GFとの意思疎通

Q15.山本GF長官は敵空母撃滅優先を指示していたはずだが、南雲長官に伝わってなかったのか。
   (その1)
A15.南雲長官は、GFの作戦方針を正しく理解していたと思われる。
    現に、0520時の敵空母発見の報告を受けて、0530時には敵艦隊に対する第二波準備を下令し、
    0555時には「敵機動部隊ヲ捕捉撃滅セントス」と敵空母撃滅を優先することを明示している。

(参考)
(1)珊瑚海海戦1日目には、索敵機が油槽船を空母と誤認し、攻撃隊が空振りに終わり、その後の作戦に
   大きな支障をきたした。
(2)珊瑚海海戦では、敵空母2隻を撃沈破したにも関わらず、MO作戦は失敗に終わった。
  「敵空母を全滅させても、味方攻略部隊が上陸できなければ、作戦は失敗である」
(3)0530の発令とは、
   「発:機動部隊指揮官」「宛:機動部隊」「本文:艦爆隊二次攻撃準備 二五○粁爆弾揚弾」
   収容した友永隊(第一次攻撃隊)の艦爆隊(一航戦)に対艦装備を施し、第二次攻撃隊発進後、
   すぐさま第二波として敵空母に向かわせることを企図したもの。
 

 

Q16.山本GF長官は敵空母撃滅優先を指示していたはずだが、南雲長官に伝わってなかったのか。(その2)
A16.雷装待機中の第二次攻撃隊は「最強編成」である(板谷制空隊・江草艦爆隊・村田雷撃隊)
    新任の友永大尉に基地制圧を任せ、真珠湾以来の熟練指揮官を敵空母撃滅用に残していたというところから、
    南雲長官が米空母撃滅の方を重視していたことがうかがえる。

(註)板谷茂少佐(赤城)真珠湾攻撃では第一次攻撃隊制空隊長。
   江草隆繁少佐(蒼龍)真珠湾攻撃では第二次攻撃隊艦爆隊長。「艦爆の神様」インド洋作戦で8割超の命中率。
   村田重治少佐(赤城)真珠湾攻撃では第一次攻撃隊雷撃隊長。「雷撃の神様」

「まことにこの三人の指揮官は、この舞台ではベストワンのトリオである。そして彼らに続く
搭乗員は、すべて一騎当千の精鋭で、かけ値なしに当時日本海軍のベストワンの編成である。
もしこれでスポーツのように国際競技が行われるものとしたら、金メダルは確実である。
南雲中将は、米空母群は近くに居ないと一応は判断しているが、それでも万一に備えて、このように
敵空母群攻撃の最良編成で待機させたのである」      (『ミッドウェー』淵田・奥宮/共著)

「(第二次攻撃隊の)パイロットたちはぶらぶら歩きながらくつろぎ、待機していた。こんなに数多くの
優秀なパイロットをこのように待機させておくのは、なんだか無駄遣いのように見えた。
しかし、南雲は艦隊の安全を希望していた。
誰でも動かない島を攻撃できるが、動きまわる艦船を攻撃するには伎倆が必要である。だが、見込み
がなくても米艦隊の出現の恐れがある限り、南雲は使用できる優秀な搭乗員を待機させておきたかったのだ」
                        (『逆転』WalterLord/著・実松譲/訳)p90
 

[補足]第二次攻撃隊雷装待機について

(1)雷装待機は事前にGFより厳命されていた。
「ミッドウェー攻撃ノ間、母艦搭載機ノ半数ハ、敵艦隊ノ出現ニ備ヘテ艦上待機ヲ行フ
 対敵艦隊攻撃待機ハ、第一編制(指揮官 赤城飛行隊長)トスル」(『戦史叢書』MI作戦要領)p164

(2)雷装待機に対する反論(『ミッドウェーの奇跡』より)
「山本長官が兵力の半数を、敵の空母部隊に備えるよう望んでおられることは、南雲長官もその幕僚も
よく承知していた。事実、情況の許す限りそうしていた。
が、敵のミッドウェー基地の航空兵力が我々に対して攻撃を開始し、敵の空母部隊がまだ発見されない
情況では、居るのか居ないのか分からない敵に対して、その兵力の半数を無期限に放置しておくのは、
前線の指揮官としてほとんど耐えられないことであった」       (草鹿龍之介少将・一航艦参謀長)

「そのような考えにこだわると、適当な敵が発見されない限り、攻撃兵力の半数が有効に使われないこと
になる。情況によって決定はなされなければならない」         (源田実中佐・一航艦航空甲参謀)
(『ミッドウェーの奇跡』ゴードン・プランゲ)下巻p10

 

 

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