| 教授 | こちらは、スフィア放送大学です。 |
| さて今月の『近代史への招待』は、 | |
| 『政治と経済の交差点』 | |
| と題してお送りしています。 | |
| 第三回のテーマは、 | |
| ゼネラルリソースの誕生と | |
| その台頭にスポットを当て、 | |
| 国家レベルでの政治と司法が | |
| 権力構造の頂点だった時代が | |
| いかにして終焉を迎え、 | |
| 現在のような多国籍企業による | |
| 企業権力の時代に突入したのかを | |
| 探っていく事にしましょう。 | |
| しかし、ここで忘れてはならないのは、 | |
| 歴史を古代にまで遡ってみると、 | |
| 常に直接的な形ではないにしろ、 | |
| 経済による何らかの権力構造は | |
| あったという事です。 | |
| 宗教、司法、政治の影に隠れてはいても、 | |
| 我々人間が『貨幣』という流通方式を | |
| 使用した時点で、 | |
| 時代の権力は経済状態の優劣に | |
| 左右されていたと言えるでしょう。 | |
| 特に顕著なのは、 | |
| 共産主義の衰退と資本主義の時代──。 | |
| それは、まさに理想的な思想が、 | |
| 経済によって駆逐された | |
| 歴史的な瞬間ではないでしょうか。 | |
| しかも今、時代はその経済でさえ脅かす | |
| 科学技術の登場によって、 | |
| また新たな火種を世界に広げているのです。 |
| ディジョン | 今、水面下では、両社の間で |
| 現場を無視した権力抗争が続いているようだ | |
| 誰の目から見ても現状での停戦など、 | |
| 愚か者のあがきにすぎない。 | |
| そんな事にも気付かない | |
| デスク・ワーク組らしい努力じゃないか。 | |
| しかし、そうのような行為は、 | |
| 時代が変革を求めている今、 | |
| 我々にとって前時代的な足かせにすぎん。 | |
| ──そう思わないか? | |
| 我が部署は、独自のルートでそんな奴らの | |
| 息の根をとめる情報を手に入れた。 | |
| 少し強引な痛みを伴う作業となるだろうが、 | |
| 誰かがやらねばならない。 | |
| それが、翼を持つ者の責任だ。 | |
| 我々の使命を果たす為に行こう。 | |
| 後の命令に従い、飛び立ってほしい。 |
| キース | もう格納庫はチェックしたか? |
| 俺達の部署に新しい2タイプの戦闘機が | |
| 届いているそうだ。 | |
| まぁ……これまでの戦闘機でも十分だったが | |
| これからの戦いに備えて、 | |
| 新装備の機体を試しておくべきだな。 | |
| いやいや……技術部の連中も、 | |
| 本腰いれてきたようだな。 | |
| 奴等のデータ採集でも手伝ってやるとするか |
| ニューコム空域に向かって |
| 隠密飛行中の機体の動きを捉えた。 |
| ニューコム側にとって |
| 重要な情報を握る人物が搭乗しており、 |
| その接触は是非とも阻止しておかなければならない。 |
| なお、少数ではあるが護衛機の存在を確認しており、 |
| 交戦も予想される。 |
| 速やかに行動し、任務を遂行もらいたい。 |
| ERICH | ゼネラルリソース機に告ぐ! |
| これ以上接近すれば攻撃する。 | |
| 退去せよ! | |
| DISION | やはり墜とすしかないな。 |
| 敵の護衛は少数だ。 | |
| 手短に決める。 | |
| KEITH | 寝首を掻くようで乗らないがな。 |
| DISION | その甘さが、破滅を招く。 |
| ENGAGE |
| KEITH | 逃がすかよ! |
| DISION | 気の迷いが失敗に繋がるんだ。 |
| DISION | 大丈夫なのか。 |
| KEITH | 俺は気分じゃない。 |
| ……撃てないな。 | |
| DISION | では、キミが撃て。 |
| 偽りの平和を願う者たち……。 | |
| 目覚めるがいい! |
| (墜落する専用機) |
| COMMANDER | 作戦任務終了だ。空中給油を許可する。 |
| GRDF | 給油ブーム接続位置まで |
| 前進してください。 |
| REFUEL |
| 作戦は成功した。 |
| ニューコムは有益な人材を失って混乱している模様だ。 |
| ディジョン | ──気分はどうだ。 |
| 鈍重な大型機の撃墜は、 | |
| 確かに後味は悪いだろう。 | |
| しかし、我々は必要な時に血を見るのを | |
| ためらってはいけない。 | |
| この刺激は、必ず世界中の | |
| 惰眠を貪る連中にも | |
| 現実の叫びとして届くだろう。 | |
| まだまだ我々の叫びは続く。 | |
| この世界を変えるまでだ! | |
| キミには、私を信じてほしい。 | |
| ──それだけだ。 |
| キース | おい……気がついているか? |
| 最近の命令内容、どうやらディジョンが | |
| 関わってるらしいって話なんだ……。 | |
| なんか、雲行きが怪しいと思わないか? | |
| 俺も少し、奴の近辺を調べてみるが、 | |
| オマエも気がついた事があったら | |
| 俺に教えてくれ。 | |
| ──頼んだ。 | |
| それじゃあ……またな。 |
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