四八(仮)

【しじゅうはち】
ジャンル 47都道府県ミステリー
機種 プレイステーション2
発売元 バンプレスト
発売日 2007/11/22
メディア DVD-ROM1枚
プレイ状況 一周クリア?
総合評価 Fを超越

概要・システム・あらすじ

今更ここで説明する必要がないほどの伝説的クソゲー。以上。

プレイ感想という名の被害報告

SFCソフト「学校であった怖い話」のファンであった自分は、このゲームの存在を知った時とても期待した。期待して期待して予約までしてしまった。
そう、フルプライスで発売日に手に入れたのである。これほど楽しみにしていたファンは日本で何人いただろうか。おそらくあまりいなかっただろう、と思われる。
つまり何が言いたいかというと、期待した分裏切られた時の絶望は大きく憎しみも深いと、いうことである。

プレイ感想という名の被害報告
※以下、ネタバレ全開

まず最初に選んだ

●神奈川県「奇声」
東京は首都だし、最後の方にとっておこう。そう考え、すぐ隣りの首都圏神奈川を選択。どんな話だろうとわくわくしながら選択。


「あー」「おー」「えー」


 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『俺は確かに神奈川県の怪談を選択したと思ったら、いつの間にか聞きとりクイズをやらされていた』。
な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。
頭がどうにかなりそうだった…都道府県無関係だとか時間の無駄だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。

この時点で嫌な予感がした。いや、既に遅かった。もっと前に気がつくべきだったのだ。しかしファミ通でもそこそこの点で、やばそうな前評判がなかった本作を回避するなど無理ゲー過ぎである。
買ってしまったものは仕方がない。四七都道府県もあるのだから、ハズレの一本や二本あるだろう。このミニゲームもゲームに必要なポイントを稼ぐには効率がいいし、箸休めとしては脱力感がなかなかだ。
そう気を取り直し、静岡県を選択した。神奈川のすぐ近くだが、自然にあふれた静岡県ならば、きっと伝承風の怖い話が出てくるに違いない。
そう思って期待して選択したのがコレ。


●静岡県 「奇石博物館」
( Д ) ゚ ゚
奇石ってなんだ。奇跡じゃなくて奇石か。ああ、これもまた箸休めの話なんだなーくじ運が悪いんだからしかたないなー観光案内だと思って読んでみるかー。と諦めてプレイ。静岡県の中でよりにもよってなんで奇石なのかさっぱりわからんが、まあ鉱物は大好きだから…。
しかし。
なんなんだろう、これは。観光地紹介というか博物館紹介にもなっていない。
ほら大きくて珍しい石でしょ?って言われても、テレビ石くらい知ってるし、石としてはそれほどに珍しいものではない。というか小さいのは大抵の化学系博物館のミュージアムショップで売ってる。
箸休めにしたって面白くない。
嫌な予感がしてきたが、生来のくじ運のなさを信じ(?)他の話に希望を託した。
そして選んだのがコレ。


●埼玉 「棚婆」
なぜこれを選んだのかは忘れたが、学怖の岩下さんが出てきたので安心したような記憶がある。しかしなんだこれは。やっと怖い話っぽくなってきたぞ!と気分が盛り上がったところでぶつ切り終了☆
何が起こったかは、読者の想像力にお任せしますオチ。丸投げで怪談にすらなっていない。プロローグで終わってるようなもの。


●長野県「信州信濃の名物は」
…元々嫌いだったとろろが、絶対に食べられないものの一つとなりましたとさ。何これ?これが目玉のゲストシナリオの一つだって?ふざけるな。


もう我慢の限界だった。単純に面白くない。
というよりも、出来が云々というよりも、それ以前の問題なのだ。
怖い話を期待して買ったはずなのに、なぜか一話も怖い話が読めていない現状。
時間もお金もドブに捨てたようなものだ、ということに気がついてしまった。


さらに「あなたシナリオ」についても言及しておこう。
これは早い話、四八(仮)が自分ちに送られてきて、モニターとしてプレイするという展開。
「あなたシナリオ」は都道府県を数話進めるごとに挟まれる。が、話の進みが遅くていらいらする。さっさと都道府県の話を読みたいので邪魔でしかない。
設定的にはこっちがメインだって言うなら、一話一話のボリュームもっとよこせ。内容も激薄で怖いんだか怖くないんだか。
しかも「ゲーム内容が現実にも侵食してきて」…なシナリオからは、自分の苦手なサイコホラー系のにおいがしてきてこの時点でやる気ゼロに。

あーほんとにやばいよねーいろんな意味でーという気分になってきてしまい、「あなたシナリオ」で「このゲームやべー」という何回目かの流れになった時に表示された、『本当にゲームを終了しますか?』という選択肢でつい『はい』をぽちっと押してしまった。
そしたら本当にゲームが終了した。
何を言ってるかわからねーと思うが(略)
あっというまにスタート画面送り。
直前にセーブしてたからよかったが、セーブしてなかったらここまでのプレイデータがパアになるところだった。どんな罠だ。演出としてもどうなんだこれは。
そもそもこれはゲームなのか?ゲーム未満だ。やってて楽しいか?いんや時間の無駄だ。と、やっと諦めることができ、自分はゲームを本当に終了してしまった。


その後、友人から「どうだった?どこまで進んだ?」と聞かれた時は、割と面白かった青森県の話を挙げて「おもしろかったよシナリオによっては・・・えっどこまで進んだかって?忙しくてハハハ」と答えるしか無かった。
発売前にその友人に「新作出るんだって!買おうよ、自分は予約したよ」と言っていた身としては「えっゴミだったよ」なんて言えるはずもなかった。むなしい。

そしてある時、思い出したように四八(仮)の評判をネットを見てみると、祭りになっていた。
とんでもないクソゲーとして大騒ぎである。クソゲーなのはプレイしたからわかっていたが、意外にも被害者が多かったようであるのと、その混乱ぶりが予想以上で少しだけ笑えた。このゲームを買って初めて楽しいと思った瞬間だった。
そしてネットでなによりびっくりしたのはなんとこのゲームはとんでもないバグゲーであったらしい。という事実。
自分は幸運にも白枠バグは起きておらず、またメモリーカードにも異常は確認されなかった。
もしかしてバグが出るほど長時間プレイせずさっさと見捨てからかも知れないが、とにかく幸運だった。
その後、ソフトをバグ無しと交換してもらえると聞き、問い合わせをし、交換してもらった。が…まあ、各所で言われている通りの対応をされた。
とりあえずメモリーカードは当然送らなかったし、抜き差しもしてないとだけ言っとこう。

総評

結論。これはクソゲーどころか鳥よけ円盤である。
クソゲーとすら呼びたくない。
普通クソゲーと言ってもいいところや愛される所の一つや二つはあるものだ。たとえそれがクソゆえのネタ的意味でであろうがなんだろうが。(例:デスクリとか大奥記とか)しかしこれはまったくそれがない。ただ不愉快になるだけである。
そして怖い話じゃない。
百物語やってて眠くなった奴の話す「何寝ぼけてんの?馬鹿なの?死ぬの?」っていう『怖い話』よりひどいレベル。というか怪談ですら無い。それが7~8割収録されている。あまりに多すぎて、こんなもん有料で聞かされちゃたまらん。
そういえば稲川淳二のムービーもアレだった。語ってる話は怖いのかも知れないけど飛ばせないし、早送りできないし、字幕は出ないしで苦痛すぎで笑えた。
さらにゲームじゃない。
最初にプレイヤーデータを家族構成とか職業とか詳細に入力しまくるのに関係ない。
その他、契力とかいうポイントシステムや、登場人物が死んでるとシナリオによってはプレイできない縛りとか、四七都道府県を読むことで開放とかシステムだけはいろいろあるのにどれもこれもゲームが面白くなるわけじゃなく、めんどくさいだけ。隠しとかぜんぜんない。
そもそもなぜか「四七都道府県を開放できない(コンプリ不可)」ステキ仕様。なぜか東京だけ開放不可なのである。
四八(仮)の流れが 都道府県シナリオを数話読む→あなたシナリオ のエンドレス。んで、あなたシナリオが終わると強制的にクリア。
何がしたいんだコレ。
未完成って設定にしてもひどい。あなたシナリオは中途半端でつまらん上に唐突に終わる。

さて、この10年に一度とか、PS2最高のクソゲーとか、色々と悪名高い鳥よけの円盤である本作だが、もしちょっとやってみようかな~と思った酔狂な人がもしいるのなら大事なメモリーカードのためにも、バグのない修正版の購入をオススメする。
基本中古で100円で売られているが、メモリーカードを破損させてまで遊ぶ価値は全くないので、どれくらい市場に出回っているか知らないが、修正版を探してもらいたい。品番が違うのでそこで判断。
まあ基準からするとややお高めのこのゲームを購入して、かつゲームの内容がないよう状態に心が折れず、発売元の対応にも負けず、やっと手に入れた修正版を売り払った奇特な人間が何人いたのかは知らないけどね。
ちなみに自分の修正版は、郵送されて来た梱包状態のまま。
多分二度とやらないだろう。
最終更新:2012年02月26日 20:38