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Q.観鈴はなぜ死にかけていた? A.神奈の転生体である観鈴は、柳也の子孫である往人に見捨てられたことで、柳也との死別に苦しむ神奈の悲哀を強く共有してしまったから。器が壊れかけていたからではない。 夢の中でSUMMERでの出来事を自分自身のこととして体験していた観鈴は、夢を見ていく中で自分と神奈を、往人と柳也を同一視するようになる。社に閉じこめられていた神奈に、足が動かず家に閉じこめられたも同然の自分をなぞらえ、往人に家から連れ出してくれるように頼む。 SEEN301.TXT 【観鈴】「あのね、今朝の夢…」 【観鈴】「わたし、ひとりぼっちで、閉じ込められてた」 【観鈴】「淋しかった」 【観鈴】「誰かが連れ出してくれるのを、ずっと待ってた…」 俺を真っ直ぐに見ていた。 【観鈴】「わたし…」 【観鈴】「わたしね…」 【観鈴】「一緒にいきたい」 【観鈴】「往人さんと一緒にいきたい」 【観鈴】「ついていったら、ダメかな」 【往人】「………」 神奈の感情をそのまま、観鈴が共有しているのがわかる。だがこの願いは往人によって拒絶され、観鈴は絶望する。 観鈴は柳也との死別する神奈の悪夢そのままに、別離による激しい孤独と悲哀の感情を完全に共有してしまう中で体力を消耗してしまったのだろう。 SEEN291.TXT 【観鈴】「どうして…みんな…」 【観鈴】「わたしだけ…残して…」 喉から振り絞るような声。 感情を抑えることができないのだ。 【観鈴】「はぅっ…」 息を吸う間もないほどに、観鈴は泣きじゃくる。 こんなことが続いたら、無事でいられるはずがない。
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