の元へ (中編)
    第113話 頼れる相棒,守るべき妻子,愛しき女神の元へ (中編) 先程、バーニィシューズが壊れている事に気付いたボーマンは愕然とした。 (なっ!?壊れて…これじゃ…役場に…いや…アシュトンはまだかよ!?) そして軽くパニックを起こす。クリフが何かしゃべっているが言葉が頭に入ってこない。 (アシュトン?…来るわけねぇ。役場…じゃねぇ、こいつが先だ) クリフの顔付きが変わり、近づいてきた。 先程は不安感からだったが、今度は焦燥感から再び後退りする。 (だがどうする?バーニィシューズが…) パニックは治まってきたものの、バーニィシューズが壊れたショック、そして、影響は大きい。 今までクリフと互角に立ち回れていたのはバーニィシューズが有った為だと言っても過言ではないのだ。 戦うにしろ、逃げるにしろ、バーニィシューズが無ければ不利は明白。 ではどうすればい...
  • かくれんぼ
    第49話 かくれんぼ 道路から外れた所にある木の幹に体を隠し、洵は僅かに顔を出して今しがた歩いてきた道の先を窺う。 その視線の先には二人の男女が見える。 一人は青い色をもつ長髪の女、もう一人は男で髪はそれ程長く無いが輝くような金色をしている。 洵が平瀬村へ向かうべく歩いてきたところ彼らが道路の遥か前方にある茂みから出てきたのだ。 それに気がつき慌てて木の陰へと身を隠したのだが、 幸いなことに洵の存在が相手に気づかれることはなかったようだ。 おそらくは手を組んだのだろう彼らは洵に背を向けたまま歩き始めた。 見失っていないかどうか確かめるために、もう一度木陰から顔を覗かせる。 意外なことに、どうやら女の方が主導権を握っているようだ、 早足に歩いていく女に、男が半歩ほど遅れてついていっているように見える。 「可能性があるとすれば………ロウファぐらいか」 前方をあるいてゆ...
  • SSタイトル元ネタ
    SSタイトル元ネタ 書き手さんに確認を取ったわけではないので、間違っている可能性もあります。 気付いた人は気軽にドンドン追加していこう! 話数 タイトル 元ネタ 001 砂漠に落ちた涙 ルーシー・モンローの小説『砂漠に落ちた涙』 002 咎人の剣 登場人物に支給された『咎人の剣“神を斬獲せし者”@VP』 006 少女と猛者 ディズニーアニメ『美女と野獣』 010 豚に真珠もといジャックに文明機器 諺『豚に真珠』なお、意味は「価値の分かんねー奴にこんないいもの与えても意味ねーおwwwww」である。酷い。 012 孔子の倒れ 諺『孔子の倒れ』孔子のような偉い人でも、失敗することはあるというたとえである。ちなみに読みは“クジ”であって“コウシ”ではない。この記事を書いた人間は読み間違えたド低能仲間を絶賛募集中である。 018 私の名はクラース、お前は狙われている! テレビアニメ...
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