トワイライトシンドローム 究明編
【とわいらいとしんどろーむ きゅうめいへん】
ジャンル |
アドベンチャー |
機種 |
プレイステーション |
発売元 |
ヒューマン |
発売日 |
1996/07/19 |
メディア |
CD-ROM1枚 |
プレイ状況 |
全エンディング制覇(prank除く) |
総合評価 |
A
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思春期系オカルトミステリーツアー
彼女たちは噂の真偽を確かめるべく、懐中電灯やMDウォークマン、カメラを手に闇の中を探索する。
これは向こう見ずにも、怪異の向こう側を覗き見ようとした彼女達の物語。
あらすじ
- 「雛城の杜」
- ミカの机上通信の相手の名は、昭和38年の卒業生名簿に記されていた。
- 「夕闇の少年」
- 「テレホンコール」
- 「あのね…あのね…」午前零時にかかってくる電話は死の電話。もし取ったなら、最後まで切ってはいけません。
- 「錆びた穽」
- しばらく工事が行われていなかった工事現場…そこでユカリたちは怪しい地下壕を見つける。
- 「オカルト・ミステリー・ツアー」
- 静まり返った夜の学校。ユカリたちはそこで混沌の世界を見ることに…。
- 「裏側の街」
- ついに不安定なユカリの心は限界を迎える。そんな中神隠しにあった近所の女の子を捜しに行くが…。
操作
基本は良くも悪くも前作から変更なし。基本走れないのも変更なし。
恐怖の度数を表す「フライトメーター」の形状が変更。が、形が変わっただけで、何かシステム面で変更があったわけでない。
前回まで録音・撮影は選択肢に出たら選ぶだけだったが、今作は手動に。探検中にポイントが何箇所かあるので、どこで録音・撮影できるか自分で判断し、操作する必要がある。本当に自分がやっているような感覚で楽しい。
しかし録音・撮影の際にボタンを押すタイミングはかなりシビア(2~3秒程度?)。チャンスは一瞬ということか。ボタンを連打しまくってても特にペナルティがないのはいいところ。
怪音・写真の数自体が増加し、集める楽しみが増えた。
前作は滅多に起こり得なかったショック死だが、今作はそれはもう気持ち良いほどに連発するシナリオがある。ショック死は戦利品がパァになる。それが頻発…。現実は非常です。
クリアにはかかわらない些細なものだが、幾つか裏技が追加されている(フォントの傾け、特定マップで走る、フライトメーターの位置変更など)。
シナリオ
シナリオの出来に波がある。究明編は基本どのシナリオも心にじんわりと来る名シナリオだが、探求編は評価の分かれるシナリオがある。
「夕闇の少年」がそれ。90年代ということで「外せないネタ」ではあろうが、好き嫌いが分かれそうな内容(自分はどちらかというと否)。なぜかこのシナリオだけ難易度が異常に高いのもマイナス評価。
また、隠しシナリオ「Prank」は前作のデータも含めて全て大吉でクリアしなければ出現しない高難易度の条件のくせに、
感動の余韻を見事ぶち壊しの内容。なのはいただけない。あの
ムーンライトシンドロームの予告的な話だけあってやらかしてくれる。プレイの必要は特に無し。
キャラクター
精神的な葛藤、成長がうまく描かれている。
プレイしていると、つい自分の高校時代に思いを馳せてしまう。彼女たち3人はどこにでもいそうな女子高生である。子供でもなく、さりとて大人にはなり切れない。彼女たちは些細なことに悩み、傷つき、喜ぶ。彼女らはかつての自分であり、友人であり、同級生であるのだ。そんな彼女たちが一つの壁を乗り越えていく様子を描ききる事に成功していることは、まさに奇跡。
総評
基本的に、評価点も問題点も前作に同じ。
内容だけならS評価なのだが、いかんせんシステム面が厳しすぎる。クリアまで平均1~2時間は必要なのにクリアまでセーブ不可とは…。PSPに移植されてくれれば、いつでも電源が切れるので問題がなくなるのだが。
異界はすぐ隣にあって、その壁はとても薄いのではないだろうか。そんな風に考えさせられてしまう、まさに夕闇のような雰囲気を持つ作品である。
背景は2Dで不鮮明、時事ネタが詰め込まれているわけでもない。それなのに懐かしさがこみあげてくるのだ。
単なる「ホラーゲーム」ではなく、思春期の心の揺れを描いたところが、今もって評価されている理由ではないだろうか。
個人的に好きな話は「音楽室のM・F」「テレホンコール」。一番怖かったのは「オカルト・ミステリー・ツアー」。
メディア展開
「探索」「究明」で前後編だが、後に2枚セットとなっているSP版も発売された。
探索編についていた応募券と500円分の切手を送ると、応募者全員にプレゼントされた「トワイライトシンドローム~The Memorize~」というプレミアムディスクが存在する。
内容としては、大人となったチサトが雛城高校を訪れ回想する「エピローグ」、撮影風景やムービー集、ミュージッククリップ(「RAINY」収録)、TVCM、井上喜久子インタビューなど。
その他井上喜久子主演のドラマCDも別に販売されている。
最終更新:2012年03月28日 02:48